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2017.10.13

SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第3回のゲストはSHIPSのメンズ クリエイティブ アドバイザー、鈴木晴生さん!

SMART USENの新番組「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」は、ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長の久保雅裕が、ファッション業界のキーパーソンをゲストに迎えてお届けする“トークサロン”。第3回のゲストはSHIPSのメンズ クリエイティブ アドバイザーにして『男の着こなし最強メソッド 服は口ほどにものを言う』などの著書でも知られる鈴木晴生さん。収録を終えてのアフタートークをお届けします。

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SMART USEN「ジュルナルクボッチ」第3回のゲストはSHIPSの鈴木晴生さん!



——鈴木さんは映画や音楽の分野にも通じていらっしゃって、大変興味深いお話が聴けました。

鈴木晴生「映画、音楽とも、若い頃からずっと身近にあったもので、どちらも大好きですが、映画の場合は直接的にファッションにリンクしていますからね。映画音楽だと、マントヴァーニとかマンシーニあたりのビッグバンドの時代もいいですね」

——青春時代のフェイバリッドミュージックは?

鈴木「ジャンルはさまざまですが、僕らが15、16歳くらいのころは、日比谷公会堂なんかでシャンソン、カンツォーネ、カントリー&ウェスタン……いろんなダンスミュージックの催し物があってね。若者たちがとびっきり洒落た格好で出掛けてゆくわけですよ。そこでお年頃の男女が出会ったりして。そういうムーブメントはなかなかいいものでしたよ。ジャズならチェット・ベイカー、ビル・エヴァンスも好きでしたね。ジャズは今でもよく聴きますが、イーサン・ホークがチェットを演じた映画『ブルーに生まれついて』、『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』のドン・チードルもよかったね」

——今日、鈴木さんのお話を聴いていたら、片岡義男さんの小説やエッセイの世界観に通じるものがあるなと思いました。

鈴木「そうですね、1970年代初頭に片岡さんが編集者として『宝島』に携わっていて、それから間もなく小説家としてデビューしたと思いますが、片岡さんが小説やエッセイに書いているものと、僕らファッション業界の人間がいいなと思ってピックアップしているものが上手い具合に重なり合っていましたからね」

久保雅裕「中学生の頃に読んでいましたよ。アメリカの生活や文化に造詣の深い方だから、エッセイも面白くって。僕は片岡さんの小説でトークンていう仕組みを知ったんですよ。アメリカの地下鉄はそれで乗れるんだって」

鈴木「映画なんかの映像は視覚的に訴えかけてくるわけですが、そういう文章から受けるイマジネーションの方が広がりが出ますよね。サリンジャーが“タッタソールのベストを着てる”って文章を書くと、すごく印象に残るわけですよ。登場人物の造形もぐっと深みが出るしね」

——メンタリティを磨いて想いを伝える方法を見つけなくちゃいけないという鈴木さんの言葉もとても印象的でした。

鈴木「やはり人と直接向き合ってコミュニケーションを図るって難しいことだし、だからこそ大切なことだと思います。話している相手と自分の共通の趣味性であるとか、題材を探さなくちゃいけない。そういうことってなかなか偶然には生まれてこないから、相手がどんな世代に属するのか?何に興味を持っているのか?ということをあらかじめ準備しておくんですよ。これはファッションを語り合うということに限らずですが、そうすることでコミュニケーションが活性化してゆくんだっていうことを伝えたいですね」

——以前拝見したんですが、今は欲しいものが簡単に手に入れられるけれど、昔はがまんして、お金を貯めてようやく欲しいものを買うことができた。そういう買い物の距離感がよかったんだという鈴木さんのインタビューを読んで感銘を受けました。

鈴木「そういうプアーな部分が支えているというか、満たされなかったからこそ、そこに向かって進もうとするエネルギーが生まれるし、愛着も生まれてるんですよ。なけなしの金をはたいて手に入れたオールデンを履くたびにじっと眺めたりしてね。今は服も靴もすごく品質がよくなって、完成度も高いし、それが手頃な価格で手に入れられるようになりましたけど、それに愛を注ぐのは難しいかもしれませんね」

——ファストファッションに代表されるように、ある意味、ファッションも消費されるものになってきたのかなと思いますが、久保さんはどう思いますか?

久保「そうですね、難しい時代だなって感じていますね。ファストファッションに限らず、ファッションって最大の無駄じゃないですか。無駄なものなんだけど、そこに文化があるんだとも思いますね。第1回のゲストでお越しいただいたビームスの設楽さんも同じニュアンスのことを語っていましたよね。ファッションって、語るべき背景があるべきだし、だからこそものを愛でる気持ちが生まれるんです。鈴木さんのおっしゃっていた愛着ってそういうことだと思うし、それがサスティナビリティにつながってゆく。それは今まさにファッション業界が問われていることでもわけです」

——もっと日常に根差したファッションの在り方、今の時代感にあったファッションの嗜み方を見つけなくてはいけないかもしれませんね。

鈴木「番組では、高度成長期以降のアイビールックだとか、VAN JACKET、テイジンメンズショップの時代に見ていた明るい未来を語り合いましたけど、今は日本も高齢化社会になりましたから。僕もこの年齢になって、古くからのお客様も年をとって、そういう方がたは仕事もリタイアして、若い頃のようにファッションに時間とかお金をかけなくなってしまった。でも、そういう世代にもう一度、情熱とか意欲を取り戻して欲しいですね。答えはまだ見つかっていないんですが、ファッションはその手助けになると思うんです。もしかたしたら石津謙介さん世代の先輩たちも同じことを考えていたんじゃないかな」

(おわり)

取材・文/encore編集部
写真/柴田ひろあき(撮影協力/SHIPS 渋谷店)



■鈴木晴生(すずき はるお)
1966年、ヴァンヂャケット入社。1970年、テイジン メンズショップ(現テイジンアソシアリテイル)入社、エーボンハウスブランドに携わる。のちに独立し、メッサーフリッツブランドを立ち上げる。1996年、シップス入社。ワインレーベル フォー シップスなどを手掛け、現在は同社顧問、メンズ クリエイティブ アドバイザー。著書に『男の着こなし最強メソッド 服は口ほどにものを言う』(講談社)がある。

■久保雅裕(くぼ まさひろ)
ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任准教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。







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