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2018.08.10

SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第13回のゲストはベイクルーズの古峯正佳さん

Journal Cubocci編集長の久保雅裕がお届けするSMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」はおかげさまで1周年!。第13回のゲストは、株式会社ベイクルーズ上席取締役副社長の古峯正佳さん。収録を終えてのアフタートークをお届けします。

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SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第13回のゲストはベイクルーズの古峯正佳さん



――古峯さんの趣味はサーフィンということですが、ベイクルーズでサーフ系のブランドというと?

古峯正佳「うーん……取り扱いはあっても、いわゆるサーフ系ど真ん中の自社ブランドはないかもしれないですね」

久保雅裕「パルプ(PULP 417 EDIFICE)は?ストリート系だしちょっとサーフのテイストも入ってるんじゃないですか?」

古峯「ウィズム(WISM)とかノア(NOAH)が近いといえば近いかな。スケートとかユースカルチャーを取り入れていますし。シーズンテーマとしてサーフを扱ったりもしていますので」

――すごく個人的な妄想なんですが、西海岸、スケート&サーフっていうテーマでベイクルーズがセレクトしたらどういうお店になるんだろうって。品のいい大人のサーフ系があるといいのになと。

古峯「ははは!なるほど、わかりました」

――本編に登場したエディフィス時代のエピソードがなかなかドラマチックでしたよね。

久保「ああ、洗いの話でしょ。みんな真似するんじゃない?」

古峯「立場上、いまのスタッフに真似されたらちょっと困っちゃうな(笑)。まあ、お客さんに喜んでもらえるなら、あとあとの対応まで責任持てるなら、やっちゃえよ!っていうのが正直な気持ちなんですけどね」

――古峯さんは、ルートセールスの営業職から店舗販売へ転じたわけですが、同じセールスの現場とはいえ、だいぶニュアンスが違いますし、すぐになじめましたか?

古峯「そうですね。むしろすんなりなじめましたね。店舗って、消費者の喜んでいる顔が見えるじゃないですか。自分の起こしたアクションに対してダイレクトに反応が返ってくるライブ感が楽しかったですね」

――その当時、古峯さんは現在のご自身のキャリアステージをイメージできていましたか?

古峯「いや、全く(笑)。そのころの僕は、漠然とプレスをやりたいなって思っていたんですね。なんとなくバイヤーじゃないだろうなって。プレスとして名を馳せて、世に出て、いまの久保さんみたいな仕事ができたらいいなってイメージしてましたから」

久保「ははは!そうなの?でも結局プレスには異動しなかったよね」

古峯「そうなんですよ。なんかね、仕事をしているうちに、プレスでもないかな?って思い始めたんです。僕は人を使って結果を出す仕事が合っているなと。本編で子供のころの話をしましたが、5、6歳のころから母に“あなたはリーダーになりなさい、トップになりなさい”とずっと言われ続けてきましたので、そういう意識が刷り込まれてたのかもしれないですね。そうやって店長になり、エリアマネージャーになり、ディレクターになり……という道を歩むことになったんですね」

――仕事をしていくなかで、自分の特性を見定めて進むべき道を決めたということですね。

古峯「そうですね。もちろん、これをやらせてくれって手を挙げたシーンが多々あって、それがベイクルーズでのキャリアのターニングポイントになったと思います」

久保「お母さんも、お父さんも大手小売りに勤めていて、古峯さん自身も大学は商学部でしょ?もともと商売人としての資質が備わっていたのかもしれないね」

古峯「大学で商売を学んだかっていわれるとどうでしょう(笑)。簿記、商法、通関業法とか……全然覚えてないですけどね」

――ベイクルーズという社名の由来が知りたいんですが、古峯さんはご存知ですか?

古峯「確か、創業者の窪田(現代表取締役会長 窪田 祐氏)が、ヨットで世界一周航海した方を見て思いついたって聞きましたけど」

久保「堀江謙一さんかな?『太平洋ひとりぼっち』の」

古峯「あ、その方です。その方がセーリングしている姿を見て、ベイクルーズと名付けたみたいです。航海という意味のCRUISEではなく、英語で綴るとCREW’Sで、船乗りという意味になります。社員を大きな海へと船出する船乗りたちになぞらえたんでしょうね」

久保「堀江さんの単独無寄港世界一周航海は1974年だって。ベイクルーズの設立は1977年だから同時代的な素敵なエピソードだね」

――いまのベイクルーズは、ファッションにとどまらず、飲食や家具まで幅広く事業を展開しているので、ひとことで業容を伝えるのが難しいですよね。一般的な消費者の認知としては大手セレクトショップということになると思うんですが、コーポレートサイトを覗いてみてもセレクトショップという文字は見当たらないんです。

古峯「セレクトショップという認識で間違っていないと思いますけど、僕らやっている側の感覚としてはちょっと違うかもしれないですね。すごく雑な言い方をするとライフスタイル企業なんでしょうけど、僕、その言葉があまり好きじゃないんですよ。うちの会長も“ライフスタイルとかそういうことじゃないんだよ”ってよく言っていますし(笑)。うーん、難しいですね」

久保「セレクトショップっていう言葉も、ライフスタイルっていう言葉も、誕生してからだいぶ経つので、本来の意味とはかけ離れてしまった部分もあるし、ビジネスの仕組みも複雑化しているからね。だからといって、それらに替わる言葉もまだ見つかっていないということでしょうね」

――では、久保さんから見て、ベイクルーズのストロングポイントはどこにあると感じていますか。

久保「どのブランドも方向性が似ていること。これは悪い意味ではなくって、統一感があるということです。わかりやすく言うと、みんなナチュラルでトラッドな方向性を向いていて、セクシーなテイストのブランドをやらない。それがベイクルーズのDNAだと思うし、そうやってブランド同士が切磋琢磨して成長してきたんだろうなと。ただ、こここまで規模が大きくなると、ブランド同士がカニバる局面もあるんじゃないでしょうか」

古峯「そうですね。なので、交通整理を始めているところです。君のブランドはこっちだよ、君のブランドはここを攻めなさいって。出店計画もそうですね。きちんと棲み分けられるように考えています。一方で、我々が捉えられていないマーケットもあって、年齢的な分布でいうと30~40代がメインの顧客層なんですが、その上の世代、下の世代をキャッチアップしなくちゃいけない。あとは出店エリアもどちらかというと都市型に偏っていたんですが、郊外でも戦っていけることがわかったので、そういったことも含めて事業全体のポートフォリオを描き直しています」

――本編でも“現場力”というキーワードが登場していましたが、古峯さんがいま求めている現場力ってどのようなことなんでしょう。

古峯「ごくかんたんに言ってしまうと自主性ですね。各店舗ともマニュアルはあるんですが、そこから一歩踏み出した自主性みたいなものが欲しいですね。採用や人員の配置も――店長やその上のポジションにも言えることですが――自分でものごとを解決しようとするプロセスがいっぱい見える人を登用するようにしています」

久保「そういえば紗英子さんもベイクルーズのヘビーユーザーなんでしょ?」

石田紗英子「そうなんですよ。私がイエナに行って、主人がとなりのエディフィスに行ってという感じで、家族ぐるみでファンなんです。さきほどナチュラルでトラッドって久保さんがおっしゃっていましたけど、品があるというのがどのブランドにも共通した印象ですね」

古峯「ありがとうございます。品があるという部分がまさしく窪田のDNAなんでしょうね」

久保「ちなみに紗英子さん、お買い物はお店派?ネット派?」

石田「私はどっちも派です」

――「BAYCREW’S STORE」はひとつのサイトに全ブランドが網羅されていてすごく使いやすいんですよね。

古峯「そう、やっぱり単一のブランドよりも、さまざまなブランドが集約されている方がお客様は選びがいがあるし、選びやすい。あと、リアル店舗/ECとクロスユースされるお客様は、一方のチャネルでしか買われないお客様よりも格段に客単価が高い。という意味では、紗英子さんみたいなお客様をもっと増やすことが重要なんです。ECと店舗で喧嘩してる場合じゃない。店舗で接客を受けたお客様にネットでお買い求めいただくこともありますし、ECがきっかけで店舗でお買い求めいただくケースもある。僕はECの利便性も否定しません。一方、買い物体験の楽しさも重要だと思っていますし、店舗は本来人間が持っている五感が研ぎ澄まされる場所ですから」

久保「これこそリアリズムですね」

――かつて仕事を楽しめていないと一喝されてしまったという古峯さんのエピソードが印象的ですが、ずばり、いまはどうですか?

古峯「んー……すごく言いづらいんですけど、正直、いまちょっと楽しさバロメーターが落ちてますね(笑)。ベイクルーズは社内分社制を摂っているんです。僕は現職に就く前、イエナやエディフィスを統括しているルドームというカンパニーの社長をやっていたんですが、いまより現場に近いポジションで仕事をしていたんです。ルドームでは“こういうことをやってみろよ”って現場に伝えると、それをかたちにしてくれるスタッフがいて、業績が上がって、そのスタッフのギャラも上がって、っていうリアクションがダイレクトに見えていたのですごく楽しかったんですよ。でもいまはベイクルーズグループ全体の副社長という立場上、トップと現場を繋いだり、調整したりという役回りなので、現場感がないというか、ちょっともやもやしてますね。いや、贅沢な話なんですが。でも、そんな事を考えられるのが実は楽しいんですけどね(笑)」

久保「古峯さん、根っからのプレイヤー気質だから。たぶんプレイングマネージャーみたいな立場が居心地いいのかもしれないね」


(おわり)

取材・文/encore編集部
写真/柴田ひろあき(撮影協力/417 EDIFICE / SLOBE IENA 渋谷店、LUKE’S 渋谷Park Street店)



■古峯正佳(こみね まさよし) 株式会社ベイクルーズ上席取締役副社長。1974年、埼玉県生まれ。1999年、株式会社ベイクルーズ入社。EDIFICE銀座店、渋谷店店長を経て、DEUXIEME CLASSE(ドゥーズィエム クラス)ディレクター、株式会社株式会社ラクラスCEO、株式会社ルドームCEOを歴任し、2016年9月より現職。

■久保雅裕(くぼ まさひろ)
ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。







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