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2018.02.09

SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第7回のゲストはBeyond worksの佐々木“みみお”康裕さん

SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」は、ウェブサイトJournal Cubocci編集長の久保雅裕が、ファッション業界のキーパーソンをゲストに迎えてお届けする“トークサロン”。第7回のゲストは、ビヨンドワークスの佐々木康裕さん。トゥモローランドを経て、現在はギンザ・シックスにあるシジェーム ギンザのディレクションを手掛ける“みみおさん”のインタビューを。

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SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第7回のゲストはBeyond worksの佐々木康裕さん!



——これがパルファム ドゥ エピスリーですね?

佐々木康裕「そうです。紅茶、日本茶、コーヒーのコレクションで、9種類あるんですが、今日お持ちしているのはいちばんベーシックなキャンディーというフレーバーの紅茶です。この時期はジンジャーティーも人気がありますね。人工香料は使わず、国内でちゃんとジンジャーのチップをブレンドしてます。この缶も東京の下町で茶筒なんかを作っている工場に頼んでるんですよ」

久保雅裕「ふーん……そういえば、パリのメゾン・エ・オブジェにも茶筒が出品されてるもんね。さすが目の付けどころが違うよね」

——佐々木さんと久保さんのファーストコンタクトは「senken h(センケン・アッシュ)」時代ですか?

久保「当時「senken h」編集部が主宰するアッシュブレーンという集まりがあって、ビームスの南馬越(一義)さん、前回ご登場いただいた青野(賢一)さん、伊勢丹の藤巻(幸大)さんといった文字どおりファッション業界のブレーンたちがメンバーだったんですが、佐々木さんもそこに参加されていて」

——切れ者揃いというか、錚々たるメンバーですね。

佐々木「いわゆる同業のコンペティター同士なので、なかなかそういうメンバーが顔を合わせることってなかったんですが、そこは久保さんのキャラクターというか、みんな“久保さんが言うんだったら集まろうか”っていう雰囲気がありましたね」

久保「トゥモローランドから佐々木さんが参加するようになったのは、2005年くらいだったかな?そのころからの付き合いですね」

——その後佐々木さんはトゥモローランドを離れてドゥーブルアッシュを立ち上げます。

佐々木「2011年ですね。その年の3月、僕は南青山のSUPER A MARKETの立ち上げに携わっていまして、それがトゥモローランドでの最後の仕事になりましたね。インテリアデザインには片山正通さんを起用して、佐々木啓之会長自らマーチャンダイジングを手掛けるというすごいプロジェクトだったんですが、オープンを見届けて、そのSUPER A MARKETの2階にあるBAR&GRILLで、佐々木会長に“独立してライフスタイルのショップをやりたいんです”って打ち明けて。6月には退社してすぐ展示会をやって、翌年には青山にエルムタージュをオープンしました」

——そして現在はビヨンドワークスという新しい会社を立ち上げ、ギンザ・シックスでシジェーム ギンザに携わっておられます。何というか、すごく身軽ですね?

佐々木「よく言われます。50歳になって独立っていうことも驚かれますが、ショップをやってみたら、次はコンサルティングとかディレクションみたいなもっとソフト寄りの仕事をやりたくなったんですよ。とにかくやりたいことが次から次へ湧いてきちゃって(笑)」

——日本の製品を輸出するんじゃなくて、人材や技能を輸出したいんだというアイデアも海外を見ている佐々木さんならではだなと。

佐々木「日本製のプロダクトを海外に持っていくとどうしても価格が高くなってしまうじゃないですか。それじゃ一般家庭までは日本人や日本製のプロダクトのクオリティーの良さが伝わらない。だから技術や技能を持った日本人がどんどんソフトとして海外に出ていくべきだと思いますね。たとえば、パリにあるフレンチのレストランには日本人のスーシェフが多かったり、すでに実践している人たちもいるわけです。ファッション業界もそうですよね?」

久保「実はヨーロッパのメゾンには日本人のパタンナーが多く在籍していて、すごく重宝されているんですよ。日本人って手先が器用だし、何よりまじめでよく働くから」

佐々木「そういう日本人の気質とか、ホスピタリティーといったソフト面は世界基準になり得ると思うんですよね」

——番組本編で、佐々木さんが仰っていた「気持ちのビジネス」って言葉にすべてが集約されているように思いました。

久保「確かに。特に日本のサービス分野は世界に通用すると思いますし」

——さて、さきほど佐々木さんが学生時代、ビルボードチャートのTOP100を熱心にチェックしていたというエピソードがありましたが、当時流行っていた曲や印象に残っているアーティストはいますか?

佐々木「エア・サプライとかボズ・スキャッグス、ボビー・コールドウェルかな」

——1980年代初頭の、いわゆるAORブームの時代ですね。

佐々木「そうですね。あとA-haのブレイクは衝撃的でしたね。最初チャートの50位くらいにいきなり入ってきて、どんどん上がってく。僕もチャートアクションをチェックしてて、これは絶対来るな!って思って、友人に聴かせてたんですよ。で、その後大ブレイクして、友人たちに、さすがだね!って言われてそれが快感になっちゃって、新しい音楽を一生懸命チェックするようになった(笑)」

久保「僕、A-haにインタビューしたことあるよ。新宿のヒルトンで。「senken h」時代だから2000年代になってからだけどね」

佐々木「それはすごい!僕らの世代は80年代のMTV全盛期を見ているし、あのミュージックビデオは衝撃的だったよね」

——ああ、「テイク・オン・ミー」ですね?

佐々木「そうそう!イラストレーションの世界と現実が混じりあっていくやつ」

——そんな学生時代を経て、サザビー(現株式会社サザビーリーグ)で仕事をしたかったのに叶わず……

久保「まだアフタヌーンティーができたばっかりの頃だよね?アフタヌーンティー・リビングを始める前くらいかな」

佐々木「渋谷のパルコにアフタヌーンティーの1号店ができて、自由が丘に路面店を出したばかりだったのでリビングはまだなかったですね。すごくかわいい店ができたなと思って」

——僕はアフタヌーンティーで、紅茶とスコーンという、いわゆる英国式のアフタヌーンティーを知りました。

佐々木「アフタヌーンティーのスコーン、おいしかったよね。ベリーとサワークリームが添えてあってね」

久保「なんだか女子トークぽくなってきちゃったね(笑)」

佐々木「ははは!僕、ときどき“みみお”じゃなくて“みみこ”になっちゃうからさ。シジェームのバイヤーの女の子たちを連れてパリで買い付けとかしてると“佐々木さん、今日はみみこになってますよ!”って言われるもん」

久保「“みみことみみお”って、“パルコとパルオ”みたいだね(笑)。佐々木さんて基本的にミーハーだよね?」

佐々木「そうだね。ミーハーだと思うよ。逆に、青野君みたいにひとつのことをとことん掘り下げてアンダーグラウンドなところまで辿り着くって才能はないかもね」

久保「トランジットの中村さん(トランジットジェネラルオフィス代表取締役社長 中村貞裕氏)とか、ビームスの設楽さんタイプだね。ビジネスでも自分が先頭を走って、立ち上げまでやって、あとは人に任せて、次に行くって感じ」

——佐々木さんの、いまの仕事の軸足はシジェームのようなクライアントさんのディレクションやコンサルティングですか?

佐々木「そうですね。あとはTERAKOYA Kagurazakaというプロジェクトがありまして、これをルーティーンで回すというのが2018年の目標ですね。いまは東京だけですが、ゆくゆくはパリ、ロンドン、ニューヨークで展開したいと思っています」

——TERAKOYA Kagurazakaとは?

佐々木「神楽坂の日本家屋を拠点に、伝統工芸とまではいかなくても、おばあちゃんや職人さんが知っているような代々受け継がれてきた様式や技能を、僕のネットワークのなかで——お茶だったり、香道もあるし、大工さんもいるし——そういう日本の伝統や様式を知っている先生たちとワークショップを開いて、若い人たちに伝えるというプロジェクトです。かつそれをさまざまなメディアに載せていただいて世に広めること。最終的には、先生たちを海外に連れて行って、そこでワークショップを開くことによって日本人の良さを海外の方に知っていただくのが目的です」

久保「TERAKOYA Kagurazaka in PARISみたいな?」

佐々木「うーん……パリには今年中に出せそうかな。実は場所はもういくつか見つけてあってね」

久保「いいですね。じゃあ、パリのワークショップは僕が取材しますよ」

——ちなみに久保さんの2018年の目標は?

久保「僕?僕はそうだな、3月27日からのSoleil Tokyo(ソレイユトーキョー)が新体制になって規模もだいぶ大きくなったので、いまはそれに注力しています。運営はJTBコミュニケーションデザインに移管して、僕はアドバイザーという立場でクリエイティブやデザイナーの選定を手掛けています。さらに6月にはパリでメンズ、9月にはレディスのSoleil Tokyoを開催しますので、そっちも結構な規模感になりそうです」

佐々木「Soleil Tokyoは日本のブランドをパリに持っていくんでしょ?だったら僕と同じアプローチだね。ヒトとモノって違いはあるけれど」

久保「そうだね。日本というブランドをワールドワイドに広めたいという考え方は同じですね」

佐々木「というわけで、上手く話も繋がったし、続きはパリで(笑)」



(おわり)

取材・文/encore編集部
写真/いのうえ ようへい(撮影協力/シジェーム ギンザ)



■佐々木康裕(ささき やすひろ)
株式会社ビヨンドワークス代表取締役。1985年、株式会社トゥモローランド入社。メンズ事業部部長、販売促進部部長を歴任。丸の内店、渋谷店、Land of Tomorrowなどのプロデュースを手掛ける。2011年、株式会社ドゥーブルアッシュ設立。ライフスタイル・コンセプトショップ「エルムタージュ」をオープン。2014年、株式会社ビヨンドワークス設立。ギンザ・シックスのコンセプトストア「シジェーム ギンザ」などファッション、ライフスタイル分野のディレクション、マーチャンダイズ、コンサルティングを手掛ける。

■久保雅裕(くぼ まさひろ)
ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任准教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。







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