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2018.07.13

SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第12回のゲストはドレスキャンプの岩谷俊和さん

Journal Cubocci編集長の久保雅裕がお届けするSMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」。第12回のゲストは、ドレスキャンプの岩谷俊和さん。収録を終えてのアフタートークをお届けします。

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SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第12回のゲストはドレスキャンプの岩谷俊和さん



——岩谷さんは、27歳にして自らドレスキャンプを立ち上げたわけですが、これはファッション業界での通例からすると、比較的早かったと言えますよね。

岩谷俊和「無理矢理ではないですけど、強引に始めちゃいました。自分ではもうちょっと早くやれると思ってたんですけどね」

——若さ故というか……逆にある程度年齢を重ねてからだったら踏み出せていなかったかもしれませんね。

岩谷「そう、まさに若さ故ですね。ブランドを立ち上げるって、やったことがないことをやるわけですし、スケール感とかにもこだわりがなかったんですよ。なにしろやりたい!やれればいいや!みたいな思い切りのよさはあったかもしれない」

——岩谷さんと久保さんのファーストコンタクトは?

久保雅裕「いつだろうね。たぶんドレスキャンプを始めて2シーズン目だったから、岩谷さんが28歳のときだね。語り口なんかは全然変わってないんだけど、格好が変わったよね。あの頃はいつもタンクトップで、腕の筋肉が隆々な感じだったもん。今日だってさ、僕、岩谷さんに合わせて服を選んできたつもりなのに、岩谷さん、ふつうにジャージだったから、“あれっ?やり過ぎた!”ってなっちゃったし(笑)」

岩谷「ははは!あの頃は僕、冬でもノースリーブでしたね。ノースリーブの上に毛皮のジャケット着てました。さすがに今はキツいですけど」

久保「あと、やっぱり昔はこんなにしゃべらなかったかな。もっと無口なイメージ」

岩谷「ああ、そうかもしれない。当時は——デビューから5年目くらいまでは特にそうだったんですけど——本当に毎日のように取材だったんですよ。正直、ちょっと不貞腐れてたりして。まあ、あまり偉そうに見えないように、できるだけソフトに見えるように心掛けてたんですけどね」

——さて、現在、ドレスキャンプとしてはファッションショーを行わず、展示会で新作を発表しておられますね。

岩谷「そうですね。僕の場合は、時期を決めずに、例えば“ジャージのコラボをやりました”みたいなネタを作って、展示会を催して、取引先の方々に提案するって感じですね」

——そうした発表の仕方の方がやりやすいですか?

岩谷「んー、ドレスキャンプというブランドに、自分自身、どう力を注いでいけばいいのかなって迷いつつも、やっぱり自分が楽しめることだけをやっていこうと思ったんですね。となると、ショーだと発表できるタイミングが決まっちゃうじゃないですか。あとは桂 由美さんのコレクションを年2回ショー形式でやっているのと、Kappaもやはり年2回発表のタイミングがありますので、その合間にネタを考えながらドレスキャンプをやるっていうサイクルがいいのかなと」

——桂 由美さんのコレクションはウェディングドレスですか?

岩谷「いや、ドレスです。むしろウェディング以外の部分をやらせていただいています」

——なるほど。じゃあ、ドレスキャンプのウィメンズとユミ カツラの違いというか、岩谷さんのなかでの線引きって?

岩谷「ドレスキャンプは、そのときどきで、自分の気に入ったもの、気になっているものを取り入れた最先端のことをやる。ユミ カツラはいちばん美しいもの作るってことですかね。由美さんは“品格のある美しさ”って言っていますね。それがユミ カツラのブランドコンセプトなので。あとは、日本らしい切り口、あるいは日本らしさを取り入れるという決まりがあるんですよ」

——ユミ カツラのようにコンセプトが明確になっているほうがやりやすいですか?

岩谷「あまりそういう経験がなかったので新鮮ですね。課題を与えられて、それにきちんと応えられるかっていう挑戦ですよ。由美さんって、あまり人のこと褒めないんですよ」

久保「あ、そうなんだ。意外だね」

岩谷「“これ素敵ね”とか絶対言ってくれないし(笑)。だからそれがいいか悪いか、自分で判断しなきゃいけない。そういうことも含めてチャレンジなんですよね」

——逆に、ドレスキャンプのメンズは岩谷さん自身が着たい服を作ってるって感覚はありませんか?

岩谷「そうですね。基本的には自分の着たいものを作ってます。それは昔から変わらないです。それこそドレスキャンプを始めたころは、メンズをやろうなんて思ってなかったんですけど、ウィメンズ用に作った生地が可愛かったので、自分用に作ってみたんですよ。それをショーに出したのが最初で。雅叙園の長い廊下をランウェイにしたときだから、4シーズン目かな……」

久保「そのショーで毎日ファッション大賞の新人賞を獲ったんだよね。確か2004年」

——そのころのメンズコレクションって、ドレッシーな感じですか?

岩谷「えーと、ドレッシーって言っていいのかな(笑)。スワロフスキーの入ったタンクトップにタキシージャケット、ハラコのコート、ハイヒールのロングブーツとかそんな感じ。それでメンズもいけるかもって思って、次のシーズンはスポーティなテーマで出したらそれがバカ売れしちゃったんです」

——岩谷さんは、ユミ カツラやKappa以外にもコラボものをたくさん手掛けていますが、どういったアプローチで取り組んでいるんですか?

岩谷「ドレスキャンプのコラボに関しては、基本的に自分がやりたいと思ったことをお願いしてやらせていただくスタンスですね。いちばん最初は、チャンピオンとジャージを作ったんですが——僕、中学までずっとバスケ部で、ジャージはいつもチャンピオンだったので——ゴールドウィンさんにこういうジャージを作りたいんですけどって提案しに行って、“いいですよ。やりましょう”って言っていただいて。そんな感じで実現することが多いですね」

——じゃあ、ハローキティのコラボは?

岩谷「サンリオさんに知り合いがいたから(笑)。あと、僕とキティが同い年だから。いつもそんな感じ。あまりビジネスっぽいコラボは好きじゃないんですよ。商売臭さがあるとやらしいじゃないですか」

久保「この腕時計もそうだよね」

岩谷「これはシチズンさんとのコラボです。久保さんがしてるのは色違いの同じモデル。時計は単純に洋服以外のデザインに興味があったから。さすがに時計って自分じゃ作れないじゃないですか。自分じゃ作れないものをデザインできるってコラボならではの醍醐味だと思います」

——気に入ってますか?

岩谷「すごい気に入ってます。INDEPENDENTというシリーズで5モデルあるんですが、僕は全部持ってて、毎朝“今日はどれにしようかな?”って(笑)。それくらい気に入ってます。これすごく高そうに見えるでしょ?でも30,000ちょっとで買えるんですよ」

久保「すごいお値打ちですよ。ムーブメントはちゃんと機械式だしね」

岩谷「あと、Kappaの「Kappa G」というゴルフウェアのコレクションでもコラボしていて、8月にはファーストシーズンのモデルが発表されます。スポーツでもバリバリのやつじゃなくて、ファッションとスポーツの融合みたいなアプローチが見せられたらいいなと思ってます。もちろん、コラボだけじゃなくて、ドレスキャンプというブランドをどうやって輝かせるかってことも、ここ1、2年ですごく考えるようになりましたね」

久保「ドレスキャンプ、あるいは岩谷俊和というデザイナーとしては、そろそろ自分らしいクリエーションを目指してもいいんじゃないかな。もっと割り切って、自分らしさを追求して、新しい取り組みにチャレンジするって時期に来ているように思うけどね」

——僕は、セレクトショップの一角に置いてあるのではなく、ドレスキャンプの世界観を打ち出したフラッグシップショップのような場所があるといいのになって思いました。

久保「ドレスキャンプって、ブランドのキャラクターが強烈だからね」

岩谷「そうなんですよ。強いブランドですからね。それに相応しい強い打ち出しが必要だと思いますし……。まあ、でも、そろそろ新しい何かがあるかもしれないので、期待しててください」


(おわり)

取材・文/encore編集部
写真/柴田ひろあき(撮影協力/株式会社IWY)



■岩谷俊和(いわや としかず)
1974年生まれ、神奈川県出身。文化服装学院アパレルデザイン科卒業。2003年春夏の東京コレクションにおいてドレスキャンプのデザイナーとしてデビュー。オニツカタイガー、シチズン、Kappaなど他ブランドとのコラボレーションにも積極的で、現在はユミ カツラのディレクションも手掛けている。

■久保雅裕(くぼ まさひろ)
ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。







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