三浦風雅のワンマンがSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで行われた。メジャーデビュー以降も路上ライブやイベントでファンとの接点をキープし続けてきたとはいえ、ひさびさのライブハウス/ホールクラスのワンマンとあって、開演前のPLEASURE PLEASUREは、熱心なFUGAR――三浦風雅ファンのことだ――たちが醸すある種の祝祭感に包まれていた。
事実、会場のエントランスに向かうエレベーターでも、乗り合わせたFUGARたちが交わす「今日のチケット、路上ライブの手売りで買ったんだ」、「2部公演も行くよね?」といった“風雅愛”あふれる言葉が耳に飛び込んできた。
たぶん自分に向けられたそんな期待や喜びの感情をわかったうえで、それでも気負わず、気取らず、軽やかな足取りステージに現れ、軽く客席を見渡しながら「みんな立って!立って!盛り上がっていきましょう!」と煽ってから歌い始める三浦風雅。
この日のオープナーである「Start again」からアップテンポな曲を3曲続け、最初のMCで「ちょっと初っ端から飛ばし過ぎました。三浦、疲れてます(笑)」とおどけてみせる。
2021年8月にメジャーデビュー後初のショーケースライブを行ったZepp Hanedaのような大バコももちろんよかったけれど、PLEASURE PLEASUREのような、ほどよい距離感の客席とコミュニケーションをとりながら歌う彼の姿もまた好ましかった。
中盤で披露した「夏空」のようなミッドテンポのバラードや、「記憶」のようなサッドソングのレパートリーは、彼の表現力の確かさを際立たせていた。
そして、高校時代からの顔見知りであり、路上ライブでの僚友でもあったという1/PLACEのTAIHEIをゲストに迎えたパートでは、Novelbrightの「ツキミソウ」と1/PLACEの「さだめ」を披露。三浦の艶やかな中音域と、TAIHEIの中性的な歌声が美しく響きあう。
出自が路上だけに、とかくマイク1本でのボーカルパフォーマンスや、「未来話」のようなシンプルな楽曲に彼の本質を求めてしまうけれど、ラストパートの「I wanna be myself」「CANVAS」「Start」といったアップリフティングなバンドサウンドも彼の魅力のひとつだと気づかされた。
アンコールではライブタイトルにもなった新曲「Call my name」を披露し、7月11日には「MIURA FUGA 26 Birthday LIVE」、8月からは全国ツアー「MIURA FUGA LIVE TOUR 2022~僕が僕でいられるように~」の開催を、そして7月13日には待望のメジャー1stアルバム『君が君でいられるように』のリリースを発表した三浦風雅。
「悩み過ぎず、自分なりに楽しんでいこう。どっかで心に残ってしまうモヤモヤすらも愛せる自分のなかのひとつだと思って前に進んで行けたら」と語っていた彼の未来を見守ろう。
(おわり)
取材・文/高橋 豊(encore)
写真/福岡諒祠
LIVE INFO
「MIURA FUGA 26 Birthday LIVE」
7月11日(月)SHIBUYA PLEASURE PLESURE
「MIURA FUGA LIVE TOUR 2022~僕が僕でいられるように~」
8月6日(土)ランドマークホール(神奈川)
8月14日(日)DRUM Be-1(福岡)※2部制
8月27日(土)ベニーレーン24(北海道)※2部制
9月3日(土)梅田クラブクアトロ(大阪)※2部制
9月4日(日)名古屋クラブクアトロ(愛知)※2部制
DISC INFO三浦風雅『君が君でいられるように』
2022年7月13日(水)発売
通常盤(CD)/PCCA-06132/3,000円(税込)
予約限定M盤(CD+DVD)/SCCA-00132/8,800円(税込)
予約限定F盤(CD+DVD)/SCCA-00134/8,800円(税込)
予約限定MFスペシャル盤(CD+DVD)/SCCA-00135/17,600円(税込)
ポニーキャニオン
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