──最初に、6年ぶりに出演した2025年8月30日の「アニサマ(Animelo Summer Live)」について振り返っていただければと思います。
福山芳樹「久しぶりに大きな舞台に立たせていただいてうれしかったのと、お客さんが何世代にもわたっていると思うんですけど、相変わらずみんな一緒に歌ってくれたこともうれしかったですね。ただ、花道を走るのがきついなーと(笑)。以前は走りながら歌っても、特に問題なかったんですけどね(笑)」
遠藤正明「JAM Projectでのフェスは久しぶりだったんですけど、出番が最後だったんで待ち時間が長いなーと(笑)。朝に入って最後まで待っていて、それもまた楽しかったですね」
奥井雅美「手前味噌なんですけど、メンバーを見て大きなステージが映える人たちだなと感じました。それと、ソロでも活動する5人のボーカリストが5人で歌っているとか、いそうでいないグループだなともあらためて思いました。若い世代のアーティストもたくさん出てきているけど、JAMはやっぱり唯一無二。アニサマにはJAMの名前だけ知っている、写真や映像だけ見たことがあるけど、生のライブを見るのは初めてという人もたくさんいたと思います。11月に大阪と横浜で25周年ツアー「JAM Project 25th Anniversary Live FINAL COUNTDOWN」も控えていたので、そこに向けてアピールするという意味でも、いい機会をもらえたかなと思います」
影山ヒロノブ「25周年ツアーも発表されていたし、まだJAM Projectは現役のユニットだということを見せられれば、ツアーのチケットも伸びると思っていました(笑)。実際、エンジン全開でアドレナリンが出ている状態でエキサイトしてパフォーマンスした結果、アニサマのあとにツアーのチケットがグッと伸びたんです。アニソンアーティストもアニソンファンも入れ替わっていく中で、今まで見たことのないファンの人たちがJAMを体験していいなと思ってもらうには、最高の舞台だったんじゃないかなと思います」

──横浜BUNTAIのライブに行かせていただきましたが、会場には若い世代のお客さんが多かったです。
影山「今はSNSの時代なのでいいライブをすればすぐに拡散するし、逆にいい加減なライブだとそれもまた一気に拡散するし。だから、アニサマでずっこけなくて良かったなって思いますね(笑)」
きただにひろし「僕はすぐにエゴサーチするんですけど、”すごかったな!”っていうSNSでの反響を見ながら、ライブ後はニヤニヤしながら酒を飲んでました(笑)」
影山「ダニー(きただに)は、昔からエゴサーチするよね!自分の悪口も含めて(笑)」
きただに「悪口は成長への道標。叱咤激励だと思ってます!」
奥井「私も割と見るけど、”平均年齢60歳なのにすげー”とか、今のところはいい反応しか見てない!」

──25周年ライブは会場の熱気が本当にすごかったですし、海外からのファンの方も来場していました。あらためて振り返っていただくと、どんな思いがありますか?
影山「プエルトリコやカナダ、イギリスとか、僕らがまだ行ったことのない国からも来てくれていましたからね」
奥井「MCでも言ったんですけど、ファンの人たちがSNSでプロモーションしてくれたことも含めて、みんなで作り上げたライブだったなと。いつになるかはわからないですけど、またツアーがしたいなという気持ちを持って2025年を終われるかな。これからのためにも体に気をつけて、声を大事にケアして、この先もずっとできたらいいなと思えるライブツアーだったなと思います」
きただに「3公演がソールドアウトで、本当に気持ち良くできたなーっていう印象ですね」
影山「大阪のときは手探りで、最年長なので自分をコントロールしながら、いかにみんなと一緒に最終的にぶち上がれるか。その結果、”自分なりに頑張れたな、64歳!”と思っています」
福山「ツアーが久しぶりだったので、ライブをして反省して、また集まってライブをして反省して。振り返ると、楽しい日々だったなと思います。細かいところを間違えたり、足が痛かったとかありますけど(笑)、バンドってこうだよなって」
遠藤「25周年ということで大きい会場でやらせていただいて、感謝の気持ちで臨んだし、一つの区切りとして悔いのないようにしたいと思ってステージに立ったライブでした。ただ、やっぱ大きな会場で2デイズずつはしんどいですね(笑)。ライブって、お客さんの数だけパワーを出さないと届かないものなので」
──今回のU-NEXTでの配信で、JAM Projectのライブを初めて見る人もいると思います。初めて見る人にとっては、どんなところが見どころでしょうか?
福山「25年やっているので曲も多いし、初めて見る人は1曲1曲の印象を気にするよりも、ライブ全体を楽しむというか、通して見てくれたあとに大スペクタクル映画を見た感じになってくれたら。初めて見る方にとっては、お客さんとの一体感も見どころだと思います」
きただに「オープニングから7曲一気にパフォーマンスして、衰えてない感じを見せられたかなという手応えがありました。そこは大きな見どころだと思いますね」
奥井「水を合間にこっそり飲んだりして(笑)。でも、新しい経験だったし、楽しかった。しんどいから、だんだんハイになってくるんですよ。連続してパフォーマンスすることでお客さんが盛り上がってるのもわかるから、そうするとその後もいい流れになる。若者のお客さんからしたら、”ベテランなのに!”って思ったんじゃないですか(笑)」

──25年の中で変化したこと、逆に変化しないこと、ライブを終えての実感を教えていただけますか?
奥井「入ったときは長く続かないだろうなーと思っていたんです。でも、結果的に長く続いているし、JAMで活動することで知らないことも学べました。例えば、男性の声の中で歌うことで、一人で歌っているときとは違う歌唱法を身につけることができる。その中で自分の声をしっかり届けたいと思って、無意識のうちに変化した部分があると思います。実際に歌い方、歌声も変わりましたし、喉も鍛えられたし」
きただに「入りたての頃から自分に自信がなくて、その中でもいろんなチャレンジをさせてもらって。今は、あの頃よりは当然成長している自分で自信を持てるようになったと思うし、これからのJAMでのきただにひろしも、まだまだ伸びしろがあるって思えていますね」
奥井「自分ではそう思ってるけど、ねー(笑)」
──今のやりとりも、長年の仲ならではです(笑)。
奥井「ダニーにしか言わないですけどね(笑)」
──影山さんはいかがですか?
影山「25年の間にはもちろんすごくいい時期もあったし、あまり納得できる曲が書けない大変な時期もありました。でも、自分の中でいろいろ模索しているときに一つの光が見えて、「ワンパンマン」みたいな作品に出会えたり。時代の流れの中で自分たちが身につけなければいけない武器を身につけてきましたけど、今もその過程だと思うんですよね。いたいと思う場所に留まるためには自分たちが変わるしかないなって、経験の中で心と体で知ったのかな」
遠藤「ずっと俺はお客さんに対しても”かかってこい!”って気持ちでライブしてるんですけど、うちのライブを見にきてくれているファンの方は一体感がすごいな、これは25年かけて作ってきた一体感だなって思うんです。そういう意味では、ファンの人も変わってくれたのかなって思うし、それがうれしいですね」
福山「今回のツアーでもその前のツアーでも、1曲目を新しいアルバムからやってるんですよ。それは25年やってるグループではあまりないことかなと思うし、今も新しいものをやろうとしている自負、やれている喜びがあります。それは誇りに思っていますね」

──ライブを見てあらためて思ったんですが、みなさんがステージから発するものすごいエネルギーの源はどこにあるんでしょうか?
きただに「やっぱりファンの人が喜んでくれるからこそ、自分たちはエネルギーが出せるんだと思います」
影山「ダニーが言ってることはもちろんそうなんだけど、60代になってくると、この先も続けるためにはキープしなきゃいけない最低ラインがそれぞれあると思うんですよ。本当に頑張らないともうできなくなるって気持ちは、少なくとも俺はある。お客さんがいるからこそ、その前で裸のままでも成り立ってる自分でいなきゃいけない。その気持ちが自分の原動力です」
──自分の中のプライドというか、矜持というか。
影山「芸事をやってる人のプライドって、世間からの見方に対するプライドとか、同業者に対して自分は負けないというプライドとかだと思うんですけど、そんなの低いと思うんですよ。もう60歳を過ぎたら、自分自身に対して自分がどこまでプライドを持てるかっていうことを、夜も寝れないぐらい考えるんです。そういう気持ちで、ステージに立ったときに備えるんですよ。自分がどこまでやれるかっていう気持ちが、切羽詰まってる。矢沢永吉さん、沢田研二さん、小田和正さんとかは自分より一回りぐらい上ですけど、そういう方たちのように70代、80代近くなるまでもステージの上で生きている人でありたいですよね。その気持ちが原動力ですよね」

──最後に、これからについて考えていることを教えてください。
福山「25周年ライブで楽しんでくれているお客さんを見て、自分たちがやってきたことは間違いじゃなかったなって思えて、すごく感動したんです。本当にうれしかったですし、これからもその感動や喜びを忘れずに音楽を届けていきたいですね」
奥井「これが歌えなくなったらJAMとして活動できないなって曲があったりするんですけど、その曲をこれからも歌える自分でいたいともちろん思っているので、そこをどうキープしていくか。そのためにも、自分に合った生活、やり方で体を整えながら活動していきたいですね。ありがたことに、まだ発表になっていない今後の活動もすでにありますし、聴いていただく方がいて初めて成り立つと思うので、”これからもよろしくお願いします!”という気持ちでいます。25周年でみなさんからたくさんのものをいただいたので、これからその恩返しをしたいなと思っています!」
きただに「25周年ライブを終えて、JAM Projectはまだまだ輝けるなって思えて、ポジティブな気持ちになれました。これからちょっとずつ先を見て、もっともっとJAM Projectを大きく太くしていきたいなと思っています」
遠藤「個人的には、情熱を燃やせる目の前の目標があるかないか。求められる限りは、情熱が持てるのかなと思っています」
影山「さっき俺が言ったことは、みんな思ってることだと思います。みんなソロでも長く活動してるし、軽い音楽人生じゃない。10年後、20年後も、今ここでやっていることをできるJAM Project、そして自分でいたいなという気持ちです!」
(おわり)
取材・文/大久保和則
JAM Project 25th Anniversary Live FINAL COUNTDOWN&Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!” ダイジェスト版――ONLY ON U-NEXT

U-NEXT × JAM Project&Animelo Summer LiveMEDIA INFO
JAM Project 25th Anniversary Live FINAL COUNTDOWN
2025年12月30日(火)19:30 独占ライブ配信開始
Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!” ダイジェスト版
2026年1月1日(木)13:30 独占ライブ配信開始
U-NEXT × JAM Project 25th Anniversary 特集はこちら
「Animelo Summer Live」過去18年分の45公演を見放題配信中!

JAM Project feat.BABYMETAL「Get No Satisfied !」DISC INFO
アニメ「ワンパンマン」第3期オープニング主題歌!
2025年11月12日(水)発売
LACM-24746/1,650円(税込)
バンダイナムコミュージックライブ
…… and more!
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JAM Project「Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"」スペシャルインタビュー――その日しか聴けない、その日しか見られない「ONENESS」を!
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