8人体制となったGirls²が表情豊かな3曲を収録したEP「Countdown」をリリース！――小川桜花、山口綺羅 インタビュー

――今回リリースされた「Countdown」は、バーチャルK-POPアーティスト・APOKIとのコラボ曲。なかなかないコラボだと思いますが、このお話を聞いたときは、どう思いましたか？

山口綺羅「まさかバーチャルK-POPアーティストの方とコラボさせていただく機会が訪れるなんて想像もしていなかったので、最初はビックリしました。でも、APOKIさんは世界的に知名度がすごいんですね。それに比べて、私たちの知名度はそこまでじゃない。だから、このコラボを機会に海外の方にも自分たちを知っていただけたらなって思いました。」

――実際に反応はありましたか？

山口「はい。YouTubeに海外の方からコメントをたくさんいただきました。」

小川桜花「私たち自身、バーチャルアーティストの方とのコラボは初めてだったので、最初は“どうやってコラボするの？”って思っていたんです。でも、MVにもAPOKIさんが登場してくださったので、すごく見応えのある映像になっています。」

――“APOKIさんがGirls²と一緒に踊っている！”って驚きました。もちろんレコーディングはAPOKIさんとは別々だったと思うんですけど、完成したものを聴いたときは、どんな印象を受けましたか？

小川「私たちが先にレコーディングして、そこにあとからAPOKIさんが声を入れてくださったんですけど、APOKIさんがかわいらしさを残しつつ歌ってくださっていたんですね。だから、“なるほど、こういう歌い方もあるのか！“って勉強にもなりました。」

山口「韓国語を取り入れた歌詞って今まではなかったので、初めて聴いたときは、やっぱり聞きなれない感じがあったんですよ。でも、APOKIさんが持っているかわいらしさはもちろん、Girls²らしさもしっかり残っていて。変にお互いがぶつかり合うこともなく、すごくマッチしている印象を受けたんです。だから、“APOKIさんはGirls²の新メンバーなのかな？”と思ってしまうくらいでした。」

――そうですよね。確かに歌詞は韓国語ですけど、すごく自然に溶け込んでいたので、本当に“メンバーみたい！”って思いました。

山口「日本語の歌詞も＜Tick Tock Tick Tock聞こえそう胸のアラーム＞っていうフレーズとかがあって、ちょっと韓国ドラマに出てきそうなイメージがありますよね。そういうひとつひとつの世界観が、すごくかわいらしくって。だから、恋している女の子が、実際にこういう気持ちで歌っているんだろうなって想像できました。」

小川「ラップって、普通は強いイメージがあると思うんです。でも、今回は楽曲のテイストや他のメンバーが歌っている女の子らしい世界観に私のラップも合わせています。ラップも“なめらかな感じで歌ってください”ってディレクションしてくださる方に教わったので、そこは意識してやりました。」

――そして、最初に桜花さんもおっしゃっていたようにAPOKIさんも踊っているMVは、宇宙が舞台。これはAPOKIさんが存在している空間に合わせたんですか？

小川「そうです。APOKIさんは“宇宙のどこかに住むウサギに似ている存在”。それもあってMVのテイストは近未来的になっています。背景は完全にCGなんですけど、そういうものも今までのGirls²のMVにはなかったんですね。だから、それも新鮮でした。」

――どこかの星で踊っている感じですもんね。あ、それで衣装も宇宙服っぽいんですか？

山口「そうなんです。撮影中はずっとグリーンバックだったから、この衣装が派手すぎて、めっちゃ違和感があったんですよ（笑）。でも、完成した映像を見たらちゃんと背景になじんでいたので安心しました（笑）」

――きっとMV撮影でリアルにその場にあったのは電話くらい。だからこそ、みなさんもどんなふうに仕上がるのかが楽しみだったんじゃないですか？

小川「それはありましたね。撮影中も仮の映像を見ながら進めていっていたんですよ。だから、私たち自身も、“どんなCGなんだろう？”ってイメージできてなかったんです。でも、完成したものを見て、“こんなにリアルに私たちが宇宙にいる！”って驚きました。」

山口「影とかも、ちゃんとあるしね。」

――APOKIさんのダンスも素晴らしいですね。

山口「すごく上手な方です。だから、“私たちも負けないようにしないと！”と思って、みんなでダンスレッスン頑張りました。」

――逆にGirls²の中に入っているAPOKIさんのダンスが、みなさんとそん色ないことに驚きました。腰の動きとかも自然なので。

小川「そうですよね。なめらかで人間味があると思います。しかもスタイルがいい！」

――確かに（笑）。いろいろな意味でエンターテイメントの可能性をとても感じるコラボになっていると思います。

――ちなみに今回のダンスは、どんなところがポイントですか？

小川「サビの“チクタクダンス”です。「Countdown」という曲なこともあって、時計っぽい動きをしているんですよ。かわいいダンスですし、真似もしやすいと思います。」

――まさにTikTokに投稿しやすいような縦画面を意識した振付になっていますよね。

小川「そうなんです！だから、ぜひ気楽に踊ってくれたらと思いますね。」

山口「この曲は上半身や腕だけで踊っている感じなんですよ。だから、ダンスが苦手っていう方も真似しやすいと思います。一見ややこしく見えるんですけど、覚えちゃうと意外と簡単だと思いますね。」

――それに対して「CLICK」は、ダンスがものすごくハード。ダンスプラクティスビデオを見て圧倒されました。

小川「ありがとうございます。私たち自身も我ながらいい出来じゃないかなって思っていますね（笑）。そう思えるのも、やっぱり練習の積み重ねがあってこそ。私たちも今回のEPにはダンスを見せられるような楽曲を入れたいって最初から思っていたんです。そんな希望で出来上がったのが、この「CLICK」です。だから、ダンスはもちろん頑張ったんですけど、歌詞にも英語が多いので、発音の練習もしましたね。」

山口「この「CLICK」は、メンバーみんなでデモ音源を聴くところから始まって、制作に関わった曲なんですよ。だから、ダンス以外の部分にも気持ちが入っています。もちろんダンスに関しても、８人という新体制となったGirls²としてのスキルを見せつけるような楽曲になったと思うので、新たなスタートにもふさわしいと思います。」

――振りが細かいし、フォーメーションチェンジも多いので難易度が高いですよね。

山口「揃えるのにすごく苦戦しました。」

――いやいや、めちゃめちゃ揃っていますよ。それに女性特有のやわらかくて大きな動きとシャープなダンスとのバランスも見応えがありました。

小川「ありがとうございます。今回の振付を作ってくださった方も、曲のテイストを考えて、自分たちで依頼したんですよ。“この先生だったら”って意見を出し合って。フォーメーションも複雑ですし、パートでメンバーが分かれたりもするんですけど、そういう細かい部分まで、その先生がしっかり作ってくださったんです。だから、何回見ても飽きないダンスになっていると思います。」

――本当に1回じゃ、目が足りないです。

山口「ぜひ、8回くらい見てください（笑）。このダンスは、なかなか真似はできないと思うので鑑賞していただければ（笑）」

――楽曲的にもベース音とかがすごく効いているので、聴き心地がいいですよね。

小川「はい。私も重低音が好きなので、そこが魅力的ですね。それに歌詞で描かれているのも結構強い女性像だったりするので、ダンスもリンクしていると思います。」

――「Countdown」とは対照的な楽曲ですよね。

――そして、もう1曲の「LETTERS」も、また全く違うテイスト。楽曲も優しくてやわらかい感じですし、MVもお部屋で手紙を書いているようなナチュラルな雰囲気。ファンの方たちへの感謝を表現している感じでしょうか？

小川「そうですね。メンバーひとりひとりが、実際にファンのみなさんへのお手紙を書いたんです。それを集めて曲にしました。だから、歌詞を見ていると“ああ、これは私がお手紙に書いた言葉だ”っていう部分がありますし、全部に私たちの思いが入っているんですよ。」

山口「“Girls²には、今までファンのみなさんと一緒に歌う楽曲っていうのがあまりなかったよね”っていうのが、この曲を作るきっかけだったんです。ちょうど新体制としてスタートする節目でもあったので。」

――ということは、踊らないんですか？

山口「踊らないです。振付が無いので、手を振ったりしています！」

小川「だから、MVも私たちの普段の姿。中に出て来る文字も手書きですし、メンバーが一緒に過ごしているときの自然体な様子が出ていると思いますね。そういう部分をずっと応援してくださっているファンの方は、気に入ってくれるんじゃないかなって思います。」

――全員で集まっているショットが、すごく楽しそうですよね。

山口「あれは本当に素で笑っています。だから、等身大な私たちになっていますね。」

――みなさんの仲のいい感じが伝わってくるので、ファンの方もハッピーな気持ちになるんじゃないかと思います。

――歌に関しては、どんな部分にこだわりましたか？

小川「私は＜You gave me many many treasures＞っていう頭の部分を歌っているんですよ。最初はいつも通り自分の感覚で歌っていたんですけど、レコーディングしたのを聴いたとき、“ちょっと違うな”って思ったんです。どうしても気になる部分があって。だから、ディレクションの方に“もう1回録り直していいですか？”ということを伝えて再チャレンジしました。」

――どんなふうに変えたんですか？

小川「最初に歌ったものより、もっとふわっとした感じにしたかったんですよ。だから、やわらかさを意識したんです。」

――＜gave＞は発音的に強かったりするので、ふわっと仕上げるのは難しいですよね。

小川「そうなんです。おっしゃる通り、どうしても強くなっちゃうので。でも、優しいかわいい音がたくさん入っている曲なので、ふわっとした歌い方のほうが似合うと思って。だから、自分が納得できるまで録り直しました。」

――この曲にはラップが入っていないですけど、綺羅さんは、いかがでしたか？

山口「そうなんですよ！だから、結構苦戦しました（笑）。普段はあまり歌のパートを担当しないので頑張ろうと思ったんですけど、難しかったですね。特に大変だったのは＜miracle＞のところ。ここはすごくキーが低いんですけど、それがなかなか出なかったので、私も何回も録り直しました。」

――つぶやく感じのフレーズでもあるので、ニュアンスも大切ですよね。

山口「はい。声の強弱が難しくて。でも、その一言にも気持ちを込めたかったんです。」

――みなさんの素直な気持ちが伝わってくる曲なので、ファンの方も嬉しいと思います。

小川「私たちも歌っているといろいろな思い出がフラッシュバックするんですよ。そういう曲だからこそ、ちゃんと私たちの気持ちが伝わるといいなって思います。」

山口「＜La la la＞っていうパートは、ファンの方と緒に歌いたいです。あの一体感はライブでしか味わえない。だから、すごく貴重な時間になっていますね。」

小川「やっぱり声出しが解禁されたのが大きかったです。解禁されるだろうっていう願いも込めてこの歌を今回のEPに入れたので、解禁が間に合ってよかったですね。」

――アーティストの方は、みなさんおっしゃいますよね。今までも手拍子とかはしてくれていましたけど、ファンの方の声が聴けるか聴けないかは、全然違うって。

小川「本当にそうだと思います。私も声出しが解禁されてから、いろんなアーティストの方のライブに一ファンとして行きましたけど、やっぱり声を出せるのって、ファン側もより楽しめますからね。」

――ファンの方の声があることで、より素敵な空間になりますよね。じゃあ、「LETTERS」も、ぜひライブでは大声で歌ってもらって。

小川「はい！　大歓迎です！」

山口「大熱唱してください！」

――そして、このEPから新たに8人体制としてスタートを切るわけですが、今後は、どんなGirls²を見せていきたいですか？

小川「先日、鶴屋美咲が20歳になったんですよ。やっぱり20歳って、すごく大きい節目。20歳って全然違うよなって思うんです。」

山口「美咲が20歳になったことを一番喜んでいたよね（笑）」

小川「だって20歳だよ？すごいでしょ！」

――何かお祝いはしたんですか？

小川「ちょうど北海道でファンミーティングがあって、前泊していたんですね。寝ているメンバーもいたので全員集まったわけじゃないんですけど（笑）、私は簡易的なケーキを作って美咲の部屋に突撃して、“おめでとう！”って言いました。」

山口「最終的に結構人数が増えていて、いたメンバーで語り合いました。」

小川「最近は、みんなで真剣に話す機会が増えて来たんですよ。それには、これから20歳になっていくメンバーが増えていくことも影響していると思うんですけど。19歳と20歳の違いって、絶対大きいですからね。」

――今は成人年齢が18歳になりましたけど、やっぱり20歳が大人な印象ですよね。

小川「そうなんです。18歳では成人したという実感がないので。でも、20歳は完全なる大人。だから、責任感が大きくなってきているんだと思います。それは、すごくいいことだと私は思っていて。実際みんなで話し合いをする中で目標も見つかりましたから。前は、目標っていうより、今やるべきことをやるので精一杯だったんですけど、今は活動も4年目になったこともあって、少し余裕も出て来た。その結果、目標も立てられるようになったし、みんなが成長して自分の思いを伝えられるようにもなってきたので、それをうまく活用して、もっともっといいグループにしていきたいなって思っています。」

――以前より意欲的になったんですね。

小川「はい。やっぱり目標を立てられたのが、私はすごく嬉しかったです。それがないと何に向かって頑張ればいいのかな？って思ってしまうので。だから、それがハッキリしたのは本当によかったと思いますね。」

山口「今までは“フレッシュで元気なガールズグループです！”っていうイメージだったと思うんですよ。でも、だんだんそれだけじゃダメなんだな、って思って。だから、そのことに対するプレッシャーもありますし、“今後どうしたらいいんだろう？”っていう悩みもたくさんあるんです。ただ、今は新体制になって“8人で頑張っていこう！”って前を向いて進んでいるところです。私は、この8人でたくさん夢を叶えていきたいと思っているので、8人にしか出せない色をこれから築きあげられたらいいなって思っています。」

（おわり）

取材・文／高橋栄理子
写真／中村功

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