GENIC『CIRCLE -BEST of GENIC-』インタビュー――デビュー5周年を迎えた7人の"軌跡"と"成長"

──初めてのベストアルバム『CIRCLE-BEST of GENIC-』をリリースする今の心境を教えて下さい。

西澤 呈「『CIRCLE-BEST of GENIC-』には、5年間のGENICの歴史が詰まっています。どの曲にも僕たちの深い想いが乗っているので、こうしてベストアルバムとして届けられることはすごく嬉しいです。『CIRCLE -BEST of GENIC-』をきっかけに、GENICの“CIRCLE”という輪に、たくさんの人が入ってくれたら嬉しいです。その中でも、デビュー曲「SUN COMES UP」は、この曲が無かったら今の僕たちはいないので、すごく思い入れが深いです」

西本 茉生「今、改めてこの曲を聴くと、すごく声が若いんですよ」

小池 ⻯暉「赤ちゃんみたい！（笑）　でも今は、人生経験を重ねて、深みを増したように思います」

宇井 優良梨「“おじ”になった？」

小池「いや、“おじ”はまだ早い！（笑）」

一同「あはは！」

西澤「デビューから5年を経て、メンバー全員の声に個性が出てきましたし、GENICとしてもすごく成長しています。みんなポジティブに声が変わったよね？」

西本「うん。僕は「来たる春」がすごく印象的でした。僕たちはデビューしてすぐにコロナ禍になってしまって…そのタイミングで、⻯暉と呈がリモートでこの曲の形を作ってくれたんですが、あの時期だからこそ生まれた言葉がたくさん詰まっていて。改めて、GENICを取り巻く環境やストーリーがあったからこそできた曲なのですごく印象的です。今は楽曲が増えたことで、この曲をライブでやる回数も減ってきてしまったんですが、聴くたびに、その時の気持ちがリアルに蘇ってきます」

西澤「すごくいい曲だよね。コロナ禍真っ只中で作ったからこそ、しばらくは聴くたびに辛い気持ちになることが多かったんです。でも、ライブで歌うことによって、GENImin（ファンネーム）が辛かった記憶を、楽しい記憶に塗り替えてくれたので、とても好きな曲になりました。それに、この曲を作るときに、⻯暉くんに“メロディと歌詞をつけてみて”とトラックをあずけて、歌が届いたときに、“⻯暉くんも同じ気持ちでSTAY HOMEをしているんだ”と思いました。当時は実際には会えなかったので、電話やメッセージだけで「来たる春」を作ったんですが、直接話をしたかのような温かさがあって。おかげで救われたことも多かったので、結果的に大切な曲となりました」

増子 敦貴「僕は「TALK」がお気に入りです。この曲を初めて聴いたときに、“すごくいい曲だ！”と思いました。その第一印象ってすごく大事なので、今もライブでもよくやっています。日本武道館ではこの曲をすごく可愛らしい演出でパフォーマンスしましたし、MVもとってもカラフルで大好きなんです」

──この曲の歌詞は、ファンのみなさんに届けたい言葉が並んでいますよね。

増子「それこそコロナ禍で直接会うことができないから、“直接会えたらいいよね”という想いが込められています」

雨宮 翔「「TALK」は必ず盛り上がるので、セットリストを組むときも“まず「TALK」を入れよう”となることも多くて（笑）。当時はみんなの声が聴きたいという想いで歌っていたんですが、実際に声が出せるようになってからは、“一緒に歌ったり踊ったりできることがこんなにも楽しいんだ”と実感できる、大好きな曲になりました」

──ライブの空気をガラッと変えてくれる力もありますよね。

雨宮「そうなんです。これからも大事な曲になると確信しています。ちなみに、僕のもう1曲の推し曲は、「サヨナラの理由」です。バラードで気持ちが込めやすいだけでなく、純粋にとてもいい曲なんです」

宇井「シンプルにメロディが耳に残る曲なんですよ。それに、GENICはそれまで、ここまで悲しい曲を歌ったことがなくて。この曲の歌詞は、⻯暉くんと呈くんが書いてくれたんですが、みんなでいろんな解釈をして、物語をかみ砕きながら歌ったのを覚えています」

──改めてこの歌詞を読んで、書いたおふたりはどう思いますか？

小池「う～ん…“どんな恋愛をしてきたんだろう？”と思いました（笑）」

西本「自分で！？」

小池「あはは。とてもリアルに感じてもらったようで、ものすごく共感を頂けた歌詞なんです。今までなかった失恋ソングだからこそ、今も愛されているのは嬉しいです」

増子「最初にこの曲を聴いたときに、“すごくいい！”と思いました。それに、恋愛の歌詞って、読むのが楽しいんですよ。“想像なのか？”、“経験なのか？”、“ふたりのどちらが書いたんだろう？”と考察をしたりしていて…」

──恋バナを聞く感覚ですか？

増子「そうです。だからこそ、“歌う時はどうしよう？”とか、“明るめの要素を入れてみようかな？”とか…いろいろ考えるのがすごく楽しかったです」

小池「次も頑張ります（笑）」

宇井「私の推し曲は「ぎゅっと」です。この曲は、GENICにしか歌えないものだと私は思っています。男女混合の私たちが、王道のJ-POPを歌うことで、ほどよい可愛さ、爽やかさ、カッコよさなどいろんな要素を感じられますし、歌うのもすごく楽しいんです」

──みなさんが感じている、男女混合グループの良さはどんな所にあると思いますか？

西澤「男女混合グループって、あまり存在しないからこそ、参加させていただけるフェスなどもあまりなくて…だからこそ、気づいてもらえる場所も少ないんです。それがすごく悔しいんですが、僕たちには男女混合だからこそいい部分もたくさんあるし、いいと思っているから5年間、続けているんです」

雨宮「男女のハーモニーやそれぞれの個性は、一度見てもらった方には絶対に伝わると思っています。まとまった時の魅力や華やかさはGENICにしかないものなので、多くのみなさんに気づいてもらいたいです」

──本当に、その通りですね。さて、小池さんの推し曲も教えて下さい。

小池「僕は「Flavor」です。この曲のサウンドは呈がほとんど作ったんですが、信じられないくらいカッコいいんです。聴いてもらえるとわかるんですが、いい意味での裏切りがあって。こういった曲を作れる、違うジャンルで尖った曲を作れるメンバーがふたりいるということもGENICならではですし、それをメンバーが歌い、パフォーマンスできるということがすごくカッコいいと思うんです」

金谷 鞠杏「この曲はダンスが今までで一番ハードでした。K-POPのアーティストが踊るようなダンスなど、挑戦的なことをしていたのでかなり大変だったのを覚えています。今ではさらに大変な曲が生まれましたけど（笑）」

増子「皆のレベルがあがったからね」

金谷「MVも大掛かりなセットを組んで撮影しましたし、衣装もすごく素敵で。GENICのターニングポイントになった曲だと思います。ちなみに、私は「Sorry not sorry」が好きなんです。この曲はサビを私と優良梨ちゃんが歌っています。これまで女子メンバーはハモリが多かったんですが、ふたりが前に出た記念すべき曲になっていて。歌詞もすごくオシャレで“そんなフレーズが出てくる！？っと思うくらい表現がすごく好きで、”MVを作りたいな“ってずっと思っていました。それをずっと言い続けていたら、パフォーマンスビデオを作ることができたので、言い続けることは大事だと思いました（笑）」

宇井「この曲は、初めてヘッドセットで披露した曲なんです。かなり踊る曲なのでその難しさも感じましたし、強い女性像を作れるように頑張って歌いました」

──『CIRCLE -BEST of GENIC-』には「GENIC 5th Anniversary Medley」としてセルフカバー曲も収録されていますよね。

西本「自分たちで好きな曲を選んでセルフカバーと、MVを撮影しました。優良梨の「Aventure」はかなり新鮮でした」

増子「MVはまったく雰囲気が違う猫カフェで撮影していたよね？」

西本「そうそう。曲と猫とは全く関係ない！（笑）」

宇井「まさか猫カフェという意見が通ると思わなくて…（笑）」

西本「あと、敦貴が「あいたくて × MOONLIGHT」を歌っているのも良かったです。キーを下げて歌っているんですが、そのせいでより失恋を引きずっているように聞こえて…」

増子「オリジナルの茉生くんと優良梨のふたりの声のバランスも好きで、曲自体がすごく好きだったので挑戦してみました」

西本「竜暉が「U&I × My BABY」をひとりで歌っているのもすごく楽しくて、“聴きたかった！”と思いました。鞠杏の「Flavor」も、“男性メインの曲を鞠杏が歌うとこんなにも華やかになるんだ！？”という発見があったし、呈の「まわりみち」もすごく良かったです」

西澤「あれ、翔は！？」

西本「翔は大丈夫です（笑）」

雨宮「触れろ！ 一番触れろ！」

西本「あはは。でも、翔がこれだけフルで歌っている曲は珍しいから、すごく嬉しかったし、すごくいいんですよ。だから純粋に“ありがとう”と言いたいです」

雨宮「ありがとう（笑顔）」

──すごくニコニコですね。

雨宮「こんなふうに言ってもらえると思わなかったので嬉しいです！」

増子「茉生くんは、「SUN COMES UP」が主軸になりながら「抱きしめたら」が入っているマッシュアップ作品です。茉生くんの声質もすごく合っているし良かったよね！」

小池「リーダーがGENICのデビュー曲を歌う意味があってすごく良かったです」

雨宮「MVでは、まいたんがオーディションの場所に行ってニコニコしているんです。そのシーンはエモかったですね」

西本「そこはエモに撮影しました！」

金谷「みんな好きなところに行って撮影したよね」

──金谷さんはどこに行かれたんですか？

金谷「韓国に行きました！　そこでレッスンを受けさせてもらいました。さらに美味しいせりのサムギョプサルを食べました！」

──いいですね！

金谷「レッスンの40分前くらいに食べたら、お腹いっぱいでレッスンにあまり集中できなくて…（笑）。でもすごく楽しかったです」

西澤「僕はマレーシアに行きました。もともと一人旅をする予定だったんです。そのタイミングでお話が来たので、“これはマレーシアで撮影しよう！”と」

──たしかに！（笑）

西澤「本当に素で楽しんでいる僕を見て頂きたいです。自撮りなのでVLOGみたいになってしまいましたが、世界の素晴らしさ、日本の素晴らしさに気づいてもらえるはずです！」

増子「僕は熱海に行きました」

金谷「泣いていたよね？」

増子「そう！ 花火大会に行ったんだけど、すごく素敵で思わず涙が流れてしまって。もともと泣くシーンではなかったので急いで撮影しました。“こういう景色を見るために生まれてきたんだな”という気持ちになりました。あとは星空など光るものが大好きなので、たくさん見ていきたいです」

雨宮「僕はみなとみらいに行きました。地元が横浜なので、昔から踊ったり、遊んだりしている場所に行けたのは良かったです。「IT’S SHOWTIME」に乗せて、“これからの未来に進んでいく！”という意味を込めながら、撮影していきました」

西澤「竜暉くんはどこに行ったんだっけ？」

小池「僕は翔がみなとみらいで撮影している合間に、ハウススタジオでサクッと！」

一同「あはは！」

小池「そこで料理をして2時間くらいで終わった！」

西澤「昼飯じゃん！（笑）」

小池「あはは！」

──そんな皆さんの表情がたっぷり楽しめる作品になっているんですね。

──改めて、初めてのベストアルバム『CIRCLE -BEST of GENIC-』をリリースして迎える2026年への意気込みを教えて下さい！

西本「待ってろよ！」

一同「あはは！」

西本「俺達が行くぜ！ 2026年に！」

金谷「皆も行くでしょ（笑）」

西本「たしかに（笑）。“GENICの名前をより広めていくぜ！”という気持ちで、駆け抜けていくので楽しみにしていてください！」

（おわり）

取材・文／吉田可奈
写真／中村功

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