――7月にリリースした「LifE!!」はとてもHAPPYな曲でしたが、反響もかなりきているのではないでしょうか?
金谷鞠杏「TikTokでダンスの“#LifEchallenge”があるんですが、そこでダンスをカバーしてくれる人たちがたくさん増えてきて、すごく嬉しいですね」
増子敦貴「僕もとっても嬉しいです。MVにはQRコードが隠されていて、それを読み取るとメイキングの映像が見られたりと、いろんな工夫を施しました。メンバー一人一人が今とは違う職業についていたら…というコスプレのような仕掛けもありますし、今までにないハッピーで不思議な、楽しい世界観を表現したんです。公開した後はみんなが楽しんでいるコメントが届いてすごく嬉しかったです」
――となると、連続リリースの次の曲はどんなものになるのか期待度が上がると思うのですが、8月にリリースした新曲「Sorry not sorry」を最初に聴いたときはどんな印象を持ちましたか?
西澤 呈「今回は僕が作詞をさせていただいたんですが、最初にこの曲を聴いたときに、マイナーからサビでメジャーになっていくという、暗い場所から明るい場所へと移り変わっていく展開がすごく印象的だったんです。1曲のなかで何度も転調をしますし、最後のDメロでは、“これは違う曲を入れてきたのか?”と思うくらい別のテイストになって、BPMも変わっているんです。1曲のなかで、本当にいろんな表情が見られて、楽しめる楽曲だなと思いました」
――そんなサウンドが来たからこそ、歌詞を書くのは難しかったのではないでしょうか。
西澤「実はサウンド自体は身体にスッと入ってきたんです。ただ、この曲がドラマ「完璧ワイフによる完璧な復讐計画」のオープニング主題歌として書き下ろすことになっていて。ドラマはかなりハードな内容なので、GENICとどう合わせるかというところが考えどころでした」
――確かに、経験談を乗せられないのは難しいですよね。とはいえ、出来上がった歌詞をみなさんが読んでみていかがでしたか?
増子「歌詞に、“もうお下がりのLove”というフレーズがあるんです。この“お下がり”という懐かしい単語であり、このドラマに合わせるとかなりえぐい言葉であるこのフレーズをサビの頭に持ってくるのはさすがだなって思いましたね」
――ものすごく深くなりますよね。
増子「GENICっぽさもありつつ、意味を考えれば考えるほどドロドロなところがすごいなと思っていて」
西澤「最初は、もっと英語を入れてわかりにくい言葉で表現するのもいいのかなと思ったんです。でも、サビの頭になにか引っかかる言葉をいれることで、少しかわいくて、少しダサさを感じるのがいいなと思いついたんですよね。ドラマの内容を知らない人にはポップに聞こえるけれど、知っているとドロドロに聞こえるという、ドラマにもGENICにも寄り添えた歌詞になったんじゃないかなと思っています」
雨宮 翔「“湿気た愛はただの防炎なゴミさ”というフレーズには驚きました。どこからこれが思いつくんだって思いましたし、僕自身、どう表現したらいいのかなと考えたときに、自分の少し暗い部分、表に出したことがない部分を表現するように歌ったんです。今までとは違う経験だったので、すごく、難しかったですが、その分やりがいがありましたね」
宇井優良梨「さらに“この人生(ゲーム) は騙し愛”というフレーズがあるんですが、それと一緒に”全部自分次第“という言葉も並んでいるんです。そこで強い女性像を想像できますし、「LifE!!」では、”人生はゲーム“というフレーズがあるんですよ。そこから連想される歌詞になっているのもすごく面白いなって思ったんです」
増子「「LifE!!」の歌詞を書いた僕としてはすごく嬉しいですね」
――ファンはこういった繋がりやアンサーソングが好きですよね。
西本「僕たちも好きです。GENICにもいろんな曲があるので、いつかアンサーソングを作ってみたいですね」
金谷「私もこの曲にはすごく強い女性像を感じました。女性って裏切られると想像力が広がって戦闘モードになりやすいんですよね。そんな特徴を捉えているのもすごいなと思いましたし、用が無くなったら捨てることへのボキャブラリーもすごく多くて。レコーディングの時に、呈くんに”これは不倫した方の話なの?それともされた方の話?”って聞いたんですよ。そしたら、”それは任せるよ”と言われたので、私は不倫をされた側の悔しい気持ちを持ったままレコーディングをしていきました。他のメンバーがどういう気持ちで歌ったのかはまだ聞いていないので、そういった意味では受け取る人によって解釈の仕方が違う、選択肢の多い曲だなと思いました」
小池「パフォーマンスは今までと違って……とはいえ、いつも今までと違ってと言っているんで説得力が無くなっているかもしれないですが(笑)、今回もまた新たな風を感じてもらえると思います。僕のイメージだと、この曲にはもっとディープな振り付けがくるのかなと思ったんですが、想像よりもキャッチーだったので驚きました」
――なぜディープな振り付けがくると思ったんでしょう?
西本「世界観がすごく強いから、それに合わせた深いものになると思ったんです。でも、思っていたよりも見やすいし、覚えやすいと思いますよ。いまからライブの演出がすごく楽しみです」
増子「僕はサビの頭の振り付けがすごく好きで。非常口のようなポーズをするんですけど、これが面白いんですよ!」
――非常口ポーズでいいですか?
増子「ちょっとそれはやめたほうが…(笑)」
西本「EXITポーズにする?」
増子「それもまた別にありそうなので、ちょっと考えます!(笑)」
小池「あはは!パフォーマンスも歌詞と同じで、男性の気持ちで踊ってもいいし、女性の気持ちで踊ってもいいし、すごく自由度が高いものになりました。誰もが、一人で寂しくなってなんとなく流されちゃうときってあると思うんですよね」
増子「俺はどちらかというと女性目線で、奮い立たせるような気持ちで歌ったかも」
雨宮「僕も悔しい気持ちを大事にして歌ったかな」
西本「そうなの?俺のパートはあまりそこに付随しないものだから力強さだけを考えて歌ったかも」
西澤「敦貴くんには、絶対に“我??”を歌って欲しかったので、圧倒的に不倫された側のフレーズを振りました(笑)」
金谷「たしかに!あっちゃんはいま、中国でも人気だもんね」
西澤「実はこの曲は全部Bメロの歌詞が一緒なんです。でもそれは、歌詞を変えるとダンスが変わるからなんですよね。同じ歌詞で単純なワードにしておけば、もし中国で披露するときがあった時に、中国語に変換できそうだなって思ったんです」
――さすが先を見据えた作詞ですね!
西澤「チャンスは狙っていきます!(笑)」
一同「あはは!」
小池「呈が作る曲って、それぞれ受け手によって感情が変わるものだと思うんですが、そうあればあるほどセットリストに入った時も、色を変えるものだと思っていて。ライブでパフォーマンスをするたびにどんどん成長する曲になりそうですね」
――小池さんは楽曲をよく制作しているからこそ、この曲の展開は面白くとらえたのでは?
小池「僕も転調はかなり好きなんですが、ここまでの挑戦はしないので、これからはどんどん攻めていきたいなと思いました」
――これからもいろんな挑戦で驚かせてくれそうですね。さて、この連続リリースが落ち着いたらやってみたいことはありますか?
金谷「デビュー当時から、メンバーみんなでテーマパークに行きたいと言い続けていて!でも5年間ずっと実現していないんですよ!」
西澤「いや、そのアトラクションに並ぶ時間で、どれだけのファンのみなさんを笑顔にすることができるだろうと思うとついつい後回しに(笑)」
金谷「そんなことを言っている間に3回も行っている人がいるんです!しかも違うグループの人たちと!(笑)」
小池「僕です!家族とも一緒に行ったわ(笑)」
金谷「私はまだ一度も行っていないので、さすがに叶えたいですね(笑)」
――あはは!次にお会いした時にテーマパーク話を聞けるのを楽しみにしていますね!
金谷「はい!(笑)」
(おわり)
取材・文/吉田可奈
写真/平野哲郎
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2025年11月5日(水)日本武道館