──最新EPには昨年10月配信の「Proud」に加えて新曲3曲が収録されています。そんなEPのタイトル、そして6月16日からスタートしている全国ツアーのタイトルに“PRESENT”と名付けた理由を教えてください。

SWAY「僕から提案させてもらいました。「Proud」がEPのリード曲なのもあって、歌詞の世界観とリンクしたタイトルがいいというのがありつつ。さらに、このEPを引っ提げてのツアーも控えていて、僕がいつもグッズのデザインをやらせてもらっているので、文字のデザイン的に相応しいワードを探していたんです。“PRESENT”に“RE”を付けると“REPRESENT(代表する)”という意味にもなりますし。ドーベルも12周年を迎えて、「Proud」には“自分たちを誇ろう”というテーマもあったので、そういう意味合いとしてもいいかと思って提案しました」

──今のお話にも出た“自分たちの誇り”にもつながると思うのですが、10周年アニバーサリーイヤーを駆け抜けたところで改めて見えてきたドーベルとしての在り方、あるいは新たに手にした自分たちの強みはありましたか?

SWAY「これまでの12年間で作ってきた自分たちの音楽性が、結局、自分たちの強みなんだと気づきました」

P-CHO「(EPを)作る前、SWAYは結構それを言ってたよな」

SWAY「はい。KAZUKIがボーカルで、あとの4人がラッパーというスタイルで1年目をスタートして…気づいたら12年経っていて。この12年間、その時代時代で流行っている音楽とかを取り入れたときもありましたけど、振り返ってみると、この1ボーカル・4MCのやり方で作ってきた形というものがあって、それが自分たちの音楽なんだと思うことがあったので。“自分たちがやってきたことが自分たちに一番合っている”というのが、気づいたこととして挙げられます」

KAZUKI「ドーベルは試行錯誤を重ねてきたグループだと思います。ほとんどの曲を自分たちで作ってきているので。しかも1人が作るとかではなく全員で作るから、みんなの意見をすり合わせる意味でのディスカッションも含めた試行錯誤。“あれがいい”、“これが嫌”というのはやっぱり個人差もありますし。でも、最終的にこれだけ(の曲が)リリースしてきているので、なんやかんやそういうところも乗り越えてきての今なんだと思います」

SWAY
KAZUKI

──先ほどSWAYさんから“自分たちがやってきたことが自分たちに一番合っていると気づいた”というお話がありましたが、そこに至るきっかけは何かあったのでしょうか?

GS「それで言うと去年のライブじゃない? ツアーで古い曲をやっていって、“あ、俺たちにこの武器がありましたね。こっち系のジャンルの曲を作りましょうよ”みたいな話とかがあってじゃなかった?」

SWAY「でしたね。10周年で振り返ったときに、“なんだ、実はめっちゃ持ってたじゃん”って」

GS「“忘れてたけど、これあったじゃない”みたいな」

──そのツアー時の手応えを持って、EPの制作に入っていった感じですか?

SWAY「「Proud」はで出来上がっていましたけど、フォーメーションとしてはそうです。「戯言」でのKAZUKICHOさんプロデュースも、過去に「夏化粧」でやってもらっていたりとか。それからOMWが手がけた「Once Again」、そして「JUMP AROUND ∞」をDJ SACHIHOさんに作ってもらった流れで「Right Now」をSACHIHOさんにやってもらたり。過去の引き出しだらけかもしれないです」

GS「よく考えると、そうだよな」

──その上で、新しい自分たちもそこに加えていった?

SWAY「そうですね。だから、“時代VS自分たち”というより、“自分たちVS自分たち”になってきているかもしれないです。ありがたいことに毎年ツアーを続けさせてもらって、もちろん求めてくれているものもあると思いますけど、自分たちでどこか、“そろそろアップグレードさせていきたい”とか、そういうセクションもあったりして。そこと戦っている感があります」

GS
P-CHO
KUBO-C

──今回は新曲を中心に伺っていきたいのですが、まずは「戯言」から。先ほども話に出た、「夏化粧」(2022年リリース)と同じ布陣での制作とのことで、制作の過程をP-CHOさん、KAZUKIさんにお伺いしたいです。

P-CHO「KAZUKIとは普段から“「夏化粧」を超えられるような曲にまた挑戦したいよね”という話をしていました。それを“このタイミングでトライしてみようか?”っていうのが最初でした。それで僕たちのバンドマスターでもあるSWING-Oさんに声をかけさせてもらって、3人で考えていったといいう流れでした。でも、お蔵入りになった曲もあったんですよ。作ったあとにKAZUKI2人で喋って、KAZUKIが“これじゃない”みたいな…」

KAZUKI「長年やっていると、その曲がこれ以上良くなるかならないかって、なんとなくわかるんです。ここからどう頑張ってアプローチしても、この曲は今が限界だなって。僕はホームラン級の曲が欲しかったけど、そこに持っていくのは難しそう、平均値のいい曲みたいなところで止まりそう。だったら、そこに時間をかけるのはもったいないと思って、CHOさんには“この段階で切り替えましょう”というのを言って、またゼロから作り直すことにしました」

P-CHO「でも、すごくいい決断だったと思います。お互いにこう…言葉ではうまく言い表せないですけど、思い描いているものがあって。それがフィールしたのが「戯言」で、やり直したことでそこに辿り着けたので」

KAZUKI「自分の中に見えている景色があったので、それを表現するための言葉選びや言い回しにこだわって書いた記憶があります。メッセージソングとして聴く人の背中を押す曲は「Proud」が既にあったので、僕とCHOさんがやるのはどちらかと言うとメッセージ性というより、“いい音楽だな”と思ってそこに浸れる時間を作ってあげたくて、作りました」

──みなさんはこの「戯言」を受け取ったとき、どんな印象を受けましたか?

GS「印象…僕が受け取ったときにはCHOちゃんが仮歌を歌っているものがもう出来上がっていて、“ここね”って言われて、そこを歌うという感じだったんですよ。そこのクリエイティブって正解も不正解もなくて、作った人たちが正解だと思うものが正解だと思うんです。で、やっぱりグループだから、そこに乗っかるのもグループの良さだと僕は思っています。5人いて、5人の感性があるからこそ、いろんな楽曲ができると思うんですけど、逆に5人で“せーの”で考えていたら「戯言」みたいな曲は出来なかったかもしれないです。だから今回、改めてこういう制作の仕方をやってみて、ドーベルの強みというのも知りましたし、どんな曲ができるのかワクワクできる感じもすごくよかったです」

──確かに今回のEPに収録されている4曲だけでも相当バラエティに富んでいますね。

GS「絶対に(自分から)出ないものが出てくるので。こんなこと言ったらあれですけど、当時、「夏化粧」を聴いたときは“売れた〜!”って思ったから(笑)」

KAZUKI「言ってましたね(笑)」

GS「それぐらい衝撃が走った1曲だったんです。またそのタッグでやると言うからすごく楽しみで。でもやっぱりこの2人やからちょっと変態というか(笑)…わかりやすく真っ直ぐなボールを放ってこないところが、2人の幅の広さ、経験値の高さなので。だから、すごく楽しかったです」

──KUBO-CさんとSWAYさんもGSさんと同じ感覚ですか?

SWAY「そうですね」

KUBO-C「本当、そんな感じでした」

GS「ブレないからね、彼らの世界観は。歌う順番も、かなりディスカッションしたんですけど最後まで変えなかったですから。“いや、ここなんですよ”って。だから、2人には見えていたんでしょうね」

P-CHO「そこはそう。見えていたかもしれない」

──実際に完成した楽曲は自分たちがイメージした通りのものになりましたか?

P-CHO「そうですね。やっぱりSWAYが歌うから、KUBOちゃんが歌うから、GSが歌うから、その部分のリリックが生き生きしているので。僕たちがイメージした通りの色に仕上がった自負はあります」

──続きまして「Once Again」はP-CHOさん率いるプロデュースチームOMWがトラックプロデュースを担当されています。

P-CHO「ベースとなる部分を提案させてもらいました。「Proud」が先に走っていたので、それと一緒に収録する曲という前提が、イメージにありました。でも、それを一掃したんです。フラットにビートだけの状態にしてから、新たにみんなで考え直した曲です。なんて言うか…メンバーの想いが宿った曲に仕上がったと思います」

──この曲はファンに対する気持ちを歌ったものですが、自然とそのテーマ性が生まれていったのでしょうか?

GS「あのサウンドなので、“どういうメッセージをのせようか?”ってみんなでディスカッションしていくうちに、まず最初にサビができました。<笑って泣いて焦って悩んで>って、どのワードもやっぱりドーベルなんですよね。僕の場合、“ドーベルっぽい”というところが、アリかナシかを決める判断基準でもあるので。客観的に見て、“ドーベル言いそうだな”って(笑)」

──リリックの中で“ドーベルっぽい”と思う部分は、みなさんそれぞれ違ったりするのでしょうか…?

GS「すごく印象的なのは、<迷わず飛び乗る3番線>」

P-CHO「3番線物議あったな」

GS「そうそう(笑)。3番線物議でかなり話し合ったんです。昔、渋谷駅の山手線って内回りと外回りでホームが違ったじゃないですか。でも今は同じホームで、3番線があって。“昔は3番線なんてなかったのに”なんて話もしながら出てきた言葉でもあり、“何の3番線だかわかる?”みたいなところもあったり。意味なく使った言葉ではなくて、僕たちにしかわからないことかもしれないですけど、自分たちなりのこだわりが詰まってるっていう。“都会の雑踏から外に出て気を休ませようよ”という意味で、渋谷から外に出る<3番線>という言葉が出てきたところも面白みの一つでした。あと<Jump Around>とか、曲のタイトルも織り交ぜられていたりします」

KUBO-C「曲のタイトルじゃないけど、<What time is it? そうね だいたいね>も気づくと面白いかな」

P-CHO「あと、この曲で肝になったのは<果てしない道の先立てるフラッグ ここから数えりゃそりゃ目が眩むけど 次の約束までなら まぁ 歩けるか>ですね。ここの落とし方を一番ディスカッションしました。人生ってとても長いじゃないですか。その果てしない道を歩んでいくわけなんですけど、大きな目標を立てると、“やべぇな、あの夢まで届くかな?”と思ったり。でも、僕たちと会う…例えば“1か月後にライブで会おうぜ”ってなったら、そこまでなら頑張れるみたいな。そういうのをこの曲で言えたらいいと思って、たった4小節ですけど、みんなですごく話し合って想いを入れ込みました」

KAZUKI「僕は自分が歌うところではないですけど、<Jump Around キミと頭の中 ワンダーランド 飛び回る まだまだまだ>って歌詞が出たとき、“めっちゃいい!”と思いました。なんだかワクワクするというか、ドリーミーな感じというか…個人的には好きです。あと、<Jump Around>を使ったから、“もう1曲入れたいよね”というので、代表曲の「We are the one」を2番の同じところに入れてるところもポイントです」

KUBO-C「僕はこだわったところと言うよりは、全体的に自分たちの遊び心とかを散りばめながらも、さっきCHOちゃんが言ったみたいに…(何か言いたそうなP-CHOを見て)え? 何?」

P-CHO「KUBOちゃんがこだわってたとこ、あったじゃん」

KUBO-C「こだわったみたいです(笑)」

──(笑)。ちなみにどのあたりですか?

P-CHO「“<マジでお疲れ>は手前にしたほうがいい”って」

KUBO-C「言ってたっけ? CHOさんがそう言うなら、こだわっていたと思います(笑)」

──(笑)。この曲はぜひライブで聴きたいですね。

GS「そうですね。僕たちはライブを大事にしているので、この曲を届けて、D6のみんなには、“ドーベルのライブに来ている瞬間は笑える”と思ってもらったり…。それから<Once Again>とある通り、“またライブで会う約束をしよう”という意味もあるので。僕たちドーベルと、ドーベルを応援してくださるD6のみなさんとのテーマソングになったと思います」

──ライブと言えば、次の「Right Now」もまさにライブにピッタリのアンセムですね。

KUBO-C「意気込み的には「JUMP AROUND ∞」を超えるとか…そういう気持ちでした」

P-CHO「本当にこのインタビューの冒頭に話したことをやっているよね」

SWAY「“自分たちVS自分たち”。それか、既に持っている「JUMP AROUND ∞」とかもそうですけど、それと組み合わさったときにどんな爆発が起きるか?みたいな楽しみもあります」

──ライブに行く側からすると、新しいアンセムが生まれると“これまでやっていたアンセムをやらなくなってしまうんじゃないか…”という気持ちも正直あったりします。

KUBO-C「そっちもあるんですよね。難しいところではあるんですけど」

KAZUKI「でも、そんな感じの“今が一番でありたい”みたいな内容で書いています。フレッシュさはもうないかもしれないし、年もとっていくけど、来てくれた人たちに“今回のライブが一番だね”と言ってもらえるような願いを込めて、(歌詞を)書いていました」

P-CHO「僕たちの中でよく話に出るのが、アゲ曲の話なんです。ドーベルにはBPM速めのアゲる楽曲があって、そういう曲ってやっぱりこの10年以上、ライブでも音楽を作る上でも自分たちの武器になっていて。でも、そのBPM速めの部分を外してでも戦える…“ヒップホップのサウンドで戦えて、アゲられる楽曲を作ろう”というのが、今回自分たちの裏テーマでもあったんです。「Right Now」はそれをクリアできた1曲だと思います」

──EP『PRESENT』がリリースされる頃には既に『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2026 “PRESENT”』がスタートしていますが…どのようなライブになりそうですか?

SWAY「ライブって、自分たちが歌ってるとはいえ、ちゃんと自分たちが共感した想いを曲に入れているので、自分たちに向けても歌っているんですよ。「Proud」でも<胸張れ>と言ってますけど、自分たちもここまで来たことに胸張っていく、そういうツアーになると思います。僕たちにしかできなかった12年ですし、自分たちにしかできない音楽が揃っているので。それを堂々と、真っ向勝負でぶつけると、心の奥まで届いてくれると思っています」

KAZUKI「グループのツアーとしては少し間が空いてしまったので。今回は久々にフルバンドでのライブなので間違いないと思いますし、セットリストの面でも選りすぐりの楽曲を詰め込んで、満足してもらえるベストなライブをしたいです」

KUBO-C「自分たちのライブをするだけだと思うので。必ずみんなが喜ぶライブにしますから、絶対来なさい(笑)」

P-CHO「SWAYが“PRESENT”といういいキーワードを出してくれたので。まさに“現在”の自分たちを出し切るライブになりますし、絶対にパワーを届けるので。それを“贈り物”として持って帰ってもらいたいです」

GS「ツアーって、自分たち的には特別なお祭り期間が始まるような感じなので、すごくワクワクしています。表現としては、“新しくも変わらないライブをしたい”というところで、“見るものすべてが新しいんだけど、でもドーベルは変わらないね”という答えに最終的になってもらえれば。それから今回のグッズ! SWAYを目の前にこんなこと言うのはゴメンだけど、12年で一番だと思っています。大好きです」

KUBO-C「褒めてるんだからいいんじゃない?」

GS「いや、これまでがアカンかったってふうにも聞こえるかな?って。全然そうではなくて、僕の中では12年で一番のラインナップが揃ったなって思っています。全部使いたいよね」

P-CHO「グッズも含めて喜んでもらえて、楽しんでもらえるツアーになると思います」

SWAY「嬉しいですねぇ。今、ここにレモンサワーがあったら飲んでました(笑)」

(おわり)

取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣

RELEASE INFORMATION

DOBERMAN INFINITY『PRESENT』初回限定盤(CD+Blu-ray)

2026年78日(水)発売
XNLD-103015,500円(税込)

DOBERMAN INFINITY『PRESENT』

DOBERMAN INFINITY『PRESENT』初回限定盤(CD+2DVD)

2026年78日(水)発売
XNLD-10302/5,500円(税込)

DOBERMAN INFINITY『PRESENT』

DOBERMAN INFINITY『PRESENT』数量限定盤(ミュージックキーホルダー)

2026年78日(水)発売
XNLD-103032,500円(税込)

DOBERMAN INFINITY『PRESENT』

LIVE INFORMATION

DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2026 “PRESENT”

6月16日(火) 大阪 オリックス劇場
7月12日(日) 大阪 グランキューブ⼤阪
8月12日(水) 埼玉 川⼝リリア・フカガワみらいホール(メインホール)
9月2日(水) 岐阜 ⻑良川国際会議
9月9日(水) 千葉 森のホール21(松⼾市⽂化会館)
9月19日(土) 福岡 福岡国際会議場 メインホール
10月15日(木) 東京 昭和⼥⼦⼤学 ⼈⾒記念講堂

DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2026 “PRESENT”

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