――2024年6月からの結成10周年イヤーを記念し、昨年は4〜7月にかけての連続リリースや『ThanX “THE REVIVAL”』ツアーなど精力的な活動を続けているみなさん。楽曲やライブ会場でのファンの方々の反応も含め、この10周年イヤーの活動に対する手応えというのはいかがでしょうか?

KUBO-C「手応えですか…。でも、この10年を振り返ってみると、デビューしてから全力で駆け抜けてきて、“これから行くぞ!”っていうときにコロナ禍が始まって。そこからしばらく思うような活動ができなかったですけど、2023年くらいから徐々に戻ってきて、今、完全にではないもののコロナ前のような勢いを取り戻しつつある気はしています。それは、コロナ禍も休まず自分たちなりにできることをやり続けていたっていうのが、今に繋がっているとも思っていて。コロナ禍を経た今がこういう状態だからこそ、今後また自分たちが思い描くところに行けるんじゃないかという手応えを感じています」

――そうした手応えを感じながら制作された結成10周年のAnniversary Yearを彩る最新アルバム『D.X』。コンセプトやテーマとしてみなさんで共有されていたことってあるんですか?

GS「ないです」

SWAY「即答(笑)」

GS「明確に掲げていたコンセプトはないですが、やっぱり10周年というのは自分たちにとっても一つの区切りとなる年ではあるので。この記念すべき年を自分たちから盛り上げたいですし、これまで積み上げてきたものをいい形で10周年イヤーに昇華できたらという想いはありました。その中で出来上がってきた楽曲たち…2023年の「アンセム」から始まり、10周年に際してファンのみなさんに感謝の気持ちを届けようというテーマで作った「Youre the Reason」などシングルとして先行リリースしてきた曲は、その時その時で自分たちが伝えたい内容を歌にしたものでした。そういう曲がたくさん集まってきたところにアルバムを制作することが決まって、「Scream」や「Take A Ticket」は、“アルバムにない曲を入れよう”というので作った2曲でした」

――ピンポイントで当てにいった、と。

GS「そうですね。もう2曲ある新曲の「The other story」や「No.1」のほうはタイアップがあったりもしたので、そこを意識しながらの制作だったんですけど、「Scream」と「Take A Ticket」はアルバムの中の1曲というイメージを強く持って作ったので。この2曲が入って初めてDOBERMAN INFINITYのアルバムが完成したと思いましたし、10周年とか関係なく、今回もDOBERMAN INFINITYの音楽性の広さだったり、僕たちのキャラクターを理解してもらえるような1枚になったと思います」

――今のお話から、「Scream」と「Take A Ticket」は比較的最近の制作かと思いますが、P-CHOさんはこれらの楽曲の制作で印象に残っていることはありますか?

P-CHO「「Take A Ticket」が出来たのって、“THE REVIVAL“ツアーがヒントになったところがあるんですよ。DOBERMAN INFINITYの懐かしい曲でセットリストを組んだツアーだったんですけど、あの時代のこういう構成、サウンド感が面白かったなとか、細かいマイクリレーも良かったよねとか…そのツアーで感じたものを、10周年イヤーの記念すべき『D.X』というアルバムのリードトラックとなる「Take a Ticket」に落とし込めました。それこそ、“THE REVIVAL“ツアーをやった意味があったというか。最近は割とそれぞれが16小節を担当してやる楽曲に慣れつつあったので、”そうじゃないタイプの楽曲にしよう“っていうのは、“THE REVIVAL“ツアーを終えてから出てきたことでした。あと、「Take a Ticket」って、和訳すると“チケットを受け取る”というような意味合いになるんですけど、タイトルの裏に自分たちが隠している想いっていうのがあるんです。その答えは今は明かしませんが、歌詞を読んだり、ミュージックビデオを観ていただけたら伝わるものがあると思います。自分たちの想いはもちろん、聴いてくださった人たちを後押しできるようなものになればいいなという想いも込めたので、ミュージックビデオなどを観ながら、もう一つの隠された想いを感じながら聴いてもらえたら嬉しいですね」

――ミュージックビデオの撮影はすでに終えられたのでしょうか?

P-CHO「はい。先日台北で撮影してきました。監督は「アンセム」や「踊れピエロ」のミュージックビデオを撮ってくださった和田(昇)さんで、いつも自分たちの引き出しにはないものを引き出してくれるといいますか…。今回の「Take a Ticket」もまた自分たちの発想にはない作品に仕上がっているので、楽しみにしていてください」

――SWAYさんは今作にも収録されている「マンマミーア!」が初のプロデュース作品になりましたが、その経験を経て何か変化を感じながらの制作だったりしましたか?

SWAY「今回、「マンマミーア!」ともう1曲、「No.1」のプロデュースもさせてもらっています。「マンマミーア!」は作っているときから楽曲のイメージが100%出来上がっていたので、そこに向かって作っていく感じでした。“終わりよければ全てよし”というコンセプトで、ライブでも必ず最後の締めでやっていて、会場に来てくれたみんなが音に乗ってくれる姿を実際に観ることが出来てすごく嬉しかった1曲でした。一方、「No.1」は、実は「マンマミーア!」よりもっと前からトラックがあったんです。それをベースに、みんなでコンセプトを話し合ったり、総合格闘技大会『MMA甲子園』のタイアップでもあったのでそっちに方向転換したりしながら作っていきました。自分で作っておいてなんなんですが、時間が経つとどうやって作ったかも忘れちゃって…。昨日もリハーサルで聴いていたんですけど、“これってどうやって作ったんだっけな?”みたいな(笑)。あるよね?」

KAZUKI「ありますね。自分で作ったのに、もう出来ないって思う(笑)」

SWAY「そうそう(笑)。だから、昨日のリハーサルでも“こんな音入れてったっけ?”と思いながらずっと聴いていたんですけど、忘れちゃってる分、また面白くも聴けます」

――プロデュースをする際は、やはりグループ全体のことだったり、メンバー一人ひとりのストロングポイントを改めて考えたりしながらの作業になるのでしょうか?

SWAY「そうですね。「マンマミーア!」は自分もメンバーの一人としてツアーを回りながら、“セットリストにこういう楽曲があったらいいな”と思って作りましたし。あと、さっきCHOさんも言ってましたけど、最近速い感じでマイクリレーしてないなとか…。そういうのはすごく考えていたので、やっぱりドーベルだからこそ成立し得た1曲だったと思います」

――細かなマイクリレーをやらなくなった理由というのは何かあるんですか?

SWAY「特には…。でも、たくさん切り替わると歌詞の内容が入ってこないっていうデメリットがあるので。ただ、「マンマミーア!」みたくライブで生きる楽曲の場合は、細かなマイクリレーが観ていて気持ちいいっていうふうになると思います」

――そして、KAZUKIさんはソロデビューを経ての今作となりましたが、ソロでの経験がDOBERMAN INFINITYに還元されるという実感もありましたか?

KAZUKI「そうですね。これまでも基本的には自分でメロディを書いたりしていて、今回だと「The other story」のメロディは自分が作らせてもらっています。我ながら“いいものが出来たな“って思いましたね。「The other story」のメロディは、我ながらすごくいいものが出来ました」

SWAY「その技すごいな」

KAZUKI「2回言う(笑)」

P-CHO「堂々と言ってて突っ込めなかった(笑)」

KAZUKI「あと、「The other story」はSWAYさんも歌ってるんですよ。割とちゃんとした歌のラインを作っちゃったってこともあって。しかも歌い出しがSWAYさんっていう…」

SWAY「そうなんです。KAZUKIに背中を押してもらって…というか、もともとは歌う予定じゃなかったのに」

KAZUKI「最初、Aメロは自分が全部歌う予定だったんです。だけど、分けたほうがいいんじゃないか?って俺が言い出して。なんか、SWAYさんぽいなと思ったんです」

SWAY「そのときは、“そっか”って自然に歌う流れになったんですけど、ライブのことを考えてみたらヤバいね。想像したら緊張してきた…(苦笑)」

GS「まだライブで歌ってへんもんね」

P-CHO「まぁでも、SWAYが歌うのが初の試みというわけでもないし、相性いいイメージもあるから楽しみやね!」

――『D.X』に収録されている13曲の中で、一番新しいDOBERMAN INFINITYが詰まっていると思う楽曲を1曲あげるとしたらどれになりますか?

GS「俺は「1st SONG」かな。ヒップホップのビートで、ユニゾンでサビを歌うっていうのは、意外とこれまでにありそうでなかった1曲なので。ユニゾンの曲の代表といえば「We are the one」だと思うんですけど、それとは別の方向性でサビをユニゾンしたのが「1st SONG」。ヒップホップビートなんですけど、どこか懐かしさも感じさせつつ、これを今、表現できたことはドーベルの進化なのかな?と思いました」

SWAY「超新しいという意味では「踊れピエロ」でCHOさんがサビを歌っている…これは10年間なかったです。CHOさん、本気で“嫌だ!”って言っていたので(笑)」

P-CHO「僕はみんなでやるつもりで作ったんですけど、いつの間にか自分一人になってました…」

KUBO-C「どうしてもやらせてくれって」

P-CHO「言ってないよ(笑)」

GS「歌唱印税の話とかし出してな(笑)」

KUBO-C「俺だけに歌わせろと(笑)」

P-CHO「だから言ってないって(笑)。どちらかと言えばみんなに歌わせたかったんですけど、みんな、“いやぁ…”とか言って」

SWAY「でも、CHOさんにしか出せないものが確実に出ていたので」

KAZUKI「CHOさんがトップライン作りましたしね」

KUBO-C「そこから始まってた…」

P-CHO「始まってないよ(笑)。印税のことは考えてません!(笑)」

――結成から10年、音楽面では常に変化を求め、進化し続けてきたかと思いますが、5人の関係性という面では、リーダーのKUBO-Cさんの目にはどう映ってますか?

KUBO-C「みんな変わってないように見えますね」

SWAY「KUBOさんは変わってないですよね」

P-CHO「てかさ、本当に変わったことがなさすぎて、怖ない? もちろん細かくはあるんだけど、大きく変わったことはなくて。だから、俺の感覚的には、10年経ったけど、“もう10年!?”って感じなんですよ」

GS「基本、変わってないんですよね。変わったのはCHOちゃんとKAZUKIのパワーバランスだけです(笑)」

――グループとしてとてもいい雰囲気であることもひしひしと感じられます。その状態をもってアルバムリリース前からスタートするのが、『DOBERMAN INFINITY 10th ANNIVERSARY ThanX "D6感謝祭"』ツアー。アルバムとは別軸でのツアーということで、どのような方向性、内容になるのかをヒントを教えてもらえますか?

GS「10周年の1つのピースだと思ってもらえたらいいかもしれません。僕たちの中では20246月から20256月までを10周年イヤーと銘打っていて、その間にどれだけの活動ができるか?、どれだけ思い出を作れるか?ってところで、今回のアルバムも含めていろんなことを仕掛けているので。ここまでの一つひとつのピースが最終的に完成するのは、2025年の夏ぐらいと思っていただければ一番いいかと思います」

――お客さんとの距離が近いライブハウスでは、みなさんのテンションも普段より上がる感じになりますか?

P-CHO「ホール会場とはまた違う感覚です。お客さんとのぶつかり合い感をより強く感じます」

SWAY「あと、1回気になる人を見ちゃったら、最後まで気になっちゃいません? 前、どこの会場かは忘れちゃったけど、ずっと歌ってくれてる男の子がいて…」

P-CHO「いた! ほんまにずっと歌ってくれてたね。嬉しかった」

――それくらいステージの上からお客さん一人ひとりの顔が見えるってことですね。

全員「見えます、見えます!」

GS「なので、僕らはもちろん盛り上げますけど、来てくださる方も思う存分盛り上がってもらえたらと思います」

(おわり)

取材・文/片貝久美子
写真/中村功

RELEASE INFORMATION

DOBERMAN INFINITY『D.X』10周年プレミアム盤 (CD+Blu-ray) ※完全数量限定

2025年1月15日(水)発売
XNLD-10229/B/13,200円(税込)

DOBERMAN INFINITY『D.X』

DOBERMAN INFINITY『D.X』初回生産限定盤(CD+DVD)

2025年1月15日(水)発売
XNLD-10230/B/6,600円(税込)

DOBERMAN INFINITY『D.X』

DOBERMAN INFINITY『D.X』通常盤(CD)

2025年1月15日(水)発売
XNLD-10231/3,300円(税込)

DOBERMAN INFINITY『D.X』

LIVE INFORMATION

DOBERMAN INFINITY 10th ANNIVERSARY ThanX "D6感謝祭"

2024年12月17日(火) 石川 EIGHT HALL
2024年12月19日(木) 新潟 新潟LOTS
2025年1月11日(土) 広島 HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2025年1月13日(月・祝) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2025年1月24日(金) 福岡 DRUM LOGOS
2025年1月25日(土) 熊本 熊本 B.9 V1
2025年2月1日(土) 奈良 EVANS CASTLE HALL
2025年2月2日(日) 滋賀 滋賀U☆STONE
2025年2月9日(日) 神奈川 YOKOHAMA Bay Hall
2025年2月11日(火・祝) 山梨 甲府CONVICTION
2025年2月13日(木) 静岡 LIVE ROXY SHIZUOKA
2025年2月16日(日) 岐阜 岐阜club-G
2025年2月18日(火) 大阪 GORILLA HALL OSAKA
2025年2月22日(土) 香川 高松オリーブホール
2025年3月3日(月) 東京 duo MUSIC EXCHANGE
2025年3月6日(木) 愛知 The BottomLine Nagoya
2025年3月8日(土) 福島 HIPSHOT JAPAN
2025年3月9日(日) 宮城 仙台RENSA
2025年3月19日(水) 北海道 PENNY LANE 24

■チケット料金
8,800円(チケット代 8,000円+税)
※整理番号付き・入場時ドリンク代別途

DOBERMAN INFINITY 10th ANNIVERSARY ThanX "D6感謝祭"

DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2025 ThanX "D.X"

2025年5月16日(金) 千葉 森のホール21(松戸市文化会館)
2025年5月22日(木) 福岡 福岡国際会議場
2025年6月11日(水) 愛知 刈谷市総合文化センター 大ホール
2025年6月12日(木) 京都 ロームシアター京都
2025年6月18日(水) 東京 LINE CUBE SHIBUYA
2025年6月24日(火) 大阪 オリックス劇場

■チケット料金
9,900円(チケット代 9,000円+税)

DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2025 ThanX "D.X"

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