──まず、昨年秋の路上ライブツアーと初のワンマンライブ『はじめのいっぽ』を振り返って、ご自身にとって、どんな経験となりましたか?
「楽しかったです! 路上ライブは、“私を知らない人でも立ち止まってくれる人がいるんだ”といった自信にもつながりました。ただ、立ち止まってくれるのは嬉しいですけど、途中で抜けていく方の姿も見えるので…自信にもなりましたけど、悔しさもありました。その路上ライブで初めて出会って、ワンマンに来てくださった方もたくさんいて。失恋ソングだけではなく、楽しい曲のときでも涙を流しながら聴いてくれている人がいたんです。“ちゃんと音楽が届いてるんだな”というのを実感できるライブでしたし、“私のことを好きでいてくれているんだ”というのが伝わってきて…“もっといい曲を届けていきたい”と思いました」
──そして、年が明けて2月18日には両親の出会いをもとに作ったラブソング「サボテン」をリリースしました。反響はどうでしたか?
「高校生時代に通学のバスで一目惚れした二人の出会いから結婚までのエピソードから作った曲なので、うちのお父さんとお母さんを知っている人たちからすごく反響がありました(笑)。お母さんとお父さんの友達から“すごく良かった!”と言ってもらえたので、書いてよかったですし、お母さんたちも普通に嬉しそうでした。本当はMVにも出てほしかったんです」
──そうなんですか!? MVに実の両親が出るかもしれなかったんですね。
「MVに出てもらえたらエモいなと思って…実現できなかったですけど、そのことをお母さんたちに言ったらすごく嫌そうでした(笑)。でも、“こうやって曲になったのはすごいことだよね”と言ってて喜んでくれてました」
──そして、早くも今年第2弾となる新曲「恋の行方」がリリースされます。テレビドラマ『その天才様は偽装彼女に執着する』の主題歌に起用された心境を聞かせてください。
「オリジナル曲を作り始めてから、“いつか恋愛ドラマの主題歌を担当したい”とずっと思っていたんです。また一つ夢が叶ったので、とても嬉しかったです」
──原作コミックを読んでどんな感想を抱きましたか?
「“恋人契約”がテーマの作品で、はっきりしない、あやふやな関係の中で、物語の中の二人は控えめで、二人とも気遣い屋さんなんです。 だから、相手のことを思っての行動が、逆にすれ違いの原因になったりして。うまくいかない感じが逆にキュンキュンして一気に読んでしまいました」
──ご自身の恋愛観や経験と重なっている部分はありましたか?
「私も自分の気持ちをはっきり言えないタイプの人間なんです。相手のことを想って言わないでいるところが似ていて…。やっぱり自分の気持ちを伝えるのは大切だと思いました」

──そこから楽曲制作はどう進めていったのでしょうか?
「最初にドラマの制作サイドの方から、“みさきの王道の雰囲気は大切にしてほしい”と言っていただきました。その上で、最初はうまくいかないけど、最後はうまくいくというストーリー性のある曲にしたいと思いました。明るくハッピーな曲になるようにしたかったので、アレンジもキラキラ可愛い感じイメージでお願いして。全体的にグロッケンとか、鐘の音を散りばめて、心が跳ねている感じを表現した曲にしたいと思っていました」
──歌詞にはどんな想いを込めましたか? ドラマの主人公目線ですか?
「ヒロインの生き方を歌詞にしました。<正解も理由もいらないんだよ>という歌詞が一番伝えたいことで…恋に正解や不正解はないと思うんです。もちろん、浮気はダメですけど、“好き”という気持ちは信じてあげてほしいと思って。もっと自由でいいというか、“誰かの正解とか、周りの意見は気にしなくていいよ”ということを伝えたい曲です」
──それはみさきさんから主人公に伝えたいメッセージですか?
「いえ、結局、主人公も自分自身で気づいているので、私が言わなくても大丈夫なんです」
──ご自身の心境と重なる部分はありますか?
「主人公になりきって書きました」
──みさきさんご自身は、周りの目を気にしすぎて、本当の自分の心がわからなくなったり、自分が恋をしているかどうか分からないような時はありますか?
「恋をしているかどうか分からない時はないんですよ。常に恋をしているタイプなので(笑)」
──そうなんですね。
「“うん、好き!”ってなったら、“この人だ!”ってなってしまうタイプです。高校生の頃にSNSで知り合った人がいて…まだリアルでは会っていない段階で好きになって、普通に周りからは反対されていました」

──(笑)。“好き”という気持ちに迷うことはないんですね。
「ないんですよね」
──抑えることもないんですよね。
「ないんですよ」
──でも、最初に“自分の気持ちをはっきり言えないタイプ”と言っていましたけど…。
「そうですね。恋愛以外では周りの目を気にするタイプです。でも、恋愛になると本当に周りが見えなくなるので、恋の仕方は違うかな?」
──タイトルを「恋の行方」にしたのはどうしてですか?
「タイトルで、“この恋はどうなるのかな?”ってみんなに想像してほしくて。歌詞は最後に<私幸せだから>と言い切っているんですけど、最初は“どうなるの?”って思いながら聴いてほしくて、“この恋のストーリーを楽しんでほしい”という想いです。だから、レコーディングでも最初は歌詞の通り、少し不安気味なところから始まって…ラストにかけて幸せオーラと笑顔多めを意識して歌いました」
──“ずっと夢だった”という恋愛ドラマのタイアップ曲を作ってみて感じたことはありますか?
「自分の経験では書けないことも書けたので、たくさんの方に共感してもらえるような歌詞に出来たと思います。<賞味期限切れ>という言葉とか、今の私の年齢ではあまり思わないようなことなので、新鮮な歌詞が書けたと思いますし、ドラマが放送された時にどういう感じの映像と共にこの曲が流れるのかもすごく楽しみです」
──「恋の行方」のMVはどんな内容になりそうですか?
「テーマは初デートです。男女のキャストさんがデートをしている様子を描いてる映像になっています。恋に慣れていない感じとか、初々しさとか…初恋を思い出しながら見るとキュンキュンできるMVになっています」
──以前も少し聞きましたが、改めて、みさきさんの初恋の思い出を聞いてもいいですか?
「初恋は小学校の入学式の日です。本当に顔だけで、“かっこいい”って好きになって。でも、その人のことはちゃんと6年間好きでした」
──一途ですね。
「意外と一途ですけど、切り替えも早いタイプかもしれなくて。6年生の時に付き合って…でも、“別れよう”となって。そこからもう一瞬でどうでもよくなりました。6年間の想いが一瞬でなくなってしまって」
──6年間想い続けてきた人との最後がそれでよかったのですか?
「でも、楽しかったからいいんです。。実はその男の子も私のことを“好き”と思ってくれていて、1年生の頃から両想いだったんです。“クラス公認の両想い”みたいな感じだったので、席替えで隣になるとみんなから茶化されたりして、すごく楽しかったです」
──初デートの思い出も聞かせてください。
「初デートは映画館に行きました。でも、緊張しすぎて…ポップコーンも飲み物も買ったんですけど、二人とも一口も飲まず食べずでした。お腹がすいているからグーグー鳴るじゃないですか。それで食べるのも恥ずかしくて。本当に映画の内容は何も覚えてないですし、何の映画だったのかも覚えていません。そのくらいすごく緊張していました」
──相手も同じくらい緊張していたんでしょうね。
「はい。相手が食べてくれていたら食べやすかったんですけど…」
──それは、これから初デートをする男の子たちの教訓として伝えておきますね。まず、自分が食べて、相手にも勧めろって。
「はい。きっとそれがいいと思います。お願いします(笑)」
──先ほど、“いろんな人に共感してもらえる”とおっしゃっていましたが、聴いてくれる人たちにはどう届いてほしいと思いますか?
「恋に悩んでいる方や周りに反対されている方が、この曲を聴いて自信を持てる…そんな曲になるいいと思います」
──周りに反対されても、自分の気持ちに正直に突き進んでもいいんですよね?
「私はいいと思います。責任は取れませんけど(笑)」
──(笑)。みさきさんは迷わないタイプだから。
「でも、今まで恋愛をしてきて、後悔はしていませんし、周りにも迷惑をかけていない気がしています。だから、突き進んでいいと思いますし、とにかく自分の心、好きな気持ちは信じてほしいです」
──今年は既に新曲2曲がリリースされましたが、これから先はどう考えていますか? 6月にはメジャーデビュー1周年を迎え、2年目に入ります。
「早いですね。あっという間でした。定期的に新しい曲をリリースしたいですし、去年、路上ライブをたくさんやっていたので、配信をしていると、“また路上ライブしてよ!”という声をたくさんいただきます。前回は関東近郊だけだったったので、もっといろんな地方で路上ライブをやってみたいと思っています。あと、これまではやっていない対バンライブも今年は積極的にやっていきたいです。とにかくライブをたくさんしたいです。パフォーマンスも上達させたいですし、もっともっと曲の世界観に入り込めるような深いMCもできるようになりたいですし、どんどんライブは重ねていきたいです」
──両親の出会い、ドラマの主題歌ときて、今後はどんな曲を作っていきたいですか?
「うーん…恋愛ネタが私の経験ではネタ切れ気味なんです。今、幸せなので。幸せな曲しか書けなくなってしまいました」
──どうしましょう?
「でも、最近、久しぶりに嫉妬をしました。嫉妬したその日にムカついてフルで作った曲があります」
──あははは。すごい原動力ですね。何があったんですか?
「相手が女の子との昔の写真を見返していたんです。“どうして今になって急に何か思い出したかのように昔の写真を見返しているのかな?”って、嫌な気持ちになって…。で、“曲にしてやる!”と思ってフルで作りました」
──少し寝かせたりしないで、すぐに曲にしたんですね。
「そうなんです。その時の感情だからスラスラ出てきて。自分の気持ちはイラついてるのに、曲の中ではちょっと可愛く拗ねてる感じも書いて。自分と曲の中での自分とのギャップもちょっと楽しみました(笑)。それを一昨日ぐらいに YouTubeに上げたんですけど」
──あはははは。早くないですか? 彼が昔の写真を見ていたことからみんなに曲が届くまでのスピードがすごいですね。
「どういうことなんでしょうね? でも、その人はプリクラもとっておいている人なんです。引っ越したのに、大事にボックスにしまっていて、それを持ってきているんですよ。…男の人ってどういう考えなんでしょうね?」
──(笑)。まだまだラブソングが生まれそうですね。あとは友達の話とか、相談に乗ったりしたことを曲にするしかないですね。
「そうですね。でも、私の周りもだんだん落ち着いた恋愛をしてきているので…。ファンの方のエピソードを募集して、みんなの恋の悩みとかを聞きたいです」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
写真/中田智章






