──2年9ヶ月ぶりのencore登場となるCUBERSのみなさん。前回のインタビューは緊急事態宣言明けだったと記憶しているのですが、コロナ禍では活動が制限されてしまうことも多かったと思います。当時に比べたら状況も改善し、イベントも開催できるようになってきましたが、ファンのみなさんと交流できているという今の状況を、どう感じていますか?
TAKA「ようやくこうやって応援してくださってるみなさんと交流できるようになって、“自分の心の中にぽっかり空いていた穴みたいなのが埋められるのは、やっぱりファンのみなさんだ”っていうのを改めて実感してます。今もそうなんですけど、いろいろ大変な中で応援してくれることへのありがたみを日々感じていますし、コロナがなかったら気付けなかった部分は間違いなくあるので、コロナ禍を経てからの今からが大事だなって思ってます」
──綾介さんは今のTAKAさんの話を深く頷きながら聞いていましたね。
綾介「まったく同じ気持ちだなって。この3年、交流以前にライブ自体が全然できなくて。ライブすると言ってもオンラインで、無観客で、カメラに向かってパフォーマンスするっていう。それも今考えたらいい経験ではあったんですけど、やっぱり自分たちが思うライブじゃない感じがしていたんですよね。だから、まずはお客さんを目の前に生でパフォーマンスできるっていうのがありがたいですし、その気持ちを実感しながら、今年5月にあるLINE CUBE SHIBUYAでのライブではコロナなんて忘れるようなパフォーマンスをしたいと思って活動しています」
──それこそ、みなさんは昨年から“CUBERS Fighting Pose Year! 2022-2023”と名付けて活動してます。そこに込めた想いとは?
春斗「コロナ禍でいろいろできないことがある中で、一つ目標としてできたのが5月26日のLINE CUBE SHIBUYAだったんです。CUBERS史上最大規模になるんですけど、そこで今まで応援し続けてくれたファンの皆さんや新しく出会ってくれた人に感謝を伝えたいなって。その目標に向けて、気合を入れていく…って、こんな大事な質問、俺でいいのかな(笑)」
TAKA「いいよ、いいよ。最年長だし、むしろ一番言葉に重みがあるよ」
春斗「いやいや(笑)」
――優さんは、ファンのみなさんと直接会えるようになって、かけられてうれしかった言葉とか励みになると思えたエピソードはありますか?
優「かけられてうれしい言葉というより、ライブ会場に来てくれること自体がうれしくて。配信だったら家とかで気軽に観られるじゃないですか。でも、ライブってなると、休みを取らなきゃいけなかったり、会場までわざわざ足を運ばなきゃいけなかったり。それに、ライブに行くためにオシャレをしてくださる方もいると思うんです。そう考えると、ライブに来てくれるって、それだけで大変だし、すごくありがたい。だからこそ、頑張っていこうって思いました」
――そういったファンのみなさんへの感謝を込めた活動の一環に、今回のアルバム『MAJOR OF CUBERS 2』があるのかなと思います。9太郎さんにおうかがいしたいのですが、率直に今作はどのような作品になったと思いますか?
9太郎「前回インタビューしていただいたアルバム『MAJOR OF CUBERS』は、メジャーデビューして1年くらい経った頃だったので、その1年がギュッと詰まった1枚だったんですけど、今回収録されている楽曲はコロナ禍で制作したものばかりで。制作環境も違うし、それこそ世の中の環境とかもどんどん変わっていく中で、そこに対するグループとしてのアプローチも毎回毎回変わっていったというか。1曲ごとに常に悩みながら、CUBERSとしてその時できる全力を出して制作したものなので、チャレンジし続ける、前進し続けるCUBERSを感じていただけるアルバムになったと思います」
――前作と今作の間にはミニアルバム『あたらしい生活』、『CHOICE』もリリースされていますが、フルアルバムとしてもっと早く出したかった、もっと言うと、アルバムを出せない焦りみたいなものを感じることはありましたか?
TAKA「焦りは確かにありましたね。毎年、年間計画みたいなものをレーベルさんとか事務所、メンバーと話し合っているんですけど、この3年はやっぱりコロナもあってその通りに展開できないことも多くて…。ただ、焦りはありつつも楽曲はリリースさせてもらっていたので、そのことが、迷いながらも前に進めている自信、自分たちを信じられるきっかけになりました。当時はアルバムが出せない焦りっていうより、CUBERSの活動としていろいろうまくいかないことへの焦りのほうが大きかったかもしれないです」
――それこそ、東京国際フォーラムの公演が中止になってしまったというのもありましたしね。
TAKA「そうですね。だから今、このタイミングでアルバムをリリース出来るのもいいなって思いました。コロナがちょっと落ち着いて、めちゃくちゃ久しぶりに地方を回ることができるようになってからのリリースなので。焦って大変な時期にリリースするより、じっくり制作して、シングルも出してからのこのタイミングっていう。より多くの人たちに楽曲を届けるチャンスになると思うので、むしろベストなタイミングですね」
――制作陣に豪華な顔ぶれが並んだ今作。みなさんも楽曲が上がってくるたびに、テンションが上がったのでは?
綾介「曲のデモが届くたびに、“また神曲か!”みたいな。本当にどれがリード曲になってもいいくらい素敵な楽曲になっていますし、前向きになれるような曲ばかり。聴いてくださる方に勇気を届けるっていうのももちろん大事ですけど、僕たち自身が勇気付けられるんですよね。等身大というか、自分たちのことを歌ってるんじゃないか!?と思える曲が多く収録されています」
――なかでも、グッときた楽曲をそれぞれ教えてください。
綾介「僕は「ゆらゆら」ですね。めちゃめちゃハイテンポなわけでもないですし、ガッツリ歌うわけでもないんですけど…。この曲に限らず、レコーディングするまでの間って曲を覚えるために何回も繰り返し聴くじゃないですか。その中で一番自分の中でイメージが湧いたのと、スーッと頭に入ってきたのがこの「ゆらゆら」だったので、“おお〜!”って思いましたね」
春斗「僕は「トーキョーラビリンス」です。イントロからして、“カッケー!”って感じで。すごい好きなメロディだなって思う反面、言葉が詰まってるし、譜割も今までにない感じだったので、歌うの難しそうだなって(笑)」
――レコーディングはどうでしたか?
春斗「覚えるのも大変だったし、レコーディングも苦戦しました(苦笑)。でも、自分にとって新しいチャレンジで、すごく刺激されましたね」
――TAKAさんはどうですか?
TAKA「僕は「なんなんだろう」を聴いた時、“カッコいいな!早くレコーディングしたいな!”と思ったんですけど…いざレコーディングになると、リズム感を出すのが意外と難しかったです。僕的に“こういうノリ方がいいかな?”っていうのを考えていたのと、レコーディングでディレクターさんの考えとが違ったのもあって。そんなふうに、みんなでこだわりながら作った楽曲でもあるので、収録曲はどれもいいんですけど、特にこの楽曲は他とは違う思い入れがあります」
――優さんはどの楽曲になりますか?
優「僕は…「CHOICE」かな。曲調としても好きですし、最近はイントロを省いたり、間奏のギターソロを省いたりする曲が多い気がするんですけど、この曲はガッツリ音を聴かせにいってるというか。僕は普段聴く曲もそういう曲が好きなので、単純に“カッコいいな”って思いました。これが1曲目っていうのも納得です」
――9太郎さんは?
9太郎「僕は「人生Heyday」ですね。どの曲もデモはそれぞれのメンバーに音源が送られてきて、僕はスマホで聴くことが多いんですけど、「人生Heyday」は僕がチーフマネージャーと打ち合わせをしている時に、“次のアルバムでこの曲をやろうと思ってる”と聴かせてもらったんです。この曲を書いてくださった方々(作詞:兒玉雨子、作曲:星部ショウ)はハロー!プロジェクトさんをたくさん手掛けていて、それはもちろんなんですけど、僕はシンプルに“すごくいい曲だな”と思って。聴いた瞬間、“この曲はたくさんの人に届いてほしい”という想いが生まれたのを今も覚えているので、この曲をあげさせてもらいました」
――「人生Heyday」はアルバムに先駆けて配信リリースされ、MVも公開されていますね。
9太郎「冒頭でちょっとだけ演技シーンがあるんですけど、そういうのもCUBERSのMVだとなかなかなかったので、ファンの方も新鮮に感じてもらえているのがうれしいです。僕たちも楽しかったですし。もちろん歌とダンスだけのMVもいいと思うんですけど、演技シーンがあると何回も何回も楽しめるみたいなところがあるじゃないですか。そういう意味でも楽しいMVになったと思うし、何回も観てもらいたいですね」
――楽曲をもらった時、自分がどこのパートを担当するか気になったり、“ここを歌いたい!”と思ったりすることもありますよね?
TAKA「綾介は“結構気にする”ってこの前言ってたよね?“どこのパートを歌うんだろう?”って」
綾介「デモを聴いて“このパート歌いたいな”っていうのはありますね」
TAKA「僕もあるにはあるけど、そうじゃなかった時に“俺じゃないんかい!”ってショックを受けちゃうので、いつも期待しないようにしてます(笑)」
――ちなみに、レコーディングはみんなで一緒に?それとも別々で行われるものなんですか?
優「別々ですけど、順番にレコーディングしていく感じです」
9太郎「基本、春斗くんかTAKAが最初に録ってますね」
TAKA「春斗くんが一番歌が上手いので、それこそ歌割も多いんですよ。だから、最初に春斗くんが歌ったものをベースに、それを聴きながら順番に録っていくことが多いです」
春斗「聴くんだ!?」
TAKA「いや、こっちは“春斗くんの歌声は飽きるほどたくさん聴いてるからもういいよ”って思うんだけど、“聴いて”って言われるから(笑)」
春斗「逆にムズそうだね、合わせるの。俺、合わせたことないから…」
TAKA「でも、そこは最初に歌う人の大変さもあるだろうから、お互い様だよ」
春斗「(スタジオの入りが)朝早いとかね(笑)」
綾介「そこ?(笑)」
――(笑)。今作には1stアルバムからの成長というのも反映されていると思うんですけど、“メンバーのココを聴いてほしい!”というところを教えてください。
TAKA「それこそ「人生Heyday」は9太郎にもってこいみたいな楽曲だと思います。冒頭のセリフみたいなパートは、全部9太郎と誰かっていうペアでやっているんですけど、こういう良さを出せるのは9太郎だなって思います」
優「「トーキョーラビリンス」の<難易度高すぎよ>ってところは、もともとメロディがあったんですけど、それをセリフっぽく歌ってて。そこに綾介の普段の良さ、メンバーが知ってるような良さが出てる気がします」
TAKA「なんかわかるわ」
優「綾介のメンバーしか知らないところの良さが楽曲に出るってすごく難しいんですけど、ちゃんと出てるのでファンの方にも注目して聴いてもらいたいですね」
綾介「そのフレーズって、仮歌では台詞ではなく普通にメロディーがあったんですけど、レコーディングしたのを聴いたら、<難易度高すぎよ>の前に出てくる<ちゃんと謝りなさい!>がセリフっぽかったんですよ。同じテイストのパートなので“どうしますか?”って聴いたら、ストレートに歌うのとセリフっぽく言うのと両方を録ってみようってことになって。で、気付いたらこっちになってました(笑)」
9太郎「僕もメロディとセリフの2パターン録って、気付いたらこっちになってた(笑)」
TAKA「あと、「強くあれ」の2番でサビが終わった後、優がちょっとラップっぽく歌うパートがあるんですけど。そこは「強くあれ」の中でもそこにしか出てこない歌い回しだし、そんなふうに優が歌うパートは他の楽曲だとあまりないので、両方の意味で注目ポイントです」
春斗「そのパート、歌いたかった〜。ラップがある楽曲ってCUBERSだとそんなにないんですけど、ラップが出てきた時は僕が歌わせていただくことが多いんですよね。「強くあれ」のそのパートも、“めちゃめちゃカッコいいじゃん。歌いてぇ〜!”と思ったら、優で」
TAKA「期待すると、そういうことが起こるんですよ(笑)」
春斗「“なんでやねん!”って(笑)。めちゃめちゃ悔しさが残ってます(笑)」
――その他、前作と比べると、楽曲に込められたメッセージ性にも変化が見られるのかな、と。歌っていて感じることはありましたか?
9太郎「制作中は目の前にある1曲1曲に向き合っていたんですけど、アルバムが完成して、通して聴いてみた時に、すごく人間味を感じる楽曲が集まったなと思って。僕たちだけじゃなく、世の中でも生活が変わっていったり、人生でもいろんなことが起こる中で、疲れてしまったり、落ち込んでしまったりすることってたくさんあると思うんですけど、そんないろんな人の、いろんな瞬間に寄り添える楽曲たちが集まったように思います」
TAKA「9太郎、いいこと言うなぁ。本当にその通りで、心にグッとくるような楽曲が揃ってますね」
――その楽曲に込めた想いを直接ファンのみなさんに届けられるのが、5月26日に行われるLINE CUBE SHIBUYA公演。CUBERS史上最大規模のステージでチャレンジしたいこと、やってみたい演出はありますか?
綾介「本編かアンコールの最後の曲で、ラスサビにいく時に左右からバーン!って銀テープ出したいですね。自分がライブを観ていても、あれがあるとめちゃくちゃテンションがアガるので。銀テープじゃなくて、紙吹雪とかバルーンとかでもいいんですけど、お客さんに向けての仕掛けはやりたいです」
TAKA「僕らはセットを作ってのライブってやったことないので、LINE CUBE SHIBUYAではセットを作ってほしいですね。ステージも広いですし、作るとなったらいろいろと練ったものにするっていうチャレンジをしたいです」
春斗「一度やってみたいなと思うのは、みんなで踊ってる時にTAKAにスポットライトが当たって、そのまま客席の上までワイヤーで飛ぶっていう」
TAKA「怖い!怖いからヤダ!」
――飛ぶのは春斗さんじゃなく、TAKAさん?
春斗「はい。僕が飛んだら笑われちゃいますね(笑)」
TAKA「飛ぶっていうか、飛ばされる(笑)」
春斗「カッコよく飛べないかもしれないので。でも、TAKAならできそうなんですよ」
TAKA「高いところ苦手だからキツいよ(苦笑)」
――そこは応相談ですね(笑)。優さんや9太郎さんは何かやってみたいことありますか?
優「僕はセットで階段を作りたいです。実は、(中止になった)国際フォーラム公演の時に、そういう話があったんですよ。なんなら階段を使ったパフォーマンス用の音源まで作ったりして。それをLINE CUBE SHIBUYAで実現できたらいいなって思います」
9太郎「ご時世的にできるかわからないけど、客席に下りたいですね。本編で着替えた後、客席から出てくるって超うれしくないですか!?自分がお客さんだったら、“こんなに近くに来るとは思わなかったよ!”ってうれしいので、僕らも近くまで行きたいんですけど…行けるかなぁ?」
春斗「ギリ行けるかも?」
9太郎「あと、欲を言えば、みなさんの声も聴きたいんですよね。今、ちょっとずつ声出しが解禁になってるところもあるので、“僕らもできるんじゃない!?”っていうのは、今、そこにいるスタッフの方に届くように言ってます(笑)。でも、どっちにしろアルバムをリリースしてからのライブなので、楽しんでいただけるライブにしたいと思います!」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣
RELEASE INFORMATION
CUBERS『MAJOR OF CUBERS 2』
2023年3月8日(水)発売
数量限定豪華盤(CD+Blu-ray)/NKZC-44/5/9,020円(税込)
KING RECORDS
CUBERS『MAJOR OF CUBERS 2』
2023年3月8日(水)発売
通常盤(CD+Blu-ray)/KIZC-704/4,950円(税込)
KING RECORDS
LIVE / EVENT INFORMATION
CUBERS LINE CUBE SHIBUYA LIVE 2023
2023年5月26日(金) LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
開場:17時30分/開演:18時30分
Spring Special Free Live – アルバム全曲披露ライブ in富士急ハイランド-
2023年4月16日(日) 富士急ハイランド 園内「セントラルパーク」特設ステージ(https://www.fujiq.jp)
時間:15:00〜
料金:入園料無料
こちらもおすすめ!
-
HAND DRIP『ROUTE TO DREAM』インタビュー――全国47都道府県フリーライブを経て、今あなたに伝えたい4人のメッセージ
encoreオリジナル -
SUPER★DRAGON『mirror』インタビュー――連続リリースを経たからこそ出来上がった最新型にアップデートされたスパドラがここに!
encoreオリジナル -
シャチフレ(TEAM SHACHI &カミングフレーバー) 「I's PRIDE」インタビュー――アイドルとしての誇りとプライドを込めて
encoreオリジナル -
ONE LOVE ONE HEART『LOVE1』インタビュー――いまの1分1秒を大事に
encoreオリジナル -
松室政哉『Touch』インタビュー――ひとりひとりが平気であること
バックナンバー -
CUBERS『MAJOR OF CUBERS』インタビュー――“CUBERSはここから飛び立ちます!”って気持ち
バックナンバー