2025年の音楽シーンを振り返る「2025年の音楽シーン回顧録」。「2025 K-POPシーン プレイバック!」後編はボーイグループと男女混成グループの注目アーティストをピックアップしました。人気の理由は?最新のトレンドは?という目線でぜひチェックしてみてください。

CORTIS「COLOR OUTSIDE THE LINES」

CORTIS「GO!」

BTS、TOMORROW X TOGETHERが所属するBIGHIT MUSICから、2025年8月に約6年ぶりに誕生した5人組ボーイズグループ、CORTIS(コルティス)!平均年齢17歳、ビジュとスタイルが良いだけでなく、ILLITをはじめとする先輩たちの楽曲制作や振り付けの経験を持つメンバーがいたり、デビュー作の楽曲制作、振り付け、映像制作などを含めたクリエーションにメンバー全員が参加するなど新時代のクリエイタークルーともいえる実力派揃い。ファッションセンスにも定評がある。11月には日本でもショーケースを初開催。数々の主要音楽アワードのステージでのフレッシュで迫力あるパフォーマンスを披露し、話題沸騰中。

推し曲の「GO!」は、公開時からポイント振り付けを修正してダンスチャレンジが大バズリ。タイトル曲の「What You Want」を超えるようなヒットに。エネリギッシュな収録曲「FaSHioN」も様々なRemixが派生し、デビューアルバムは、ビルボードジャパンの年間アルバムチャートと、米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」にもランクインするなど確実に結果を出し、人気を集めています。2026年も大バズりの予感!日本でのライブが待ち遠しいです。

ALLDAY PROJECT「FAMOUS」

ALLDAY PROJECT「FAMOUS」

2025年最も話題を集めたアーティストは、K-POPでは珍しい男女混成グループの「ALLDAY PROJECT」。BIGBANG、2NE1、BLACKPINK等のヒットソングで知られるプロデューサー、TEDDYが手掛けた新人とのことで注目を集め、6月のデビュー以来、「FAMOUS」「WICKED」「ONE MORE TIME」「LOOK AT ME」が立て続けにヒットしK-POPファンを驚かせました。

推し曲の「FAMOUS」は、楽曲の完成度はもちろん、個性派揃いのメンバーによるスタイリッシュかつ斬新なパフォーマンスが新人というよりプロの集まりのような印象があり、アーティスト名の「PROJECT」に違和感がなかったのも納得。メンバーは、ILLITのメンバーを決めるサバイバル番組「R U Next?」出身で、おしくもデビューには至らずも注目を集めたヨンソ、名だたるハイブランドのモデルを務め、学生時代にはダンスエリートとしても注目されたターザン、K-POPヒットナンバーの振付師であり、アメリカでプロダンサーとしても活躍していたベイリー、小学生ラッパーとして「SHOW ME THE MONEY 6」に出場し、アイドルグループのトレーニーなどの経験を持つウチャン、重低音のヴォーカルラップとクールな魅力のアニーの5人。特にターザンは、パフォーマンスだけでなくワイルドなビジュアルとやんちゃ坊主な可愛いキャラとのギャップ、モデル出身ならではのスタイルも魅力で人気沸騰中です。2026年の活躍にも要注目!

BOYNEXTDOOR「The Action」

BOYNEXTDOOR「Hollywood Action」

2023年にデビューした6人組ボーイズグループ。ラッパー兼プロデューサーのZICOが設立したKOZエンターテインメント所属。総括プロデュースした初のグループとしてデビュー時から大きな話題を集めました。親しみやすい生き生きとした「隣の少年たち」というコンセプトに共感できる歌詞と聴きやすいキャッチーな楽曲、フレッシュで楽しいパフォーマンスが人気の理由ですが、コンセプトはそのままに今では自分たちのソングライティング力を発揮し、ジャンルレスな楽曲を発表し続け、ヒットにも繋がっているからスゴい!

2025年は日韓どちらでもヒット曲を発表し、大活躍。日本でも発表された「今日だけ I LOVE YOU (Japanese Ver.)」は、爽やかで楽しいラブソングに思われましたが、実は、「立ち直りたいけど忘れられず未練たっぷり。今日だけ本当に今日だけと懸命に愛を叫ぶ」というストーリーが胸キュンなポイント。10月リリースの推し曲の「Hollywood Action」は、ハリウッドスターのように自信に満ち溢れながらも健気さが魅力。メンバーたちの安定した歌唱力、パフォーマンススキル、音楽性の高さ、デビューから一貫したハンドマイクを持ってのライブパフォーマンスへのこだわり……そんな成長と自信が感じられる曲です。2025年日本での初ツアーを成功に収めている彼らですが、2026年のライブやワールドワイドな活躍にも期待!

ALPHA DRIVE ONE「FORMULA」

ALPHA DRIVE ONE「FORMULA」

K-POPファンのなかではオーディション番組初登場のタイミングで推しを見つけ、投票に参加するようになり、応援しているメンバーがデビューを果たすという特別な経験をきっかけに推し活を始めるのが、今ではめずらしくないはずです。

2025年9月番組の動画再生回数からも伝わる桁外れの話題性とストーリーで、サバイバルオーディション番組「BOYS II PLANET 2」で結成された8人組ボーイズグループ、ALPHA DRIVE ONEがまさにその主人公。平均22歳の韓国人4名、中国人3名、韓国系オーストラリア人1名で構成される多国籍グループ。

約6年の公開練習生時代を乗り越えたサンウォンをはじめ、メンバー全員が2年から6年の練習生経験があり、11月に行なわれた2025 MAMA AWARDSでのデビューステージでは、デビュー間もないと思えない存在感を放ちました。キレの良い圧巻のパフォーマンスが見どころの先行公開シングル「FORMULA」が絶好調ですが、2026年1月には1stミニアルバム『EUPHORIA』で正式デビューが決定。既にファンダムができており、これからの活動が楽しみです。

©WAKEONE
G-DRAGON「TOO BAD(feat. Anderson .Paak)」

G-DRAGON「TOO BAD(feat. Anderson .Paak)」

2024年の年末から特に2025年の上半期は、"K-POPを超えたカルチャーアイコン"と称される「G-DRAGON」の新作リリースで大いに賑わったといっても過言ではありません。

京セラドーム大阪で開催された9年ぶりの日本公演となる「2024 MAMA AWARDS」では、BIGBANGのメンバーをフィーチャーしたアグレッシブかつエモーショナルな「HOME SWEET HOME(feat. TAEYANG&DAESUNG)」を初披露。ファン号泣の熱狂的なステージで見事な復活を果たしました。ソロ名義では2017年のセルフタイトルEP「KWON JI YONG」以来の新曲「POWER」を皮切りに、彼特有のグルーヴ感あふれる3rdアルバム『Übermensch』のタイトル曲「TOO BAD(feat. Anderson .Paak)」とヒットが続き、その圧倒的な人気を証明。推し曲の「TOO BAD」は、Anderson .Paak、aespaのカリナ、振付を担当したRIEHATAらMVの豪華な出演者にも注目!パーティーの演出やドライブなどにおすすめの楽曲です。

ここでG-DRAGONって何者?という読者にプチ情報を。ボーイズグループ、BIGBANGのリーダーであり、10代からグループや自身のソロ曲はもちろん、他のアーティストへの楽曲提供も手掛け、若き天才プロデューサーとしてその名を知らしめ、セルフ・プロデュース・スタイルを確立しました。

BIGBANGのシンボルである黄色の王冠をあしらったペンライトはよく知られていますが、今ではK-POPのライブで欠かせないアーティスト独自のペンライトを取り入れたのはBIGBANGが初めてで、彼のアイデアと言われています。

アジア人として初めてシャネルのアンバサダーを務めていること、空港などで見られる頭に巻いたスカーフを顎の下に結ぶスタイルや、ラッパーとしてのカリスマ性と人懐っこい性格のギャップ、実は11年間の練習生時代を乗り越えた努力と根性のデビューストーリー、自身のファッションブランドを持ち、多様なコラボ作発表などなど話題が欠かせないスター……2026年はグループとしてBIGBANGのデビュー20周年、アメリカ最大規模の音楽フェス、コーチュラへの出演も予定されており、コロナ禍での中止から6年越しのライブパフォーマンスにも期待しましょう。


「2025 K-POPシーン プレイバック!」後編、いかがでしたか?前後編にわたって紹介した彼ら、彼女らの2025年の活躍を振り返りつつ、来たる2026年の活躍を見守りましょう。

(おわり)

文/李 再恩(USEN)

李 再恩PROFILE

株式会社USEN 編成部所属。各チャンネルで選曲、ディレクションを担当。数々の店舗BGM、企業専用オリジナルBGMの選曲・プロデュースを手掛ける。K-POP~WORLD MUSIC~世界中のシンガー・ソングライターものや、グルーヴィな現行のポピュラー、ハウス、ラウンジまでジャンルレスに網羅。耳と心臓が反応する“good music”に本能と感性がフル稼働する日々。

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