「ムーブアウト/内側に潜むものを外に出す」というイメージで構築された今季は、決して外に出ることはない家具を題材に、スペースエイジをフィーチャーしたディテールやカラーリングを採用している。

スペースエイジは、1960~70年代に宇宙開発への憧れとともに成型合板や繊維強化プラスチックを用い、流線形のフォルムを生かした近未来的なデザインの名作が次々と生み出された時代である。

カラーリングはレトロをベースに、補色にあたるビビッドカラーをクロスオーバーさせることで、『2001年宇宙の旅』に出てくるようなスペースエイジ的な世界観を演出した。

「レトロ」と「未来」、「洋服」と「家具」という相容れない要素が同居するコレクションになっている。

ミッドセンチュリーの数あるデザイナーの中でも特にデンマークの建築家、プロダクトデザイナーであるヴェルナー・パントンから強くインスピレーションを受け、彼のカラーブックより色彩をピックアップし、コレクション全体をミッドセンチュリーカラーで構成した。

マテリアルに関しても、ヴェルナー・パントンのソファで採用されているデンマークのクヴァドラ社製の家具用ファブリックが使われた。

またピーター・サヴィルがクヴァドラ社とタッグを組んで作成された家具用ファブリックも併せて使われているのはユニークだ。

アイコニックなプルオーバーパーカーは、球体状のフードと顔周りのパイピングが特徴的で、フィンランドのインテリアデザイナーであるエーロ・アールニオのボールチェアからインスパイアされている。

またコートやシャツにはボタンと共に菱形のシャーリングによってソファをイメージし、ムーブアウトを表現した。

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