東洋と西洋、1枚で2つの顔を持つアイテムが勢ぞろいした。

普段は洋服の内部に隠れている空間に注目することで生まれたアイデア、サイドシーと、上下をひっくり返すことで新しい機能やフォルムをつくり出すダブルエンドのコンセプトによって実現したコレクションとなっている。

日本古来の柄やテクニックに、常識に囚われない素材やデザインを掛け合わせることで、現代的な西洋の柄のテキスタイルを作り出した。

また高度なパターン技術を活かして着物の直線的なパターンから立体的な洋服のフォルムを表現するなど素材からパターン、シルエットまで1枚で東と西を横断する他に類を見ないコレクションとなった。

パリコレデビューを飾った17-18年秋冬のテーマは「和服」。

あれから5年、ダブルエンドのコンセプトを取り入れることで、日本古来の和服文化と西洋の洋服文化が独自の形で融合し、さらに進化を遂げたコレクションである。

1枚の洋服の中にある歴史や文化を紐解きながら、楽しんで着てもらいたいとの思いから、上下をひっくり返すことで、新しい機能やフォルムをつくり出すダブルエンドのコンセプトを取り入れたシリーズは、着物から着想を得たシルエットを反転させることで洋服に変化するという驚きの2ウェイだ。

着物の直線パターンを取り入れて立体的なフォルムを構築している点も特徴的。

着物の伝統的な柄や素材を伝統的な手法とは異なる素材やデザインと掛け合わせることで、現代的な西洋の日常着に変換した。

和服にこだわった生地づくりをしながらも、一見、和の要素を感じさせない新しいテキスタイルとなっている。

こぎん刺しのまとい羽織りを180度回転させると、ノルディック柄のスタンドカラーブラウスに様変わりする。

生地は、こぎん刺しとノルディック柄を融合させた仕様。通常硬い麻に入れるこぎん刺しをあえて薄手のシルクに太番手の糸を織り込み、古典的な用途を大切にしながら上質な素材のコントラストが効いた仕立てとなった。

四角いドレープ袖が特徴の着物シルエットのドレスは上下ひっくり返すと、ノースリーブのVネックドレスにシルエットが変化する。

一見、西洋のアールデコ調に見える生地は、大島紬から着想を得た繊細な幾何柄。

柔らかさと上質な光沢感が特徴のシフォンにプリントしている。

日本の伝統的な火消しの法被から着想を得たキャンバス地は、火消しの法被と同様に身体を守る機能を持つライダースに仕立てた。

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