中島美嘉アコースティックライブツアーMika Nakashima Premium Live Tour 2025』の最終公演が9月4日・5日、サントリーホール・ブルーローズで開催された。

 ピアノ、コントラバス、歌のアコースティック編成で行われる「Premium Live」は、2016年にファンクラブ会員向けのライブとしてスタート。

自らを“代弁者”“メッセンジャー”と位置付ける中島美嘉の奥深い歌の表現を堪能できるステージは大きな話題を集め、今や彼女のライフワークになっている。

 初のソウル単独公演を含む6都市でのアジアツアーを成功させるなど、活動のスケールを広げ続けている中島美嘉

2026年にデビュー25周年を迎える前に行われた今回のPremium Liveでも、さらに豊かさを増したボーカルをしっかりと体現してみせた。

 

 ピアノの河野伸、コントラバスの海老沼崇史に続き、シックな衣装に身を包んだ中島美嘉がステージへ登場した。

「こんばんは、中島美嘉です。Premium Live、東京公演へようこそ」と挨拶し、「いきなり歌うと緊張しちゃうので、しゃべろうかな」と語りかけ、会場の空気を和ませる。

 1曲目は2007年リリースの「見えない星」。原曲よりもテンポを落とし、ゆったりとした雰囲気のなかで美しいボーカルが響き渡る。

〈寂しさ共感(わか)り合えた人より/こんな寂しさくれるあなたが 愛しい〉という歌詞をひとりひとりに手渡すように歌い、早くも目頭を押さえる観客も。

「私が代弁者として、ステージの上で喜怒哀楽を表現させてもらって。Premium Liveは大人が泣ける場所を作りたいと思ってはじめたライブなんです。泣いたり、笑ったり、感情を出していただいて構わないので、ゆったりと過ごしてください」

Premium Liveに対する思いを言葉にした後は、あまりライブで歌われることがないレアな楽曲を披露。

ステージで初めて歌われた「indigo」は、エキゾチックな佇まいのミディアムバラード。ファルセットを交えた歌声が儚い。

さらにNetflixオリジナルドラマ「FOLLOWERS」挿入歌になったバラード「innocent」、「Deep Down」と中島美嘉の多彩な音楽性を味わえる場面が続いた。

 ライブ中盤のハイライトは、「雪の華」。このツアーのためにアレンジされた“Premium Liveバージョン”によって原曲の新たな魅力を引き出していく。

美しい冬の情景、切なくも愛らしい恋愛を描いたこの曲は、ステージで歌われるたびに奥深さを増しているーーそのことを改めて実感することができた。

続く「僕にも」は、中島自身が初めて作詞・作曲を手がけた楽曲。〈君が差し出す愛でいつも/僕は僕を 許しはじめる〉というフレーズが心に響く。

「自分に曲が書けるとは思っていなかったけど、やってみてわかったのは、“やったことがないことはすべて可能性なんだ”ということ。そう思わせてくれたのは、みなさんのおかげです」という言葉も印象的だった。

 ここからはシリアスな手触りの楽曲へ。小室哲哉の作詞・作曲による『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』挿入歌「望郷」、そして、シンガーソングライターの柴田淳の提供曲「声」。全身全霊で楽曲の世界観を表現するパフォーマンスに、すべての観客が釘付けになる。表情や身体の動きを含めて、シアトリカルなステージを体感できるのもPremium Liveの魅力だ。

「初めてピアノ、ベース以外のメンバーをお迎えしました()」とメトロノームを使って披露された「虹が出たら君に逢いに」からライブは後半へ。

GLAMOROUS SKY」(NANA starring MIKA NAKASHIMA)では手拍子が自然に起こり、心地よい高揚感が生まれる。さらに「LAST WALTZ」。

軽やかなメロディとジャジーなアレンジ、〈あなただけに今すべての瞬間を捧ぐわ〉という歌詞が響き合うなか、本編は終了した。

 

 アンコール1曲目は、中森明菜の名曲「難破船」のカバー。椅子に膝を立てて座り、痛みにも似た愛の在り方を切々と歌い上げ、それが豊かな感動へとつながる。

最後は「僕が死のうと思ったのは」。シリアスな死生観からはじまり、生きることの素晴らしさを歌い上げるこの曲は、Premium Liveの本質と強く結びついていた。

 

 この日のライブは「中島美嘉 Mika Nakashima Premium Live Tour 2025」として10/11(土)午後6:30~放送・配信される。

さらに、こちらも毎年恒例となっているブルーノート公演「MIKA NAKASHIMA Live at BLUE NOTE TOKYO 2025」(10/3111/1)も決定。

デビュー25周年を目前にして、さらに豊かさを増している彼女の“今”をぜひ体感してほしい。

 

 さらにアンコールのステージ上では、約10年ぶりの開催なるアコースティックライブ『MIKA NAKASHIMA THE ACOUSTIC 2026』の開催も発表された。

25周年を目前に控え、進化を続ける中島美嘉の姿を刻むプレミアムなステージをお見逃しなく。

 


文:森 朋之

カメラマン:オカベメイ

 

【ライブ情報】

MIKA NAKASHIMA THE ACOUSTIC 2026

 


  • 2026130()


<東京>かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

開場17:30  開演18:30

【お問い合わせ】中島美嘉公演事務局 03-5778-9523(平日12001500

 


  • 202626()


<大阪>ザ・シンフォニーホール

開場17:30  開演18:30

【お問い合わせ】サウンドクリエーター 06-6357-4400(平日 12:0015:00

 

--- TICKET ---

 

全席指定 11,000(税込)

※未就学児童入場不可

 

-- チケット先行発売詳細 ---

 

▼オフィシャルファンクラブ「Lotus」会員先行受付

2025912日(金)18:002025918日(木)23:59

<当落発表&引換期間>

2025922日(月)15:002025926日(金)23:00

 

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