――1st Album『WOLF』はどのように制作していったのでしょうか?
RYOJI「まず、アルバムタイトルを決めることからみんなで話し合いました。グループ名から取ったシンプルな『WOLF』にしたのは、クラシックかつ新しい、アバンギャルドな東京発の音楽を発信していくのがWOLF HOWL HARMONYだと言うことを知ってほしかったからです。実は、最初に『W.O.L.F』と“.”を入れることも考えたんです。そうすると、“各文字に意味を持たすこともできるな“って思って。でも、そこはシンプルにすることで、ベーシックなWOLFを表現し、これから新しいWOLFへの期待も煽れるような、そんな作品にしたいという想いを込めてこのタイトルに決まりました」
HIROTO「『WOLF』で楽曲を発信するのはもちろん、結成されてからこれまでのストーリーや自分たちらしさを知っていただきたいという想いもありましたし、僕たちがデビューできたのは、応援してくださるLOVEREDのみなさんのおかげなので、その方たちにはもちろん、僕たちのことを全く知らない方たちにも想いやキャラクターを知ってもらえるようなアルバムにしたいと思っていました」
――この1年でたくさん楽曲をリリースしているからこそ、ベストアルバムのような感覚もあるのではないでしょうか?
GHEE「そうですね。だからこそ曲順はすごく考えました。最初は最後の曲に「LOVE RED」を持ってくる案もあったんですが、そうすると連続再生をしたときに1曲目の「Letters」とバラードが重なってしまうので「You&I」にしました。この曲はみんなと一緒に歌えるような、ライブでも最後に歌う曲にしたいと思っていた曲なので、“すごくいいな”と思ったんです。そうやって決まった曲順で聴くと、これまでリリースしてきた曲もまた違う輝きがあって、より好きになりました」
SUZUKI「どの曲も存在感があるので、曲順は本当に悩みました。でも、ちゃんといるべき場所に収まったように思います」
――今作に収録された「BAKUON -爆音-」は、これまでにないタイプの楽曲ですよね。
RYOJI「はい。アルバム『WOLF』には「Letters」と「BAKUON -爆音-」、新曲が2曲収録されています。「Letters」ではこれまでの僕たちを振り返ることで絆を再確認し、初めて作詞にも挑戦しました。そして「BAKUON -爆音-」では“これからのWOLFに期待してほしい“という想いで収録しました。この曲はバイレファンキという、ボーイズグループには珍しいブラジルで生まれた音楽ジャンルにも挑戦しています。リリックでも、“どきな”とか、“道開けろ”“天下取るから”というような意気込みが詰まっていて、すごく強気なんです。でも、僕たち自身も、もっと飛躍していきたいと思っていたので、ものすごくハマりました。うちには本物のブラジリアンもいますし(笑)」
GHEE「僕ですね。ちゃんとルーツがありますから!」
RYOJI「アーティストって、そういったルーツがすごく大事だと思うんです。軸があること、メッセージ性があることはすごく大事だと思っています」
GHEE「この曲を聴いたときに、マジで血が騒ぎました!(笑) DNAが勝手に反応したので“これだ!”って思ったんです。それに、こういう曲に挑戦できるというのは、すごく大事ですし、インプットしたものを曲にぶつけて届けることはアーティストとしてすごく大事なことなので、すごくいい経験になりました」
――この曲はこれまでのWOLFで最高難易度だとお聞きしました。
SUZUKI「めっちゃ踊ります! 今回は、LIFULL ALT-RHYTHMさんに振り付けをしていただいたんですが、機械的というか、無機質な雰囲気を振り付けにふんだんに入っていて。曲自体がかなり激しくて急にテンポがスイッチしたりしているんですが、その振りが交わることで不気味な雰囲気にもなりますし、ギャップが面白いんです。身体を大きく動かす振りもあるんですが、アイソレだけ、ボディコントロールだけでダンスブレイクをしたりと、見ていてすごく驚いてもらえると思います」
――最初にここまで踊ると聞いて不安ではなかったですか?
SUZUKI「どちらかというとワクワクしました。僕たち自身、ずっと“力強い曲が欲しい”と言っていたんです。そこでこの曲を頂いて、“ダンスもガッツリ見せられる曲にしていきたいよね”と話していたので、“ドンと来い!”という感じでした(笑)」
HIROTO「今回、MVにもLIFULL ALT-RHYTHMさんが出演してくれたんです。振り付けにはHIP HOPだけではなくて、ジャズの要素も入っていたり、変わった踊りもしているので、ぜひ注目してもらいたいです!」
――MV撮影はいかがでしたか?
GHEE「「Frozen Butterfly」以来の、D LEAGUERさんとのコラボなので、すごく楽しかったですし、早くみなさんからの反応も聞きたいです。ちなみに僕は屋上のかなり端っこのところに寝そべる攻めたシーンを撮影したんです。もともとこのシーンは予定になかったんですが、監督さんと“何かぶっ飛んだことをしようよ”と話をして、入れ込みました。僕たちの意見も反映できたので、すごく楽しかったです」
――かなりギリギリを攻めた場所でしたよね。
GHEE「そうなんです! もちろん支えてもらっていましたが、僕は高所恐怖症なのでかなりの挑戦でした。でも、その時だけは“良いものを作ろう”と思ってやりました」
――MV撮影となったら、みなさんも苦手を克服できるかもしれないですね。
GHEE「確かに!(笑)」
RYOJI「僕は以前、ペンキ屋さんをしていたので、屋根によく上っていたんです。それ以来、初めての屋根にのぼったのでちょっと懐かしかったです(笑)。僕にとってはかなりエモーショナルな経験でした」
――さらに今回、MEMBER PRODUCE盤もかなり凝ったものになっていますが、それぞれのこだわりを教えてください。
SUZUKI「僕は自分が好きなものを表現できたらと思って、自分が好きな世界観や、“SUZUKIってどういう人なんだろう?”ということを言葉を使わずにどうやって表現するかということを軸に考えました。なので、パッケージの花ひとつとっても全部に意味があります。例えば、赤いバラと赤いカーネーションのコントラストでは、自分の陰と陽の部分、さらに青いバラには奇跡や、不可能を可能にするという花言葉、赤いカーネーションには感謝、真実の愛という花言葉があるので、そういったメッセージを伝える意味で使いました」
RYOJI「すごくSUZUKIっぽいよね」
HIROTO「うん。ファッションやアートなど、すーくん(SUZUKI)の好きなものが全面に溢れているのがすごく素敵ですよね」
――すごくロマンチストなんですね。
SUZUKI「はい(笑)。表情まですべて意味を持って撮影させていただいたので、じっくり見てもらいたいです」
GHEE「僕はもともとロックが大好きだったので、そこを前面に出しました。さらに僕という人をわかってもらいたかったので、自分のタトゥーも全部見せたんです。それはジャケットの中に入っているので、僕が好きなもの、僕の世界観を知ってもらえたらと思います。さらにロックとHIP HOPを融合したものを表現しました。このパッケージを開けた人にだけ見られるものをたっぷりと詰め込みました!」
HIROTO「すごくいいよね。あと、イラストも描いているんですよ」
GHEE「手書きで悪魔みたいな猫を書きました。今回、MEMBER PRODUCE盤の制作をしたことで、これからグッズなども手掛けてみたい欲が出てきました!」
HIROTO「僕はピンクやキラキラしたものが大好きなので、学生のころに流行ったキラキラしたステッカーやデザインなどを散りばめています。可愛らしさだけでなく、セクシーさも入れて、いろんな人が手に持ちやすいものをイメージしました。パッケージの中には、メンバーの顔を描いたり…」
RYOJI「あれはヤバかったね!」
HIROTO「あはは。絵は苦手なんですが、僕なりに…」
RYOJI「いや、なんか個性的ですごくよかった!」
SUZUKI「たしかに下手でもあるけど(笑)、良く言えばクリエイティブ!」
HIROTO「あはは!」
RYOJI「HIROTOの性格、人間性が出ているタッチなので見てもらいたいですね」
――そしてRYOJIさんはクールな仕上がりですね。
RYOJI「そうですね。僕は完全に自分のルーツをみんなに知ってもらいたくて、いろんなギミックを加えました。全体的にY2Kをテーマに、洋服もDIESELさんでスタイリングさせていただきました。ワイドデニムにタンクトップ、ブーツというスタイルは僕が中学生の頃にすごく流行っていたんです。それが今、改めてトレンドになっているので、反映させています。さらに、このジャケットのグローブは、WOLFが結成されて、武者修行の時に着けていたグローブなんです。あと、当時使っていたウィルコムの携帯電話や、ウォークマンなど、古き良きものを使った写真があるので、エモさを感じてもらえたら嬉しいです」
――DIESELにはどんなこだわりがあるのでしょうか。
RYOJI「実は僕、高校を卒業してからはアパレル職に就きたくて、DIESELの面接を受ける予定だったんです。でも、父親の塗装業を手伝わなくてはいけなくて行けなったんですよ。でも、時を経て、こうやってDIESELのスタッフさんとコミュニケーションを取ってお仕事が出来ることにすごく縁を感じていますし、改めて、あの頃の2000年代をファッションで表現できたかな?と思っています」
SUZUKI「僕もRYOJIとは同世代なので、その当時の雰囲気もすごく良くわかるのでエモかったです」
――MEMBER PRODUCE盤は本当にメンバーそれぞれの良さがぎゅっと詰まった1枚になりましたね。
HIROTO「今後もやっていきたいです!」

――そして、このアルバムをリリース後、ついにライブが発表されました!
SUZUKI「すごく嬉しいです。今回はファンミーティング&ライブのような形でやらせて頂きます。LOVEREDの皆さんとの絆を深めていきたいですし、その輪をもっと広げて、大きくしていきたいですね」
HIROTO「ライブでは、僕たちWOLFでしか見せられない演出もあるので、しっかりと作りこんでいきます。ぜひ楽しみにしていて下さい!」
――前回のインタビューで、HIROTOくんがどんなものもトントンして感触を確かめるということを言っていましたが、それは今も?
HIROTO「治ってないです!」
RYOJI「ひどくなってない!?(笑) この間、リリイベの会場の壁をトントンしているのを見たよ! あと、硬めのパンもトントンたたいて“硬いな”って言ってたよね」
SUZUKI「あった!」
HIROTO「まって、無意識!」
SUZUKI「お弁当を食べている時も箸で一度触感を確かめているよね」
HIROTO「なんでだろう…。でも、なんとなく感触がわかると満足するんですよ」
RYOJI「あと、HIROTOはずっと手の指を順番に握っているよね」
GHEE「たしかにそのイメージある!」
HIROTO「まったくわからない!(笑)」
――このインタビュー中も、ドレミファソって感じで握っていますね…。
GHEE「喋りながらずっとそうしているイメージ!」
HIROTO「それも気づかなかった! でも素材確認は意識的にやっているので直す気はないです!」
SUZUKI「知ってどうするの?」
HIROTO「確かめるんですよ。(壁をトントン)ほら、硬い! この前は、確認し忘れたことが諦められなくて、戻ってトントンしました(笑)」
一同「あはは!」

(おわり)
取材・文/吉田可奈
写真/中村功
RELEASE INFROMATION

WOLF HOWL HARMONY『WOLF』LIVE盤(初回生産限定)
2025年3月12日(水)発売
▼LDHオフィシャルショップ / mu-mo SHOP / イベント会場限定
[CD+DVD]/RZZ1-67130/B/11,000円(税込)
[CD+Blu-ray]/RZZ1-67131/B/11,000円(税込)

WOLF HOWL HARMONY『WOLF』MEMBER PRODUCE盤(初回生産限定)
2025年3月12日(水)発売
▼LDHオフィシャルショップ / mu-mo SHOP / イベント会場限定
[CD RYOJI ver.]/RZC1-67132/5,500円(税込)
[CD SUZUKI ver.]/RZC1-67133/5,500円(税込)
[CD GHEE ver.]/RZC1-67134/5,500円(税込)
[CD HIROTO ver.]/RZC1-67135/5,500円(税込)

WOLF HOWL HARMONY『WOLF』LIVE盤
2025年3月12日(水)発売
▼一般流通商品
[CD+DVD]/RZCD-67125/B/7,500円(税込)
[CD+Blu-ray]/RZCD-67126/B/7,500円(税込)

WOLF HOWL HARMONY『WOLF』MV盤
2025年3月12日(水)発売
▼一般流通商品
[CD+DVD]/RZCD-67127/B/5,500円(税込)
[CD+Blu-ray]/RZCD-67128/B/5,500円(税込)

WOLF HOWL HARMONY『WOLF』CD ONLY盤
2025年3月12日(水)発売
▼一般流通商品
[CD ONLY]/RZCD-67129/3,000円(税込)