――WOLF HOWL HARMONYとしてはencore初登場なので改めてデビューを果たした心境を聞かせていただけますか。
SUZUKI「僕は、DEEP SQUADとしてデビューして活動していたんですけど、もう一度オーディションを受けることにしたんです。そこに至るまでには、いろいろ葛藤がありました。でもこうしてWOLF HOWL HARMONYとしてデビューできて、オーディションを受けてよかったという気持ちが大きいですし、自分の夢をかなえるためには行動しなきゃいけないんだって実感しました。同時に、応援してくださる方々、支えてくださる方々の存在の大きさというか大事さというか、そういうことに改めて気づかされました。絶対に夢を勝ち取って、恩返ししたいという気持ちがより強くなっています」
HIROTO「僕とGHEEくんは、同じグループで第1章のオーディションを受けたんですけど、そこでは合格できなかったんです。その後、こうしてデビューできたわけですけど、まわりのグループはダンス経験者ばかりで、僕たちだけダンス未経験なので、最初は厳しい評価をいただくこともありました。自分たち自身もどういうグループになっていくのか想像できなかったし、しょうがないのかなと思いました。でも4人でレッスンを積み重ねていくうちに、応援してくれる方も増えていって、デビューできた。これは間違いなくファンの方々のおかげなので、その人たちにもっといい音楽を届けられるように、成長していきたいと思っています」
GHEE「オーディション期間が長かったこともあって、デビューできてうれしかったですし、それを親に報告できたことは、素直にひとつステップを踏めたのかなと思いました。これから4人でもっと大きなステージに立つためには、自分たちで考えて動いていかないといけないと思うので、気合いも入っていますし、モチベーションも上がっています。自分たちの夢を達成するためには、どうすればいいのかっていうことを、みんな現実的に考えて一歩ずつ進んでいる感じなので、しっかり夢をかなえられるように頑張っていきたいという想いが強いです」
RYOJI「僕たちみんな、結成までに悔しい想いをした経験があるので、自分たちの力でデビューを勝ち取ったと確信したいんです。そのためには、全力でやり切らないといけない。僕たちが今、描いている夢っていうのは、もう自分たちだけのものではなくて、家族やチーム、ファンの方を含めて、本当にみんなの夢に変わってきつつあるんですよね。それだけスケールの大きな夢を掲げているので、今はひたすら、がむしゃらに、どんなことにも全力で向き合っていくつもりです。デビューから1年も経っていないですけど、この1年が勝負だと思っているので、どんなにキツくても踏ん張って、ウルフのことを世界中に広めていきたいです」
――デビュー曲「Sweet Rain」が、いきなり大きな反響を呼びましたが、皆さん自身はどう受け止めていますか?
RYOJI「いやもう、本当にうれしかったですね!個人的にも、デビューしたらチャートの常連と肩を並べられるぐらい、ウルフが世に知られるって信じていたので。しっかり結果を出せたということは、グループの強みになると思いますし、そこは胸を張って、めちゃくちゃ喜びました」
HIROTO「僕も、誰もが知っているBillboard Japanのランキングで、日本のトップアーティストが並んでいる中で、3位というのをデビュー時につかめたというのは、想像もしていなかったのでうれしかったですし、夢が広がりました。次は1位を獲りたいです」
――続く2ndシングル「Frozen Butterfly」が完成しましたが手応えはどうですか。
GHEE「作詞してくださったYVES&ADAMSは、デビュー当時から僕たちと一緒のクルーというか、僕たちをずっと応援してくださっているので、その分リアルに自分たちの想いを汲んで歌詞を書いてくださったと本当に感じています。僕たちはラブソングのイメージが強いと思うんですが、今回はけっこう攻めているというか、アップテンポな楽曲で、新しい引き出しを開けた感覚があります。それを2024年一発目に出すことにも、意味があると思っているので、みんな気合いが入っていますし、ミュージックビデオとかにもすごくこだわっていますので仕上がりには自信があります」
SUZUKI「悔しさと、夢を持つことの素晴らしさを身をもって知っている僕たちだからこそ、歌える楽曲だと思います。聴いて“背中を押されました”とか“勇気づけられました”というメッセージも、たくさんいただいています。夢を追いかける姿って、どんな形でも、たとえ汚く見えても、自分たちにとって――「Frozen Butterfly」の歌詞でも<歪でいい、自分らしい羽根で>って言っているんですけど――一生懸命やっている姿っていうのは、美しく感じてもらえるんだって思えたことがうれしいです」
――WOLF HOWL HARMONYの楽曲を聴く時のポイントになると思うので、4人それぞれのストロングポイントや持ち味を教えてもらえますか。
GHEE「ラップですね。歌唱より、完全にラップ寄りのスタイルだと思っているので。オーディションでも、自分の想いやリリックの世界観を、ラップで表現しているところを評価していただきました。ラップをしている時に出すヴァイブスというか、ケモノ感というか、そういうのが自分の持ち味なのかなと思います」
HIROTO「僕はヴォーカルがメインなんですけど、幼いころからJ-POPを聴いてきて、真っすぐに歌詞の世界観を伝えるような歌い方が身につきました。自分の武器と言えるんじゃないかと思います。あと、他のメンバーと声質が違うので、自分のパートになった時にすごくわかりやすいと思うので、そこも武器になるかなと」
RYOJI「僕はミッドやロウを得意なキーとしていて、人の耳を惹きつけるような声質と言っていただくことが多いので、そこは自信を持っています。その中でも倍音とか歪む音とか、耳に引っかかるように工夫をして歌っているので、そういうところを聴いていただきたいですね。僕は特にブラック・ミュージックが好きで、幼いころからたくさんの音楽に触れてきたので、振れ幅というか、たとえば歌なのかラップなのか、みたいなきわどいヴォーカルとか、いろいろなアプローチを見せていきたいと思っています」
SUZUKI「僕も基本的にヴォーカルがメインなんですけど、RYOJIと似ている部分があって、HIP HOPが好きでラップもします。実際には歌とラップをあまり区別していないので、いわゆる他のアーティストのラップとは、ちょっと違うと思います。そういうところも含めて、今までスクールに通ったりせずに自己流でやってきましたし、オリジナルな声と歌い方だと言っていただくことも多いいので、そのオリジナリティを全面に出していきたいです」
――皆さんの楽曲に対する熱量と真摯な向き合い方が素晴らしいですね。カップリングの「Sugar Honey」と「You&I」についてはいかがですか?
SUZUKI「「Sugar Honey」はタイトル通り、すごく甘い楽曲です。好きで好きでしかたないという気持ちを歌っています。サビにメインのメロディがあって、その裏にファルセットでもうひとつのメロディを歌っていますが、好きだからこそ感じる胸の苦しさとか、気持ちをうまく伝えられないもどかしさとかをそこで表現しています。トラックには、このメロディラインにこの2ステップのビートを合わせるんだ !?っていう面白さがあるし、歌詞もキュンキュンするような世界観で、楽しめると思います」
HIROTO「好きすぎてつらいというか、誰かにとられちゃうんじゃないかという不安とか、そういうのは僕も経験したことがありますし、だからこそ多くの人たちに共感してもらえると思います。歌詞はつらい内容でも、ビートの中に楽しさや優しさが感じられるので、ライヴではAメロ、Bメロはしっかり聴かせて、どんどん音が入ってくるうちにお客さんと一緒に楽しむ感じになると思います」
GHEE「「You&I」のほうは、盛り上げ曲というふうに僕たちは認識していて、大きいステージで歌うことをイメージしています。応援してくださる皆さんと一緒に歌って、盛り上がれる曲になっていると思います。早くライヴをしたくなりますね」
RYOJI「本当にそう思います。あと僕としては、「You&I」はWOLF HOWL HARMONYとしての始まりの楽曲というか、これから壮大な夢に向かって進んでいくためのストーリーを共有する、賛美歌のような曲だと思っていて。これからいろんな壁があるだろうし、リリックにもあるように<僕らにしか描けないメロディ>みたいなものがあるはずなので、完璧ではなくても、それを一緒に描いていこうというメッセージを届けたいですね。ポップでありつつHIP HOP感もあるので、また新しいウルフを表現できる楽曲だと思います」
――今回のインタビューでも何回も登場していますが、「夢」という言葉は、WOLF HOWL HARMONYというアーティストを語る上で欠かせないキーワードだと感じました。皆さんにとってのリアルな「夢」とは?
RYOJI「僕は世界進出です。今、英会話レッスンもさせていただいています。ウルフで音楽への愛を、日本だけでなく世界中に届けられるようになりたいです」
GHEE「いちばん近いところで言うと、ワンマンライヴですね。現時点ではイベントに参加するという形だけなので、もっと新しい景色を、ファンの方にも見ていただきたいです。そしてもちろん、スタジアムまで登りつめたいと思っています」
HIROTO「僕はレコード大賞です。だれもが知る楽曲、日本でいちばん売れた楽曲を、ウルフから生み出したいので」
SUZUKI「今出た全部を成し遂げたいんですけど、今年の目標としてひとつ言えることは、“なんとなくウルフが盛り上がっているよね”じゃなく、結果として形に残したい。結果を追い求めすぎると本来あるべき姿みたいなものを見失っちゃうんじゃないかという気持ちもありますが、結果を出してこその世界だと思うので」
(おわり)
取材・文/鈴木宏和
写真/平野哲郎
WOLF HOWL HARMONY「Frozen Butterfly」DISC INFO
2024年2月13日(水)発売
CD+DVD/RZCD-77925B/2,800円(税込)
CD/RZCD-77926/1,500円(税込)
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