――青春三部作というコンセプトは、どのように生まれたのでしょうか?
RYOJI「そもそもは青春をテーマに新曲を作ろうというところからなんですけど、結果的にになってしまったというか。なぜ青春だったかというと、ダンス未経験であることや、ほかのチームよりメンバーが少ないことなどから、さまざまな声がたくさんあった中で、僕たちはオーディションでぶっちぎりの1位になって、デビューを勝ち取ったわけで、LOVEREDと呼んでいるファンとの絆も強まって、こうして続けてこられたっていうのは、それ自体が青春なんじゃないかって思ったからで。そこで、僕たちの強みである、ど根性精神というか、根底にあるものを表現するには、どうしたらいいのかを制作チームと話し合った時に、実際に経験してきたことをそのまま伝えようということになったんです。“初めてのピアスってドキドキしたけど、大人の扉を開けたような感じがしたよね”とか、“コンビニの前で集まって食うカップラーメン、うまかったよね”とか。それって、現代にはない感覚というか。現代って携帯ひとつで情報が何でも得られてしまうけど、僕らが学生のころはまだそこまで携帯も普及していなくて、実際に経験しないと見られない景色がたくさんあったんですよ」
――よくわかります。
RYOJI「そういう価値観って、とても尊くて、今こそ求められている気がするんですよね。すごく自由で、めちゃくちゃ便利な時代だけど、経験したからこそリアルに届くものもあるっていう。だから、僕たちが青春時代に経験してきたことを歌うことで、一番ウルフらしい楽曲になるんじゃないかなって。いつメンと喧嘩しちゃったり、仲直りしたり、恋愛にしても学生の時は未熟で、つい盲目になってしまったり。そうやっていろいろ話していくうちに、アイディアが広がっていって、結局3曲になりました」
――まず「Pink Flash Lights」は、出会いがテーマに掲げられています。
RYOJI「ピンクには桜のイメージもあるし、リリースも春だし、春は出会いや別れの季節ということで、一目惚れの曲です」
――ポップで高揚感にあふれた楽曲ですけど、ファルセットが駆使されていて、かなり技術的に難しそうに感じました。
SUZUKI「まさにそうなんです。楽しい楽曲で、一目惚れのドキドキ感を歌っているので、聴いて心が弾むような気分になってほしいというのがあったので、ファルセットの質みたいなものにすごくこだわって歌いました。なるべく笑顔で歌うことも心がけました。表情を変えて歌うと、声の表情も変わるので」
HIROTO「フレッシュさがある曲なので、僕の得意とするハイトーンをどういかしていくかが自分の中のポイントでした。1番のサビ頭を歌わせていただいているんですけど、その前のフレーズから突き抜けていくような展開になるので、一発目のアクセントを大事にしました。恋の蕾が咲かないといけないので」
――うまいこと言いましたね。
RYOJI「うわっ!ちょっとドヤ顔(笑)」
GHEE「言ってやったって感じ(笑)」
SUZUKI「昨日の夜から準備系(笑)」
HIROTO「ははははは!でも、そのキラキラ感みたいなものが、一番大事だと思ったので」
RYOJI「僕は珍しく1番のAメロをやらせていただいているんですけど、聴いている方を離脱させないように、音色もそうなんですけど、次が気になるような歌い方を意識しました。僕はグルーヴ感を出すのが得意なので、跳ねているような感じで、体が自然と動くように歌ったつもりです」
GHEE「僕はラップなんですけど、稲妻に全身を打たれているような感じをどう表現するかを考えながら、曲のスパイスになるようにラップしました」
――次に「Love Triangle」は、三角関係です。
GHEE「「Pink Flash Lights」は、メンバーのひとりが一目惚れして、それを周りが応援するみたいな曲なんですけど、この曲は全然違って、こういうこともあるよなっていう展開になっています」
SUZUKI「実際に一目惚れした人がいる時期もあれば、3人、あるいは4人が同じ人を好きになっている時期もあるかもしれないという」
――ポップではあるけど切ない、ビタースウィートな曲ですね。
SUZUKI「ちょっと懐かしさを感じさせるようなメロディで、J-POPや歌謡曲のいいところが出ていますよね。トラックと相まって新しいサウンドに聴こえると思います。掛け合いもあるし、感情が揺れ動く感じが表現できるように歌いました」
HIROTO「僕は2回レコーディングさせていただいて、1回目はけっこう、ねっとりした歌い方だったんですよ。でも違うんじゃないかと思って、ディレクターさんとかにもアドバイスをいただいて、別の歌い方にしたんですけど、ありのままの自分に近いと思います」
RYOJI「僕も自分のスタイルを崩して、自分のパートのリリックを、しっかり日本語として聴いてもらえるように歌い直しました。リリックの奥深さみたいなものを、感じていただけたらうれしいです」
GHEE「僕も自分の中で新しい表現をしました。ひとりの人を取り合うっていうところで、自分だったらその人のためにどう歌うか考えて歌ったら、うまくハマってくれました。僕は最初に聴いた瞬間から、この曲が特に好きなんです」
――そして「ピアス」は、友情です。
RYOJI「これは、皆さんなりの友情に置き換えて、聴いていただければと」
――一転してエッジとビートが効いた、ロック・テイストの楽曲ですね。
SUZUKI「歌詞は三部作の中でも特に、僕たちのリアルに近いですね。感情がまとまっていないようなところも青春時代特有ですし、ロックなサウンドでエモーショナルに歌うことで、青春感がより引き立っていると思います。歌詞に出てくるチャリ立ち漕ぎとか、僕はマジでやっていたので、イエー!って思いながら歌っています。実際、僕のパートでRYOJIが合いの手でイエー!って言っているんですけど、僕も心の中で言っています(笑)」
HIROTO「僕は、アーティストになるという夢を追いかけながら学生生活を送る中で、不安や葛藤があって、同じ夢を持った友人や別の夢を追いかけている友人と朝まで語り合って、新しい1日を迎えるっていうのを繰り返していたので、そういう青春の1ページを思い出しながら歌っています。ガキくさくても、泥くさくてもいいからと思って」
RYOJI「歌詞の<わかったフリで先生ヅラとかダリィ>というのが、すごく僕らしいと思っています。周りに比べたら、ちょっとやんちゃなほうだったので。そこからいろんな人に助けられて、いろんな経験をして、今は自分が好きな自分になれていますし、そういう青春時代に戻るかのように歌えるのはうれしいです。僕のパートが目立ってほしいの で、かなり攻めて歌っています(笑)」
GHEE「僕自身、ロックとかヒップホップとかが好きで、自分の葛藤や悩みをロックンロールして吹き飛ばしてやろうぜっていう、ティーンエイジ感みたいなものが歌詞に込められていると感じたので、サビのあとにもう1ギア上げられるように歌いました。声もシャウトさせて、自分の心の叫びみたいなものを表現しています。初のロック曲で、新たな自分を見せることができたと思います」
――それぞれ個性の際立った3曲により、グループとしての多様な魅力が伝わる三部作だと思います。
RYOJI「等身大の姿を発信させていただいているので、“あいつら最高だな”みたいに、僕たちのある意味、愛みたいなものが伝染していったらいいですね」
HIROTO「僕たちはNEO EXILEの中で平均年齢が一番高いグループではあるんですけど、今なお青春真っ只中なんです。聴いてくださる方にも青春に年齢は関係ないことを伝えたいですし、何かに挑戦することにしてもそうだということを伝えたいですね」
SUZUKI「皆さんそれぞれの青春があるので、重ね合わせて聴いていただけたら」
GHEE「いつまでも青春をやっていてもいいんだっていうことを伝えたいですし、応援してくださる皆さんと一緒に青春してきたいですね」
写真/平野哲郎
――夏以降のグループの展望を、聞かせてください。
RYOJI「今年の夏からは、BOT(BATTLE OF TOKYO)というLDHの伝統的なオリジナル・ライヴに僕たちも初めて参加させていただきます。Jr. EXILE vs NEO EXILEというのがテーマになっていて、ヴァーサスなんですよ。僕個人としても、このBOTの世界観をすごいと思っていますし、LDHをまったく知らないような方々にも届けたいというのは、みんながみんな思っていることなので、少しでも興味ある方には来ていただきたいですね。また9月には、NEO EXILEのライヴも控えています。フレッシュでありつつ、めちゃくちゃ熱いと思うので、ぜひ期待していてください。とにかく一緒に青春しようぜということで(笑)」
(おわり)
取材・文/鈴木宏和
写真/平野哲郎
NEO EXILE SPECIAL LIVE 2024LIVE INFO
2024年9月23日(月)東京ガーデンシアター
LINE UP/LIL LEAGUE、KID PHENOMENON、THE JET BOY BANGERZ、WOLF HOWL HARMONY