encore初登場なので、自己紹介をお願いします!

「汐れいらです。曲を作って歌っています。今は主に都内で活動していて、曲作りを行いながら、路上ライブやライブハウスでのイベントに出させていただいています」

これまでの路上ライブで最も印象に残っている事って何か教えてもらえますか?

「ついこの間なんですけど、路上ライブをしていたら警察の方に一曲目で止められちゃったんです。それで、少し悲しくなりながら片付けていたら、見知らぬおじさんがめちゃくちゃ嬉しいことを言ってくれて。“この子はお金が欲しいんじゃないんだよ、ここに座って歌っていることに価値があるんだから”って怒ってくれて…その時に、うわぁ、私の歌に対する価値を、代わりに言ってくれる人がいるんだ、私でさえ“歌が好き”っていう漠然とした見方なのに、それを考えてくれる人がいるんだ”って嬉しすぎてその場で泣いちゃいました。あの時は感動しました本当に。でも周りの人にはおまわりさんに怒られて私が泣いたって思われてそうでした。おまわりさんとばっちりごめんなさい!」

つい⼝ずさんでしまうほど頭に残るメロディライン、そして唯一無二の歌詞ですが、 楽曲制作は詞先、曲先、どちらなんですか?どんな曲作りなんでしょう?

「ほんとに曲によるんです。とりあえず作ろうと思ったらギター持って、メロディと一緒に出た歌詞を使ったり、メロディを作るために適当にうたってた歌詞がよかったりもするのでそれを使ったりします。正直、悪いことがあったり、不幸になればなるほどいい曲ができます。自分をすり減らしてるみたいで悲しいんですけど、曲がかけると不幸なことにもいい意味づけができていいんです。でも、幸せになればなるほど良い曲が書けるようになったら無敵じゃん!って思います(笑)」

「笑ってベイビー」や「銃口に花」、「チェリーパイ」、「アメトムチ」などオリジナル曲がある中、 1stデジタルシングルに「さよならCITY」を選んだ理由を教えてください!

「「さよならCITY」は、周りに、常識に、大衆の考えに流されて自分を出せない人を描いた曲なんですけど、コロナ禍で以前よりもネット社会が広がって繋がりを感じられる人もいれば、その繋がりが億劫だと思ったり孤独だって思う人もいると思うんです。攻撃されるのが怖くて、現実でもネットの中でも自分を押し殺して生きるのは、もしかしたら死ぬよりも辛いのかな…とか色々考えて作ったので、コロナ禍だったというのが理由だったりするかもしれません。それと、私が作った曲の中では他のものよりメッセージ性が強いし、私自身たくさん歌った曲は基本的に飽きてしまうんですけど、これは飽きないな、というのもあり、決めました」

「さよならCITY」のレコーディングで、弾き語りとは違う大変さだったり、新たな気づきはありましたか?

「本当にハモリができなくて……色々な曲で練習はするんですけど、ずっと前からハモリが苦手で、レコーディングの時は自分でハモリを入れるので大変でした。また、ライブなら毎回好きなように好きな表情で歌えるのでいいんですけど、一発で決めるってなったら、どの声で、どんな歌い方で歌うか、とか、どこで抜くか、とかを考えました。それに日によって良い歌が歌える時とそうでないときがあるので、それはおみくじみたいなものです。当日にならないとわからない……(笑)」

コロナ禍での音楽活動は大変なこともあったかと思いますが、 この状況だからこそ挑戦したこと、新たに試したことはありましたか?

「コロナが感染拡大し始めた時はまだ大学に通っていたのですが、大学のゼミで出た課題が小説の執筆だったんです。そしてコロナ禍なので本を出版する工程がなくなり、ネットで配信しようってことになりました。そこで、ネットなら音楽を一緒にのせても良いかも……という話になり、既存の曲を使用すると色々と準備が大変そうだったので、じゃあ作っちゃおうと思い、自分の執筆した小説に沿って曲を書き下ろしたんです。思えばこれが全ての始まりだったなぁと。その曲をYouTubeにあげたことで、色んな人と出会って、話をして、私自身も曲たちも成長して今こんな風に音楽活動ができているのだと思います。本当に話せば長いのですが、去年から今年にかけては人生の選択といっていいほどのことがありました。コロナ禍でライブなど限られてしまったのは事実なんですが、そのおかげで音楽を通じて出会うはずのなかった大切な人たちと繋がれたので、素敵です」

これからもさまざまなライブの予定がありますが、楽しみですね。

「本音を言えば、バンドをやっていた頃から私のライブは“好きな曲を作る作業”の延長線でしかなく、ライブで誰かに聴かせたいから曲作りをするというよりは、曲を作ることの意味づけだった気がします。その頃はバンドだったのでメンバーに甘えていたし、どうにかなるし、してくれると思っていました。でも今、一人でライブをするようになって、しっかりしなきゃと思ったり、私のライブの全ては私に責任があって、自分がなんとかしない限りなんとかならないって気づいて……当たり前なんですけど(笑)。だから今まで向き合ってこなかった自分の苦手な部分とかを見つめるいい機会になっています。そして大事な時間を使ったり、お金を払ってわたしの歌を聴きに来てくれるひと、立ち止まってくれるひとがいることに嬉しく思いつつ、どうやってライブに、お客さんに、私に、音楽に、向き合えば良いのか、私自身まだまだわかってないことが多くて……未熟なところばかりなんですけど、後悔させないのでぜひライブを見にきて、わたしのこと、歌のこと見守ってほしいなって思います。勝手ですみません(笑)」

最後に汐れいらさんファンとencore読者へのメッセージをお願いします。

「まだ駆け出しで、ぺーぺーのぺぇこちゃんに目を止めてくれてありがとうございます!ぜひ「さよならCITY」聴いてください!そしてぜひ、ライブを見にきてください!」

取材・文/encore編集部

汐れいら

もともと歌うことが好きだったが、曲をコピーするよりも、⾃分で作った⽅が楽しいと気づき、16歳の頃から作詞/作曲を始める。⽂章を書くのが好きで、⼩説家になることも夢だったが、⾃⾝の⾔葉選びは⾳楽に乗せる⽅が余⽩を活かせることができ⾃分に合っていると感じ、⾳楽一本で⽣きていくことを決意。影響を受けているアーティストは、ビリー・アイリッシュ、Vaundy。好きな⾷べ物はチーズ(但しチーズケーキは苦⼿)、油そば、ラーメン、オレオ。

汐れいら「さよならCITY」

2021年9月15日(水)配信

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