──7月19日のTBS『音楽の日2025』では、「ONE DAY」のパフォーマンスの他、ダンス企画”DREAM DANCE”で、日本を代表する精鋭メンバーたちと共に出演されました。他の事務所や他のグループとの共演で感じたことを教えてください。
夫松健介「リハーサルの段階から演出のs**t kingzの皆さんに“バチバチで!”と言っていただいていたので、自分たちも闘志むき出しでした。2曲やらせていただいたのですが、1曲目はグループごとに見せる部分が多くて、2曲目はグループごちゃ混ぜで。2曲目のメンバーの配置は、リハーサルの映像を見て、どうカメラに抜かれるかなどをも見て決めました。テーマ通り、バチバチでした。でもこうしてダンスにフォーカスしてパフォーマンスすることってテレビではあまりなかったので、ダンスが好きなKID PHENOMENONの7人で、ダンスをたくさんの方に見ていただける機会をいただけて、すごくうれしかったですし、楽しかったです」
遠藤翼空「同世代の同じ夢を追いかけている人たち…というか、同じ目標に向かって頑張って取り組んでいる人たちと一緒にやってみて、いろんな取り組み方も知ることができましたし、それぞれが“自分を輝かせたいんだ”という気持ちに溢れていて…。その姿に刺激を受けましたし、改めて“KID PHENOMENONとして頑張っていきたい”と思いました」
──そして5th Single『Sparkle Summer』が8月20日にリリースされました。1st Album 『PHENOMENON』リリース後、最初のシングルになります。どのような姿を見せたいと思ってシングルの制作に取り掛かりましたか?
山本光汰「1st Album 『PHENOMENON』はデビューしてからこれまでのKID PHENOMENONの集大成を詰め込んだアルバムでした。その次のシングル、表題曲の「Sparkle Summer」では、初めてシーズンに沿った楽曲に挑戦してみました。「Sparkle Summer」というタイトル通り、夏を表現した楽曲で、KID PHENOMENONとしても等身大のパフォーマンスが見せられる楽曲になっています。なので、そういったところにも注目してこの曲を楽しんでいただきたいです」
──まさに等身大の夏ソングですが、最初にこの曲を聴いたときの感想を教えてください。
鈴木瑠偉「“楽しそうだな!”って思いました。デモを聴いた時点ですごくハッピーで楽しい気持ちになったので、さらに僕たちの声が乗ったら、青春感あふれる素敵な楽曲になるんだろうなって…想像が膨らみました」
佐藤峻乃介「アルバムからはガラッと雰囲気が変わってJ-POPっぽい楽曲だと思いました。それと、ファンの皆さんが聴いている姿を想像しやすかったです。歌詞の情景も浮かびやすいですし、“皆さんに楽しんで聴いてもらえる“と思いました」
──実際にレコーディングしてみていかがでしたか? 歌う上で意識したことや大切にしたことなどを教えてください。
遠藤「この曲はJ-POPのような聴き馴染みがある曲で、僕たちがこれまで歌ってきた曲とは少し違うタイプの曲なんです。でも、歌うときにはあえて寄せにいかず、“KID PHENOMENONとして、どういう歌い方ができるのか?“ということを考えました。歌詞1つ1つで描かれている情景を、どうやったら聴いている方々にイメージしてもらえるか…細かいところまで自分たちで「Sparkle Summer」というイメージを作り上げて歌いました」
岡尾琥珀「メインはボーカルの2人(遠藤・山本)が歌っているんですけど、この曲はガヤみたいな部分が多くて。レコーディングでは、全員でブースに入って、同じマイクに向かってみんなで歌うっていうのがとても好きですし、僕たち、それが得意なんです。楽しいですし。その…ガヤって言うのかな?」
夫松「ユニゾン?」
岡尾「そう、ユニゾン! この曲も、そのユニゾン・パートが入ることで、一気に僕たちらしくなったと思いました」
山本「僕はサビ頭を担当させていただいているんですけど、サビ頭は特に楽曲のイメージにつながるパートなので、しっかり情景が浮かぶように意識しました。この曲は、日が昇ってから落ちるまでの時間の流れも描いているので、同じ歌詞でも1回目のサビと最後のサビでは時間も経過も違うんです。だから大サビでは“1日が終わってほしくない”という感情を表現しました。皆さんにも、楽しくて終わってほしくない日ってあると思うので、そういう楽しかった日の終わりに聴いていただけると、より沁みると思います」
──それこそ、これまでの楽曲と比べてラフさのある楽曲で歌声も軽やかに感じましたが、そこは意識したのでしょうか?
山本「はい。今までの曲はパンチの効いたヒップホップが多かったのですが、今回は爽やかなポップスなので、聴きやすい声質は意識しました。あとは“青年感”を意識してレコーディングしました」
遠藤「自分の想像する青春のイメージや、学生時代に感じた楽しい出来事を想像しながら歌うことで、感情が乗せられたと思います」
──この曲の世界観に合うようなご自身の思い出をおろしてくるような?
遠藤「そうですね。あと、僕は妄想が好きなので(笑)。今回のリリックは情景が想像しやすかったので、どういう状況なのか?を考えながら歌いました」
──この曲は振り付けもポップでかわいいですよね。振り付けのこだわりについても教えてください。
川口蒼真「この曲はRHT.のASUPIさん、Akoさんのお二人に振り付けしていただきました。最初にメンバーで“振り付けを誰にお願いしようか?”と話し合ったんですけど、そのときに一致して名前が出てきたのがこのお二人でした。ASUPIさんとAkoさんの振り付けってエネルギッシュでエモーショナルなんです。今回の振り付けも楽曲にすごく合っていて、自分たちが理想としていたもの以上のものでした。パフォーマンスしていて自分たち自身もすごく楽しいですし、メンバー同士でコミュニケーションを取ったり、メンバー同士の絡みも多いので、ファンの皆さんも見ていて楽しいと思います。サビの後半は手振りでできる簡単な振り付けもあるので、ぜひ皆さんも真似していただいて、楽曲を聴くだけではなく、振り付けも見て、一緒に踊って…といろんな楽しみ方ができる曲になっています!」
──リリイベなどでもうファンの前で披露していると思いますが、ファンの皆さんも踊ってくれていますか?
一同「はい!」
──歌詞、振り付け、MV、いずれでも良いので「Sparkle Summer」の中で特に好きなパートや、特に注目して欲しいポイントをお一人ずつ教えてください。
夫松「僕は2番の頭のラップ、<アチチ火傷しそうなほどのこのサマー>を担当しているんですが、そこの振り付けを見てほしいです。他のメンバーが花道みたいなトンネルを作ってくれて、僕がその中を通っていく振り付けなんですが、その通り方を毎回変えようと心がけています。車に乗る仕草をしたり、バイクにまたがってから通ってみたり、水泳をしてみたり。最近、レパートリーがなくなってきて“どうしよう?”と思っているんですけど(笑)、毎回違うパフォーマンスが見られると思うので、注目してほしいです!」
鈴木「僕は、サビでファンの人たちと一緒に歌えるパートが好きです。僕たちはステージに立っていて、皆さんは見ている側ですけど、そこで声をくれることで一緒にステージを作り上げている気持ちになれるので。“僕たちとファンの人たちは一心同体なんだ”って思える瞬間です」
──これからライブやリリイベに行くという方にもぜひ覚えてきてもらいたいですね。
鈴木「はい! 一緒にステージを作りたいです」
山本「僕はラスサビです。みんなで振り返って、助走をつけてから一気に感情的になるところの表情がすごくいいと思いますし、この曲のエネルギッシュさが表現できていてすごく気に入っています」
佐藤「僕もラスサビ! 振り付けがすごく好きなんです。この曲は全体的に疾走感が強いんですけど、ラスサビはそれらのすべてを解放できて…振りが全て大きくて、スピーディーでもあって、とにかくすべてのパワーを解放できます。それにメンバーとアイコンタクトするところも多くて、すごくこの曲らしさを感じます」
岡尾「僕は、もちろんサビも好きなんですけど、AメロとBメロの振り付けが好きです。この曲の振り付けって全体的にストーリー性があるんです。7人で同じ方向を向いていたり、7人で固まって歩いていたり。歌詞に合わせて、“7人で1つ”というのが表現されているのがAメロとBメロで。今までそういうストーリー性のある構成や振り付けの曲ってあまりなかったですし、ラスサビに向けて気持ちがどんどん上がっていくのがメロ部分なので。踊っていてすごくエモくなります」
遠藤「僕はラスサビ前の<All we need is ....Just forever>の振り付けがすごく好きです。ここは、みんな後ろを向いていて、僕だけ前を振り返るんです。そこが本当にすごく気持ちよくて。そのまま飛んでいきたくなります。ライブではいつか本当に飛びたいなぁ…それくらい気持ちいいポイントです」
川口「僕は最初の<Jump hard and dive!>のところ。最初、一列で後ろを向いているんですけど、ここのパートが始まるときにパッと前を向いて、ファンの皆さんと<Jump hard and dive!>って言うんです。その瞬間が大好きです。今やっている『KID PHENOMENON LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 〜D7SCOVER〜』でも、“それでは聴いてください、「Sparkle Summer」”と言って、後ろを向いて、パッと前を振り向いた瞬間にファンの皆さんが笑顔で大きな声を出してくれていて。すごくうれしいですし、この曲のいいところが出ていると思います」
──続いてはカップリング曲「Snakebite」について聞かせてください。この曲はSHOKICHIさんが作詞を手掛けていますが、この曲についてSHOKICHIさんと何かお話しされた方はいらっしゃいますか?
夫松「レコーディングのときにSHOKICHIさんがディレクションをしてくださったのですが、SHOKICHIさんのディレクションって、いつもすごく感覚的なんです。言語化されていないのにすごくわかりやすいんですよ。今回で言うと、<Go up (Go up)>のところとか、“<Go up>してる<Go up>にして”って言われて…。それをSHOKICHIさんが実際にやって聞かせてくれるんですけど、本当に“<Go up>してる<Go up>”なんです。やっぱりすごいなと思いましたし、勉強になりました」
遠藤「以前、SHOKICHIさん、NAOTOさんと食事をさせていただく機会があって、そのときにSNS社会で生きていく僕たちが感じていることをお話させていただいたんです。そしたら「Snakebite」の歌い出しが<ひどいねソーシャルは勝手>で、内容もそのときにお話したようなものでした。すごくリアルな歌詞に落とし込まれていると思いましたし、自分たちが実際に感じていることを表現できるで、すごくいいと思いました」
──実際に話した内容が楽曲に反映されているということですしね。
遠藤「はい。だから初めて歌詞を読んだとき、すごくうれしかったです」
──この曲はボーカル自体も難しそうですし、パフォーマンスしながらとなるとさらに難しそうだと思ったのですが、実際にはどうですか?
岡尾「とんでもなく難しいです!」
夫松「難しいです。パフォーマンスのテンション感について、みんなですごく話し合いました。振り付けはディスコ調でキャッチーなんですけど、自分たちのパフォーマンス力も見せたいですし、でもガツガツ踊ると“曲を伝えたい”という意図からかけ離れてしまいますし…。だからといって緩すぎると飽きられてしまうので。どこでメリハリを付けるのか?、テンションのベースはどのくらいにするのか?…。『D7SCOVER』や出演するイベントでも披露させていただいているんですが、いまだにリハーサルのたびに“どうやって魅せようか?”って相談していて…ディスカバリー中です(笑)」
一同「お〜!(笑)」
──パフォーマンスを重ねて、いつか掴める日が…。
夫松「来てほしいですね」
──そんな2曲に「Lemonade」を加えた5th Single『Sparkle Summer』ですが、完成してみていかがですか?
山本「3曲とも、爽やかですがしっかりメッセージ性のある曲で。特に表題曲「Sparkle Summer」はMVも含めて僕たちの伝えたい想いや、僕たちらしさを見ていただける楽曲になったと思っています。僕たちが気になった人たちにはぜひ3曲とも聴いていただいて、さらに僕たちを知っていただきたいです」
──今年の8月23日で、1st Single 『Wheelie』でのデビューから2年が経ちますが、当時、思い描いていた2年後になっていますか? 現在地をどう捉えているのか、最後に教えてください。
佐藤「KID PHENOMENONの目標はすごく高いところを目指しているので、自分たちが理想として描いているものと、実際の現実を比べると違うことも多くて、苦戦してきたという感覚があります。だけど、その中で、ファンの皆さんやメンバー、スタッフさんにすごく支えられています。それがすごくありがたいことだと心から思っています。3年目はさらにファンの皆さんと一緒にグループ一丸となってより高いところを目指していきたいと思っています。常に新しいことをして、たくさんの可能性を広げていけるグループでありたいと思っているので、そういう追求心を常に持ちながら、これからも引き続き皆さんに素敵な音楽とパフォーマンスを届けていきたいです!」

(おわり)
取材・文/小林千絵
写真/野﨑 慧嗣
RELEASE INFORMATION

KID PHENOMENON『Sparkle Summer』初回生産限定盤(CD+DVD)
2025年8月20日(水)発売
SRCL-13018~13019/2,500円(税込)
LIVE INFORMATION

KID PHENOMENON LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~
7月4日(金) 福岡 DRUM Be-1
7月13日(日) 新潟 Live Hall GOLDENPIGS RED STAGE
7月16日(水) 兵庫 神戸 Harbor Studio
7月21日(月・祝) 三重 四日市CLUB ROOTS
7月24日(木) 東京 duo MUSIC EXCHANGE
8月2日(土) 岩手 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
8月8日(金) 千葉 柏PALOOZA
8月14日(木) 大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
8月16日(土) 静岡 LiveHouse浜松窓枠
8月23日(土) 福島 HIPSHOT JAPAN
<追加公演>
11月1日(土) 長野 NAGANO CLUB JUNK BOX
11月3日(月・祝) 京都 京都FANJ
11月14日(金) 神奈川 SUPERNOVA KAWASAKI
11月17日(月) 大阪 BIGCAT
11月20日(木) 愛知 ダイアモンドホール
11月22日(土) 岡山 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
12月1日(月) 東京 ステラボール
12月6日(土) 静岡 LIVE ROXY SHIZUOKA
12月9日(火) 宮城 仙台 darwin
12月12日(金) 青森 青森Quarter
12月15(月) 埼玉 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
12月19日(金) 福岡 DRUM LOGOS