Darren Criss「Christmas Dance」
人気ミュージカルドラマ「glee/グリー」の主要キャストとしても知られるダレン・クリス。彼が2021年にリリースした初のフルアルバムからのダンサブル・ポップ。リズム&ブルース、ロックンロール、ツイスト、ドゥーワップなど、オールドタイミーなアメリカンルーツ音楽への愛とシャッフルビートが弾けまくる、近年でもっともご機嫌なクリスマスナンバーかも?
マライア・キャリー「Oh サンタ! (Featuring アリアナ・グランデ&ジェニファー・ハドソン)」
マライア・キャリーが一大クリスマス・スタンダードの「All I Want For Christmas Is You(恋人たちのクリスマス)」をリリースしたのが1994年。2010年には再びホリデーシーズンを賑わす「Oh Santa!」をリリースし、さらに2020年「Oh Santa!」の新バージョンとして、アリアナ・グランデ、ジェニファー・ハドソンという歌姫2人をゲストに迎えた本作をリリース。豪華絢爛、眩しすぎます。
Fulton Lee「Discoballs On The Christmas Tree」
時にバブルガム・ファンク・ミュージック、時にサンシャイン・ファンク・ミュージックを自称する新世代のSSW(シンガー・ソングライター)=フルトン・リー。ポップ史の伝統に敬意を表しつつ、現代的なレトロモダン感覚をハイセンスに散りばめたミニマル・ディスコ・チューン。リリースは2023年。ホームパーティを盛り上げる小気味いいクリスマス・ダンサーです。
Aloe Blacc「I Got Your Christmas Right Here」
R&B/HIP HOPシーンから2枚の傑作クリスマス盤がリリースされた2018年。1枚はジョン・レジェンド、そしてもう1枚がアロー・ブラックの本作。心地よい横揺れグルーヴ、思わずクラップしてしまう軽く跳ねたリズム、コンテンポラリーなゴスペル味を添えた伴奏。そして、その全てをリードする彼の歌心。ソウル・クリスマスの系譜に連なる1曲です。
ベニー・シングス&クララ・ヒル「オン・クリスマス・モーニング」
HIP HOPのビートクリエイターからポップ・マエストロへ転身したオランダ出身のSSW。ケニー・ロギンスが1989年にリリースしたクリスマス・バラードのカバーながら、見事に生まれ変わった2007年のベニー ver. を。レーベルメイトのクララ・ヒルをゲストシンガーに迎え、(おそらくレーベル関係者による)合唱団をバックに配し、白く染まるクリスマスの朝をメロウに染め上げます。
Abe Parker「In Love This Christmas」
現代的、かつオルタナティヴなポップセンスで注目を集める若手SSW=エイブ・パーカー。彼が描く内省的なラヴソングは若い世代を中心にバイラルヒットを記録し、この2019年のホリデーソングでも特異なポップセンスを発揮。甘酸っぱく感傷的な情景が浮かぶメロディや詩、歌声……ポップとセンチメンタルが絶妙に混ざり合うセンスにキュンとなる方も多いのでは?
Jimmy Fallon, Meghan Trainor「Wrap Me Up」
全米を代表するエンタメ番組「The Tonight Show」。現在、その司会者を務める名物キャスト=ジミー・ファロンの音楽愛が爆発した2023年のホリデーソング。デュエット相手にレトロポップ・クイーンのメーガン・トレイナーを招き入れ、カップルさながらのハッピーなコール&レスポンスが楽しい、クリスマス・デュエットの新たな傑作です。
Beach Bunny「Christmas Caller」
TikTokでバイラルヒットとなり、10億回以上のストリーム再生を誇るビーチ・バニーが2021年にリリースした初のホリデーソング。フロントマンでバンドの中心人物であるリリー・トリフィリオが描く恋人との関係を嘆くような詩に、軽快に響き渡るサウンドスケープが混ざり合う本作。近年のインディ・シーンを代表するギターポップ・クリスマスです。
(おわり)
文/三浦祐司(USEN)
Photo by HENRION ALAIN(CC BY-SA 2.0)
三浦祐司PROFILE
株式会社USEN 制作1部所属。各チャンネルにて選曲、ディレクションを担当。古いポピュラー音楽やルーツ音楽沼に沈み続ける人力グルーヴ・ラヴァー。古今東西、世界中の音楽へとアンテナを広げつつ、打ち込み音楽のみの試聴で1日が終わる日も多々。