imase「Holy Light」
2021年、渋谷スクランブルスクエアとのコラボ企画として書き下ろされた、imase初のクリスマスソング。音楽活動を始めてすぐにバイラルヒットを記録し、瞬く間にトップシーンへと駆け上った新鋭ソングライターながら、本作で初めて季節を楽曲に落とし込み、渋谷のクリスマスの情景を独自のポップセンスで昇華した都市型クリスマス・スタンダードです。
離婚伝説「グリン・グリーンレッド」
マーヴィン・ゲイの邦盤に由来する個性的なユニット名と、レトロモダンな創造性で話題沸騰中のデュオ。デビュー当初から耳の早いリスナーを中心に注目を集め、2023年に初のクリスマスナンバーをリリース。彼らの名刺代わりとも言える松田 歩の歌声、別府 純のギターワークはいわずもがな絶品。近年の日本でもトレンド化しているドラムンベース派生の高速リズムを取り入れた独自の人力感に脱帽。
ちゃんみな&SKY-HI「Holy Moly Holy Night」
2020年、暗いニュースが続いていた世の中に「せめてクリスマスくらいは気分だけでも盛り上がろう」と、ちゃんみな、SKY-HIという超実力派の2人が届けてくれた最高のクリスマスプレゼント。ド派手でヴィンテージなビッグバンドスタイルを現代版にアップデート。スウィンギンで、ダンサブルで、MVでも最高にふざけまくっている2人の姿も魅力的ですが、そのボーカルワークとダンス、随所で見せてくれるラップスキルは圧巻の一言。
くるり「最後のメリークリスマス」
サンタクロースがもし音楽隊を率いてプレゼントを届けに来たのなら……そんな時に奏でていそうな、チェンバーポップ仕立てのくるり流クリスマスソングは、デビュー15周年のアニバーサリー企画として制作されたファンへのプレゼント。クリスマスの移り行く風景を、豊かな遊び心でノスタルジックに描き上げた極上のアコースティックポップ。
tonun「13度目のクリスマス」
「Spotify RADAR:Early Noise 2022」に選出され、昨年には1stアルバムをリリースしたばかりの新世代アーティスト。本作は2021年のリリースで、横揺れのメロウグルーヴの上を泳ぐグッドメロディ、そして甘くスモーキーな歌声も相まって、往年の名クリスマススタンダードに比肩し得る心地よいムードが堪能できます。
TWEEDEES「作戦前夜」
Cymbalsの中心人物である沖井礼二とソロシンガーの清浦夏実からなるポップユニットが2018年にリリースした3rdアルバムからのクリスマスソングを。古今東西、様々な作編曲家に影響を受けた沖井が本作で描いたのは、映画のワンシーンを切り取ったかのようなサウンドトラック風の一品。清浦のガーリーで瑞々しい歌声も世界観を見事に表現しています。
XG「WINTER WITHOUT YOU」
最後は、グローバルな活動で人気を誇るガールグループ=XGから、4thシングルのクリスマスR&Bを。高純度の歌とラップ、ダンス、ファッショナブルな表現とパフォーマンスからなる“X-POP”でシーンを席巻中の彼女たち。本作では、ボーカル&コーラスワークを全面に押し出し、遠く離れた大切な人への想いがエモーショナルに歌われるウィンター・ラヴソングに仕上がっています。
(おわり)
文/三浦祐司(USEN)
Photo by hiroaki maeda(CC BY-ND 2.0)
三浦祐司PROFILE
株式会社USEN 制作1部所属。各チャンネルにて選曲、ディレクションを担当。古いポピュラー音楽やルーツ音楽沼に沈み続ける人力グルーヴ・ラヴァー。古今東西、世界中の音楽へとアンテナを広げつつ、打ち込み音楽のみの試聴で1日が終わる日も多々。