東京・立川から日本の魅力を世界へ発信する新施設「オーベルジュ ときと」が23年春オープン

2023年春、 日本の食や文化を立川から世界に発信する場所として「オーベルジュ ときと」がオープンする。

ここではアップデートされた食・茶・宿を楽しむことが出来る。

「ときと」には立川から世界に通用する日本文化を代表する料理を生み出したいと、京都の老舗懐石料理店で修業を重ねてきた3人のメンバーが集結した。

総合プロデューサー・総料理長に就任したのは、石井義典。

京都で実績を重ね、その後20年以上海外で研鑽を積む中、エグゼクティブシェフを務めた「UMU London（ウム ロンドン）」では、ヨーロッパで日本料理初のミシュラン2つ星を5年間保持し続けた。

そして石井の後輩で、北海道洞爺湖サミットでは各国首脳に料理を作り高い評価を得、料理長として迎えられ開店した京都「いと」では最短で1つ星を獲得後、本プロジェクトに参加した大河原謙治。

同じく京都での修業ののちイタリアに渡り、3つ「Ristrante Da Vittorio（リストランテ ダ ヴィットリオ）」で研鑽を積んだ日山浩輝。

この3人が名を連ねる。

「ときと」の名には、幸せな「とき」とは何か問い続け、豊かな日本文化を「朱鷺（とき）」のように優雅に世界へ飛び立たせるという願いが込められている。

「めぐるめぐみ」をコンセプトに、食を通じて、人、地域、日本の食文化を豊かにすることを目指し、日本の食・茶・宿を進化させ、客のあらゆる「とき」を幸せで満たし、日本の食や文化を世界へ発信していく。

「いずれは、ここを巣立った多くの若者が、世界に日本の食文化を広めていってほしい。朝焼けの朱鷺色に様々なグラデーションがあるように、一人一人の才能を、そのまま活かして伸ばすインキュベーションとしての存在でありたい。」と、以前大手外食グループで20店舗を統括、人材育成にも携わった大河原は語る。

「ときと」では長く受け継がれてきた懐石の背景である自然を敬うという原点に立ち返りつつ、これまでの懐石料理の文脈をいったん離れた、新しい日本の風土を表現する料理を生み出していく。

大自然への敬意は料理のみならず、食器にも表れている。

石井は地元の土と向き合い、たった一人で約1000個もの食器を、ひとつひとつ焼き上げた。

また、全てのものの命を尊ぶ日本の心から、ときとの建設のために切られてしまう敷地内の木の命を、食器にすることで蘇らせた。

「いただきます」「もったいない」などいまや世界で知られるようになった言葉も、私たち日本人が心の奥底で抱いてきた自然への畏敬の念を表している。

そんな思いを、料理という形で表現したいと石井は語った。

日本が大切にしてきた美意識を、グローバルな感覚で表現する「オーベルジュ ときと」。

ここは同時に、国境を越えて、人と人をつなぎ、幸せにする食の力を信じ、世界に飛び立つ。

そんな現代の若者の夢を育み、羽ばたかせるための場所でもある。

新しい日本らしさを生み出す場所として、「オーベルジュ ときと」はスタートする。