「M!LKでドームツアーがしたい」。
結成当初から佐野を筆頭にメンバーが口々にしていた目標へと大きく前進することとなった横浜アリーナでの公演が開催された。『M!LK 1st ARENA "HAPPY! HAPPY! HAPPY!"』と銘打ったこの公演が発表されると、多くのみ!るきーず(ファンネーム)が、メンバーの願いを叶えようとチケットを購入し、早い段階でソールドアウトとなり、この日を誰もが待ちわびていたことが伝わってくる。
そんな、お互いの夢に大きく近づいたこの日、ステージには煌びやかな王子様のようなファッションに身を包んだ5人がプレゼントボックスから登場すると、割れんばかりの歓声が横浜アリーナ全体に響き渡る。佐野と山中の歌声からスタートした「topaz」を歌いながら、5人それぞれがとっても嬉しそうに会場のみ!るきーずを見つめ、その視線に応えるように、それぞれのメンカラに染まったペンライトを振り返し、相思相愛の空間が広がっていく。
佐野が「横アリ~!お前ら盛り上がってるか!?」と叫ぶと、曽野が「みんなハッピーになる準備はできてんの!?」と最高の笑顔で問いかける。その声にこたえるように歓声が聴こえると、「いいね!俺達がハッピーにします!」と続け、「Brave Saga」ではとにかく煽り、吉田が佐野に抱きつき、くるくると回すと会場中がドッと沸き、それを見る塩﨑、曽野、山中がとても楽しそうに笑う姿が印象的だ。常に仲が良いイメージの彼らだが、こういった節々で全員がとても楽しそうにじゃれ合う姿を見せてくれるからこそ、み!るきーずたちは愛おしさがこみあげてたまらなくなるのだろう。
花道を歩いて「フレ!フレ!オレ!(2023)」を歌う彼らが、<いつか夢の舞台へと>と歌いながらセンターステージに辿り着き、山中が「待たせたな!横浜アリーナ!」と叫ぶ姿はとてもエモーショナル。「俺らに愛される覚悟できてんの!?」と“柔様”っぷりを見せる山中は「世界で一番幸せにしてやるから!」と宣言し、対する塩﨑は「会いたかった!?俺もみんなに会いたかったよ!」とキュートに煽り、曽野はメンバーにも楽しむ準備を聞いた後、「今日一日、最高にハッピーにしてあげます!」と話し、吉田はいつも通り「チェスト!」と煽り、すでに会場は一体に。
「Special Thanx」では曽野と山中が肩を組みながら感謝を伝え、曽野が顔をクシュッと崩して「み!るきーずは僕の宝物だよ!」と伝えた「My Treasure」では、本当に彼らがこのステージを心から楽しんでいる様子が手に取るようにわかる。これまで何度もライブを経験してきた彼らだけれど、ここには今までのすべての経験があったからこそ、目標にしてきたからこそ立てたこと、そしてまだここが通過点であることも伝わってくるのだ。
MCでは佐野が「過去、類を見ないくらい緊張しています」と話すが、そうは思えない程彼らがいま、充実の時間を過ごしていることがわかる。さらに、車のエンジン音からスタートした「Break it down」では、5人がサングラスをし、順番にビジョンに向かってアピールしながら歌を聴かせていく。車を降り、それぞれがクールな魅力を発揮するソロダンスを披露すると、そこには妖艶さがまとわり、彼らに大人の魅力が加わったことも確認できる。
後方ステージに辿り着いた彼らは、ライトが光り輝くマイクスタンドを持ち「行けたら行くよ」ではクールなシルエットで魅せたかと思えば、一転「ジャングリズム」ではそれぞれがジャングルで暴れまわる動物のように練り歩き、鳴き声のコール&レスポンスで盛り上げていく。まさに「フレ!フレ!オレ!」の歌詞にあるよう、<カワイくて カッコいい どっちも見せれる M!LKでしょ!>を体現する、コロコロと変わる姿で会場を盛り上げていく。
曽野から始まるキュートでポップな「テレパシー」では距離感の近い5人がぎゅぎゅっと集まりとてもうれしそうにパフォーマンスする姿が印象的だ。間奏では曽野が横アリの花道を一周し、それに沿うように赤いペンライトで大きなウェーブが出来上がる。佐野と山中からほっぺにキスをされるととびきりキュートな笑顔を見せ、「恋がはじまる」がスタート。これらの煌びやかでかわいらしい楽曲は、大きな会場によく似合う。5人が会場を見渡しながら、嬉しそうに、楽しそうに歌う姿は、多幸感に溢れ、それぞれみ!るきーずへと「君が好きだ」と伝えるメンバーそれぞれの表情が輝いていた。
雰囲気が一転、塩崎のDance Breakでは映像を駆使した、力強く、でも品があるダンスパフォーマンスに息をのむ。今回はもちろん、ライブステージングの構成、演出も行う彼の多才ぶりには驚く。
「MAGIC CARPET」ではメンバーが合流し、火花が上がり、情熱的なダンスパフォーマンスで新たな一面を見せ、「labyrinth」では妖艶で切なさをまとった楽曲に乗り、メンバーがそれぞれが衣装をめくり、腹チラを見せると会場中から悲鳴に似た歓声が上がっていく。その艶やかさを漂わせたまま、美しいピアノの音色と共にスタートした「last moment」では、それぞれがスポットライトを浴び、山中のソロからスタート。優しく、しっとりと、気持ちをとつとつと話すような歌声が心に染み込んでいく。ミディアムバラード曲だからこそ、よりそれぞれの歌い方の個性が光る。今にも泣きそうな山中の声、懇願するように歌う吉田、淡々と、でもあたたかい声の塩﨑、切なさを帯びた歌声で魅了する曽野、そして、言葉をかみしめるように歌う佐野。この5人の歌声が重なった瞬間、さらにこの曲の色が増していく。
かと思えば、「愛と合図」では塩﨑が佐野にぎゅっと近寄ったり、佐野が牛の耳を付けてみんなでわちゃわちゃと楽しみ、さらに会場を盛り上げていく。
その後のMCでは佐野が急に金髪で登場したことに触れ、実は1週間前からこの日のために金髪にしていたものの、バレないように黒スプレーで隠していたことを暴露。それぞれがこの日を特別に想っていたことを告げ、さらに、センターステージでアコースティックギターを抱えた吉田が登場。その後に歌う、1stシングル「コーヒーが飲めません」のカップリング曲だった「イチニノサン」について、「懐かしいね」とみんなで話しながらハイチェアに座り、広い会場で歌い始める。この情景は、彼らにとって、そしてデビュー当時から彼らを追っているみ!るきーずにとっては、とってもエモーショナルな光景になったことだろう。デビューイベントで、小さな会場でこの2曲だけを歌っていた9年後、横浜アリーナで歌うことになるのだから。5人が目を合わしながら歌う<ひとりじゃないんだね>という歌詞に、涙を浮かべた人達も多いはずだ。
そのままセンターステージで「夜明け」と「Milestone」を力強いパフォーマンスで魅せた後、後半戦がスタート。
後方ステージに登場した5人は、それぞれがリボンで結ばれている、真っ赤な衣装に着替え、デビュー曲「コーヒーが飲めません」を嬉しそうに歌いあげ、そのまま「テルネロファイター」ではさらに盛り上がり、会場中が温度を上げ、途中山中にカメラがズームすると「わかったよ、結婚しよ!」と話すと絶叫にも似た声が上がり、吉田の背中に曽野が追いかぶさりおんぶをして遠くの方まで見て、ふたりが嬉しそうにしている姿も印象的だ。テンションが上がりきったまま「シアワシェイク」がスタート。み!るきーずのすぐ近くまで駆け寄り、それぞれがファンサービスをしながら駆け回り、名曲「かすかに、君だった。」ではしっかりとメッセージを届け、塩﨑が「まだまだ盛り上がれるよね!」と煽り始まる「SAY YEAH」ではメンバー全員が会場全体を煽り、ライブは最高潮に!
興奮がさめやらないままMCでじゃれ合い、み!るきーずへと感謝を述べているなか、ステージの構成も担当している塩﨑が時間を気にし始めると、みんなに「気にすんな!」と煽られ、「じゃぁずっと話す!関係者も帰さんからな!」と絶叫する場面も(笑)。
吉田は「横浜アリーナが決まってから、ずっとここを目標に頑張ってきた」と話し、支えて着てくれたメンバー、スタッフ、み!るきーずに感謝を述べ、「次の曲は僕たちのことをずっと近くで見てきた同期…友達が僕たちに託してくれた曲です。僕たち自身で作詞をしてもこんなことは書かないだろうなという葛藤や、これからの希望を彼らの目線で書いてくれたので、聴いてくれたらいいなと思います」と話し、さくらしめじが楽曲提供をした「コトノハ」を披露。夢に向かい、決してあきらめない彼らの意思が見える、苦しさも、嬉しさもすべて詰め込まれたこの曲を歌う彼らに言葉一つ一つがより染み込んでいったのだろう。曽野が手を広げ、みんなと肩を組もうとした瞬間、涙が流れ、目を真っ赤にしながら歌い続ける。堰を切ったかのように佐野も涙を流しこの曲を歌う姿はとても美しくて、輝かしかった。
気持ちを切り替え歌う「Ai シャンデリア」では、涙でびしょびしょになった顔を、笑顔に染めながらハッピーに歌い上げ、吉田が「これからもM!LKをお願いします!」と締め、本編が終了した。
アンコールでは、メンバーがトロッコに乗り登場し、「ジブンエール」、「DEAR LIFE」と歌いながらファンサービスを重ねていく。最上階にトロッコが回り、遠くの席まで近くに行こうとする彼らの気持ちが伝わってくる。
ステージに戻り、それぞれのメッセージを告げていくと、佐野は「M!LKはメンバーの卒業もありましたし、歴史があると思うんです。正直、すごく大変でした。いまでこそ、こんなに多くの方が認めてくれて、ついてきてくれましたけど、当初はもとの5人が良かったとか、7人じゃないと応援したくないという声も多かったです。そんな中、横アリを満パンで埋められているのが嬉しくて」と、言いにくいことも正直に話し、「ドームツアーを目指しているとずっと言っていますが、僕たちはいつまでもみんなの近くにいることを約束します!」と熱く挨拶。そして「僕たちは5人で、気持ちは8人でドームツアーを叶えます。最後の曲です」と話し、メジャーデビュー曲「Ribbon」がスタート。歌詞の通り、<繋げた僕らの今を もう一度強く結びたくて>というフレーズがエモーショナルに響き渡る。まさに、これまでの歴史をつなぎ、今を迎えた彼らの気持ちが詰まったこの曲で、アンコールは終了…かと思いきや、Wアンコールではまさかのバラエティコーナーが展開。メンバー全員で「めちゃモル」をバックに障害物競走をして終わるという、彼ららしい終わり方でライブを締めた。
そして、最後の最後に、緊急告知として、2024年の全国ツアーが発表され、さらに会場が沸き、この日は終了した。ずっと目標に向かい続け、決してあきらめることなく、10周年を目前に迎えた彼ら。さらにパワーアップし、洗練され、多くの人達を勇気づけ、笑顔にするグループになることを証明した、素敵な一夜だった。
取材・文/吉田可奈
ライブ写真:斎藤 大嗣
M!LK 1st ARENA "HAPPY! HAPPY! HAPPY!"
SET LIST
[opening]
1.topaz
2.Brave Saga
3.フレ!フレ!オレ!(2023)
4.Special Thanx
5.My Treasure
[MC]
[Interlude I]
6.Break it down
7.行けたら行くよ
8.ジャングリズム
9.テレパシー
10.恋がはじまる
11.Dance Break(塩﨑太智)
12.MAGIC CARPET
13.labyrinth
14.last moment
15.愛と合図
[MC]
16.イチニノサン
17.夜明け
18.Milestone
[Interlude II]
19.コーヒーが飲めません
20.テルネロファイター
21.シアワシェイク
22.かすかに、君だった。
23.SAY YEAH
[MC]
24.コトノハ
25.Ai シャンデリア
[ENCORE]
EN1.ジブンエール
EN2.DEAR LIFE
EN3.Ribbon
[W ENCORE]
WEN1.めちゃモル
U-NEXT
M!LK 1st ARENA "HAPPY! HAPPY! HAPPY!"
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アーカイブ配信:2023年12月25日(月)18:00スタート
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【会場】
横浜アリーナ
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RELEASE INFORMATION
M!LK「Kiss Plan」
2024年1月24日(水)発売
通常盤(CD only)/VICL-37713/1,100円(税込)
初回限定盤A(CD+Blu-ray)/VIZL-2256/3,300円(税込)
初回限定盤B(CD+Blu-ray)/VIZL-2257/\3,300(税込)
Blu-ray&DVD『M!LK 1st ARENA "HAPPY! HAPPY! HAPPY!“』
2024年2月4日(水)発売
Blu-ray(初回限定盤)/8,250円(税込)
Blu-ray(通常盤)/7,150円(税込)
DVD(初回限定盤)/8,250円(税込)
DVD(通常盤)/7,150円(税込)
LIVE INFORMATION
M!LK CONCERT TOUR 2024「HERO」
2024年3月30日(土) 福岡サンパレス
2024年3月31日(日) 福岡サンパレス
2024年4月13日(土)名古屋国際会議場 センチュリーホール
2024年4月13日(土)名古屋国際会議場 センチュリーホール
2024年5月5日(日)オリックス劇場
2024年5月6日(月祝)オリックス劇場
2024年6月8日(土)ぴあアリーナMM
2024年6月9日(日)ぴあアリーナMM
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