1981年12月24日に行われたRCサクセション初の日本武道館公演の映像が、5月16日、EX THEATER ROPPONGIで爆音上映された。この映像は、1980年、満員でも千人にも満たない久保講堂でのライブを経て、まさにライブハウスから武道館に飛び出し大ブレイクした5人のメンバーの姿を映し出している。
ライブ映像自体はDVDなどで発売されていたが、今回はそこに収録されていない本編最後の「ステップ!」やMCなども追加されている。
当日のEX THEATERでは、RCサクセションのキーボーディスト、gee2woの最新インタビュー映像でスタート。この映像は、忌野清志郎の命日である5月2日にgee2woのプライベートスタジオで収録されたものだ。1990年のRC活動休止直前にバンドを脱退して以来約30年以上もの間、RCサクセションに関して口を開かなかった彼の言葉は一言一言が重い。当時のエピソードやこれからの展望まで、ワインを飲みながらリラックスして当時を語るgee2woの姿に、会場の観客は食い入るように見入っていた。上映されたインタビューはコンパクトにまとめられていたが、このインタビューのロングバージョン公開も期待したいところだ。
武道館2階客席からの引きの映像にオープニングの「よォーこそ」のイントロと歓声が重なりいよいよ本編がスタート。観客の表情までもが鮮明に見えてきた時点でこの映像のレストア技術の高さを実感する。
映像に収められた武道館公演のセットリストは以下の通り。
1. よォーこそ
2. ロックン・ロール・ショー
3. Sweet Soul Music
4. ダーリン・ミシン
5. ガ・ガ・ガ・ガ
6. 多摩蘭坂
7. チャンスは今夜
8. 恐るべきジェネレーションの違い(Oh,Ya!)
9. あきれて物も言えない
10. トランジスタ・ラジオ
11. ブン・ブン・ブン
12. ステップ!
EN1. スローバラード
EN2. 雨あがりの夜空に
ボーカル、忌野清志郎の汗の一粒一粒、ギター、仲井戸麗市の弦の1本1本が見えるほどの鮮明な画像は、このライブが40年前のものだったとは全く感じさせない。
それまでの日本の音楽シーンに全く無かった形で登場し、インターネットがない時代に口コミで瞬く間に日本のティーンエイジャーの心を掴み、スーパーバンドにのし上がったその姿、演奏がまるで昨日のもののように感じる。
音楽誌「DONUT」編集部の森内 淳氏は、この映像を収めた『FIRST BUDOHKAN DEC. 24.1981 Yeahhhhhh.......... 』のライナーノーツに「今でこそJポップやJロックは市民権を得、軽音楽部も普通に存在している。ところが1980年代の初頭においてポップスの主流は歌謡曲であり、ロックリスナーは教室に一人いればいい方だった。それが日本語のロックとなるとリスナーの数はもっと少なかった。当時のロックファンは洋楽至上主義のようなところがあったからだ。RCサクセションはその様相を一変させてしまった」と記している。
この爆音上映に1000人が酔いしれた。上映終了後、EX THEATERを後にする観客にコメントを求めると、「実際の武道館にいる気分になった」「こんなバンドが日本に存在したなんて誇りに思う」「ド派手なパフォーマンスなのに1曲1曲が心にグサッと突き刺さりました」と興奮冷めやらぬ様子で語ってくれた。
この爆音上映会は札幌、名古屋、大阪でも開催される。gee2woのコメントも各会場のバージョンで編集されているとのことなので、ぜひこの機会に会場に足を運んでいただくことをお勧めする。
また、この武道館公演と1983年の渋谷公会堂のライブ映像が2本立てで配信されるという情報も解禁された。詳細は6月9日、ユニバーサルミュージックのホームページで発表されるとのこと。
EVENT INFO~RCサクセションデビュー50周年プロジェクト Presents~ RCサクセション「FIRST BUDOHKAN DEC. 24.1981 Yeahhhhhh..........」 爆音上映会Supported by ぴあ50th
5月17日(火)札幌PENNY LANE24
5月24日(火)名古屋DIAMOND HALL
5月25日(水)なんばHatch(大阪)
DISC INFORCサクセション『FIRST BUDOHKAN DEC. 24.1981 Yeahhhhhh.......... 』
2022年6月1日(水)発売
Super Deluxe Edition(2LP+1CD+1DVD+1Blu-ray)/UPCY-90093/19,800円(税込)
Deluxe Edition(CD+DVD)/UPCY-7779/4,400円(税込)
ユニバーサル ミュージック