ソロ名義“KAZ”として初のフルアルバム『STYLE』を発売したGENERATIONSの数原龍友が、昨年も好評を得たBillboard Liveで「KAZ Billboard Live 2024 STYLE」を開催。12月12日の東京、24日の大阪に続いて、自身の誕生日である12月28日に神奈川、Billboard Live YOKOHAMAで公演を行い、2ndステージ(夜の部)では、『STYLE』収録曲を中心に、メドレー含む全13曲を披露。アンコールではGENERATIONSのメンバーである中務裕太が駆けつけ、肉ケーキで誕生日をお祝いするサプライズも。「32歳のKAZもよろしくお願いします」とコメント。シックだが華のある、彼らしい温もりにあふれたステージを展開した。
グルーヴィーなバンドサウンドで会場を沸かせた序盤。まずは、来年1月から放送のドラマ「あらばしり」主題歌「Second Wave」を繰り出す。バンドメンバーとアイコンタクトを取りながら、リズムを合わせる様子が印象的。GENERATIONSのカバー「Beautiful Sunset」では会場にクラップが響き、ミュージックビデオも好評の「Hush hush」では、ムーディーにエモーショナルなボーカルを聴かせた。
「あっと言う間に最終公演。終わってしまう寂しさもあるけど、何と言っても今日は誕生日です。皆さんと誕生日を迎えられるのは幸せなこと。一緒にスペシャルな日にしていきましょう」。自身も椅子に腰掛けて、メドレーでしっとりとした歌声を響かせたバラードパート。映画『HIGH & LOW THE WORST』の劇中歌として、ソロで初めてリリースした「Nostalgie」では、ソウルフルに情緒豊かな歌声が、観客の胸を締めつける。昨年リリースしたミニアルバム『beyond the GENERATIONS』に収録の「Better With You」は、ジャジーなサウンドに乗せ美しいファルセットを聴かせた。そしてアコースティックギターの温かい音色と共に「F.L.L.~4y~」を披露すると、観客も食事の手を止めてうっとりと歌声に聴き入った。
熱いベースソロで始まった中盤戦。グルーヴ感あふれるサウンドに合わせ、会場に手拍子が広がった「My Love」。LAでレコーディングをしたという「Pacific Love Memories」では、アメリカでの思い出が詰まった曲であると紹介。波の音も聞こえてアメリカ西海岸の雰囲気が会場いっぱいに広がった。
ここで“KAZ”というソロプロジェクトについての思いを語る。「自分が経験して楽しかった、素敵だと感じた時は、すぐ誰かとシェアしたくなる。”こんなのがあったよ”って。それを音楽で表現できたら素敵だなと思った。アルバム『STYLE』も、そんな作品になったと思う」。また、ソロ活動ができているのはGENERATIONSという場所があればこそと、GENERATIONSの活動も大切にしていくことをコメントし、「GENERATIONSの冬の曲と言えばこの曲。少し過ぎてしまいましたが、僕からのクリスマスプレゼントです」と、「Winter Wish」を紹介。ミラーボールの光が、まるで雪のように降り注ぎ、会場を温かいムードで包み込んだ。
雰囲気は一転、会場を沸かせたのはシャネルズのカバー「ハリケーン」。〈Everyday isザ・どしゃ降り〉と低音で歌うキメのパートに会場が歓声で沸き、〈あの娘捜すのさMidnightチュー・チュー・トレイン〉と歌いながら、最前列の観客の手を取ったり、客席に降りて観客とハイタッチしながら会場内を一周。「あの娘を捜しに行ったけどおらんかったわ!」と、関西弁でユーモアたっぷりに観客とコミュニケーションを取り、会場に笑いがあふれる場面もあった。
そして本編最後を飾ったのは、ヒューストンでレコーディングした「No Matter What」。教会で本物ゴスペルに触れて心が震えた経験から生まれた楽曲で、自分を支えてくれる全ての人への感謝と約束、そして音楽の神様への誓いを込めたとのこと。「人生には波がある。どんな時でも側にいてくれている皆さんには、本当に感謝している。皆さんの人生に少しばかりお邪魔できたら」とKAZ。美しく荘厳なサウンドに乗せて思いを込めて歌うと、目を閉じて体を揺らした観客。この1年の出会いやできごと、感動が、それぞれの中でよみがえったことだろう。
バースデーソングと共に“肉ケーキ”を持った中務裕太が登場したアンコール。中務の誕生日が1月7日で近いことから、二人が毎年行っている大人なプレゼント交換の話を告白して沸かせたほか、KAZのライブについて「歌声がエロいっす。歩くフェロモンです」と中務。突然のお祝いに対して照れくさそうに、でも嬉しそうに、「幸せです」とコメントしたKAZ。「まだまだ新しい発見がある。これからも泥臭く、ときには格好つけながら、意地も張りわがままも言いながら、自分の好きなことを続けて行きたい。32歳のKAZもよろしくお願いします」と、展望を語った。
アンコールでは、「Pacific Love Memories JPver」で温かいハーモニカ演奏、「Go Your Way」で、アコースティックギター演奏を初披露した。「Go Your Way」は自身のアメリカ留学前に作詞をした楽曲。新しい何かに挑戦する人への応援ソングとのこと。「チャレンジすることは怖いけど、いくつになってもワクワクする人生を送りたい。皆さんも挑戦する気持ちを忘れないでほしい」とKAZ。アメリカの乾いた風を感じさせる、どこかオールドな雰囲気のバンドサウンドに、ラップするように軽快な歌声を乗せたKAZ。観客は立ち上がって、手拍子を打ちながら楽曲を楽しんだ。
GENERATIONSとは異なる、どこか人懐っこくフランクな表情をたくさん見せてくれる、数原龍友のソロプロジェクト“KAZ”。大人の男の色気あふれる歌声と、ユーモアあふれるトーク。海と自然が大好きで、広大なアメリカの音楽に夢を見た、彼の活動のこれからに期待で胸が膨らむ。