ブルース・スプリングスティーンのデビュー50周年を記念して10月25日発売となった本独自企画の4枚組(2CD+2DVD)最新ベスト盤『ジャパニーズ・シングル・コレクション -グレイテスト・ヒッツ-』と、1973年から2014年までの名盤25タイトルを初のBlu-spec CD2化で一挙リリースするカタログ・キャンペーン<Bruce Springsteen BSCD2 Papersleeve Collection>の発売を記念して、12月9日(土)「ブルース・スプリングスティーン・デビュー50周年記念ファンミーティング」が都内で開催され、抽選で選ばれた100名のファンの皆さんが全国から集まり超満員となった。

イベントには『Born In The USA』当時の担当ディレクターだった喜久野俊和氏、スプリングスティーンのライナーノーツを多数執筆する五十嵐正氏とすべての対訳を担当している三浦久氏をゲストに迎え、貴重な秘話を語るトークセッションや、ソニーミュージックの映像倉庫からの蔵出し映像などを上映、スプリングスティーンの50年を振り返った(当日の内容はこちらでも)。また、来場したファンの皆さんがメッセージを書き込めるスペースが設置され、日本のファンの想いがこもったコメントや、来日を祈願するコメントが数多く書き込まれた。最後には来場者全員で来日を祈念した写真撮影。日本のファンの想いが込められたメッセージと写真はスプリングスティーンの元へ届けられる。

1985年の初来日時を思い出して喜久野氏はこう語った。
“一番印象深かったのは広島ですね。彼自身No Nukesの反核運動にも参加していましたし、ツアーの合間に原爆ドーム・原爆記念館を訪れるために広島へ行ったんですね。見終わった後、彼は自分たちの国が犯した罪を、まるで自分の責任かのように思ったようで、あまりにも落ち込んでいて、誰も何も話しかけられるような状況じゃなかったですね”


フォークシンガー、翻訳家の三浦久氏は初めてブルースのアルバムの対訳を担当したのは『闇に吠える街』(1978年)からだったが、このアルバムで初めて出てきた父親との葛藤・対立がとても印象深かったという。
“1997年の来日時彼に会うことができて、ブルースに直接”父との葛藤"の話をしたとき、何かお互いをわかりあえたような気がしました。その日のライヴはどうだったと聞かれたので、「ガルヴェストン・ベイ」(『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』収録曲)をやってほしかった、と話したら、最終日にHisashi Miuraに捧げますと言ってその曲を演奏してくれたんです“


スプリングスティーンにインタビューをし、多くのライナーを執筆する音楽評論家の五十嵐正氏は今後の彼の動向についてこう語った。
“2023年のツアーは残念ながらブルースの病気で途中でキャンセルされたので、2024年はキャンセルになったアメリカとヨーロッパのツアーをせざるを得ないでしょう。それ以外の国へのツアーが考えられるとしたら2025年でしょうか。2024年は『Born In The USA』発売から40周年となる年ですし、かねてから噂されている未発表ボックスの話もあるかもしれません」。

2025年4月で1985年のブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンドの初来日公演から40周年を迎える。1985年以降は、アムネスティ“Human Rights Now”のチャリティー・イベントで1988年、ソロ・アコースティック・ツアーで1997年とトータルたった3回のみ。Eストリート・バンドとのフル・ショーとして考えると1985年以来となるので、今最も来日公演が待望されているアーティストともいえる。


登壇した3人のプロフィール、及び好きな曲、推薦曲をそれぞれあげてもらった。

■出演者プロフィール

●喜久野俊和(きくの としかず)

1950年生まれ。福岡出身。1973年にCBSソニーに入社。著作権部門(この期間に、新人作家としてのスプリングスティーンと契約した)を経て、洋楽部門に異動し宣伝マンとして活躍。1981年から制作ディレクターとして、ジャーニー、ピンク・フロイド、ビリー・ジョエルなど洋楽黄金期を過ごす。ブルース・スプリングスティーン『ボーン・イン・ザ・USA』のリリース、そして初来日時の担当。

推薦曲:Born To Run (Phoenix,78) (from Thrill Hill Vault 1976-1978)

●五十嵐正(いがらし ただし)音楽評論・翻訳

1958年生まれ、石川県出身。音楽評論家/翻訳家。輸入レコード店勤務を経て、執筆活動を開始。社会や歴史の背景をふまえたロック評論から、世界各地のフォークやワールドミュージックまで幅広いジャンルに健筆を揮う。ブルース・スプリングスティーン関連のCDのライナーノーツの他に、著書に『スプリングスティーンの歌うアメリカ』『ライ・クーダー/アルバム・ガイド&アーカイヴス』『ザ・バンド全曲解説』など多数。

推薦曲:Long Walk Home (Official Video)

●三浦久(みうら ひさし)フォークシンガー、翻訳

1945年生まれ。フォークシンガー。ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーン、レナード・コーエンなどの評論や研究書の翻訳などでも知られる。著書に『追憶の60年代カリフォルニア』、翻訳書に『ディランは語る』『ディラン/詩の研究』」などがある。ブルース・スプリングスティーンをはじめ、ボブ・ディランやレナード・コーエンなどの訳詞も手がけている。

推薦曲:Factory (Live at The Paramount Theatre 2009)

ブルース・スプリングスティーン『ジャパニーズ・シングル・コレクション -グレイテスト・ヒッツ- 』RELEASE INFO

4枚組<2CD+2DVD> SICP31655~31658  歌詞・対訳・解説付
特別価格¥6,600(税抜価格¥6,000)
2023年10月25日(水)発売

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