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2021.07.28

アーバンリサーチ 進化するインスタライブ/ライブコマースへの道

コロナ下でECシフトと販売スタッフ活躍の場の創出という観点から、インスタライブやライブコマースを展開する企業が増加。1年以上を経た今、習熟を重ねている各社の取り組みをレポートする。 今回は、「URBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)」や「KBF(ケービーエフ)」、「DOORS(ドアーズ)」などを手掛けるアーバンリサーチに現状を聞いた。

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本格的にインスタグラムのライブ配信をスタートさせたのは、2020年4月の緊急事態宣言前だというアーバンリサーチ。

「やはり店舗休業の影響で、スタッフがお客様に対してオンライン上で接客できるツールのひとつとして使い始めたのがきっかけですね」と、アーバンリサーチ デジタル事業本部デジタル営業部部長の齊藤 悟さん。

しかし、配信自体は、インスタグラムにライブ機能が備わった頃にはブランドによっては始めていたとのこと。

配信スケジュールは出演者次第という部分もあったが、コロナ前からも週1~2回のペースで配信していたという。

「お店のアカウントとブランド公式アカウントや、プレスのアカウントなど、それぞれでコラボ配信したり、様々な配信を盛んにやっています。自社メディアのスタッフ投稿を利用してECへの導線を作るなど、早くからそういうコンテンツもやっていましたね」と、かなり早い段階からSNSなどへの参入を行っていたという。

配信における一番人気のブランドはケービーエフ。

独自のYOU TUBEチャンネル「えきせんとりっくけーびーえふ。」を持ち、コロナ前から自由な企画を配信し、登録者数もオフィシャルYOU TUBEチャンネルの「URBAN RESEARCH MEDIA」よりも多いという。

「元々SNSをはじめとする様々なメディアを使って自由にアウトプットしていた事もあり、ネット上ですでにファンが付いているスタッフも多いんです」。

ライブコマースの配信では、初回から100人以上が見ている状態からスタートし、コメントもたくさん入ってくるそうだ。

さらに、ライブコマース配信の横でインスタライブ配信をやるなど、ライブコマースへの誘導を促す面白い企画もやっていたという。

「真面目にやっているというよりかは、スタッフ自身が楽しんでやっている雰囲気が良いのかもしれません」と、世代などの条件もブランドのSNSにフィットしているようだ。

ライブコマースの本格的なスタートは2021年5月から。

今後は店舗からの配信をはじめ、インフルエンサーを呼んだ番組企画など、さまざまな配信を企画中だとか。

さらにライブコマース専門の部署を6月からスタートさせた。

「彼らはライブ配信における視聴者からの購買数などの分析を行っていて、ブランドにフィードバックしたり、世の中の配信トレンドなどから様々な可能性を研究するなどを専門に行っています」。

店舗のインフラ設備の確認、本社の配信用スタジオの管理なども行っている。





齊藤さんによれば、ライブコーマスは1日の配信で100万円、月3000万円の売上がある店舗を目指してを作っている感覚だという。

「もちろんそれはイメージです。弊社の中でもまだまだ知名度の低いレーベルはありますし、内容がネット販売にそぐわないアイテムを紹介していたりなどもありますからね。コメントや視聴者数を見ながら修正しています」と、現状のインスタライブやライブコマースの配信によって感じている点を話す。





また、近年、入社希望の新卒生には「ECがどう変わってほしいか?」という題目のレポートを書いてもらってヒアリングしているという。

「彼らはユーザーにかなり近い存在ですから、その世代がEコマースを使う時の意見は参考になります」と齊藤さん。

そんな彼らからは「着用動画、もしくはスタイリングをもっと見せてほしい」という声が多く、いわゆるブツ撮り画像よりもコーディネートか着用動画が重要のようだ。

「今のユーザーは、サイトに対してのデザインは最低限のラインが揃っていれば良いんです。だから、実際に他社でもスタッフが自分のケータイで撮った商品画像が商品ページに出てきますし、ファッション的な写真というのはあまり関係がない。それが恐らくリアルなんでしょうね」。

また、探すというより偶然面白いものを見つけるということの方が、SNSの役割として強くなってきているとも。

「タイムラインに勝手に流れてきた方が心に留まるんですよ。だから、偶発性のあるところに情報を放り込みたいのですが、広告ではダメなんですよね」。

フォロワーが多い人がお気に入りをするだけで、アルゴリズムで視聴する人が増えるので、「そもそもマーケティングでも何でもないですよね」とも。

「100人を相手にしてやるのも大事だし、100万人相手にやるのも大事で、どちらも必要なのですが、こだわりすぎてもダメだし、スピード感が無くてもダメだし」と、現状のSNSカルチャーについてまとめた。

店舗内を歩きながら、スマホでライブコマースの配信をしたいが、商品の色目を合わせて放送しようとするとアップロードが重くなるので、LANケーブルの有線環境が必要なインフラ面が現状の課題だそう。

「インスタライブの配信はiPhoneでやるのが一番良いんですよね。ある程度のものは撮れるし、安定していますし」と、配信内容などのソフト面よりもハードのアップデートが必要だという。

実店舗においては、ECで表現しきれないブランドの世界観を店舗が担うと考えている。

「課題というよりは、希望的にそういう道が出てくるという感じですね。だから店舗との関わり方がライブコマースを通じて発展するという風に考えます」。

ライブ配信を行うことで、その店舗スタッフに接客してもらいに行く客もいて、必ずしもECは一方通行の話ではないと感じているそうだ。





さらに、いわゆるカリスマスタッフの育成にも力を入れている。

「スタッフは自社のコーディネートツールを使ってインフルエンス作業をしています。社長いわく”良い牧場として機能すればいい”ということで、インフルエンサーとしてデビューしたい人やそのきっかけ作りになったらいいですよね。東京にいなくてもそれが出来るので、色々な所にチャンスが転がっていると考えています」。

ライブコマースやSNSにおいては、やはりフォロワーの多いスタッフの育成が重要な要素となってきている。

今後、どのようにそういった人材を育てていくのかは、ライブ配信において大きな課題のひとつだ。

(おわり)

写真提供/アーバンリサーチ
取材/久保雅裕
取材・文/カネコヒデシ





久保雅裕(くぼ まさひろ)
(encoremodeコントリビューティングエディター)

久保雅裕(くぼ まさひろ) encoremodeコントリビューティングエディター・ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。2019年、encoremodeコントリビューティングエディターに就任。

カネコヒデシ
カネコヒデシ メディアディレクター、エディター&ライター、ジャーナリスト、DJ。編集プロダクション「BonVoyage」主宰。WEBマガジン「TYO magazine」編集長&発行人。ニッポンのいい音楽を紹介するプロジェクト「Japanese Soul」主宰。そのほか、紙&ネットをふくめるさまざまな媒体での編集やライター、音楽を中心とするイベント企画、アパレルブランドのコンサルタント&アドバイザー、モノづくり、ラジオ番組製作&司会、イベントなどの司会、選曲、クラブやバー、カフェなどでのDJなどなど、活動は多岐にわたる。さまざまなメディアを使用した楽しいモノゴトを提案中。バーチャルとリアル、あらゆるメディアを縦横無尽に掛けめぐる仕掛人。





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