――SNSを拝見していると頻繁にカバー動画などをアップしてるじゃないですか。プライベートとアーティスト活動がシームレスというか……。
RYO-TA(MC)「THE FRANK VOXとしてしか活動してないですから(笑)」
YASU(Vo)「最初はカバー動画だけをアップしたんですけど、それだと“カバー歌っているお兄ちゃん”みたいな印象がつくなっていう話になって、僕らの人柄だったり一人ひとりの性格がわかるようなネタ動画プラス、ライブのダイジェスト動画の3つに分けてアップしようということになって。僕がネタ動画の編集して、ライブのダイジェストで歌動画の音の編集と動画のテロップ、歌詞の編集を4人でしてて、それを毎日やってるんですけど(笑)、今1年半以上ぐらい続いてて」
RYO(Vo)「全部セルフで作って更新してっていう感じですね」
――RYO-TAさんが言っているように生活の99パーセントをTHE FRANK VOXとして過ごしている?
SNG(MC)「アルバムのブックレットとかミュージックビデオとかも自分たちで作ってるんで(笑)。でも99パーセントということはなくて70パーセントぐらいですかね」
RYO「僕らライブでいろんな地方に行くんで、知り合いに“こっち来てんねやったら飯行こうよ”って声かけてもらうんですけど、結局映像の編集とか何かしらやることがあって、“いやちょっと……ごめんなさい”みたいな(笑)。知り合いにも会えない、そういう時間もほぼほぼないんですよ」
RYO-TA「たまに面倒くさいんでスケジュール表をスクショして送ります」
――それ感じ悪いですねえ(笑)。
一同「はははは!」
RYO-TA「活動し始めた頃、ストリートライブ以外予定がないことがあって暇が恐怖になってしまって」
SNG「THE FRANK VOXが大事にしてる“ホッとソング(HOT SONG)”っていうのがあって。ホッとする曲と熱くなる曲っていう意味なんですけど、ビジュアル的にもそういうところを作りたいので、僕らの温度感が受け取ってくださる方に伝わりやすい方法って何かな?って考えたら、自分たちで作るっていうことで。誰かにやらされたものじゃなくて自分らが、こうしたいな……っていうのを皆さんに受け取ってもらいたい」
――ちなみに今ハイエースの走行距離どれぐらいですか?
RYO「譲り受けたものなので、僕らが使う前も含めると合計33万キロぐらい。この前車検出したら“50万でギリギリですよ”って感じで“ちょっと厳しくなってきてます”って言われて。早くステップアップして移動手段を変えないと(笑)」
SNG「ミュージックビデオとかにもハイエースは入れるようにしてたりしてるのでほんとに象徴的なものですかね」
RYO「徐々になんですけど“なんか車で歌ってお兄ちゃん達やんな”って、ちょくちょく言われるようになってきて。今、男性グループはすごく多いので、その中でどうやっていろんな人に印象を残して行くかは最初から話し合いました。カバー動画も最初は車の中で歌ってなかったんですけど、何か引っかかりを作って見てもらわなあかんなっていうので“車の中で歌ってみいひん?”っていうのからやり続けた結果、見てもらえる人が徐々に増えてきたっていう感じです」
――ではEPのお話を伺います。「VOX GIFT」というタイトルは去年の続きで、夏のリリース=「VOX GIFT」と付けようと?
RYO「そうですね。夏を意識したっていうよりは1年目にまず僕らから何か聴いてくださる方に贈り物のようなイメージをコンセプトにしてて。1年目終わった時に、どうする?って話になったんですけど、変わらず2028年までに大阪城ホール単独ライブを目指してるのんで、まだまだ僕らの知名度が上がったわけでもないし、まだまだ届けていかなあかんなっていう思いがあったので、昨年リリースさせていただいた「VOX GIFT」の続編という意味合いで「VOX GIFT 2」というタイトルをつけました」
――前回同様4曲入りのEPですが?
RYO「EPとかアルバムの縛りはあんまり自分たちでは考えてなくて、とにかくそのパッケージ1枚取ってもらったらTHE FRANK VOXがどういう人たちなのか、どういうハーモニーを奏でているのかがわかってもらえる、毎回名刺代わりという意識で作ってます」
SNG「アップテンポとかちょっとメッセージソングだったりっていう違いはあるんですけど、いつも日常に寄り添うというか日常切り取ったような音楽を作ろうっていうのは心がけているので、そういったものは大事にしつつその中でもライブで盛り上がる曲、ドライブで聴きたいような曲とかっていう違いを作っていたりはします」
――まず先行シングルの「キミトオドリタイ」、これはサビの<ナナナ>でシンガロングできそうなナンバーです。
RYO「これは本当にサビの<ナナナ>からできました。僕らが大事にしてるのがライブ終わった後に“楽しかった”ってお客さんに言ってもらえることで、聴いてるだけでテンションが上がるアップテンポの曲っていうのは絶対入れたくてっていう話から楽曲制作に入ったんです。今まではどっちかっていうと爽快で活発な感じのサウンドのアップチューンは多かったんですけど、お祭りというかパーティーチューンというか、“ちょっと男臭い感じが出るようなアップチューンを作ってみいひん?”っていう話から制作に取りかかって」
SNG「フェスはすごく意識しました。外のイベントに出たいっていうのがあったんで“これお客さんが楽しめる?”っていう会話をしながら作りました」
RYO「アップチューンでラストのサビで転調して上がるみたいなのあんまりないんですけど、この曲は拍車をかけて転調して引き上げて、最後まで畳みかけて盛り上がることを意識しました」
RYO-TA「机に座っては考えてなくて、音楽流しながら飛び跳ねながら。もうアゲにアゲ切ろうっていうので作ったので、たぶんそうなったんだと」
――いい作り方ですよね。現場でどんどんアイディアを出して進める感じ?
RYO「RYO-TAとSNGはそれがめっちゃ多いですね」
RYO-TA「一回“お酒を飲んで作ろうぜ”ってなったんですけど、一個も書けなかったんですよ(笑)。“今日は帰ろうか……”って解散しました」
――そこは違うんですね?チャンネルが。
SNG「曲によって変わりますね。家でひたむきに世界観を突き詰める曲もあれば4人でいてワッショイ!ってなった方ができる曲もありますね」
――そして直近のシングルの「闘う君への応援歌」。去年は「友よ。」という曲もありましたけど、今回はより突っ込んだ内容なのでは?
SNG「僕は“弱さの数って力になるな”と思っていた時期で、それをRYOがピアノをを弾いてるところにバーッて歌ったら、RYOがいいやん!って言ったところから始まったよね?」
RYO「それからケツメイシさんとかをプロデュースしているYANAGIMANさんに加わっていただいて、もう刺激をもらいまくりの日々で。本当にストレートなよさ――ストレートやけどありふれてないというのを――勉強しつつ作り上げた感じですかね」
SNG「ストレート過ぎても嘘くさいと思われるんちゃうか?みたいな話もしたんですけど、伝えるってことを重点にして、YANAGIMANさんと合計3日間スタジオに入ったんですけど。歌のグルーヴの面もご指導いただきながら歌詞も添削して、よりまっすぐに一番キレのいいストレートに何回も投げていったみたいな」
RYO-TA「例えばメロラップでも僕とSNGのメロ自体が変わることが多いんですけど、今回はわかりやすく覚えやすくするために、ラップも歌詞だけは変えるけど一緒のフロウにしようとか、RYOとYASUのヴァースも一緒のメロにしたっていうのがいつもとはちょっと変わった点ではありますね」
RYO「人の背中を押せるような曲とか何かの支えになる曲を作る上で、よくメンバー間でも話すんですけど、今はストリーミングの時代で結構移り気というか、どんどん次の曲を聴かれちゃうんで、この曲が今の時代にマッチしてるかと言われれば案外そうでもない気もしてるんです。でも時代が変わっても人間の本質は変わってないし、改めてその時代がどうこうっていうより自分たちがボーカルユニットとして何を伝えれんねん?っていうのを考えた時に、ダンスで魅せれるわけでもないし言葉と音で伝えるしかないんですよね。なのでSNGがさっき言ったみたいにどういう言い回しで伝えればいいのか?とかになってくる。人間って頑張れないときの方が苦しいというか、そういうところまでみんなで掘り下げて考えて、そういう時でも本人が頑張りたいときは頑張れって背中を押すしかないと思ったんですね。こ難しいこと言っておしゃれな言い回しを使って人の背中を押すっていうのは案外胸に刺さらないんじゃないか?みたいな話になって、あえて時代に逆行したようなストレートにガン!っていうのを自信もって出していこうぜっていう話で今回まとまった感じですね」
SNG「THE FRANK VOXとしてやる中で“裸で伝える”っていうのはすごく大事にしてて。これは僕個人の話なんですけど、昔、ツレに“お前の今の歌薄っぺらい。モテたいん?何がしたいん?”って言われてめちゃ凹んだんですよ。2年ぐらいかかったけど、THE FRANK VOXになってからやっとちょっとずつ心のままに歌う自分の声の波動をどんどん高めていきたいと思ってて。それは近くにいる人に響かなかったら遠くに響かないっていうのがあるからなんですよね。ツレっていうのは一番自分をわかってくれてるので、そいつが“お前の歌はそれや”って言うんやったらたぶん大丈夫かなっていう」
――なるほどね。
YASU「この曲作る前に僕がちょっと弱ってた時があって。もう自分の歌い方もだし、歌詞が書かれへんみたいな時があったんです。で、その時にSNGが“いや、YASU君、こうした方がいい。歌こうしたらもっと良くなるよ”みたいなところから作っていって、YANAGIMANさんからいろんな歌い方とか伝え方だったり、歌のグルーヴのことを言われて歌った曲なんですけど、結構自分的にはモヤモヤしてたものがこの曲で晴れたというか」
――グループにとって大きな存在になったんですね。そして「“ずっと”」は波音とアコギのイントロなどでサーフミュージックのニュアンスもありますがどなたの発案ですか?
RYO「これはSNGがネタ持ってきてくれて」
SNG「恋をした時の高揚する気持ちみたいなのを歌にしたいと思って、簡易コードでバーって弾いて、メンバーにサビだけ投げてたら各々“書く!書く!”ってみんなでヴァースを書いてできました!っていう(笑)」
YASU「恋愛って誰もがするので聴きやすいし書きやすいっていうのもあったりしました」
RYO「でも初めてじゃない?今までも恋愛系の曲は歌ってたけど、ストレートにずっとそばにいたい、寄り添いたい、恋愛系の中でもそういうストレートな歌詞が初めてかもしれないですね」
――ライブの中でもいいフックになりそうな曲じゃないかと。
SNG「最近カップルとかご夫婦の方もライブにたくさん来てくださるので、そういう方が大事な相手を思って歌ってもらえたらいいなっていうのもすごいありますね」
――いいオケだし季節的にもいいですよね。そして「アチチなブギー」は夏曲の中でも疾走感のあるタイプです。
SNG「ドラムンベースのビートのパターンを僕フラボですごくやってみたくて。トラック作ってフックも考えて、“これやりたい。ヴァース書いて……お願い!”ってみんなに頼んだら“いいやん!”って。で、ドライブにぴったりだなと思ってドア閉める音とか、ちょっと機械的な音を入れたり、遊び心がある楽曲にしましたね。最初はなんか「マイスタイルハイウェイ」っていうタイトルにしたんですけど、サビ歌った後にRYOが“これ「アチチなブギー」ちゃう?”って」
――煌きが?(笑)。
SNG「僕はちょっとカッコいいのを気に入ってたんですよ(笑)。「マイスタイルハイウェイ」みたいな。でも字面で見たらちょっとダサくていいやんと思って」
――RYOさんの中でバランスが働いたんですかね?
RYO「バランスというか、男ってどうしてもカッコつけたい生き物じゃないですか?それを全面的に出しちゃうよりかはカッコつけてるのがわかっちゃうぐらいのダサさというか、見え隠れする方が人間っぽくて親近感も沸くんかな?とか。僕らはキザな人間とかいないし、みんな不器用人間なんで、「アチチなブギー」の方が僕らのことを分かってもらえるのかなっていう」
――確かに。そしてこのEPを携えた秋のツアー「VOX GIFT TOUR 2024~フラボのギフト、お届けに参りました。~」が9月28日から始まりますが?
YASU「アチチなツアーにします」
一同「ははははは!」
――それ絶対書きますからね(笑)。
YASU「“アチチなツアーにします ( ー`дー´)キリッ ”までお願いします」
――なんならインタビューのタイトルそれにしちゃいますよ?
YASU「そこまで採用していただけるんですか?ありがとうございます!」
一同「ははははは!」
RYO-TA「僕はみんながこのツアー楽しかったなと思っていただけるようになれば一番いいですし、まあ大阪城ホールを2028年までにって言ってますけど、それが2027年とか2026年とかになるような勢いをつけられるようなツアーにしたいですね」
RYO「全国各地、自分が知らないところで待ってくれてる方もいらっしゃったりするので、そういう人たちに"大阪城ホールやっぱみんなで行こうぜ"ってさらに思ってもらえるような……来てくれるみんなと僕らでもう一個団結力を上げて行けるツアーにできたらなと思ってます」
SNG「お客さんがいつも化学反応を起こしてくれるんで、「VOX GIFT 2」を引っ提げての今回のツアーで"今回はどうなるかな?みんなどんな盛り上がり見せてくれるのかな?"っていうのがすごい楽しみですし、その楽曲を100パーセントで皆さんに届けられるように頑張りたいなと思います」
(おわり)
取材・文/石角友香
VOX GIFT TOUR 2024 配送エリア拡大中!~フラボのギフト、お届けに参りました。~LIVE INFO
9月28日(土)札幌CRAZY MONKEY
10月12日(土)名古屋SPADE BOX
10月14日(月)高松sound space RIZIN'
10月19日(土)岡山LIVEHOUSE image
10月20日(日)広島SIX ONE Live STAR
10月26日(土)岐阜Club-G
10月27日(日)福岡The Voodoo Lounge
11月04日(月)LIVE HOUSE enn 2nd(宮城)
11月09日(土)横浜BAYSIS
11月10日(日)HEAVEN'S ROCK Utsunomiya 2/3(VJ-4)(栃木)
11月22日(金)代官山UNIT
11月24日(日)神戸Varit.
11月30日(土)梅田CLUB QUATTRO