──現在の6人で活動して10年、再々メジャーデビューを果たし、ニューシングル「NINJA NAKAYOSHI/あの子の前ではこんなに優しい顔はしないでいてね♡」がリリースされました。これから夏にかけて各地で開催されるアイドルフェスで間違いなく盛り上がる4曲が収録されています。

鈴姫みさこ「バンもん!ちゃんがアイドルフェスに出演するときって、楽器を使っていてステージ転換の都合があるので、ありがたいことにトップバッターになることが多いんですよ。そういうときにガッとライブをしてガッと片づけることを、私たちは“疾風”って呼んでるんです(笑)。で、その“疾風”という言葉を曲に使おうって話が出たのが、最初の経緯でした」

──“疾風”から発想して、“忍者”?

鈴姫「そうです(笑)。そこから「NINJA NAKAYOSHI」という曲が生まれたんですけど、もともとバンもん!ちゃんで海外でのライブ、ワールドツアーとかやってみたいねという話もしていたので、ちょうどレペゼン日本ができる曲にもなっているんじゃないかと思います」

──海外では、昔から忍者は日本のアイコン的イメージのひとつですよね。

鈴姫「リリースイベントのときに、ファンの方が忍者の格好で来てくれてたんですよ。そしたら、帰りに渋谷で外国人の方に声をかけられて、一緒に写真を撮ったって。その写真が、SNSに上がってました(笑)」

──「NINJA NAKAYOSHI」について、それぞれ好きなポイントや感じている魅力を話してもらえますか?

望月みゆ「Q-MHzさんに詞曲を書いていただいてるんですけど、Q-MHzさんさんにお願いするのも4回目ともなると、よくこんなことまでわかったなと思うぐらい、私たちに対する理解度が深い歌詞になっています。それと、歌詞の中にオリジナルの忍法が出てくるんですよ。〈笑且昇天!(わらいながらバイバイ)〉とか〈怠食寝遊!(ぐーたらくうねるあそぶ)〉とか。歌詞カードを見ないとなんのこっちゃって感じだと思うんですけど(笑)、すごくハッピーな忍法ばかりなので、ぜひ歌詞カードを見ながら楽しんでほしいです!」

大桃子サンライズ「Q-MHzさんが作ってくれた曲だけあって、すごくかっこよくて、“うわ! ここ痺れる!”とか、何回聴いてもいろんな発見がある曲です。なので、何回も何回も聴いてほしいです。歌詞では、サビの部分に感動して泣きました。〈そうだまぶしいのは 遠い光に手を伸ばすココロ あきらめない 自分信じながら走り続けて〉とか、こんな素晴らしい歌詞はなかなかないと思います。どこにたどり着くかは誰にもわからないけど、何かを頑張ったり、光をめがけて生きていこうって1パーセントでも思ったとき、この歌詞が勇気づけてくれる。そう思うので、たくさんの人に知ってほしい歌です。ライブでも盛り上がる曲だと思うので、愛してもらえるとうれしいなと思っています」

恋汐りんご「ライブだと、手裏剣を投げているようなダンスをするんですけど、だんだんファンの方たちもできるようになってきて。そうやって曲中に手裏剣を投げながら戦っているんですけど、少年マンガのストーリーみたいに戦い終わったら仲良しになっているっていう(笑)。そういうダンスも含めて、すごくキャッチーな曲だし、ポップで広がりやすい楽曲だと思います。個人的には、この曲をきっかけにジャパンカルチャーの1つとして、“kawaii”に続いて“nakayoshi”が世界に広がったらいいなーって。“nakayoshi”が広がったら、最終的に世界平和につながるのではないかとも思っているので! それってバンもん!っぽいなって、めっちゃ思います!」

甘夏ゆず「私、歌詞にある〈やっぱ気になるね 泣いちゃった人をゲンキにしたいよ〉というフレーズが大好きなんです。このフレーズのような気持ちを自分たちは胸の中にずっと持ってるなと思って、見た瞬間にちょっと泣きそうになりました。音に関しては。6人全員でミックスチェックに立ち合わせていただいたんですけど、そこでこの音をもっとあげてくださいとか、そういった部分まで一緒にやらせていただいて、すごく面白かったです。歌詞にも音にも遊び心がある曲だとも思うので、そこも意識して聴いてみてほしいですね」

ななせぐみ「MVも含めて、全部がすごく気に入っているし、自分たちに合ってるな、バンもん!っぽいなと思っています」

──「あの子の前ではこんなに優しい顔はしないでいてね♡」は、清 竜人さんが作詞作曲を手がけたナンバーです。歌詞カードを見ると、ワンフレーズごとに♡マークが記されているという。

恋汐「これ、数えたら62個あるんですよ(笑)」

大桃子「竜人さんに楽曲提供をお願いしたいというのは、前からずっと思ってて、そのタイミングがついに来たって感じですね。リモートなんですが、“こういう曲にしていただきたいです”というリクエストもお伝えして。本当に念願の曲で、愛がすごくいっぱいです」

鈴姫「こういうちょっと行き過ぎたラブソングというか、狂気を感じるような、ちょっとやかましいラブソングを作ってほしいってお願いしたんですよ。女の子300パーセントみたいな(笑)」

大桃子「みんなの歌い方も、普段以上にかわいさが爆発してて」

鈴姫「かわいい歌い方は、ももがレコーディングでディレクションしてくれてね」

大桃子「みんな演技派というか、10年以上アイドルやってる人は流石にすごいなと思いながら(笑)」

──女の子300パーセントという言葉がありましたが、タイトルに象徴されるような気持ちには共感しますか?

鈴姫「ちょっとわがままというか、愛にあふれている女の子には、やっぱり憧れがあるというか」

恋汐「共感というか、こういう子ってかわいいなって思う」

望月「歌詞の全フレーズにマークがついてるのは、けっこう大きいと思う。これが!マークだったら印象が全然違うし、私たちの歌い方も違ってた」

ななせぐみ「でも、マークだったからかわいく歌えたし、そもそもこういう女の子の気持ちは、歌だからいいんじゃないかなとも思う」

──歌詞もそうですけど、メロディとサウンドがあることによって、この曲で描かれている女の子の気持ちに説得力が生まれるというか……

望月「曲がここまで振り切ってくれてたら、普段はそんなにかわいくしてるタイプじゃない私でも、かわいい振付も含めて思い切ってやり切れちゃう部分が。むちゃむちゃあります。笑」

ななせ「キャラクターを問わず、かわいいを全力で出していい曲っていうか」

──恋愛対象に限らず、「あの子の前ではこんなに優しい顔はしないでいてね♡」というタイトルのようなことを思うもの、独占したいもの、絶対に手放したくないものは、みなさんありますか?

甘夏「私は1番最後の〈一途な人でいてほしいのです〉というフレーズを歌わせてもらっていて、センターポジションでハートを作るんですけど、ファンの人たちに初めてちゃんと伝えた自分の気持ちだったかなって。しかも、普段はそうでもない自分がこんなにかわいく歌で言えて(笑)、それがすごくうれしいです!」

鈴姫「私は、家で飼っている猫ですね」

望月「恋愛的な目線で見ないとして、この歌詞の思いに心当たりがあるとしたら、幼い頃の自分のお母さんに対する感情かな。私のお母さんなのに、なんでほかの子どもにやさしくしてるの! っていう(笑)」

──ニューシングルには、表題2曲のほかに「HAPPY JOURNY!!!!!!!」と「将来 AND THE CITY」が収録されています。「HAPPY~」はみさこさん作詞の楽曲になりますが、バンもん!のことをストレートに歌った曲だと感じ取れます。

鈴姫「「HAPPY TOUR」という前身曲がありまして、その曲は歴代の20曲ぐらいの歌詞から引用して1つの歌詞にしているんですけど、今回は40曲ぐらいから引用して歌詞を書き上げました。数ヶ月ぐらい、過去の曲の歌詞を向き合ってしみじみもしながら、完成させた歌詞になります」
大桃子「サビの歌詞が、本当に大好きで。特に、〈夢みたいなことだからって まだ来てないだけの未来をさだめんな 今 生きてるのは君でしょ?〉というフレーズ。コロナ禍のとき、もう何に対しても時間切れなのかなって、あきらめたくないって心は叫んでるんだけど、それでも心が閉じちゃったというか、落ち込んじゃった時期があって。そのときの自分を覚えているから、この歌詞の正しさが今はすごく響くんです。あのときは、まだ来てないだけの未来を決めつけちゃってたなって。でも、今はまたこうやってメジャーデビューできて、新しいことが始まっていて。だから、この曲を聴くと心に火が宿る感じがします。いっぱい聴いてほしいですね」

──「将来 AND THE CITY」についても聞きたいです。

甘夏「この曲の作曲と編曲は村カワ基成さんにお願いしたんですけど、普段からバンもん!にたくさん曲を提供していただいて、ずっとタッグを組んできた作家さんの1人なんです。それもあって、「セックス・アンド・ザ・シティ」の世界観の曲にしたいねというところから始まって、タイトルや曲のテンション感が決まっていったんですけど、話が早かったですね。作詞はゆっきゅんさんなんですけど、「セックス・アンド・ザ・シティ」の世界観とバンもん!の良さをわかってくれる人って考えたときに、ゆっきゅんさんにお願いしたいという話になって、お願いさせていただきました」

──レコーディング時のエピソードなどはありますか?

甘夏「ゆっきゅんさんがレコーディングに来てくださったので、“本当に素敵な歌詞をありがとうございました!”ってお伝えしたんです。そしたら、“自分に大人の女性あるあるの歌詞を書かせたら、マジで無限に書いてられるから”って(笑)」

望月「じゃあ、今後の人生も!」

ななせ「ずっと一緒によろしく!お願い!ゆっきゅん!」

鈴姫「一緒に歳を重ねていくから、その時々でまた!」

──その時々の年代であるあるを書いてもらえば、シリーズ化できるから面白いですよね。

大桃子「健康診断ネタとか、だんだん歌詞に出てくるかもしれない(笑)」

──最後に、夏以降の活動について思い描いていることを教えてください。

甘夏「今年は、プール付きのヴィラに絶対行きたい! もちろんアイドルフェス、夏の音楽フェスにもたくさん出られるように頑張っていくんですけど、まずはプール付きヴィラで私たち自信をねぎらってから!」

──そこでエネルギーを蓄えて、ライブで爆発させるという?

甘夏「そうです! 今回のシングルでオリコン10位以内に入りたいという願いも、ファンのみなさんとスタッフさんのおかげで叶って、しかも目標にしていた1万枚のセールスも達成できたので、まず自分たちをねぎらいたいなって!」

鈴姫「夏フェスもいくつか決まってて、「TOKYO IDOL FESTIVAL」への9年連続出場も決まりました。めちゃめちゃ盛り上げたいなって思うし、なるべく自由にファンの人たちが楽しめる方法も探っていけたらなと思っています。あと、メンバーのプライベートな話でもう1つやりたいことがあって。この夏、とうとうぐみさんの子どもが産まれるんですよ!」

──そうですよね。本当におめでとうございます!

鈴姫「ぐみさんがちょっと落ち着いたときに、名前を発表してもらうパーティーをやりたいです(笑)」

望月「ぐみさんがお休みしている間のライブなどは5人で乗り切ることになるんですけど、しっかりとバンもん!という場所を守って、ラフにヤッホー! って戻って来られるように。あとは、文化祭に出たいですね。お祭り騒ぎが得意ですし、全国の学校に盛り上げに行かせてほしいなって、ずっと思ってます」

大桃子「ツアーだけじゃなくて、いろんな地域でいろんな人たちと触れ合って、その土地土地の人たちを笑顔にするお祭りをやってみたいです。そのお祭りではプチライブもやるけど、盆踊りをみんなで踊ったりとか!」

鈴姫「これ、ずっとメンバーと話していてまだ実現してないけど、いつか「バンもん!音頭」を作りたいねって」

大桃子「音頭とか、ジャパニーズのバイブスいいよね!」

鈴姫「たぶん、「バンもん!音頭」の話はこのインタビューが初出しになるんですけど、いつか実現させるので期待しててください!」

恋汐「私は、恋汐りんごとして、恋汐りんごであるために、いつもかわいくいたいと思って生きてるんですけど、人類以外も含めて全世界がかわいくいられるお手伝いができるような、新しいコンテンツをこの夏から始めたいなと考えています! 注目していてください!」

ななせ「さっき話があったように、夏に赤ちゃんが生まれます。夏に元気な子を産んで、また強くやさしくなって、6人でこれからもライブをしていきたいです」

鈴姫「女性は出産すると元のキャリアに戻れないとか言われるけど、ぐみさんが出産後にバンもん!に戻ってきて、また一緒にライブをしたらマジでみんなの希望になると思う。子どもが産まれても、子どもも仕事もどっちも大事にできるよって」

ななせ「何かを選んで何かを捨てなくてもいいんだって思ってもらえたら!」

(おわり)

取材・文/大久保和則
写真/野﨑慧嗣

バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI「NINJA NAKAYOSHI/あの子の前ではこんなに優しい顔はしないでいてね♡」DISC INFO

2024年5月8日(水)発売
Type A/TECI-954/1,500円(税込)
Imperial/NAKAYOSHI RECORDS

バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI「NINJA NAKAYOSHI/あの子の前ではこんなに優しい顔はしないでいてね♡」

2024年5月8日(水)発売
Type B/TECI-955/1,500円(税込)
Imperial/NAKAYOSHI RECORDS

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