――「COVER JUNGLE TOUR Season 2」の真っ只中でのインタビューになります。先日のLIQUIDROOMでの東京公演も大盛況でしたね。
伊東妙子「今回はカバーアルバムのレコ発ツアーということでカバーをいっぱいやっているんですけど、それもあるのか、お客さんの年齢層がものすごく広がったなというのは、どこに行っても実感することですね。若い人も、昔から来てくださっている同世代の人もいるし、ご高齢の方もたくさんいらっしゃって」
篠田智仁「100人から150人くらいの地方のライヴハウスに年配のご夫婦が一緒に来てくれたりしているのを見ると、きっと勇気を出して来られたんだろうなと、ちょっとジーンとしますね。もう少し大きな場所でやれたら、ご高齢の方も安心してゆっくり座って観られるだろうから、そのためにもっと頑張らなきゃなと思ったりもします」
――カバーによって、聴く人の年齢層が広がる。なるほど、そこはカバーアルバムを作る意義のひとつでもありますね。
伊東「それは大きいです」
――ほかにT字路sがカバーを積極的にやることの理由はありますか。
伊東「まず、『COVER JUNGLE』というタイトルをどうして付けたかというと、時を超えて今も残り続ける名曲が、ジャングルに住む猛獣のように思えたからで。そういう、ものすごいパワーを持った名曲に食らいついていくこと、果敢に挑むことが、私は好きなんです。その曲の持つ世界を自分たちなりに咀嚼して呑み込んで、自分たちの音楽として吐き出すことが純粋に楽しい。やりがいがあって、それが楽しいからというのが大きな理由ですね」
――カバー作品は世の中に星の数ほどありますが、妙子さんはその曲が表現されている気持ちなりなんなりを完全に自分に引き寄せて歌っている。そういう意味で、T字路sにとってのカバーとオリジナル曲の違いはあまりないんじゃないかと思ったりもするんですが。
篠田「そもそも自分たちの曲のように感じられるものを選んでカバーしているところがあるんですよ。気持ちが入る曲。同じ気持ちで見ることのできる曲。そうならないものをカバーしたら、それは演奏にも出ちゃうと思うので」
伊東「うん」
――『COVER JUNGLE』の1と2を合わせて18曲。選曲にはどのくらい時間をかけたんですか?
篠田「2ヵ月くらいで、候補を挙げて、デモを録って、みんなで聴くということをしました。で、絞り込むのに1ヵ月くらい」
――話して決めるというより、一回録って聴いてみるわけですね。
篠田「そうです。候補をバーっと挙げて、“じゃあこの曲とこの曲をやってみよう”って録ってみて、“これは合わないね”“これはいいね”って」
――因みに合わなかったのはどんな曲?
伊東「アルバムに収めた曲の3倍くらいはやってみたんですけど、例えば奥田民生さんとかウルフルズの曲とかは合わなかった。ウルフルズは好きな曲がいっぱいあるし、私に合いそうでしょ? でもパワーヴォーカルで似ているからか、自分なりに歌っている感じが出しにくくて、それこそ“歌ってみた”って感じになっちゃった。自分とは違うヴォーカルスタイルの人の曲のほうが、自分なりの解釈ができるからいいみたいで」
――近いとかえって難しいってことですね。
伊東「そう。あと、斉藤和義さんの曲は絶対歌いたくて、何曲もトライしてみたんですけど、難しくてなかなか歌いこなせなかった。1曲のなかにすごく高低差があるんですよ。だからトライしてみては諦めて、やっと1曲だけ歌えたのが「空に星が綺麗」だったんです」
――その歌えた/歌えてないの判断は自分たちで?
伊東「基本的にはそうですね。“ああ、全然歌い切れてないな”というのは自分が一番わかるので」
篠田「違う誰かが聴いたら“いいのに!”って思えるものもあるかもしれないけど、妙ちゃんが納得いってなさそうなのは、僕も“ちょっと違うかな”と思ったりするし、そういうのはボツにしちゃいますね」
――70年代、80年代の曲が多く選ばれているのは、その頃に好きになったものが多いからなんですか?
伊東「あ、でもリアルタイムで聴いていたわけではなかった曲も多かったりします。子供の頃に聴いていた曲とか、あとで知った曲とかもある。いずれにしても名曲ですから、生きてきたなかのどこかで聴いて、いい曲だなと思ったものが選ばれていますね」
――妙子さん的に、これは大好きだから絶対歌おうと決めていた曲は?
伊東「「まほろば」は、聴いた瞬間にこれを歌いたいと思いました。さだまさしさんの曲はいろいろ聴いていたし、別の曲をライヴでやったりもしていたんですけど、「今夜も生でさだまさし」に出演したときに、さださんの音楽に対する姿勢とか曲作りに対する姿勢を改めて強く感じたんです。その頃にも、ロシアによるウクライナ侵攻の映像を見て書いたという「キーウから遠く離れて」だったり、少し前にはアフガニスタンで亡くなられた中村 哲さんを追悼する「ひと粒の麦~Moment~」を聴いて、そのときそのとき強い使命感のようなものを持って歌を作られているんだな、本当にすごい方だなと。それでもっとさださんの作品を深堀りしたいと思い、腰を据えていろいろ聴き返していたときに、「まほろば」がグサーっと刺さったんです」
――1979年発表当時に聴いたときは意味を理解できずにいたけど、改めて聴くと歌詞が本当にすごいですよね。
篠田「なんか、演奏していてもバクバクしてくるんですよ」
――ほかに絶対歌おうと決めていた曲はありますか?
伊東「「かもめはかもめ」。私、中島みゆきさんが大好きで。この歌は哀しい恋の歌だし、研ナオコさんもそういうふうに歌われていますけど、それとは違う自分なりのイメージが浮かんだんです。もとの曲は“あ~き~ら~めま~した~”と言いながら、ひきずっている。未練が表現されているわけですけど、私が歌うなら、捨てて進むというか。“じゃあ、いいわ。私はひとりで生きていくんで!”って感じで、悲しむよりもスッキリした気持ちで前に進む歌として解釈したいと思い、それでやろうと決めたんです」
――なるほど。篠田さんが提案した曲はあります?
篠田「「メロディー」がそうですね。玉置浩二さんの曲をたくさん聴いてきたというわけではないんですけど、この曲は誰かがカバーしたものを聴いて“いい曲だなあ”と思っていて。昔、一回だけライヴでやったことがあったんですけど、それきりだったので、改めてやってみようよと。でも、やってみたら難しくて」
伊東「私は“この曲は難しいから、うまく歌える気がしない”って言ったんですよ」
篠田「そうだったね。玉置さんの、あの噛みしめるような歌い方が肝だから。でも妙ちゃん節でなんとかできないかなと試行錯誤して、結果的にうまくできた気がします」
伊東「そうだね。この曲は特に苦労したひとつだったけど、結果、いいテイクが録れた。私としては、かなりの挑戦でした」
――RCサクセション「スローバラード」、The ピーズ「そばにいたい」、それに以前は、ボ・ガンボス「トンネルぬけて」やTHE STREET SLIDERS「のら犬にさえなれない」もカバーしていましたが、そのあたりのロックバンドは昔から好きだったんですか?
伊東「そうですね。10代半ばくらいから聴くようになって。特にThe ピーズをよく聴いていました。スライダーズは篠ちゃんが昔好きで、T字路s結成当初に篠ちゃんがやりたいって言って録音したんです」
――10代のころ、ほかにどんなバンドを聴いていました?
伊東「私はもう、節操なく聴いていましたね。中学生のときに世の中がバンドブームで、それによってバンドの音楽に目覚めた感じだったので」
篠田「イカ天で音楽に目覚めたんだよね?」
伊東「そうなんです。中2だったかな、眠れなかったのでリビングにおりてテレビをつけたら「三宅裕司のいかすバンド天国」をやっていて、釘付けになりまして。音楽好きの家族がいなかったので、それまでバンドの音楽に触れる機会がなく、“なんじゃこりゃ !?”と。因みにそのときのイカ天キングはRABBITだったんですけど」
――RABBIT!
伊東「そう(笑)。陽気で、キャッチーな。そこでバンドという世界があることを知って、それから高校生になって軽音部に入り、友達や先輩からRCとかいろんなバンドを教えてもらって、どんどん深みにハマった感じだったんです」
――清志郎も、はるも、どんとも、ヒロトも、歌い方に相当クセがあるじゃないですか。そういうヴォーカリストの曲をカバーしていて、その人の歌い方に引っ張られてしまうようなことはないですか?
伊東「私はないです。引っ張られないんだよね。引っ張られたら、つまんないじゃないですか。真似してもしょうがないし」
――もとの人の歌い方は意識しない?
伊東「しないですね。引っ張られないように気をつけるってこともないし。ただ少し話がずれるかもしれないけど、元のメロディを崩さないで歌うということは意識しています。作詞作曲される方はメロディやリズムとセットで言葉の響きを考えているはずだから、そこは崩さないように気をつけて、歌い方で自分らしさを出すという感じで」
――「スローバラード」を聴くと、それがよくわかりますね。
篠田「清志郎さん独特のねばるような歌い方があの曲の肝ではあるけど、でもそれに引っ張られずにできたんじゃないかなと思う。あくまでも曲として捉えることができたというか」
伊東「近づこうとか背中を追おうとしたところでどうしたって敵わないし、それよりもあの歌詞とメロディの世界を自分たちならどう表現できるかってところに集中しようと」
――ライヴではいつも「勇気を振り絞って歌います」と言っていますよね。
伊東「うん。やっぱり勇気はいりますよ」
篠田「「スローバラード」を歌うって、ある意味、禁じ手みたいなところもあるじゃないですか」
伊東「聖域というかね」
篠田「そう。越えられないことは、もちろんわかっているし。でも負け戦だとわかっていても戦わなきゃいけないときがあるんだって。そう思ってやっています」
伊東「これで文句言われても、もうしょうがないっていうくらいのものを出そうと。どう言われても、やれるだけのことはやりましたっていう」
篠田「「スローバラード」に限らず、名曲と呼ばれるものはオリジナルのよさが完全に確立されていますからね。「愛のメモリー」はやっぱり松崎しげるさんの声での「愛のメモリー」だし、「あの鐘を鳴らすのはあなた」はやっぱり和田アキ子さんの声での「あの鐘を鳴らすのはあなた」だし。でも負け戦だとわかっていても堂々と戦う心意気を見てほしいというか」
――だから、リズムを変えて踊れるようにアレンジするとか、そういうことはしていない。
篠田「リズムを変えちゃうのは簡単なんですよ。でも、名曲と呼ばれるものは特に、そんな小手先のことでどうなるものでもない。メロディもコード進行もやっぱり完璧ですからね。それに対する僕らのスタイルとしては、音数は少なくするけど、大事なところは絶対に削らないということ。その大事なところがどこで、削れるところはどこかを見極めた上で、ふたりでやるということで」
――なるほど。因みにRCの曲だと、僕は「よそ者」がT字路sにすごく合いそうだと前から思っていて。
伊東「実はそれ、トライしたんですよ。トライしたけど、納得のいくところまでもっていけなかったんです」
篠田「まあタイミングもあると思うんですよ。今回はうまくいかなかったけど、しばらく時間をおいてやってみたらうまくいく場合もあるし」
伊東「そうだね」
――「帰れない二人」をやるにあたっては、井上陽水さんの透き通った声に対して自分はどう歌うかみたいなことを考えたりしました?
伊東「こういう曲は自分のヴォーカルスタイルに合わないだろうなと思っていたんですけど、新境地を開きたいというのがあって挑戦してみました。これもまたコードが難しいんですけど、ギターの運指がすごく滑らかにいくようにできていて、それも曲の美しさに繋がっているんだなと。それはやってみてわかったことで、そういう発見の楽しさもカバーにはありますね」
――言わずと知れた大名曲あり、隠れた名曲ありと、非常にいいバランスで収録されているなか、『COVER JUNGLE 2』ではオズワルドの畠中さんが作詞作曲した「コンビニエンスマン」がなかなかの存在感を放っています。これはどういう経緯で?
伊東「コロナ禍になって彼らの仕事がまあまあ飛んじゃったっていうタイミングで、畠中くんが初めてギターを買って、初めて曲を作ったというのがこの「コンビニエンスマン」で。彼らのラジオで披露していたのを聴いたんですけど、“音楽愛が詰まった名曲じゃないか!”とびっくりしまして。彼は中島みゆきさんなどのフォークミュージックが大好きなんですけど、今まで一度もギターを触ったり曲を作ったりしたことがなかったそうで、“初めての曲がこれって、天才なんじゃないか?!”と」
篠田「で、彼らのラジオ番組にゲストで呼ばれたときに、サプライズでこの曲をやっちゃおう!ってなって。彼らが出す前に先に録音しちゃうことも快諾してくれたので、今回やってみたんですけど、いざやってみたら『COVER JUNGLE』1と2のなかで、これが一番難しかった。セオリーがないから、ミュージシャンだったらこのコードはつけないっていうようなことを自由にやっていて、1行ごとにコード進行が変わる。繰り返しがないんです」
伊東「“ここからこう行くんだ?!”みたいな進み方で、覚えるのが大変でした(笑)。でもメロディも歌詞も本当に素晴らしくて」
篠田「ミュージシャンが作るとこうはならないんですけど、そこがいいっていう」
――あの芸風で、こういう歌が出てくるというのがまた味わい深い。
篠田「実に奥深い人なんです。伊藤くんもそうだよね。ああいうキャラをやっているけど、実はむちゃくちゃブルースで」
伊東「そうだねえ。彼はブルースだね、本当に」
――それから『COVER JUNGLE 1』では「これさえあれば」、『COVER JUNGLE 2』では「その日暮らし」と、いずれも2013年のEP『これさえあれば』に収録されている初期のオリジナル曲の再録もやっているわけですが、発表時から時間も経っているので今の声で録り直したかったってことなんですか?
伊東「そうです。私の歌い方がこの10年でだいぶ変わりましたからね。以前はものすごい巻き舌だったから。あの感じがよかったと言われることもあるんですが、自分としては今の歌い方が一番いいと思っているので、今の歌い方で録り直したかった。というのと、あと、10年近く経つと歌うときの気持ちも変わっているんですよ。「これさえあれば」は、10年前は“本当にこれしかないから”ってしがみつくような感じだったけど、今はもっとこう“これがあれば幸せ~”っていう開かれた気持ちで歌えている。「その日暮らし」にしても、10年前はそれこそ、その日暮らしだったんだけど(笑)」
篠田「今でも、その日暮らしだけどね(笑)」
伊東「そうなんだけど、今は“このスタイルが自分たちの暮らし方だから!”って言えるようになっている」
篠田「ああ、そうだね。当時は“誰か私を見つけてよ”みたいな感じだったもんね(笑)」
伊東「そうそう(笑)。そんなふうに意識の違いも出てきたから、今の気持ちでもう一回歌ってみたいなと思ったんです」
――テンポも以前のものより少しゆっくりになって、とげとげしさがなくなった。より、あたたかみが出ている。
篠田「それはこの10年の変化で。初めの頃は味方なんて誰もいないと思ってやっていたのが、意外とこう、みんな優しいなって気づいたというか(笑)」
――自分たちも優しくなった。
篠田「とはいえ、やっぱりふたりとも本質的に野良犬的なところはあるんですけどね。さっきの話じゃないけど、負け戦とわかっていても正面から挑んでいく姿勢は捨てたくないという」
――ところでレコーディングは初めて伊豆のスタジオで合宿して行なったそうですね。合宿レコーディングのよかったところは?
伊東「私たちとサックスの西内 徹さん、トランペットの黄 啓傑さん、エンジニアの内田直之さんで一緒に寝泊りして、同じゴハンを食べていると、どんどんグルーヴしてくるというか、全てにおいて息が合ってくるんです。どんどん魔法がかかってくる。一緒に作品作りに全力を注いでいるその時間が宝物のように愛しく思えてきて、それに連れて音も輝いていくという。それは、一回作業を終えて家に帰って、次の日またスタジオに来てっていうのでは得られなかった感覚で」
篠田「前の日の感じがリセットされることなく、いい調子をそのままキープできる」
伊東「早くに起きたらみんながもうコーヒーを飲んでいて、“じゃあ、朝ごはん前に1曲録っちゃう?”って言って9時前から録り始めたり。そういうのが柔軟にできるのもよかったです。で、1日の録りが終ったら、集まるスペースでその日録った音を聴きながら“いいねえ!”なんて言って」
――『BRAND NEW CARAVAN』は自宅スタジオでPro Toolsを使ってコツコツと丁寧に音作りをしたと言っていましたが、それとは真逆の作り方ですね。
篠田「そう。1日3曲のペースで録っていましたからね。でも、コロナ期間の『BRAND NEW CARAVAN』の作り方があったからこそ、今回はこういう録り方になったとも言えるわけで」
伊東「みんなで顔を合わせて録ることの喜びがスパークした作品になりましたね」
――音の質感がすごくいい。単純にライヴ感ということではないけれど、その場所の空気感、あたたかみのようなものが伝わってきます。
篠田「ビンテージ感が欲しいからアナログで録っているわけではなく、テープが一番自然に聴こえるから使いたくなっちゃうんですよ。Pro Toolsは確かに便利ではあるけど、僕らにしてみたらテープで一発録りのほうが、“いっせーのせ”で録って完結できる。Pro Toolsだと、ひとつひとつ確認して“ここ、直したほうがいいね”ってなっちゃうんだけど、アナログ録音だとこだわるところが変わるというか」
――両方の録り方の利点とノウハウをわかっていれば、こういう作品にはこっちがいいってその時々で分けられるでしょうしね。
篠田「そうなんです。実際、今もう新しいオリジナル曲をいくつか録音したんですけど、それはPro Toolsで録りました」
伊東「どっちのやり方で録ろうが、内田さんに録っていただくと、内田さんの音になるんですよ。もう、大好きなんです、内田さんの音が。それは『BRAND NEW CARAVAN』を経て、『COVER JUNGLE』を経て、この前のレコーディングで改めて実感したよね?!」
篠田「うん。オレら、最初から内田くんにやってもらっているんですけど、音に関して注文したことがないんですよ。全面的に信頼しているから。だから3人で作っている感じで」
――新曲もいい感じで仕上がってきている?
伊東「はい。次のアルバムのリード曲ができちゃったかな……ってくらい、いい曲ができちゃったんですよ。「ラジオ深夜便」の「深夜便のうた」でかかる曲ということで、ラジオをテーマに書いた曲なんですけど。初めてラジオにまつわる曲を書こうとやってみたら、ラジオ愛が一気に溢れ出して、いい曲になりました」
篠田「「はきだめの愛」もそうだけど、お題が先にあると妙ちゃんはノッて書けるところがあって」
伊東「お題好きなんです(笑)」
――タイトルは?
伊東「ラジオってことで「夜も朝も午後も」。朝昼夜じゃなくて、夜・朝・午後。深夜に聴くラジオって、一対一だから自分だけの時間って感じがするじゃないですか。で、朝は時計代わりじゃないけど、自分の動くリズムで聴いて、午後はBGMみたいに流して聴いているんだけど、それでもあるのとないのとじゃ全然違う。そんなことも考えつつ」
――深夜にラジオから聴こえてくるT字路sの歌。想像しただけでもいい感じですね。T字路sの曲は「さあ、聴こう」って聴くのもいいんだけど、ふいにラジオから流れてきたりすると、尚更グッとつかまれる。呑み屋でふいに流れてきて、たまらない気持ちになったりとか。
篠田「そういうイメージの曲になりました。運転手さんが食べに寄った食堂のラジオでかかっていたらいいなあ……みたいな」
――オリジナルアルバムも楽しみです。
伊東「来年は渾身のオリジナルアルバムを出しますよ!」
(おわり)
取材・文/内本順一
写真/hiro
LIVE INFOT字路s COVER JUNGLE TOUR season2
2022年12月10日(土)@桜坂セントラル(沖縄)
2022年12月11日(日)@すけあくろ(沖縄)