――4年半ぶりとなる10枚目のアルバム『XTLIKE』が遂に完成しました! 本当に濃い1枚になりましたね。

鍵本 輝「いま、仕上がるべくして仕上がったアルバムになりました。実はこのアルバムを作るのに4年もかかっているんです。その間、何度も“アルバムを出したいよね”と話していて。でも、コロナ禍を挟み、どのタイミングがベストなのかを探っているうちにどうしても時間がかかってしまって……でも、だからこそじっくりと制作ができた、満足のいく1枚です」

古屋敬多「コロナ禍を受け、自分たちで動かないと、何も動かない時期だったからこそ、ちゃんとアクションを起こす大切さを再確認したんです。僕たちのその意志の強さが反映された、メッセージの強い曲もありますし、勇気をくれる1枚になったように思います」

――それは、制作時にテーマとして、強さ、エールソングというのを積極的に選んだ結果ですか?

古屋「どう思う?」

谷内伸也「どちらかというと、選びたくなっちゃったって感じかな?」

鍵本「潜在的なものだよね」

谷内「うん。コロナ禍という、今までに経験したことのなかった状況下から抜け出したい、もどかしいというぶつけようのない想いがあったんですよね。「Sonic Boom」にもその気持ちはにじみ出ているとおもいますし、まだコロナは完全に終焉はしていないですが、大きな壁をひとつ乗り越えて出せたと言う事実もすごく特別だなと思いました」

――選曲や、楽曲制作にも、その心境の変化は大きく表れていそうですね。

古屋「そうですね。コロナ禍から、自由になりたいという思考が強くなっていて。その前まではLeadの活動一つひとつに目標を掲げてやっていたんですが、今は少しベクトルが変わって、本当に好きな曲を作ったり、選曲するようになりました」

――それって、最高ですよね?

古屋「たしかに(笑)」

鍵本「“好き”って、一番根本にいないとダメな原動力ですよね。その“好き”が個性にも繋がってきますし。だからこそ、この制作は長期間で大変ではありましたが、すごく楽しかったですね。描きたいものを描けましたし。2年前にレコーディングした曲もありますしね」

――それはどの曲ですか?

鍵本「「My Solution」ですね」

古屋「たしか一昨年の1月に作ったんですよ。すごく攻撃力が高くて、新年一発目で強い曲ができたなと思ったのを覚えています。これはSAEKI youthKさんの作詞だったよね?」

谷内「そうだね」

古屋「すごく強いメッセージで、自分を貫くというテーマにはピッタリの歌詞になっているんです。SAEKIさんは、意味がなさそうな言葉に、しっかりと意味をつけるのがすごく上手なんです。言葉選びもすごくいいんですよ」

鍵本「SAEKIさん自身もシンガーソングライターだから、歌心のある歌詞ののせかたをしてくれるから、すごく歌いやすいんですよね」

谷内「このトラックを作ってくれた方もレコーディングの時に来てくださったんですが、その場でアイディアをたくさんくれるんです。すごく貴重な時間でしたし、勉強になりました」

――そのほかにも刺激を受けた曲はありましたか?

鍵本「「Don’t Stay」はすごく印象的でしたね。この曲もSAEKIさんと一緒に作ったんですが、言い回しが本当に素敵なんです。

――この曲はNetflix映画『範馬刃牙VSケンガンアシュラ』の主題歌となっています。

鍵本「この曲は、コンペがあることを知り、まずタイアップにエントリーしようというところから始まったんです」

――そういうことってよくあるんですか?

鍵本「いや、なかなかないですね」

古屋「でも、僕がこの作品が大好きで、絶対に参加したかったんです。ただ、一緒にコンペを受けているアーティストさんがかなりすごい人達ばかりで!でも、この好きな気持ちと曲で絶対に勝てると思いながら作って行きました。絶対に勝ちに行こうって言い合っていたよね」

――ちなみに、コンペはどんなリクエストだったんですか?

鍵本「それが、この主題歌ということ以外は何でもよかったんですよ。アッパーな曲でもいいし、バラードでもいいし。ということで、エンディング曲ということは決まっていたので、映画を見終わった人が“あのシーンよかったな”と余韻に浸れる曲がいいなって思ったんです。なので、少しミディアムだけど、心は燃えているような曲調で行こうと決めたんです」

――やはり好きな人が書くと強いですよね。

古屋「そうですね。僕はこの作品の大ファンだからこそ、名シーンを匂わせたり、Leadの曲というよりも、本当に作品だけのことを思って描いたんです」

――コンペを勝ち抜いたときは本当に嬉しかったのではないですか?

一同「やばいです!」

谷内「これは奇跡に近いって思ったよね」

鍵本「もうヤバかった!」

古屋「すごい倍率だったと思いますし、そこを勝ち抜いたことがすごく嬉しかったですね。大きな自信になりました」

鍵本「これをきっかけに、自分たちもどんどんトライしていいんだって思えましたね」

――これからは好きな作品にどんどん関わっていきたいですね。

谷内「勝手に作って行きます!(笑)」

――そしてもう一つのリード曲「GRAVITY」は、事務所の先輩であり、戦友であるw-inds.の橘慶太さんがプロデュースをされています。

古屋「ふだんはご飯に行ったり、家に遊びに行ったりする仲なんですよ」

谷内「すごくかわいがってくれる本当にいい先輩なんです」

鍵本「実は20周年のタイミングで慶太さんに曲をお願いして、作ってもらったんですが、リリースのタイミングが決まらなくて……それもあってこの曲を聴くと、周年ぽさがあるんですよ。とはいえ、すごくいい曲なので、時期関係なく歌いたいという想いがあり、今作に収録させてもらいました」

――歌詞はすごくクールですよね。

鍵本「そうですね。思いの丈を入れ込みました。慶太くんの作る楽曲は洋楽ライクだったので、キレイな日本語を入れていくだけじゃ、ミスマッチになってしまうんですよね。なので、英語も入れてクールな表現に変えていきました」

谷内「最初にこの曲を聴いたときに、すぐに輝に“ありがとう”って送りました。それを受けてラップを書いたんですが、実は最初にラップパートがなかったんです。でも、慶太くんから曲が送られてきたときに、このビートでラップを書いてみたいとリクエストをして追加してもらったんです。そう言ってしまった以上は、“良いラップを作らな!”と張り切って手がけました」

古屋「それに歌詞はあくまでもグループ目線が軸だなって思ったので共感ができましたし、みんなで見たい景色が再確認できたんです。そこに乗る慶太さんのサウンドが本当にすごいんですよ。どんどん高まって、僕たちの想いを一緒に連れて行ってくれるようなものが素晴らしくて!僕たちの感情がうごめきながら曲が鳴っているような爆発力があるんです」

鍵本「照明の雰囲気なども意識しながら書いた歌詞なので、ライブでパフォーマンスをするのがすごく楽しみです。まだ振り付けがどうなるかわからないんですけどね(笑)」

――スキルの部分では、向上していったからこそ魅せられることも多いから、すごく楽しそうですよね。

古屋「そうですね。新しい可能性を探りながらパフォーマンスできたらいいなと思っています」

――この数年でダンスボーカルグループが本当に増えてきましたが、20年以上続けている先輩として、期待されることも増えているのではないでしょうか。

鍵本「どうしよう?下からの圧力と上からの抑制が……(笑)」

谷内「あはは!板挟み!(笑)」

鍵本「その板挟みでぺちゃんこになりそうなところもありますが(笑)、でもすごくいい影響を受けています。トレンドとなって、それぞれの特色もありますし、勉強になるんですよね」

谷内「かなりの熱量もあるしね」

――彼らもいま、20年やっていきたいって思っていると思うのですが、そう思っても続けられるものではないと思うんです。

鍵本「そうですね」

古屋「22年続いている自分たちでも驚きますからね(笑)。こんな続くと思ってもいなかったですし!」

鍵本「でも、結果として続いたことは、すごく今の自信になっています。これからも、Leadらしく続けていきたいですね」

――そして、今作をひっさげてのツアーが始まります。どんなライブになりそうですか?

鍵本「それこそ「GRAVITY」では、照明の雰囲気やステージング、こういう振り付けをしたいなということを描きながら作ったので、早く具現化したいです。他にも、ライブを進める中でとっかかりになる曲がたくさんあるので、どうライブで昇華させようかなと考えています。なによりも、アルバムをひっさげてやるライブはかなり久しぶりなので、今作をじっくり聞いてきたら、さらに楽しめるライブにしたいと思っています」

古屋「アルバムをひっさげたツアーって、サプライズ的な要素があると思うんです。思い出をすでに持ってきてくれる人達に、さらにこの曲たちが好きになってもらえたらいいなと思いますし、期待を上回るようなものにしなくちゃなと思っています。だからこそプレッシャーも感じますが、それがあってこそいいものができると思っているので、この気持ちを大事にしたまま、初日を迎えたいと思っています」

谷内「音源としては完成したんですが、ライブをやる以上は動きや演出がさらに大事になってくるんです。みなさんのリアクションをたくさんもらえるライブにしたいと思っているので一曲一曲、どんなパフォーマンスになるのかを楽しみにしていてもらいたいですね」

――プライベートではいかがでしょうか?

古屋「いろんなことを極めたいですね。30代って、その後の40代、50代に繋がるためにすごく大事な年代だと思っていて。今のうちに実力をつけないといけないなと思っています」

谷内「僕はキックボクシングをしようと思っています。いままで格闘技をしてこなかったので、やってみたらどうなるのか、興味があるんですよね。これをきっかけに、身体づくりをしたいですね」

鍵本「僕は伝えることを積極的にして行きたいです。これまで意外と伝えようと思っていたことが伝わっていないんだなと思うことが多く合ったんです。言いたいことを我慢して、察してくれは絶対にダメなので、ちゃんと伝えていきたいですね。そのためにも、たくさんメッセージを込めた曲をこれからも作っていきたいと思っています」

(おわり)

取材・文/吉田可奈
写真/平野哲郎

Lead Upturn 2024 ~XTLIKE~LIVE INFO

10月6日(日)GORILLA HALL OSAKA
10月26日(土)ニッショーホール(旧ヤクルトホール) 
イープラスローチケ

Lead『XTLIKE』DISC INFO

2024年9月4日(水)発売
数量限定豪華盤(CD+Blu-ray)/SCCA-00164/12,100円(税込)
ポニーキャニオン

Lead『XTLIKE』

2024年9月4日(水)発売
初回限定(CD+DVD)/PCCA-06316/4,950円(税込)
ポニーキャニオン

Lead『XTLIKE』

2024年9月4日(水)発売
通常盤(CD)/PCCA-06317/3,520円(税込)
ポニーキャニオン

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