――新曲「See Your Heart」はすでにライブで披露されていますが、かなり盛り上がる曲なのではないでしょうか。
鍵本輝「これがまた、よくわからないんですよ……」
――わからない?
鍵本「そうなんです。実はすでにファンクラブ・ツアーで披露したんですが、この曲がみんなの記憶だけでなく、記録として残ってほしいという意味を込めて、端末での撮影を許可したんですね。そしたら、みなさんは手ブレしないように必死に撮ってくれて……おかげでみなさんがじっとしたまま見るという状況が起きてしまったんです(笑)」
古屋敬多「これ、本当に反応がわからない(笑)」
谷内伸也「曲が終わっても無音なんですよ。みんなすごいキレイに撮りたい気持ちが前に出すぎていて!(笑)」
鍵本「“良かった?”って聞いたら、みんなが“うん”とはうなずいてくれたので、そこは信じようと思います(笑)」
――あはは!それがSNSにアップされていると思うのですが、それを見ると、ファンのみなさんが見たいところもよくわかりますよね
鍵本「そうなんですよね。ファン心理がしっかりとわかるので、やってよかったですね」
古屋「あとは推しカメラのように、好きなメンバーを集中して撮影してくれるんです。それをエゴサして見ていると、それで“伸也はこうやって踊っているんだ”ってあらためて気づくこともあるんですよ。すごくいい勉強になりますね」
――ちなみに、みなさんはこの曲を最初に聴いたときにどんなことを思いましたか?
鍵本「“なんというパンチ力のある曲なんだ!”って思いましたね」
谷内「“なんということでしょう!”って思ったくらい(笑)」
鍵本「うん。それくらい圧があったんですよ。もともと、シングルは2年ぶりだったので、その時間を感じさせないくらいの圧がないとダメだろうとは思っていたので、すごくいい出会いだったと思います。コロナ禍の失われた3年間の閉塞感をパーンっと開いてくれるのはこの曲だろうなと感じました」
――たしかに、その圧はめちゃくちゃ感じます。踊りたくなるような楽曲ですしね。
谷内「いい意味でシングルっぽいと思うんですよ。僕たちはこれまでいろんな曲をリリースしてきましたが、そのなかでいろんな“Leadらしさ”を見つけてきたんですよね。ディスコチューンやロックテイスト、HIP HOP、ラップなど、それもすべてLeadらしいものなのかなって思うんですが、この曲はこの曲でシングルだからこそ挑戦できる曲なので、今後、Leadとしての新たな引き出しになる気がしています」
――一度聴いたら忘れない、中毒性のある曲です。
谷内「忘れないですね。僕自身も、一度聴いただけで脳内再生がとまらなくて!そのくらいのパワーを持っている曲ですし、振付もすごくキャッチ―なんです。より多くの人に届いたらいいなというか、届く曲だろうなと思っています」
――MVはもう撮影されましたか?
鍵本「曲の斬新さとは裏腹に、すごくクールなMVになっているんです。照明が印象的に使われているので、そこも意識して見てもらいたいですね」
古屋「ジャケット写真は、その照明が映えるような生地の衣装になっているんです。それがMVにも活きていて、雰囲気がでやすい素材になっているんですよね。振付もTikTockerのHoodie Famさんという、5人組のダンスクリエイターにお願いをしたんです」
――どんなつながりだったんですか?
古屋「TikTokで発信しているのをずっと見ていて、カッコいいなと思っていたんです。そこでメンバーのソロのアカウントを見に行ったら、ゴリゴリのダンスを披露していて、その幅広さに感動したんですよね。それもあって、個人的に、コピーダンスなどをしてSNSにアップしていたんです。その縁もあり、今回お願いしたらOKしていただき、実現することができたんです」
――サウンド、歌詞、振付すべての挑戦が詰まった曲になったんですね。
鍵本「そうですね。自分たちの型にハマらず、いろんなことにチャレンジできるのはすごくいいことだなと思っています」
――そして2曲目の「My Beast」はすごくクールな曲ですが、鍵本さんのプロデュースなんですね。
鍵本「はい。実はシングルを目指して作っていたんです。前作の『Sonic Boom』で、僕がプロデュースした曲をリリースできたので、その第二弾となればと思ったんですが、攻めすぎと言われてしまって、コンペから落ちました(笑)」
――リリースされることになってよかったですね。
鍵本「そうですね。これはこれで、ひとつのLeadの顔だと思っているんです。ダンスがすきでずっとやってきた中で、こういった音楽を聴き、こういう踊りができたらなと思っていたことがあったので、それを今、ちゃんと具現化できたのはすごく良かったなと思いました」
谷内「すごくパフォーマンスしがいのある曲だよね」
鍵本「うん。踊りながら命を燃やしているんですが、“さらにその向こう側に行きたい”というテーマにしたんです。もうダメかもしれないと思った時に、もう一度エンジンをかけなおしたら、もう一人の自分が現れるような、そういう気持ちでパフォーマンスできたらという気持ちを込めました」
古屋「実はこの曲は、すでにライブで未発表曲として披露したんです。その時に反応が良かったので、今回カップリングに収録することになったんです。振り付けもメンバーで分担して作ったんだよね」
鍵本「そうだったね」
古屋「さらに、DA PUMPのKIMIくんにお願いしたいということで、合作をしたんです。またあらためて振り付きで見てもらえるのがすごく楽しみですね」
――KIMIさんが振り付けをするときはどんな雰囲気なんですか?
古屋「あのまんまです!“やっちゃって!”みたいな(笑)」
鍵本「あの自由さや遊び心があるから、DA PUMPさんのパフォーマンスってすごいんだろうなって思ったんです。いろいろ納得した経験でした」
谷内「ファンの方は、ダークで攻めているLeadの曲を好んでくれる傾向にあるので、絶対にこの曲はモテるだろうなって思います(笑)」
――SAEKI youthKさんの歌詞もすごくフィットしていますね。
鍵本「この曲を作っている時点で、絶対にSAEKIさんがいいなって思ったんです。これまでもいろんな曲を書いてもらっているんですがSAEKIさんチョイスの言葉を乗せたいと思ってお願いしたら快諾していただいたのでうれしかったですね」
――「Higher Love」は耳なじみがいいですね。
鍵本「僕たちにはありがたいことにたくさんのストックがあり、選ぶことができるんです。なので、バランスを取ってこの3曲にしたというわけではなく、いろんな曲を聴かせたいという意味を込めてこの曲を選びました」
谷内「3曲のベクトルも違うんです。「Higher Love」は電車に乗りながら聴いたり、歩きながら聴いたら気持ちいいだろうと思いますし、日常にフィットしそうだなって思ったんです。テンションが上がりすぎない優しい曲なんですよね」
――ライブでも、ゆったりと聴けそうですね。
古屋「そうですね。アンコールあたりでみんなが手を振りながら聴いているところが想像できますよね」
――ここまでバラエティ豊かなシングルだと、ついつい次のアルバムがどんなものになるのかが楽しみになってきます。
鍵本「あはは!こういう作り方をすると、自分たちの首を絞めていることになるんですよね(笑)。でも、まだまだ見せていない部分があるので、それは楽しみにしていてください」
――現在20周年を迎えるわけですが、攻めと遊び、どちらも楽しめる曲がたくさん生まれて、今だからこそ楽しめていることも多いのではないですか?
鍵本「それはすごくあると思います。若い頃ではできなかったことが今ではスキルがついたからこそ、表現できることもありますし、自分で曲も作れるようになったので、今が一番楽しいです」
谷内「僕たちのまわりで協力してくれる人もいますし、すぐに動いてくれる人たちもいるので、ものすごくありがたいですね。やりたいことはたくさんあるんですが、自己満足で終わってはいけないので、“これを見てどう思うかな”ということを考えながら、曲選びやパフォーマンスなどをしていきたいなと思っています」
――経験値が上がってきたからこそ、グループの密度もどんどん上がってきたのではないでしょうか。
鍵本「そうですね。いま、僕たちの脳内にあることがちゃんと形になれば、今までになかった動きの挑戦になると思いますし、今後も挑戦はし続けていきたいですね。あとは、ライブもガイドラインがかなり変わってきて、声がようやく出せるようになることで、生の声が聞こえるうれしさ、喜びを心から感じているので、早くみなさんと集まれる機会があったらいいなと思っています」
――やっぱり、声出しありは違いますか?
一同「違います!」
古屋「コロナ禍の前よりも、声が出ている気がします(笑)。きっと、みんな爆発するかのように、気持ちが溢れているんですよね」
鍵本「がまんした分、その反動があるよね(笑)」
谷内「“こんなに声出てたっけ?”って思うよね(笑)」
――これからは思う存分に楽しんでもらいたいですね。さて、20周年を迎えた今だからこそやってみたいことはありますか?プライベートででもいいですよ(笑)。
古屋「3人で旅行に行きたいですね」
――今までも3人で行っていたんですか?
鍵本「コロナ禍になって行けていないんですが、その前はみんなでキャンプに行ったり、沖縄に行ったりしていたんですよ」
――仲がいい!
鍵本「沖縄はダンサーさんたちも一緒だったよね」
谷内「沖縄に行ったときはアルバムをリリースしたばかりだったので、どうせならPVも撮ろうというので兼ねたりしていましたけど、ただただ楽しかったです(笑)」
鍵本「3人だけでLAに行ったことがあるんですよ。それがめちゃくちゃ楽しかったよね!」
古屋「2014年かな?」
鍵本「そんな前か!LAのダンススタジオにも行って文化に触れて、すごく楽しかったよね。すごく刺激的だったので、次もまた自分たちのパフォーマンスに還元できるような刺激のある場所に行きたいですね」
――行くだけでも全然違う?
谷内「全然違いますね。よりダンスが好きになりました」
――Leadの3人は本当に仲がいいですね。
谷内「あはは!もちろん、これまでいろいろありましたよ(笑)」
鍵本「でも、20年も経つと一緒にいることだけで楽しいんです」
古屋「一緒にライブを作ったり、楽しいことができていることが幸せですしね。ぜひそのライブを見に来てもらいたいですね」
(おわり)
取材・文/吉田可奈
写真/野﨑慧嗣
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