encore初登場の1966カルテット。メンバー紹介をお願いします!
「1966カルテット、リーダーでヴァイオリンの松浦梨沙です。そして、意外と弱気なリーダーの背中を押す相棒であり、1966カルテット広報担当でもあります、ヴァイオリンの花井悠希。UKロック大好き、ミュージカルもオペラも大好き、頼れるピアノ、増田みのり。まだ加入して一年、でも肝のすわった大物の予感!期待の新人、チェロの伊藤利英子。この4人で洋楽をクラシカルにカバーするグループが1966カルテットです」
改めて、カルテット名=1966カルテットの命名の由来を教えてください。
「”ビートルズをクラシカルに”をモットーに結成したグループなので、ビートルズが初来日し、武道館で熱狂のライブを繰り広げたあの伝説の日、1966年6月29日、その年から名前をいただきました。よく、”生まれ年?”なんて聞かれますが…こら!(笑)」
7年ぶりのオリジナル・アルバム『DIAMONDS』はUK ロックの 名曲集。選曲はどうやって決めたんですか?
「ビートルズをカバーしていると、他のUKロックに何故かビートルズの雰囲気を感じることがあり、UKロックにはビートルズの遺伝子が生き継がれているのではと思い”UKロックヒストリー”と題してUKロックをカバーしていく試みを始めました。そんな中で生まれたDIAMONDS=UKロックの歴史を彩った名曲たちと共に時代を辿るべく、ビートルズと時代を共に歩んだローリング・ストーンズ始め、ハードロックやサイケデリックなど、時代を可能な限り網羅できたら、との想いで選んだ曲たちです」
レコーディングで特に苦労した楽曲などはありますか?
「1966カルテットのレコーディングは独自スタイルで、チェロとピアノがブースに入る形でやっています。だけど、クラシックと同じくメトロノーム的クリックは一切使わずに録音するので、普段は同じ場所で一緒に弾くことで何気なく通じる空気の波動が伝わらない難しさがあります。特にザ・ジャムの「悪意という名の街」などは、お互いのリズミカルな振動が肌で感じられず、いつもと違う雰囲気に最初は戸惑いました。増田、伊藤の加入後初のスタジオレコーディングなので、そういったところに慣れるのに最も時間を要したと思います。いつも以上に身振りで音の波を伝えたり、ガラス越しのアイコンタクトに気を遣うなどの工夫をして…。録音前までにリハーサルを重ねていたので、そのコツさえつかめば、あとは思ったよりスムーズに進みました」
メンバー、それぞれのお気に入りの曲はどの曲ですか?
「みんなの一押しはレディオヘッドの「パラノイド・アンドロイド」です。レディオヘッドマニアの増田を筆頭に、想いが詰まったアレンジに仕上がっております。また、レディオヘッド独特の浮遊感をいかに音で表現するか、各々が研究を重ねた結果できた渾身の一曲です。また、ディープ・パープルの「ハイウェイ・スター」も外せない一曲です。チェロの伊藤が奮闘しているハイトーンのギターソロのフレーズはもちろんのこと、まるでライブのような高揚感をメンバー一丸となって音に込めた疾走感を感じていただけること請け合いです」
アルバム『DIAMONDS』を制作するにあたり、チャレンジしたことはありますか?
「今回初めて、私を筆頭にメンバーでアレンジするというチャレンジをしております。これまではアレンジしていただいたものをいかに表現するか、という音楽創りでしたが、今回は自らアレンジすることで、音を合わせながらどんどんやりたい方向に好きにギアチェンジしていけたので、いわばジャズのセッションのような、気づけばまさしくロックバンドのような自由な音楽創りをしていけたことは、これまでの1966カルテットにはなかった新しい形となったと思います」
コロナ禍での制作は大変なこともあったかと思いますが、この状況だからこそ挑戦したこと、新たに試したことはありましたか?
「コロナ禍で少しでも私たちの音楽でひととき楽しんでいただけたら、と、YouTubeチャンネルを開設し、毎週新しい曲にチャレンジしてアップしています。やってみたら、自分たちの刺激にもなり、とてもいいスキルアップになりました。あえてコンサートの雰囲気を閉じ込めるべく一発撮りで、さらにこれまでやってこなかった邦楽にも挑み、新しい1966カルテットをまさにコンサートにお越しいただいた感覚で味わっていただけるテイストでお届けしています」
10月からは様々なライブが予定されていますが、1966カルテットのライブへの想いをおしえてください!
「お客様と共に音楽を楽しむことの素晴らしさを噛み締めている今だからこそ、生の音圧を感じていただけるようなコンサートにしたいです。今年で3回目になる歌姫、城南海ちゃんとのコンサートでは、もはやクインテットのような一体感あるコンサートになりそうで、私たちもとても楽しみにしています。もちろん、アルバム『DIAMONDS』発売コンサートを東京や北海道でも行いますし、このメンバーで初めて上陸する大阪公演もあります。そこではCDを飛び出して3Dになった『DIAMONDS』を是非体感していただきたいです」
では、最後にencore読者へのメッセージをお願いします!
「『DIAMONDS』は新たな一歩を共に踏み出したメンバーと心込めて創った初めての一枚です。アレンジや演奏はもとより、音圧音色すべてに120%の力を入れて創りました。ジャケットまわりも英国テイストにこだわり細部にまで遊び心が散りばめられています。是非お手に取って、1966カルテットの力強さを受け取っていただきたいです。またお近くにお邪魔した際はコンサートでお目にかかれると嬉しいです。お待ちしております」
- 取材・文/encore編集部
1966カルテット(いちきゅうろくろくカルテット)
松浦梨沙(ヴァイオリン、リーダー)、花井悠希(ヴァイオリン)、伊藤利英子(チェロ)、増田みのり(ピアノ)によるクラシックのテクニックをベースに洋楽アーティストのカバーをする女性カルテット。2010年11月、『ノルウェーの森 ~ザ・ビートルズ・クラシックス』で日本コロムビアよりCDデビュー。王子ホールでデビュー・リサイタルを開催。クイーンおよび、マイケル・ジャクソンのカバーアルバム(2011年および2012年)を発売後、ビートルズへと原点回帰した『HELP!』(2013年)、英国ロンドンのアビイ・ロード・スタジオで録音を敢行した『アビイ・ロード・ソナタ』(2014年)をリリース。リヴァプールのキャヴァーン・クラブでのライヴも好評を博した。2019年3月、自身たちでアレンジしたUK Rockの名曲たちをカバーした、初のライヴ盤『女王陛下のリクエスト』をリリース。2021年キングレコード移籍を発表、ニューアルバム『DIAMONDS』を発売。全国各地でのコンサート活動を精力的に繰り広げている。
■LIVE INFORMATION
1966カルテット 10th アニバーサリー ~クラシック・カーニバル~
10月2日(土)@太白区文化センター 展示ホール(宮城県)
1966カルテット 10th アニバーサリー ~ヒストリー~
10月2日(土)@日立システムズホール仙台 シアターホール(宮城県)
1966カルテット『DIAMONDS』
10月9日(土)@ティアラこうとう 小ホール(東京都)
12月3日(金)@フェニーチェ堺 小ホール(大阪府)
12月11日(土)@サンシティホール 小ホール(埼玉県)
城南海 with 1966カルテット クラシカルコンサート
10月16日(土)@電気文化会館 ザ・コンサートホール(愛知県)
10月31日(日)@住友生命いずみホール(大阪府)
11月19日(金)@紀尾井ホール(東京都)
1966カルテット ザ・ビートルズ&UKロッククラシックス
11月21日(日)@幕別町百年記念ホール 大ホール(北海道)
1966カルテット『DIAMONDS』
2021年9月22日(水)発売
KICS-4025/3,300円(税込)
KING RECORDS