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――新曲「Joker -眠らない街-」ですが、ドラマ「記憶捜査2~新宿東署事件ファイル~」の主題歌です。

高見沢俊彦「今回は、北大路欣也さん主演の刑事ドラマですね」

坂崎幸之助「俺まだ見れてないんだよね」

高見沢「あ、そうなの?」

坂崎「ほら、ちょうど裏でNACK5の「K's Transmission」やってるからね。録画してるんだけど早く見なくちゃ」

――高見沢さんはドラマのプロットやラッシュを見て「Joker -眠らない街-」のイメージを膨らませたんですか?

高見沢「そうです。この曲はストックではなくドラマのために書き下ろしました。まずシーズン1を見せていただいてから、シーズン2の内容の大まかな部分を聞きました。あと、ドラマの制作サイドから新宿をテーマにして欲しいということと、都会に生きる人びとの人間模様を描いて欲しいというリクエストもありましたね」

――なるほど。一聴するとサウンドは穏やかですが、歌詞を追うと、耳で聴くよりも強い言葉が綴られているように感じます。

高見沢「あえてそうしました。サウンドはバラードなんですが、強い言葉を使っても、メロディとコーラスで充分その世界観は伝えられると思っています」

――まさに。歌詞カードを読むと<抗えよ>、<こじ開けて>、<打ち砕き>、<成し遂げろ!>と、攻撃的な言葉が並んでいますが、音源ではそれがすごく優しいニュアンスに聴こえてくるんですね。

高見沢「そっかあ、それってやっぱりメロディがいいってこと?」

坂崎「……誰かメロディがいいって言ってあげなよ」

桜井 賢「……そりゃ、メロディがいいからでしょ!」

高見沢「遅いって(笑)」

――大丈夫です。桜井さんが言ってたって書いておきますから(笑)。

高見沢「でもね、実際、ドラマのなかでは、事件が解決した瞬間であるとか、犯人が明らかになるシーンでこの曲が流れてくるので、そうすると、また印象が変わりますよね」

――ざっくり調べてみましたけど、THE ALFEEは刑事ドラマや推理もののタイアップ曲が多いんです。

高見沢「みたいですね」

坂崎「そう、ライブなんかで歌っていると“そういえばこの曲ってあのドラマの主題歌だったな”って思い出したりしてね。僕ら、意外と刑事ドラマとかサスペンスに使ってもらってますね」

――たとえば最近でいうと「Glorious」だったり……

高見沢「そうそう、「刑事吉永誠一 涙の事件簿」。船越英一郎さんの」

――「桜の実の熟する時」もですね。

高見沢「それは「京都地検の女」ですね」

桜井「「星空のディスタンス」……は愛人バンクの話だから、ちょっと違うか?」

坂崎「愛人バンクって(笑)。もはや死語だよね。いまの若い人には伝わらないでしょ」

高見沢「まあ、たくさんやらせていただいてますからね。今回の「Joker -眠らない街-」は何年ぶりの主題歌だっけ?」

――6年ぶりだそうです。えーと、前作は2013年の「新ウルトラマン列伝」の「英雄の詩」でした。

高見沢「あ、ウルトラマンも結構多い。僕のソロでもやってるし、THE ALFEEでも2回やってるから」

――高見沢さんは、こうしたお題ありきの制作って楽しめるタイプですか?

高見沢「あってもなくても全然OKですよ。まあ、少なくともこういう曲を書いてくれってリクエストは全く苦にならないです。あれば“わかりました”って感じ」

桜井「頼まれたものを作れるなんて職人だよな。アーティストってのは、自分の作りたいものを作る人のことだからさ」

高見沢「まあ、そうだよね。CMだったり、サウンドステッカーなんかも昔からやっていますけど、職人的な思考になってるかもね」

――やはり今回もリモート環境でのレコーディングでしたか?

高見沢「そうです。密にならないように時間をずらしてスタジオに入りました」

坂崎「スタジオって狭いからね。換気もしづらいし」

高見沢「前作の「友よ人生を語る前に」のときよりも制限は多少緩やかになっていましたけど」

桜井「まあ、基本的にボーカル・レコーディングはひとりづつブースに入るからね。3人でブースに入ることはまずないんですよ」

――「Joker -眠らない街-」は前作「友よ人生を語る前に」から3ヵ月あまりでのリリースとなりました。今年は時間の感覚が狂ってしまいがちですが、すごく早いペースですよね?

桜井「そうだよね。俺も“え、もう出すの!?”って思ったからね(笑)。デビュー当時は1年で4枚出したりしてたけど」

――そういえば、前回のインタビューをアップして、ファンのかたのリアクションを見ていたら「THE ALFEEの3人はこの状況すらも楽しんでいるように見えて頼もしい」というニュアンスの感想がいくつもあったんですよ。

坂崎「いやー、別に楽しんじゃいないけど(笑)」

――たぶん、悲観的になっていたり、落ち込んだりしていないという意味だと思いますが。

高見沢「もちろん、ファンのかたがたもそれぞれ思うところはあるでしょうけど、僕らもデビュー46年目にして初めてツアーができなかった年になったわけですからね。ここはあえて気持ちを引き締めないと……。あと、前回のインタビューでも言いましたけど、僕らにとっての希望は新曲ですから、僕はそこに特化して、緊急事態宣言中に猛烈な勢いで曲を作りました。その余韻で今回の新曲も出来ましたし、とにかく作ったからにはどんどんリリースしていかないと。それが未来の希望になりますからね。さらに言うと、僕らが元気でがんばっていればファンの方も安心できるでしょうからね」

――そういったモチベーションは揺るがない?

高見沢「そうですね、揺るがない。ただライブができないという淋しさはありますが……まあ、そこは「Come on! ALFEE !! ~LIVE&チャット&生トーク~」という配信ライブをやることによってだいぶ気分を紛らわせていますね。全部で12回のシリーズですが、これもTHE ALFEEの新たなかたちかもしれませんね」

――僕も見ていますが、3人の生トークはヤバいですね。

桜井「まあ、くだらないことしゃべってるでしょう?(笑)」

――確かに(笑)。でもそれがすごく楽しいですし、3人の呼吸というか、気心の知れた感じが画面越しに伝わってきます。ちなみにライブパートの選曲って……

高見沢「これまでのライブのセットリストの決め方とはだいぶ違います。夏にやった「2020 Summer 46th Birthday 夏の夢」はいままでどおりのコンサート形式の組み立てでしたけど、今回の配信ライブで予定している「Best Hit Alfee 2020 秋の夢 LOVE&HOPE」、「冬の夢」は、1回の配信でそれぞれ5曲が限度なんで、1回毎に「シングル」、「ハードロック」、「スイッチボーカル」、「プログレ」というふうにテーマを変えて、それぞれに相応しい曲を選んでいます。ちなみに次のテーマはアコギです。僕らは47年間でいろいろな経験が蓄積されていますけど、音楽性もそうだし、それをネットを通じて、初めてALFEEを知った人に紹介していくというのも面白いかなと思っています」

坂崎「僕らの場合は、配信ライブで音楽って楽しいもんだってわかってもらえればそれでいいんですよ。それは演奏だけじゃなくて、トークも含めてね」

――THE ALFEE大百科というか、ちょっとしたエンサイクロペディア的なニュアンスを感じました。

高見沢「そうそう、46年ずっと続けているバンドってこうだよ!ってわかりやすく伝えたいので。まあ、コアなファンのかたは知っているんでしょうけど。でもね、意外なことに、最近ファンになりましたって人も結構多いから、そこは大事にしたいですね。コロナが収束して、またふつうにライブができる状況になったら、みんなに来て欲しいですからね」

桜井「あ、YouTubeの「ALFEE KITCHEN」で知りましたって人、多いよね」

坂崎「あと歌番組で「星空のディスタンス」を聴いて好きになりましたって人もいるね。「Come on! ALFEE !!」は、そういう人たちにも楽しんでもらえる内容になっていると思いますよ」

――まさにそういう新しいファンのかたがただと思いますが、先日の「Come on! ALFEE !!」で披露していた「罪人たちの舟」、「進化論B」に、“こんなにプログレ色の濃いレパートリーがあるんだ”というリアクションを見かけました。

高見沢「「星空のディスタンス」とか「メリーアン」とか、TVでよく歌っている曲しか知らないっていう人にはすごく新鮮に聴こえるんでしょうね」

――曲紹介でお三方がセルフライナー的な解説をしてくれるのもいいですね。「プログレ曲はベースが大変なんだよ」みたいな。

桜井「ははは!プログレはどの楽器も大変だけどね。でもさ、そうやっていろんな入口を持ってるのが俺たちの強みじゃない?いまはネットの時代だから、配信で知ってもらって、SNSで繋がって……ってことができるしね」

――ディスタンスといえば、「Joker -眠らない街-」の初回限定盤 Cにはレア度の高い「星空のディスタンス(抗コロナ編)」が入っています。

高見沢「こんなにディスタンスって言葉がTVから聞こえてきたのは84年の「ザ・ベストテン」以来かもしれない。いや!その時より多いか?(笑)」

――かもしれないですね(笑)。そしてカップリングは「振動α」。この曲の出だしはハープシコードですか?

高見沢「そうです。チェンバロって言ったほうがわかりやすいのかな」

――やわらかな音色ですが、そこから急転直下というか、歌いだしのキーがものすごく高いですよね?

高見沢「高いですね。坂崎とふたりと歌いわけてますけど、もうフルパワーですよ」

――坂崎さんの巻き舌気味のボーカルも荒々しい感じです。

桜井「ちょいワル(笑)」

高見沢「僕らはクリスタルキングの「愛をとりもどせ」をカバーしているんですけど、あの曲はライブでも人気が高いんですよ。そんなに気に入ってもらえているなら、僕ら流の「愛をとりもどせ」的な曲を書いてみようかなと。ツインボーカルの曲は今までなかったからね。「振動α」はそうやって生まれた曲でもあります」

――確かにハイテンションな感じも似ていますし、クリスタルキング風のツインボーカルもちょっとしたオマージュなんですね。

高見沢「そうだね。クリスタルキングさん、すごく上手かったからな……僕はああいうサウンドのバンドに憧れていましたからね。あれはどこで見たんだっけ?」

坂崎「盛岡かな」

高見沢「そうだ、まだ「メリーアン」を出すずっと前。僕らがキャンペーンで盛岡に行ったとき、ちょうどクリスタルキングがコンサートをやっていて、3人で見に行ったんです。「大都会」が出たあとだから「蜃気楼」の頃だったかな?」

桜井「確かに演奏、上手かった」

坂崎「洋楽のカバーもしてたね」

高見沢「しかし、当時は3人で本当にいろんなアーティストのライブを見に行ったよな。洋楽が多かったけど。ジューダス・プリーストとか……」

坂崎「アイアン・メイデンでしょ」

高見沢「レインボーも行った」

桜井「ディープ・パープルとニール・ヤングも」

高見沢「クイーンとイーグルスの初来日は、坂崎だけ仕事が入ってて行けなかったんだよな」

坂崎「そうそう。あと、ツアーの合い間にさ、広島だったっけ?キングクリムゾン見たよな」

高見沢「行った!あれ移動日だったのかな……“おい、クリムゾンが広島にいるぞ!”、“よし、行こう!”ってね。でも、まわりのお客さんたちの置いてけぼり感がすごかったな。さすがプログレの重鎮の貫禄でした」

坂崎「最初にエイドリアン・ブリューが出てきて、ひとりで5分くらいギターソロを弾いてて。お客さんみんなポカーンとしてたよね(笑)」

――そういった音楽遍歴があってその後のTHE ALFEEが成されたのかもしれませんね。さて、話を現在に引き戻しますが、有観客の「THE ALFEE Best Hit Alfee 2021 春の夢のつづき」のスケジュールが発表されましたが、待ち遠しいですね。

高見沢「来年の春にどういう状況になっているかわかりませんけど、音楽をやる、ステージに立つということが、新たな扉を開くということになりますからね。こんな状況だからこそ、僕らのライブを求めている人がたくさんいるってわかったし、もちろん僕らも求めていますからね。無観客の配信ライブは何度もできませんし、やはりオーディエンスがいて、アーティストがいる……これにまさる演出はありませんからね」

桜井「どうやってライブをやるか、どうやったら継続できるかってことをみんな模索してるんだと思うんですけど、“このやり方でやっていけるんだ!”ってことが早く見つけられるといいよね」

――そうやって新しいライブのかたちを見つけられたとして、「Come on! ALFEE !!」のような取り組みも続いてゆくんでしょうか?

高見沢「そうですね。ツアーができるようになってもこれをやめる必然性はない。不定期でもいいからやっていきますよ」

――よかった!「Come on! ALFEE !!」は、コロナ禍が生んだ数少ないポジティブな出来事のひとつだと思っているので。

高見沢「ははは!そうとも言えるよね。やはりコロナ禍に見舞われていなければ「Come on! ALFEE !!」みたいな取り組みはしていなかったでしょうから。ネットの世界の利便性を最大限活用しているって感じです」

坂崎「「Come on! ALFEE !!」は全12回の配信で、来年の2月までまだまだ続きますから」

――そうですね。間もなく「Best Hit Alfee 2020 - 2021 冬の夢 LOVE&HOPE」編が始まりますし、個人的には『「1985 YOKOHAMA STADIUM 3DAYS」を一緒に観よう!』が楽しみです。

桜井「この企画はなかなかいいよね。実際、昔の映像を見ることも少なくなってたし、それを3人で見ると、ひとりで見てるよりもいろんな記憶が蘇ってくると思うんだよね。そんなふうに僕らが楽しんでいる部分もあるから」

高見沢「当時はDVDも、もちろんBlu-rayもないわけだから。VHSだと編集してもライブ全編は収まらないし、ドキュメンタリーっぽい作りになってるんだよね。それもまた今観るとなかなか面白いですね」

桜井「いちばん最初にやった所沢航空記念公園の「ROCK'N'ROLL FIGHTING NIGHT」のビデオもそういう作り込みだったでしょ」

坂崎「うん。楽屋入りから始まって、楽屋でのインタビューになって曲に行くんだよ。なかなか凝ってたね」

――さて、2020年ももう終わろうとしていますが、この1年を振り返ってみていかがでしょうか?コロナ禍を境に訪れた変化や気付きといったものがあれば。

高見沢「気付きって意味では、ライブが自分たちの生活の一部だってことを再認識したってことでしょうね。前回もお話ししましたけど、こんなにライブをしてないことって「メリーアン」以前にもなかったから。飢餓感っていうかね……バンドなんてライブをやってなけりゃ何の価値もないからさ。本当に辛いね。ライブができないってことがこんなに辛いって思ってなかった。だって、桜井もツアーがなかったら家でベースなんて弾かないだろ?」

桜井「弾かないね。だからツアーって生活の一部……っていうか、大部分だね。健康管理もステージのためって思うし。ツアーがないと生活のリズムも、ライフスタイルもすべてが変わってしまう。だからって誰も聴いていないのにベースを弾いたって全然意味がないし」

坂崎「そうだな……僕は自粛期間に自分の好きなギターを弾くってことを思い出しました。それはステージのために曲を覚えるとか、練習するってことじゃなくてね。バンジョーも弾いてたし、趣味としてのギターという原点ですね。そういうちょっとだけ面白い時間を過ごしました」

――そういえば「Joker -眠らない街-」通常盤に収められている「シュプレヒコールに耳を塞いで(夏の夢 Live Ver.)」の坂崎さんと高見沢さんのアコギバトルはすごいですね。

高見沢「むかしはみんな結構やってたんですけどね。CSN&Yとかガロも。ま、僕らにもああいうことができるっていうパフォーマンスですね。あれはあれで楽しいけど、結構な緊張感だよな?」

坂崎「お互い何を弾くかわからないからね。ある程度フレーズは決めてますけど、長さも毎回違うしね」

桜井「あれはちょっとやそっとじゃできないよね」

坂崎「うん、確かにあれこそがギター音楽の楽しい部分ですよね。アコギのアドリブで好きなだけずっと弾いていられるっていうね……桜井が待っててくれるならだけど(笑)」

桜井「ははは!でも俺にもふたりの緊張感が伝わってくるくらいだから、やっぱり聴いている人にもそれが伝わっていると思うしね。俺たちじゃないとできないでしょ。だってアコギであんなにパワフルな音を出すチューニングがわからないだろうし、あんなに固い弦で速弾きするやつらがいるってだけですごいことだよ」

高見沢「まあね。アコギってストロークを弾くだけじゃないからね。僕の場合はギターを叩いてフレーズを弾く時もあるから、緊張感は高まるね。壊れたりしないかって」

――そういう意味では、今回のシングルは、アコギあり、「THE AGES(夏の夢 Live Ver.)」でプログレな一面も見せていますし、ボーナストラックが文字どおりボーナスですよね。

高見沢「そうですね。さっきも言いましたけど、バンドってライブをやってなんぼですからね。そのために今後も僕は、どんどん新しい曲を書いてゆきます。とにかく一日も早くコロナが収まって、コンサートを始めないと桜井がベースを忘れちゃう(笑)。僕だってみんなの前で思い切りギターを弾きたいですからね。今は共に春を待ちましょう!それまで新曲を聴き込んでおいてください」

(おわり)

取材・文/高橋 豊(encore)





THE ALFEE「Joker -眠らない街-」
2020年12月9日(水)発売
初回限定盤A/TYCT-39144/1,100円(税込)
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THE ALFEE「Joker -眠らない街-」
2020年12月9日(水)発売
初回限定盤 B/TYCT-39145/1,100円(税込)
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THE ALFEE「Joker -眠らない街-」
2020年12月9日(水)発売
通常盤/TYCT-30117/1,100円(税込)
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