今回の改装の目玉は、グランドフロア(1階)を「ビューティー&ライフスタイルフロア」に再編成したことだ。「MaisonMargiela‘REPLICA’Fragrances(メゾン マルジェラ レプリカ フレグランス)」「Santa Maria Novella(サンタ・マリア・ノヴェッラ)」とパフューマリーブランド「LE LABO(ル・ラボ)」の3店舗が新たにオープンし、「BAUM(バウム)」「Jurlique(ジュリーク)」「NEAL’SYARD REMEDIES(ニールズヤード・レメディーズ)」「THREE(スリー)」の既存4店舗が移転改装を行った。また4〜6階で1992年9月から店舗を構える無印良品は、深澤直人のデザインディレクションにより、新生神戸バルに合わせた「無印良品」ならびに「Café&Meal MUJI(カフェアンドミール・ムジ)」を新装開店した。
2012年に誕生したメゾン マルジェラ レプリカ フレグランス。それぞれのシーンを再現した香りが人々の潜在意識に語りかけ、時や場所を超え記憶やムードを呼び覚まし、鮮明な香りの記憶の旅へ誘うフレグランスブランド。神戸バル店限定発売のオードパルファンを展開する。また今回のオープンを記念し、23540円(以下全て税込)以上の購入者、先着100名にオリジナルトートバッグをプレゼントしている。
「樹木との共生」をテーマに掲げ、檜を意味するスキン&マインドブランド「BAUM(バウム)」。今回の店舗デザインには、YUSUKE SEKI STUDIO を起用。バウムが掲げる「森との循環思想」を新たな視点から表現する試みにより、バウムが植樹活動を行う「BAUM ひのきの森」の土を混ぜ込み制作したブリックを店舗の中央に象徴的に配置している。また木に向き合うアーティストの作品を感じられるスペースを設け、樹木の多様な美しさを感じられる空間となっている。リニューアルオープンに伴い、バウム製品11000円以上の購入者を対象に、インセンススティックのノベルティーを先着順で配布している。
リニューアル店舗は、ぬくもりのある農園やガーデンより届けられた鮮度の高いアイテムから自分にぴったりのものを発見、出会いを体験提供するマルシェをイメージした。店内奥にある個室では、パーソナルなケアも体験できる。
今回、神戸バル店ではハイドレイティング ウォーターエッセンス +N (マスク付)、ローズ ハンドクリーム N エクスクルーシヴ エディション 75mL (限定)、ハンドクリームキット ローズ&フレッシュグリーンの期間限定アイテムを3種展開する予定だ。また8800円以上の購入でクレンジング・洗顔ミニセットとポーチを先着順で配布する
移転リニューアルしたスリーは、関西エリア初となるフレグランスを中心に展開するコンセプトショップ。従来のスリー定番アイテムのメイクアップアイテムはもちろんのこと、ホリスティックケアアイテムに加え、関西エリアでは初のエッセンシャルオイル、精油を使用したブレンドティーを展開している。リニューアルオープン直後には、アロマブレンドディフューザークラフト、スリーオリジナル精油などをもとに、「ベースノート」と「カスタムノート」を掛け合わせてつくる自分だけのアロマディフューザー作り体験を行った。価格はディフューザー込み5500円、所要時間15分程度。現状通年でこのサービス行なっているのはAROMARIUM THREE(日比谷直営店)のみだが、スリー神戸店では今後も定期開催する予定だ。
サンタ・マリア・ノヴェッラは1221年にイタリア、フィレンツェに設立された世界最古の薬局がルーツのフレグランスブランド。神戸エリアの出店は今回が初となる。内装はサンタ・マリア・ノヴェッラ教会(現在のフィレンツェ本店)内部で19 世紀末まで修道院薬局として人々を迎えていた部屋から着想を得てデザインされ、木目調の什器の温かみとともにブランドの歴史を今に伝える造りとなっている。特に壁を彩るミントグリーンは、本店と同じ色に統一された国内初の設えとなった。ソープやスキンケア製品はテクスチャーの好みや肌質に合わせて試せるよう日本初導入となる「fons(フォンス)」と名付けられたシンクも備えつけた。フォンスはラテン語で泉を意味する。また新規店舗オープンを記念して、香水のボトルに名前や記念日を刻印するエングレービングサービスや、購入者へ特別なギフトとして花びらや葉、蕾とともに優雅な香りを閉じ込めたワックスタブレットを先着順で用意している。
ニールズヤード レメディーズは1981年、ロンドンの中心部、コヴェントガーデンに英国初のナチュラルアポセカリー(自然薬局)をオープンした。同ブランドではハーブや植物がもつ自然の力を存分に引き出したエッセンシャルオイルやハーブティー、ナチュラルレメディー、これらをもとにしたナチュラルスキンケアのすべてが揃う。今回リニューアルした神戸バル店は「Blue is Green」をテーマとして、ナチュラルホワイトの清潔感溢れる心地よい空間に新たに生まれ変わった。また、環境に対する負荷を軽減すべく、可能な限り自然に還る素材やリサイクル・リユース、アップサイクル素材を活用、顧客から預かった空のブルーボトルもアップサイクルし、インテリアに使用している。製品づくりだけでなく店舗もサステイナブルなリニューアルとなっている。またリニューアルを記念し、ディフューザーバランシングセット11990円、オードパルファン フランキンセンス 8ml 5060円を発売する。加えて11000円以上の購入でワイルドローズハンドクリーム ミニサイズ 30ml、33000円以上の購入で 75 種の食材から生まれた酵素ドリンク、酵素アクティブプラス 300mlを先着順でプレゼントする。
舞踏会通りに面した路面店感覚の「LE LABO(ル・ラボ)」は、全国で20店舗目のオープンとなる。香水の街、南仏のグラースで起業し、ニューヨークで育ったスローパヒューマリーを標榜するル・ラボは、「わびさび」を愛し、ビンテージの什器やアバンギャルドながら古さを感じるランプなどを配し、粗い木目の床などで店の空気感を創り出している。フレグランスやキャンドルのラベルには、英数字23文字以内で好きなメッセージや名前をその場で入れることができるパーソナライゼーションサービスを提供している。商品名の数字は、使用している香料の数を表しており、一番人気はムスク調の香りがする「アナザー13」で1日中キープ力があるという。また欧米のインバウンドから絶大な人気を誇る白檀の香りを含む「サンタル33」なども用意している。
深澤直人デザイン監修で改装した無印良品
今回のリニューアルに伴い、無印良品神戸バルは、深澤直人のデザインおよび監修による店舗へと生まれ変わった。什器や内装のテーマは「木金土」。ふんだんに木質をあしらった什器と伝統的な材であるブリック(土)を柱と壁に用いることで、親しみを覚えるシンプルなデザインとなっている。さらに衣料品エリアでは、黒のスチール製ラックを入れ、金(鉄・スチール)で引き締める表現をしたという。また同店は無印良品のベーシックな衣服づくりを追求する実験室として日本国内およびグローバルの大型店を中心に展開している「MUJI Labo(ムジラボ)」の取り扱い店舗ともなっている。ムジラボは、24年秋冬商品からリニューアルしており、衣料品のものづくりの原点を見つめ直し、さらに進化させていくという。
無印良品が展開するカフェ・レストラン、カフェアンドミール ムジは、今回のリニューアルを機にホワイトを基調としたシンプルでリラックスできる空間へ一新し、メニューも新たに生まれ変わった。従来よりも座席数を増やし、ゆったりとくつろげるソファー席から子どもと並んで座れるベンチ席、景色を楽しみながらひとりでの利用にも適した電源付きのカウンター席など、シーンに合わせて快適に過ごせる複数の座席タイプを用意した。また旧来のデリスタイルでの提供から、出来立てのパンケーキや麺類などランチや軽食の提供スタイルに変更した。また食事以外でも気軽に立ち寄れるよう、新たに設置されたショーケースに約10種類のアイスクリームを取り揃えた。
写真/久保雅裕、神戸バル提供
取材/久保雅裕
神戸 BAL
新装開業日: 2024年10月25日
住所: 〒650-0021 兵庫県神戸市中央区三宮町 3-6-1
電話: 078-391-0501
営業時間: 11:00-20:00
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久保雅裕(くぼ まさひろ)encoremodeコントリビューティングエディター。ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。元杉野服飾大学特任教授。東京ファッションデザイナー協議会 代表理事・議長。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。2019年、encoremodeコントリビューティングエディターに就任。