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インスタライブの配信を本格的に力を入れ始めたのは、コロナのはじまった昨年3月くらいだというアダストリア。
それまでは、月1回配信するブランドもあれば、まったくやらないブランドもあった。
しかし、今では週1~2回の配信が平均で、やっていないブランドは無いという。
スタート当初は、ブランドによって配信のやり方もまちまちだったそうだ。
「コミュニケーションの取り方、お客様の購買意欲がわくような商品の説明方法などで反応のあった方法、商品をブランドにヒアリングして、"勝ちパターン"という形で細かいマニュアルを作りました」とは、広告宣伝部で社内のインスタライブの動向を分析している川村さん。
「配信によって激的に売り上げが上がる現状ではありませんが、新商品を知ってもらう機会になっていたり、そこから自社のオンラインストア".st(ドットエスティ)"への導線づくりのきっかけにはなっていると思います」と語る。
定期的にサンプリングするカスタマーズボイスでは、インスタライブに対する意見や要望が多数寄せられている状況で、「お客様側も一定のニーズを感じていると思います」と言う。
そういった流れから低身長の人に向けた配信など、テーマ別でより視聴者を絞った企画を開始するなど、現在は様々なライブ配信に挑戦中だ。
配信日時は、ブランドや商業施設のキャンペーンなどのスタートが週の後半が中心ということもあり、木曜日、もしくは金曜日の夜20時台が多いという。
「ご飯を食べてからお風呂に入る前のゆっくりされている時間帯に見るとか、お子さんを寝かせてから見ている方が多いようです」と川村さん。
ただ、レプシィム ブランドプレスの本間さんによると「昼の配信は視聴者数が夜より低いのですが、コメントはより活発なことも」とも。
現在、配信は本社内のスタジオか、社内カフェの「A CAFE」が中心だ。
ただ、ブランドのインスタライブとは別に、ドットエスティ内にあるスタッフボードと呼ばれるショップスタッフのスタイリングコンテンツで、全国の人気スタッフが登場する、ブランドを横断した商品紹介などを中心としたインスタライブは店舗からやっているそうだ。
またカスタマーから寄せられた「ドットエスティとインスタライブの行き来が面倒」という意見から、ライブコマースのプラットフォームを社内オンラインストアのドットエスティに組み込んだ「ドットエスティライブ」の配信をテスト的に開始した。
「現在、毎週木曜日に配信していますが、ドットエスティライブとインスタライブを同時配信し、検証をしている段階です。まずは併用しながら、勝ちパターンを見つけていきたいですね」と川村さん。
一方、40~50代の女性がターゲット層というレプシィムのインスタライブはコロナ禍から本格的にスタート。
「ブランドとしては"配信1回での売り上げをどのくらい作れるか"よりも、このコロナ禍での来店や試着をためらわれるお客様に向けて、"どれだけコミュニケーションができるか"の部分に重点を置いています」と本間さん。
さらに、インスタライブ開始前には、事前に「何を見たいか?」というようなアンケートも取っているという。
「レプシィムは、この春からコスメライン"SEN AMU(センアム)"がスタートしたり、華奢な大人のためのXSとSサイズだけの新ライン"FOR I SERIES(フォー アイシリーズ)"なども始まったこともあって、それぞれのコンテンツに合わせて、お客様が見たい情報をこちらで考えて、伝えて、相互コミュニケーションをとっていく、その部分を大事にしていきたいと考えています。だから"どういった形にすれば伝わるのか"が現状の課題ですね」。
インスタライブでは、ぱっと見の可愛いさではなく、素材感やストレッチ、機能や洗濯の可否などの質問が多いという。
「プレスの私たちだけではなく、MD担当の人たちも見ているので、商品開発の面でも参考になります」と本間さん。
今後の課題として、「私に関しては、お客様にとってドットエスティライブを、より有意義なものにしていくことが直近の課題ですね。映像のクオリティーしかり、コンテンツしかり、買いやすさのUX(ユーザー体験)の部分も追求しながら、お客様にとって価値あるライブという部分を追求していきたいです」と川村さん。
また本間さんは「お客様とのコミュニケーションをより深いものすることで、"お客様とスタッフが集まれる場"にできたらいいですよね。あとは、昼の時間帯の配信にチャレンジしたり、コスメや生活雑貨などライフスタイルの提案、身長別の提案や体型のお悩みに答えるような配信だったり、マタニティーや子育て中の方へ向けた配信など、お客様のライフスタイルに寄り添った配信を設計したいです。レプシィムはお客様のライフシーンに寄り添うブランドがコンセプトですので、新しいことにどんどんチャレンジしていきたいですね」と、今後のブランドとしての配信に関する課題を話す。
ライブ配信、そしてライブコマースは、様々な可能性を秘めた、まだまだこれからの新しいコミュニケーションツールなのだ。
(おわり)
写真/遠藤純
取材/久保雅裕
取材・文/カネコヒデシ