8月29日に誕生日を迎えたモダン・ジャズのパイオニアであるチャーリー・パーカー。彼の1941年から1951年までのほとんど聴かれたことがなく、中には存在すら知られていなかった珍しい録音ばかりをラインナップしたアルバム『バード・イン・カンザスシティ』が11月6日にリリースされることとなった。
この作品では、ジェイ・マクシャン・バンドのソリストとして才能を開花させたチャーリー・パーカーが、その後数十年にわたって優れたジャズ・アーティストとしてジャズ界を席巻した進化の過程をとらえている。
なお、先行シングルとして「チェロキー(フィル・バクスター・ヴァージョン)」が配信リリースされている。
今作のプロデュースとライナーノーツを執筆したチャック・へディックス(学者であり、チャーリー・パーカーに関する評伝「バード チャーリー・パーカーの人生と音楽」の著者)は先行配信されている「チェロキー」について
「レイ・ノーブル作の「チェロキー」はバードのお気に入りの曲の一つだった。ライヴに遅れて現れると、彼はいつもエントランスから「チェロキー」を演奏しながら華々しく登場したものだ。明るいテンポで演奏され、チャーリーはメロディアスなソロでこの曲の難しいコード・チェンジを巧みに操り、羽ばたくのだ。」
と語る。
今作はマクシャン・バンドとの未発表曲に加え、チャーリー・パーカーの友人であるフィル・バクスターの自宅、また、ヴィック・ダモーンのスタジオで地元ミュージシャンと録音された2つのプライベート・レコーディングが収録されている。これらのレコーディングの中でチャーリー・パーカーは非常にリラックスし、伸びやかなサウンドを披露しており、まるで彼の後に続くジャズの形を示しているかのようだと評されている。
これらの珍しいレコーディングの数々の中心にあるのは、故郷カンザスシティである。パーカーは1941年に故郷のカンザスシティを離れて以来二度とそこに住むことはなかったが、彼にとって深く重要な場所であり続けた。パーカーの故郷に対する複雑な感情は人種差別の歴史とそこに住む家族や友人たちとの強い絆に起因したものだった。旅の合間には頻繁に帰郷しており、そのような時期にこれらのレコーディングが行われた。
■リリース情報
チャーリー・パーカー
AL『バード・イン・カンザスシティ』
2024年11月6日リリース (※輸入盤、デジタル・リリースは10月25日リリース)
UHQ-CD:UCCV-1208 \3,300(tax in)
https://Charlie-Parker.lnk.to/BirdinKansasCityPR
収録曲目:
1. バード・ソング #1
2. バード・ソング #2
3. バード・ソング #3
4. チェロキー(フィル・バクスター・ヴァージョン)
5. ボディ・アンド・ソウル(フィル・バクスター・ヴァージョン)
6. ハニーサックル・ローズ
7. パーディド
8. チェロキー(ヴィック・ダモーン・ヴァージョン)
9. マイ・ハート・テルズ・ミー
10. アイヴ・ファウンド・ア・ニュー・ベイビー
11. ボディ・アンド・ソウル(ヴィック・ダモーン・ヴァージョン)
12. マージー
13. センチになって
〈パーソネル〉
M1~M7:1951年7月 ミズーリ州カンザスシティ、フィル・バクスターの自宅にて録音
チャーリー・パーカー(as)、不明(b)、不明(ds)
M8~M11:おそらく1944年6月 ミズーリ州カンザスシティ、ヴィック・ダモーンのトランスクリプション・スタジオにて録音
チャーリー・パーカー(as)、エッフェルジ・ウェア(g)、エドワード・“リトル・フィル”・フィリップス(ds)
M12, 13:1941年2月6日 録音
ジェイ・マクシャン・アンド・ヒズ・オーケストラ