戦後60年(2005年)に広島・原爆ドーム前で原爆で亡くなった少女の思いを歌った「死んだ女の子」(坂本龍一プロデュース)の歌唱と配信リリース、戦後70年(2015年)には平和をテーマにしたカバーアルバム『平和元年』のリリースと、20年に渡り平和への思いを歌に託してきた歌手・元ちとせ。

戦後80年を迎えるこの夏、新たに「忘れない〜繰り返さない」というメッセージを込めておくるのが、ザ・フォーク・クルセダーズのカバーなどで知られる名曲「イムジン河」。イムジン河(臨津江)とは韓国と北朝鮮の国境近くを流れる川で、歌詞の中では南北朝鮮分断の悲しみが歌われている。しかし、国境・人種・宗教・思想など、様々な事情で人と人を隔てるもの=《イムジン河》は朝鮮半島に限らず世界中どこにでも流れていて、小さな諍いから戦争まで、数多の争いを生んでしまうが、故郷への思い、大切な人やものを守りたいという気持ちは皆同じだろう。

今年、日本は終戦から80回目の夏を迎える。

昨年には核のない世界を目指して尽力してきた被弾協(日本原水爆被害者団体協議会)にノーベル平和賞が授与され、世界的にも大変注目を集めた一方で、世界では未だに争いが起き、今この瞬間にも危険や脅威に晒されている人々がたくさんいることに胸が締め付けられる。国内の戦争体験者は減り、戦争を知らない、とりわけ若い世代には、今この瞬間に起きている戦争も映画やゲームの中の別世界のことのようで、どこか自分には関係のない出来事に感じられているかもしれない。記憶は風化の一途をたどっている。

そんな今、「地上の境界線に縛られることなく、空を自由に行き来する水鳥に平和への思いを託す」というこの曲が、元ちとせが平和のテーマとして掲げてきた【忘れない、繰り返さない】という強いメッセージとともにリスナーの心に届き、一人ひとりが改めて平和について考えるきっかけとなることを切に願っている。

2023年、共に「死んだ女の子」を届けてきた坂本龍一さん、作曲者の外山雄三さんが、昨年には『平和元年』収録曲「死んだ男の残したものは」の作詞者で詩人の谷川俊太郎さんも惜しまれつつこの世を去った。先人たちの経験と思い、平和の尊さを、命の大切さを次世代へ伝えていく使命のバトンを、私たちは受け継いだのだ。

「イムジン河」
作詞:朴 世永 訳詞:松山 猛 作曲:高 宗漢 編曲:加藤和彦 / 佐藤洋介
©2016 WATANABE MUSIC PUBLISHING CO., LTD.

●2025年8月8日(金)配信リリース
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https://umj.lnk.to/imjinR
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【Profile】                                       

元ちとせ(はじめちとせ)
1979年、鹿児島県奄美大島出身。
2002年『ワダツミの木』でメジャーデビュー。故郷・奄美大島の伝統民謡“シマ唄”をルーツに持ち「その声は、100年にひとり。」と称される歌声は世間に衝撃を与えた。唯一無二の歌声は海外からも絶賛され、Deep Forest、ザ・チーフタンズ、スライ&ロビーといった名だたるアーティスト達との共演を果たすなど、ジャンルも国も超越した様々なステージで存在感を放ち続ける、日本を代表する女性シンガーのひとりである。
坂本龍一プロデュースの反戦歌「死んだ女の子」をはじめ、歌を通じて平和への願いを伝えていくことをライフワークのひとつとしており、2015年にリリースしたカバーアルバム『平和元年』は第57回日本レコード大賞企画賞を受賞した。
2022年2月、メジャーデビュー20周年を迎え、「えにしありて」をデジタルリリース。7月にオリジナルアルバムとしては実に14年ぶりとなる5thアルバム『虹の麓』をリリース。2023年2月に「元ちとせ 20th Anniversary Special Live」(東京・EX THEATER ROPPONGI)を開催、ゲストに折坂悠太・山崎まさよし・岡本定義(COIL)を迎え、20周年イヤーを盛大に締め括った。
世界自然遺産に登録された故郷・奄美大島の独自の文化であり自身の音楽の原点でもある奄美民謡“シマ唄”を次世代に受け継いでいく語り部の一人としても広く注目を集める。近年は伝統的なスタイルだけでなく、現代音楽的なアレンジやリミックスといった新しい解釈で楽しめるシマ唄の追求にも注力しており、シマ唄をフィーチャーしたライブも開催。現在も奄美大島に生活の拠点を置きながら、全国各地でのライブなど精力的に活動を続けている。

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