2nd Full Album『JUST』携え、全国ツアー『Bray me TOUR 2026 “JUST GO”』を開催したBray me。2月にスタートし、全国21ヶ所を回ったツアーの最終公演となったのは、6月27日(土)、恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライヴだ。ソールドアウトで迎えたライヴ当日は、SAKKO(Ba/Cho)がMCで語った言葉を借りれば、「Bray meにとって一番大きいキャパシティのライヴに、台風が張り切って2つも来ちゃった」という状況。残念ながら会場に来ることができなかったオーディエンスにも感謝を伝えながら、4人は目の前にいる一人ひとりへ、自分たちの音楽を熱く届けていた。
場内が明るいまま、SAKKO、ありさ(Dr/Cho)、イトウアンリ(Gt/Cho)、こたに(Vo/Gt)の順でメンバーがステージに姿を現すと、フロアから拍手と歓声が上がる。イトウが手を挙げると場内が暗転。瑞々しくも疾走感のあるギターフレーズを弾き始める。アルバム『JUST』でもオープニングを飾っていた「GO」から、この日のライヴは幕を開けた。イトウのギターに合わせてこたにが力強く歌い出し、SAKKOの伸びやかなベースと、ありさが力強く踏み鳴らすバスドラムが加わっていく。そしてオーディエンスが〈JUST GO〉と歌うと、音が勢いよく弾け、場内の熱気が一気に高まった。こたには超満員のフロアを隅から隅まで見渡し、そこにいる一人ひとりをめがけてメロディを投げかけていく。そこから「ボーダーライン」「Carry on」と間髪を入れずに曲を繋げていき、“JUST”“GO”のコール&レスポンスから「人間らしく」へ。迷いながら、ビビりながら、間違いながらでもいい。ありのまま歩いていこうと、聴き手に寄り添う人間讃歌だ。4人がステージから放つ音は、とにかく熱くてパワフル。それでいて、包容力や温かさも帯びている。こたにの歌声に呼応するようにフロアから大合唱が起こる中、イトウはステージ前方へ躍り出て、ギターソロを高らかに響かせていた。
この日のライヴでは、『JUST』の収録曲を余すことなく披露。「D.S.M.」では後ろノリのグルーヴでフロアを揺らし、続く「One Two Three」では、前のめりな勢いでヒリヒリとしたバンドサウンドを轟かせていく。小さな身体で懸命に羽をはためかせ、大空を飛んでいく光景を描いた「ツバメ」や、今を生きる中でふと胸に湧き上がる郷愁をエモーショナルに鳴らした「Remember my town」といったミディアムナンバーも、胸を熱くさせた。その余韻をさらに膨らませるように届けられた「シンガソング」では、タイトルの通り、この日何度目かとなる大合唱がフロアから巻き起こる。ここにいる全員が、その瞬間を噛み締めていた。
また、この日は7月1日に配信リリースされる新曲「Maybe」も披露された。パンチの効いたサウンドでありながらも、ほどよく肩の力が抜けていて、気持ちを軽くしてくれるような空気が漂っている。中でも印象的だったのが、<そもそもロックとかなんかもう よく分かんなくなってきて でも始めからずっと どうでもよかったのかも>という歌詞だ。これまで楽曲とひたすら向き合い、バンドを続けてきたからこそ辿り着いたひとつの気づきのようでもあり、自分の奥底にずっとあり続けたものを改めて確かめた言葉のようでもある。それは『JUST』という作品を作ったからこそ紡ぐことができたのだろう。この日披露された「君の唄」の前に、こたにはこんなことを話していた。
こたに「結局、歌いたいことはあの頃から何も変わっていなくて。きっと大事なものは、この先もう変わることはないんじゃないかなって。『JUST』というCDが存在してくれたおかげで、事実としてすごく安心できました」
「君の唄」は今から10年以上前に作られ、今回アルバムに収録するにあたって再録された曲だ。〈君が主役の物語りさ〉〈君が選んだBGMは側にいるよ〉と、4人は語りかけるように音を鳴らしていく。曲を書いたこたにはもちろん、メンバー全員のその思いが年月を重ねる中でさらに深まってきたことが、骨太なバンドサウンドの一音一音から、はっきりと伝わってきた。続けて4人は、薄明かりの中で「Layer」を鳴らす。ここまで積み重ねてきたもの、きっと忘れてしまったもの、選んだもの、選ばなかったもの──今のBray meを形作ってきた、そのすべてを愛おしむように音を鳴らし、歌を歌う。こたには『JUST』という作品について、「血が通っていて、とてもリアル」と話していたが、まさに、こたにという人間とBray meというバンドを、混じりっけなく、そのまま鳴らしている作品なのだということを強く物語る場面でもあった。
こたに「私は、私たちはBray meというバンドがすごく大好きです。すごく大事です。すごく誇りに思っています。だからシンプルに、失くしたくないんだよね。Bray meというバンドを守っていきたいなって思いました。戦おうと思います。そう思わせてくれたのは、間違いなく目の前にいてくれる君がいるからです。どうもありがとう」
そう告げた後に鳴らされたのは、「夜明けの先に」だった。<誰かを悪者にしないと 気が済まない世界>で、<ひとりぼっちの夜>に、<置いてけぼりの朝>に寄り添い、そっと顔を上げさせてくれる。こたには「どういうふうに見えているかはわからないけど、私は自分のことを弱いと思ってる。でも、音楽と一緒なら、まぁどうにか生きていけんじゃねぇかなって思ってます」とも話していたが、そういう人だからこそ紡ぐことのできる言葉たちだと思う。そこには揺るがない意思がある。けれども、決してガチガチに凝り固まっているわけではなく、とてもしなやかで、だからこそ簡単には折れない。優しくて、強い歌だ。
そして、「今日この旅を終えて、私たちは新しいスタートを切る。このまま大事なものは変わらない。どこまでも行こうぜ!」とこたにが叫び、「ARE YOU READY」へ。新たな旅路を照らすように七色のライトが輝く中、4人は豪快に音を高鳴らす。さらに満面の笑みを浮かべながら「PLAY」をぶちかまし、熱狂の中でライヴを締め括った。
Bray meは、新曲「Maybe」を7月1日に配信リリースする。また、『Bray me official FC ~ブレの村~』が開設されることも、この日発表された。さらに、2026年11月8日(日)には、東京・虎ノ門ニッショーホールでワンマンライヴを開催することも決定。各地のフェス/イベントへの出演も続々と決まっており、そこでも4人は、目の前にいる一人ひとりへ向けて音を鳴らす。そうやってBray meの旅は、これからも、どこまでも続いていく。
(おわり)
取材・文/山口哲生
ライブ写真/MAYUMI
Bray me TOUR 2026 “JUST GO”TOUR FINALSET LIST
1. GO
2. ボーダーライン
3. Carry on
4. 人間らしく
5. エビデンスロード
6. D.S.M.
7. One Two Three
8. 魔法のように
9. サイダー
10. SEEKER
11. ツバメ
12. イエスタデイ
13.Maybe(7/1リリース・シングル)
14. Remember my town
15. シンガソング
16. 春の唄
17. Layer
18. 夜明けの先に
19. ARE YOU READY
20. PLAY
-2026年6月27日(土) 恵比寿LIQUIDROOM
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION
Bray me ONE-MAN LIVE 2026 at NISSHO HALL
2026年11月8日(日) 東京 虎ノ門ニッショーホール
開場 16:00 / 開演 17:00





