”ハイパーポップ”はアヴァンギャルドな電子音を使用した実験的なサウンドと、耳に残るキャッチーなメロディやハーモニーの組み合わせが特徴で、POPのサブジャンルとして2010年代後半からインターネットを通じて世界各国で広がりを見せている音楽だ。
日本国内のシーンも、アニメ・ゲームとの親和性から近急速に勢いを増しており、ハイパーポップに特化した音楽フェスが開催するまでに盛り上がりを見せている。
そんななか、ビクターは新たな試みとして”ハイパーポップ”をフィーチャーしたイベント「VICTERA」を発表。コンクリートジャングルに囲まれた地下空間に今までのハイパーポップイベントとは違った”ワンランク上の高揚感”を届けた。
お盆前の連休、かつ全身が溶けるような灼熱のなか、約600人のファンが旗揚げ公演を見届けに集った。超満員の東京・Veats Shibuyaはそれ以上の熱気を体感するような大盛況。そんな記念すべき公演をビクター所属の4s4kiやSTARKIDSをはじめ国内外で注目を浴びる10組のアーティストが彩った。
オープンと同時にdiscordsquad2 (fogsettings&ikill)によるソリッドなDJセットで幕を開けたVICTERAは、続いてBHS Svve、kegøn、AssToro、Lilniina、TEMPLIME、142clawz (hirihiri&lilbesh ramko)、STARKIDSとノンストップで息つく暇もないステージが繰り広げられた。ハイスピードのトラックに暴力さや高揚感、そしてキャッチャーさと各アーティストの個性が光るサウンドにフロアは身を委ねた。VJは岡本斗志貴。文字列と図形を組み合わせた抽象的かつ前衛的なグラフィックで熱狂の渦を作った。
怒涛のノンストップ・パフォーマンスが終わると思いきや、急遽出演が決まったスペシャルゲスト・Mega Shinnosukeが登場。本人の呼びかけでスマホ画面に夢中になっていたファンは彼の「ライブ」を焼き付けようと一気にステージに目を向け、フロア全体が彼の創り出す世界観に惹き込まれた。ギターサウンドが入りライブ感が増した空間で、会場は心地良さとともに一体感に包まれた。
そして、ハイパーポップの先駆けともなった4s4kiの登場で会場は割れんばかりの大喝采、VICTERAはフィナーレへと向かった。国内外で注目を集める彼女はリリース前の新曲を含めた11曲を披露。今年の初めの休養明けから精力的にフェス等に出演しているが、全身で音楽を楽しむ無邪気な表情がフロアのギアを上げてくれる。「今日出演した子達みんなカッコよくない?こういう音楽がいま日本にあることが私は誇らしい!」と幸せそうに暴れる4s4kiのパフォーマンスは、今の日本のハイパーポップを象徴するようなものであった。
こうして、「VICTERA」は初公演にもかかわらず大盛況にして幕を閉じた。さらにバージョンアップする音楽とともにイベントも進化していくのだろう。「VICTERA」はまだ始まったばかり。今後の動きからもますます目が離せない。
また、ハイパーポップファンを虜にした新鋭的なイベントの次回公演が、早くも来年3月に恵比寿・LIQUIDROOM にて開催が決定。「VICTERA PETA」として、さらにグレードアップして再び熱狂の渦を生み出してくれるだろう。
ラインナップ、チケット販売等詳細については、後日オフィシャルInstagram・X(旧Twitter)にて発表する。
次なるステージに向けて期待していただきたい。
「VICTERA PETA」
日程:2025年3月19日(水)
場所:LIQUIDROOM https://www.liquidroom.net/
主催・企画制作:ビクターエンタテインメント