ライブ活動休止の期間を経て、ソナーポケットが帰ってきた――。
会場を埋め尽くすファンたちの期待と熱気の中、待望の全国ホールツアー『Sonar Pocket Live Tour 2025 ―手紙―』が、5月23日、埼玉・戸田市文化会館にて幕を開けた。

2024年6月、ko-dai(Vo.)の発声障害の治療のためにライブ活動を休止したソナーポケット。そこから約1年。再びファンの前に姿を現し、活動再開への第一歩を踏み出したこのライブは、まさに“帰還”を感じさせる、温かくそして濃密な時間となった。


静まり返った会場に、ピアノの生演奏と共にオープニング映像が流れ出す。
インタビューの中でメンバーが口にした言葉が、まっすぐ胸に届く。

「お客さんがいる前で歌えるのは、すごく特別なこと」(eyeron)
「ようやく家に帰れる。そんな気持ちでステージに立ちます」(ko-dai)

“完全復活”ではなく、今の等身大の姿で届けるツアー。その幕が上がった。

最初に披露されたのは『大切な人へ。』。
“伝えたい、あなたに「ありがとう。」を――”という歌詞が、メンバー直筆の文字でスクリーンに映し出される。
ステージに立つ3人の姿に涙を流すファンの姿も見受けられ、観客の歌声が会場中を埋め尽くしていく。

続けて、ピアノとko-daiの優しい歌声で『ラブレター。〜いつだって逢いたくて〜』へ。
一言一言を丁寧に紡ぎながら、彼らは心の奥にある想いを届けていく。

 

ライブ活動休止の間、発声を一から見直し、懸命にトレーニングを積み重ねてきたko-dai。
同じく、音楽と改めて向き合い、スキルアップに励んできたeyeron。
40代を過ぎた彼らの、再び音楽を楽しむ気持ちが会場を包み込む。

3曲目が終わると、ko-daiの「ただいま」という一言からMCが始まる。

「またこうしてみんなの前で歌えることが、幸せです」(ko-dai)
「3人で音楽ができることが、本当に幸せです」(eyeron)

再会の喜びと、今この瞬間をかみしめるような言葉に、客席からは自然と拍手が起こる。
うっすら涙を浮かべるファンの姿も見受けられた。

 

今回は、ライブ定番の失恋ソングやアップテンポの盛り上げ曲をあえて封印。“今の想い”を一通一通の手紙のように、言葉とメロディーに託して丁寧に届けていくセットリストが組まれた。
ピアノやアコースティックギターの生演奏が加わり、これまでとは異なる、新たな“ソナーポケットのライブ”が形作られていく。

夜の演出に包まれたステージ。ソファに腰かけたko-daiがルームランプに明かりを灯すと、matty(DJ)のギターと共に『静かな夜空であなたと繋がった』へ。
彼もまた、ライブ休止期間中にギターのテクニックを磨いていた。
今回のツアーでは、冒頭からギターの演奏が何曲も続き「今回はDJという役割を超えて、みんなに思いを届けたい」と語った言葉通り、その音色はまっすぐに響いていた。

 
ライブの中盤には、観客から寄せられた”大切な人へ”の手紙を代読や、『世界で一番ステキな君へ。』のピアノアレンジバージョンを披露。
楽曲と共に景色は夜から朝へ、これまでの思い出を辿るように季節も移ろいでゆく。

終盤、ko-daiは自身の想いを言葉にした。

「自分の歌声に自信をなくしていた日々の中で、待ってくれる皆がいなかったら、きっと歌うことをやめていたと思う。トレーニングを重ねた歌声もそうだけど、何より“歌うことが大好きだ”と、心の底から思えるようになりました。」

これまでの苦悩と、そして未来への希望がにじんでいた。

 
アンコールでは、活動再開と同時にリリースされた新曲『ここに在る』を初披露。
ko-daiを支えるべく、mattyが初めてメインの歌唱パートに挑戦し、eyeronとともに優しく歌い上げると、想像を超えるmattyの歌唱力に会場からは驚きの声が上がり、ソナーポケットの新たな一面が垣間見える瞬間となった。

演奏後、「ko-daiも一緒に、いつか3人で歌いたい曲です」というeyeronの言葉に、客席からは温かい拍手が送られた。

 立ち止まる時間は、彼らが今立っている場所や応援してくれる存在が、当たり前や永遠ではないと気づくきっかけとなった。
今回のツアーは、彼らの音楽の原点に還り、"言葉"と"メロディー"の力を改めて感じさせるものだった。華やかな演出や派手なパフォーマンスはなくとも、3人の音楽への真摯な姿勢とファンへの感謝の気持ちが、会場全体を包み込んでいた。

彼らがこのツアーで伝えようとしているのは、“変わらず応援してくれるあなたへ”というシンプルで真っ直ぐな想い。
ライブを通して終始ファンが一緒に歌い続けるその姿は、まるでko-daiたちをそっと支えているようで、その光景こそが、ソナーポケットとファンがこれまで築いてきた"絆の証"なのだと感じさせてくれた。

このライブを体感すれば、きっと「会いに行ってよかった」と思えるはず。
ぜひその目と耳で、そして心で、彼らの“今”を受け取ってほしい。

 Photo by @mmelonpan

『Sonar Pocket Live Tour 2025 ―手紙―』

5月24日(土)【埼玉】戸田市文化会館
6月8日(日)【東京】昭和女子大学 人見記念講堂
7月12日(土)【福岡】福岡国際会議場 メインホール
7月19日(土)【栃木】小山市立文化センター 大ホール
8月10日(日)【愛知】Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
8月11日(月・祝)【大阪】グランキューブ大阪 メインホール

ツアー特設サイト
https://www.sonapoke.jp/special/tour2025/
チケット(一般発売 / 先着)
https://sonarpocket.lnk.to/tegami

ソナーポケット オフィシャルサイト

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