2026年5月9日(土)、なかZERO大ホールにて、下野朗読サウナ』〜桜木〜」開催された。本作は、約1年前に上演され大好評を博したサウナ男子朗読劇「サウナ『サ』」待望。出演は前回に引き続き、下野小野大輔、土岐隼一3名。劇中では前作から「2年後」という設定で、それぞれ成功を収めつつも新たな試練に直面する様描かれた。朗読劇というフォーマットを軽々と飛び越え、アドリブとフィジカルなアクション乱れ飛ぶ爆笑コメディから、息を呑むようなシリアス展開まで、3人役者として圧倒的なポテンシャルと絆深さを堪能できた極上エンターテインメント。今回は、そんな笑いと感動に包まれた公演模様をレポートする。

 開演前、ステージ上スクリーンには前回ダイジェスト映像映し出されていた。映像を見なら約1年前記憶を呼び起こすことできる粋な仕掛けに、客席からは早くも笑い声漏れており、会場全体サウナように温まり、物語世界へ入り込む準備は万端といった様子だ。

 いよいよ開演。舞台上には、左手にサウナ座台、右手に外気浴用テラス設置され、中央フリーゾーンという前回同様セット組まれている。まずは中央に立つ下野にピンスポット当たり、「ここに、サウナ『サ』という本ある」と静かに語り出す。土岐演じる売れない小説家「齋藤」書いたエッセイ本バカ売れし、小野演じる「佐野」サノサウナは予約困難な聖地に。そして下野演じる「桜木は実家定食屋で修行中という、前作から2年後状況説明されていく。

 冒頭キャラクター紹介から、すでに3人エンジンは全開だった。下野ナレーションに合わせて小野にスポット当たると、小野は渾身キメ顔を披露して最初笑い起きる。続けて土岐紹介されると、土岐は女豹ようなキュートなポージングで応え、客席からはさらに大きな笑い声キメ顔とポーズだけでこれだけ笑いを誘えるは、観客すでに彼らキャラクター性や関係性を熟知しているからこそだろう。さらに下野は、冒頭から「ここ開場時間、終わっちゃうよ。みんな帰れなくなるよ」といきなりメタ発言を投下。冒頭から一気にヒートアップする空気感に、前回を超えるコメディ劇を見せようというキャスト陣並々ならぬ意気込みヒシヒシと伝わってきた。

 サノサウナに久々に集結した3人。桜木東京に支店を出すために上京してきたという喜ばしい報告ち、何気ない会話から「カレーに合う飲み物」について論争勃発する。ここで佐野に完璧に論破されてしまった下野(桜木)は、突然キツツキように身体を前後に動かしなら「なんで整うっていうー?」と強引に話題を転換。下野奇妙な動きに小野と土岐も瞬時に同調し、3人揃って謎「キツツキポーズ」を披露すると、会場からは大きな拍手巻き起こる。

 随所にアドリブを挟み、時折台本から大きく逸脱してコメディに走るスタイルは前回以上に研ぎ澄まされている。スキあらば手数を繰り出す小野に、ここぞという時に鋭いボケを放つ土岐。そして、そんな二人に振り回されなら、ボケにツッコミにと大立ち回りを演じる下野。一方で、自身アドリブ芝居に思わず照れて顔を伏せてしまった下野に対し、小野「大丈夫か?」「やれるな?」と優しく声をかけるなど、3人素顔関係性垣間見える瞬間も。キャラクターとキャスト本人境界線どんどんと曖昧になっていく、こ朗読劇ならでは醍醐味に、観客はぐいぐいと引き込まれていく。

 小気味よいコメディ続く中、前半ハイライトとも言える劇中劇「裏切りサウナハンター」コーナーへ。ここで土岐から「テーマソング歌唱」を無茶振りされた下野。客席から「待ってました!」と言わんばかり歓声と手拍子に応え、覚悟を決めた下野披露した即興ソングは、なんと約1分間にも及ぶ大作だった。静かなメロディから入り、サビに向けてエモーショナルに展開していく見事な構成力は、即興とは思えないほどクオリティで、圧倒的な歌唱力に会場からは惜しみない拍手送られた。またこ劇中劇では、ゲスな悪役をノリノリで演じる小野と、王道熱血ヒーローを演じる下野掛け合い見どころ。しかし、ここで最も観客視線を奪ったは土岐だった。「スクール水着を着た一般人少年」という破天荒すぎる役柄をコミカルに演じきっただけでなく、高速ナレーションや効果音再現、果てはオペラ歌手ばりハイトーンボイスまで見せつけ、多彩なスキルを遺憾無く発揮していた。

 しかし、物語はここから一気にシリアスな展開へと舵を切る。なんと桜木、出店資金3000万円をコンサルタント(詐欺師・宇田川)に持ち逃げされてしまっただ。絶望中、雨に打たれなら家路を歩く桜木モノローグ。下野シリアス100%鬼気迫る芝居は、それまでコメディ一色だった空気を一変させ、観客も息をするを忘れるほど固唾を呑んで見守っていた。役者・下野凄みをまざまざと見せつけられた瞬間である。

 だ、そんな重苦しい空気も長くは続かない3人だ。佐野と齋藤用意した「詐欺師宇田川サンドバック(等身大人形)」を使った憂さ晴らしシーンでは、小野と土岐による身体を張ったプロレス芸炸裂。土岐見事なロメロ・スペシャルを決めれば、小野は豪快なブレーンバスターを披露。特に小野ブレーンバスター際には、土岐巧みな煽りによって会場全体から「テリー!」コール巻き起こるなど、もはや朗読会場とは思えない熱狂空間と化していた。

 結局、佐野と齋藤「サノサウナ隣に定食屋桜木を併設する」という粋な提案により、再び前を向く桜木。「くさや」や「ミラージュ」など、前作からファンをニヤリとさせるキーワードも飛び出しつつ、3人絆はより強固なもとなっていく。こうして迎えた最後にして最大盛り上りは、劇中劇「裏切りサウナハンター パート5」。新たな悪役として君臨する小野と、土岐クセ強すぎるナレーションによって、ステージ上はカオス状態に。そんな限界突破テンション最後を締めくくったは、やはりヒーロー・下野だった。絶体絶命ピンチに陥った下野は、ステージ奥へと移動して大きく股を開く。すると、背後スポットライト下野股間越しに強烈な光を放ち、「天に轟け!真っ裸熱波ーーー!!」という必殺技シャトと共に照明は最大光量に。こ衝撃的な「股間ビーム」演出に、会場中からこ日一番爆笑と大拍手巻き起こった。小野もまた「おんぎゃああああああああーーー!!」という見事な断末魔を叫んで倒れ込み、大熱狂まま本は終幕となった。

 本終了後、観客席に深々とお辞儀をして一度降壇した3人は、すぐにステージへと戻りアフタートークへ。開口一番、下野口にしたは「カレーに牛乳、合います」という爆弾発言。劇中では「カレーには水」と頑なに主張していた桜木下野自身は牛乳派だったため、演じならずっとモヤモヤしていたと告白。するとすかさず小野「僕、お水派なんです(笑)」と暴露し、キャラクターと本人好み完全に逆転していたという事実に会場は笑いに包まれた。

 そして話題は当然、最後下野「股間ビーム」演出へ。実はこシーン、リハーサルで下野相当なこだわりを見せ、立ち位置と姿勢を何度も調整し、ベストポジションに「バミリ」までつけて臨んだというプロフェッショナル(?)な裏話明かされた。さらに、土岐と小野見せ場であった人形とプロレスシーンも、リハーサルで何時間もかけて見え方を研究したという。小野ブレーンバスターから「3カント」流れは台本にはない完全アドリブだった音響スタッフ急遽ゴング音源を用意してくれたという裏話も飛び出し、演者だけでなく裏方スタッフも含めたチーム全体熱量と連携晴らしさ伝わってきた。

 最後は、キャスト3人から観客へメッセージ。土岐は「下野さんと大輔さんとやらせていただくは本当に楽しくて、毎回刺激を受けています」と語り、「ぜひ「サウナ『ナ』」をやりたい!」と次回作へ熱い思いを口にする。これには下野も「ここまで来たら、やらざるを得ない気する」と激しく同意。小野も「こ3人だと無限に楽しい時間作れる」と振り返り、下野と土岐を「心強い仲間」と最大限賛辞で称えた。それを受けた下野は「協力プレイ前回よりもできるようになった」とチームワーク確かな進化を実感している様子で、「次回はもっと面白いもになると思う」と力強く意気込みを語った。さらには3人降壇した後、スクリーンにはサプライズとして、2026年10月31日に「下野音楽開催されるという特報映像映し出された。これには客席から喜びと驚き入り交じった悲鳴ような歓声り、イベントは最高ボルテージを保ったまま幕を下ろした。

 2時間以上にも及んだ朗読劇だった体感時間はあっという間だった。前回以上にコメディ要素パワーアップし、よじれるほど笑わされたかと思えば、下野本気シリアス芝居に胸を打たれる。最初から最後までトップギアで駆け抜け、笑いと感動、そして演劇的な身体表現までもを融合させたこ唯一無二朗読。最強チームワークを手にした3人見せてくれるであろう、さらなる続サウナ『ナ』」開催を、今はただ心待ちにしたい。

■■イベント情報■■
下野音楽
【日程】2026年10月31日(土)
【時間】開場:16時 開演:17時
【出演】下野
【ゲスト】GRANRODEO・畠中祐・土岐隼一
【会場】アリーナ立川立飛(〒190-0015 東京都立川市泉町500-4)

詳細は後日下野プロジェクト公式サイトおよびXにて公開します。

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