異色のアーティスト達がジャンルの垣根をこえ一夜限りの共演！――イベント「狂宴」ライブレポート

12月14日、Kアリーナ横浜。

タイトルの通り、常識もジャンルも軽々と飛び越える“狂宴”が幕を開けた。ケツメイシ / 湘南乃風 / 新しい学校のリーダーズ / FRUTS ZIPPER___ヒップホップ、レゲエ、アイドル、ダンス、ロックなどさまざまなジャンル・シーンで活躍するアーティストたち。本来なら交わることのなかったはずのアーティストたちが一堂に会し、会場は開演前からただならぬ高揚感に包まれていた。

トップバッターを飾ったのは、新しい学校のリーダーズ。オリジナルの羽織姿で登場すると、1曲目「Go Wild」から一気に会場を引き込んだ。代表曲「オトナブルー」を含む全8曲を披露し、客席に降りてパフォーマンスする場面では、Kアリーナという大きな会場にもかかわらず、その距離感を一瞬で消し去った。MCではメンバーのSUZUKAが「こんな四組が共存するなんて、この一夜限りではないでしょうか？」と呼びかけると、拍手と歓声が湧いた。今年リリースの「One Heart」では、歌詞にある『最高』のフレーズで会場中がシンガロング。完全に一つになった観客の熱をそのままに、次の出演者へとバトンを託した。

続いて登場したのは湘南乃風。1曲目「黄金魂」の一撃で、会場の熱量は一段階上へ。「Joker」では体に響く力強いビートと歌声・圧倒的な一体感とともに全体がさらにヒートアップ。メンバーの若旦那は「今日の『狂宴』は（他の出演者と）一緒にやるのが趣旨だから、お前らとも今共演してるよ」と、イベントのコンセプトに触れつつ、会場を盛り上げた。さらに、新しい学校のリーダーズを再びステージに呼び込み、コラボレーション楽曲「青春永遠」を披露。このイベントでしか見られない、“狂宴”ならではの共演に、歓声は最高潮に達した。その後は「純恋歌」「睡蓮花」といった大ヒット曲を含む全7曲で、会場を興奮の渦へと巻き込んだ。

熱を帯びた空気の中、次に現れたのはFRUTS ZIPPER。今年、紅白歌合戦への出場も決定した大人気アイドルグループだ。代表曲「わたしの一番かわいいところ」からスタートし、会場のボルテージは一気に上昇。全6曲を通して、かわいさだけでなく確かな実力も見せつける。「私たちと一緒に、はちゃめちゃに楽しんでいきましょう～！」という呼びかけから、最新曲であり国民的アニメ主題歌になっている「はちゃめちゃわちゃライフ！」へ。楽しさ全開のポップなパフォーマンスで会場を沸かせると、続く「完璧主義で☆」では高い歌唱力を披露。ラストは「超めでたいソング ～こんなに幸せでいいのかな？～」で会場を多幸感で包み込み、最後まで明るいステージでオーディエンスを魅了した。

トリを務めたのはケツメイシ。全8曲を披露し、イベントを力強く締めくくる。FRUITS ZIPPERと同じアニメの主題歌を長年担当していた楽曲「スーパースター」を歌い終えると、メンバーのRYOがMCで「推しが一組なんて時代は古いですよ！」と呼びかけ、会場の笑いを誘う。その後は、会場の心を揺さぶる「友よ ～ この先もずっと･･･」、そして新曲「我が者達よ」を初パフォーマンス。さらに「君にBUMP」などを立て続けに披露し、観客をより熱狂させた。クライマックスは「カーニバル」。出演者全員がステージに集合し、ジャンルも世代も超えたパフォーマンスで大団円を迎えた。

個性あふれる異色のアーティストたちが集い、この日、この場所でしか生まれ得なかったコラボレーション。

音楽の楽しさと熱狂が凝縮された一夜――まさに“狂宴”の名にふさわしいイベントだった。

［Photo by Real☆Shot MASATO・能美潤一郎・小山田祐介］