世界の歌姫=マライア・キャリーの約7年ぶりの来日ツアーが10月28日(火) 神戸GLION ARENA KOBE (ジーライオンアリーナ神戸) を皮切りにスタートした。今年は“7オクターブの音域を持つ歌姫”として世界に衝撃を与えたデビューから35周年、シングル「オールウェイズ・ビー・マイ・ベイビー」や「ファンタジー」を収録した音楽史に残る名作『デイドリーム』発売から30周年、名盤『MIMI』発売20周年と記念すべき豪華アニバーサリー・イヤーで、ツアー初日から新旧のヒット曲を織り交ぜた贅沢なセットを披露し、大盛況のうちに神戸公演の幕は閉じた。そんな熱狂冷めやらぬ本公演のライヴ・レポートをお届けする。
マライア・キャリー 神戸GLION ARENA KOBE (ジーライオンアリーナ神戸)
TEXT:村岡裕司 PHOTO: KAZUKI WATANABE
10月28日夜、国際都市・神戸がマライア・キャリーで沸いた。日本はもちろんのこと、アジア、そして世界各国から訪れた人々が同地に集結して、彼女の7年ぶりのジャパン・ツアー初日に臨んだのだ。
いち早くソールドアウトとなった当日は、マライアの熱唱を軸にして、音楽監督ダニエル・ムーアを含む4名の精鋭ミュージシャン、デビュー時からの彼女の親友であるトレイ・ロレンツを含む3名のコーラス隊、ストリート感覚とインテリジェンスを合体させた8名の男性ダンサー陣が織りなす、圧巻のパフォーマンスに加えて、会場に詰め掛けた約10000人のオーディエンスの熱気が一体となり、忘れられないホットな一夜になった。会場となったジーライオンアリーナ神戸は、2025年4月にスタートしたばかりの神戸の新名所。海にせり出した岬にそびえ立つお城のような趣のファンタスティックなスポットだ。
マライアにとって、今年=2025年は1990年のデビューから数えて35周年と、大きな節目となる年である。7年ぶりとなる今回の来日公演は、ツアー名を「THE CELEBRATION OF MIMI」と銘打ったように、2005年に発表した名盤『MIMI』から20周年を記念したコンセプトだ。言うまでもなくMIMI(ミミ)はマライアの愛称である。加えてタイムリーなニュー・アルバム『ヒア・フォー・イット・オール』のリリースもあり、同アルバムからのニューヒッツのお披露目も兼ねた、かなり欲張った豪華な内容になっていた。
オープニング曲は、ニュー・アルバムの先行ヒット「タイプ・デンジャラス」だ。どちらかと言えばクールな曲であり、パフォーマンス自体もクールな印象を受けたが、それがいいクッションとなり、続く2曲目として、マライア作品では最も景気づけにふさわしい「エモーションズ」が歌われると、会場は一気に大盛り上がりになった。
以後はベスト・オブ・ベストのNo.1ヒッツ/不朽の名曲のオンパレード。色んな年齢層のオーディエンスを考慮してか、初発表時のオリジナルなアレンジを意識した演奏も親切だと思った。「エモーションズ」を筆頭に、7オクターブ伝説健在のハイトーンのヴォーカルも連発されて、これぞマライア・キャリーと言うべきヴォーカルを満喫出来た。
ダンス・パフォーマンス/DJタイムを随所に挟んだ当夜のライヴは4部構成になっていて、前半の2パートはソニーとアイランド/デフ・ジャム時代のおなじみの曲がメイン。第3部に入るとその流れが変わって、まずニュー・アルバムからの「イン・ユア・フィーリングス」「シュガー・スウィート」が披露された。歌詞とメロディの反復でクセになる「シュガー・スウィート」もいいが、「イン・ユア・フィーリングス」は新たなマライアの名曲誕生を実感させる作品であり熱唱だった。
そして、新曲2曲からリンクするパターンで、名盤『MIMI』からのナンバーが後半の2パートでたっぷりフィーチュアされた。やはり、2曲の全米No.1ヒッツ「ドント・フォゲット・アバウト・アス」「ウィ・ビロング・トゥゲザー」は圧巻だった。
ワールド・ツアーの一環として実現した今回の日本公演は、ここ数年のマライアのライヴ・パフォーマンスの中でもベストの内容だった。先に述べた高音部分も含めて、彼女ならではのヴォーカル表現が生き生きとしていたからだ。マライア・キャリーのような声を酷使するアーティストには年齢の壁もあるが、それを克服したかのような今回の熱唱は、きっと表には出てこないヴォイス・トレーニングの賜物だと思う。
最後に、皆さんお待ちかねの「恋人たちのクリスマス」について。
日本人にとって外せない同曲、歌ってくれました。この執筆は横浜公演前のためネタバレは避けたいが、一つだけ例外、雪が降ります(笑)。
マライアはデビュー以降、「エモーションズ」「オールウェイズ・ビー・マイ・ベイビー」「ヒーロー」「恋人たちのクリスマス」などを始めソロアーティストとしては史上最多の19曲(うち18曲は自作曲)の全米No.1ヒットを連発。1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4つの年代で全米シングル・チャート1位に輝くという史上初の快挙を達成している。類まれな歌唱力と幅広い音域を生かしたボーカルアレンジ、多作に及ぶ作詞作曲のスキル、プロデュースの才能を持つマライアは、まさに現代のポップミュージック界において、多くの後出アーティストたちのロールモデルであり、国内外でのその影響力は計り知れない。
そんなマライアの豪華アニバーサリー・イヤーを祝う来日ツアーは今週末11月1日(土)と2日(日) とKアリーナ横浜で2日間公演を予定しており、その圧巻パフォーマンスは是非見逃さないでいただきたい。
 
                  
■来日情報
●横浜 11月1日(土)  Kアリーナ横浜 OPEN 16:30/ START 18:00
●横浜 11月2日(日)  Kアリーナ横浜 OPEN 15:30/ START 17:00
 
詳細はこちら: https://www.creativeman.co.jp/artist/2025/mariahcarey/

■作品情報
●マライア・キャリー最新ベスト・プレイリスト再生はこちら
https://SonyMusicJapan.lnk.to/MariahBest2025
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