ナガシマトモコ(ヴォーカル)、藤本一馬(ギター)によるユニットorange pekoeが2026年3月1日(日)、神奈川・横浜KT Zepp Yokohamaで「orange pekoe with the Big Band Party Night FINAL!!!」を開催した。
結成は1998年。2002年に発表した「やわらかな夜」で関西のFM局を中心に注目を集め、同年の春にシングル「Happy Valley」でメジャーデビュー。1stアルバム『Organic Plastic Music』がヒットし、一気にブレイクを果たしたorange pekoe。その後もジャズ、ソウル、中南米音楽などを取り入れた音楽性を追求してきたが、昨年10月に〈活動満了〉を発表。12月に最後の作品となるベスト盤『orange pekoe All Time Best 2001-2025 春夏秋冬、日々詠歌』をリリースした。
関東でのラストライブとなったこの日の公演は、森田真奈美Big Bandとのコラボレーションによるビッグバンドスタイルで開催。華やかで奥深い、極上の音楽を共有することができた。
オープニングは「Happy Valley」。藤本の切ないギターの音色、ナガシマの大らかな歌声で放たれる〈みつけて/happy valley sunny happy valley/愛しい日々は側にあるの〉、そして、ビッグバンドのゴージャスな演奏が鳴り響く。さらに心地よくスウィングするサウンドが楽しい「極楽鳥 ~Bird of Paradise~」を披露。「みなさん、今日はビッグバンド、“もりもり”です! どうぞ最後まで楽しんでください!」とナガシマが挨拶すると、会場からは大きな拍手と歓声が沸き上がった。
“君を想うことが、いちばん美しいこと”というメッセージを伝える「Beautiful Thing」、〈それでもまた 歩み続け/君を永遠に〉というフレーズに心を揺さぶられる「輪舞」と25年以上のキャリアのなかで生み出された名曲を次々と演奏。楽曲を重ねるごとにorange pekoeの素晴らしさがしっかりと伝わってきた。
「出会ったときから思ってたけど、一馬の作るメロディは素晴らしくて」(ナガシマ)
「いえいえ。トモコさんの歌声、本当に素晴らしい。……褒め合うみたいになってますけど(笑)、本当にそう思います」
というやり取りの後は、二人のデュオで奏でられた「It’s Dawn」。『orange pekoe All Time Best 2001-2025 春夏秋冬、日々詠歌』にも収められたこの曲は、2025年に発表された新曲。どんなに暗い夜も必ず明け、光を目にすることができるはず。そんな思いが込められたこの曲は、ナガシマトモコ、藤本一馬という音楽家が今もなお、自らの表現を深め続けていることの証だ。
ライブの後半もビッグバンド編成のステージが繰り広げられた。
スピリチュアルジャズの要素を取り入れたアレンジ、〈時をこえて 思いの潮流を乗り越えてゆけ〉という歌詞が互いを高め合う「空の庭」、orange pekoeの存在を知らしめた初期の代表曲「やわらかな夜」、そして、ポジティブな波動と開放的なサウンドが一つになった「Honeysuckle」、ドラムとパーカッションのセッションに導かれ、ラテンのグルーヴが広がった「空に架かるcircle」。ナガシマ、藤本、バンドメンバーもみんな笑顔。踊り、歌い、歓声を上げる観客もまた、orange pekoeの最後のステージを全身で楽しんでいた。
本編のラストは「みんなに愛をいっぱい込めて歌うね」(ナガシマ)という言葉から始まった「太陽のかけら」。〈ここにただ 愛のうた そっと愛のうた/君におくるから〉というフレーズが大らかな響き、会場の高揚感は最高潮に達した。
鳴り止まない手拍子に導かれ、ナガシマ、藤本が再びステージに。
「“満了します”と発表したときに、“歌詞に助けられました”というコメントをたくさん見たんですね。それが嬉しかったのと同時に、僕自身もナガシマトモコが書く歌詞に助けられてきたんだなと実感して。『KUKUI』という曲の〈形あるものはいつか消えるけど/君が“大切にしてきたこと”は消えない〉という歌詞は、ナガシマトモコの歌詞の世界の核にあるような気がしています。音楽を共有した経験はずっと消えないと思うし、どんな状況であっても残ると思っています。今日、大切な時間を僕らと過ごしてくれたことに感謝しています。本当にありがとう」(藤本)
「こちらこそあなたのような素晴らしい作曲家と一緒にできて、光栄でした。ラストライブですけど、みんなも私も生き続けていくし、この先の人生のなかでorange pekoeの音楽がまた違う響きを持って聴こえてくる日もあるかもしれないし、過去のシーンを思い出すこともあるかもしれない。“満了”だけど、これは歴史の新しい1ページだと思ってます。みなさんの存在が、私が歌っている理由。またこういう時間が持てたらうれしいし、それを楽しみにしています」(ナガシマ)
たくさんの思いが込められたMCに、オーディエンスからもこの日いちばん大きい拍手が送られた。アンコールの1曲目は「Selene」。深く、強い愛の在り方を描き出す歌によって、会場全体が豊かな感動で包まれる。最後は「LOVE LIFE」。〈このZepp Yokohamaでしか、君とでなけきゃ ありえなかったonly love life〉というフレーズがもたらす、溢れんばかりの愛も強く心に残った。
3月8日(日)にorange pekoe結成の場所・関西学院大学で行われる「関学凱旋 orange pekoe Final Acoustic Duo Live!」(ファイナル追加公演)で二人の活動は“満了”。この後、ナガシマトモコはTomoko Niaとしてソロ活動。藤本一馬もソロアーティスト、ギタリストとして活躍の場を広げていくはず。2人が生み出す音楽をこれからも楽しみにしていたいと心から思う。
©︎吉場正和
<公演情報>
関学凱旋 orange pekoe Final Acoustic Duo Live!
2026年3月8日(日)西宮上ケ原キャンパス 中央講堂(兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155)
15:00開場 / 16:00開演(18:00終了予定)
主 催:orange pekoe
後 援:関西学院大学、関西学院同窓会、関西学院後援会
協力:DISK GARAGE
▼一般発売
3月3日(火)18:00 〜販売開始予定
お申込 https://l-tike.com/orange-pekoe/
<CD情報>
orange pekoe
『All Time Best 2001-2025 春夏秋冬、日々詠歌』
2025.12.3 release
MHCL-31125~31126(2CD)
高品質Blu-spec CD2
¥4,950 (tax in)
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