2024年7月19日(金)、DIVがZepp Shinjukuにて『DIV ONEMAN LIVE 2024「ZERO ONE #2」』を開催。

約8年振り、再結成後初となる新曲「Never Divided Just Dive」を初披露した。

 

昨年8月に奇跡の再結成を果たしたDIV。再結成ライヴ以降、これまでの時間を取り戻すように、

4人は主催イベントの開催や各所イベントへの出演など精力的に活動を行なってきたが、

今年2月、ドラムのsatoshiが体調不良のため、活動休止を発表。

satoshiの療養期間中は、CHISA、将吾、ちょびの3人で“div”として活動を続け、

今回のZepp Shinjuku公演で再び4人でステージに立ち、完全復活することをアナウンスしていた……のだが、

公演を目前に控えた中、ギターの将吾が脚部を骨折。

しかし、本人の強い希望により、ライヴ当日は椅子に座って演奏をすることとなった。

 

SE「215」が流れ始めると、ちょびの後に、将吾がスタッフの押す車椅子に乗ってステージに入ってきた。

やはり心配していたファンも多かったのだろう。少しだけ照れ臭そうに手を振っている彼の姿に、フロアの空気が和らいだ。

ドラムへ向かってまっすぐ歩いていくsatoshiの姿もいつもと変わらない。そして、CHISAが姿を現し、4人がスタンバイ。

ムーディーなピアノとトランペットの音色が聴こえてくると、ミラーボールが輝き始め、フロアをオレンジ色に染めた。

この日の1曲目は、「ゴールデンキネマ劇場」。CHISAが艶やかな声で歌い出した後、空気が一変。アンサンブルが一気に激走する。

satoshiが凄まじいスピードでフィルを叩き込めば、イスに腰をかけている将吾は、

ギブスをしていない左足でリズムを刻みつつ、笑顔でフロアを見渡しながらヘヴィな音を放つ。

CHISAも凄まじい咆哮をあげ、フロアの熱を一気にあげると「お前らの1日を明け渡せ!」と叫び、

「Chocolate Prayer」と続け、間髪開けずに「LOVE IS DEAD」に突入。

ベースを高い位置に構え直したちょびが、客席と熱いコール&レスポンスを交わし、さらに興奮を高めて行く。

 

この日のライヴタイトルにある『ZERO ONE』は、DIVの1stアルバムのタイトルであり、2ndワンマンライヴのタイトルでもある

(ちなみに会場は、Zepp Shinjukuの向かい側にある新宿BLAZEだった)。

この日着用していた新衣装も『ZERO ONE』のジャケットに描かれていた青紫色の鳥が、

燃え盛る不死鳥のように飛び立つことをイメージして制作したそうだ。

久々の4人でのステージということもあり、当然気合いは入っていただろう。

しかし、ほどよく肩の力が抜けていて、それがしっかりとプレイに反映されていたと思う。

獰猛なサウンドで席巻した「捕食する夢に羊は踊らない」も、繊細な感情を描き出していく「蛍火」や「漂流少女」も、

そしてこの日のライヴタイトルにもある「ZERO ONE」も、凄まじい熱を放ちながら、フロアに向けてまっすぐに投げかけられていた。

 

MCでは、心配していたファンを気遣うように、ジョークを交えながら進めていくメンバー達。

それでいて、何も構えることなく、オーディエンスと楽しそうに向き合っている姿が印象的だった。

「図らずもいろんなドラマが生まれてしまったので、今日はみんなの気持ち、みんなの声に、めちゃくちゃ甘えていきたいと思います! 

甘えさせてください! パワーをください! 会場を夏にしてくれますか!?」と話すと、「夏の行方」へ。

オーディエンスが力強くタオルを振り回し、その言葉に応える。

その光景を見たCHISAは、「正直、俺だけかも……いや、メンバーもそうかもしれないけど、

(「夏の行方」を演奏することに)飽きてる(笑)。と思ってたけど、

今日やっていて、俺が観たい景色はこれなんだ!って思いました」と笑顔で話していた。

 

思い返すと、再結成公演は、やはり「帰ってきた」という印象が強く、

当日のMCでも「また集まったけれど、まだどこへ向かって歩けばいいのか分からない」という話があったことを覚えている。

あの日、止まっていた時間に決着をつけ、再び歩き始めた今の4人に、1ミリの迷いもないのだろう。

 

そんなバンドの状況がよく表れているのが、この日の会場でCDが発売された新曲「Never Divided Just Dive」だ。

彼らの再結成ライヴのタイトルを掲げた同曲は、アンコールの1曲目に届けられた。曲に入る前にCHISAが話す。

 

CHISA「12年前に『無題のドキュメント』というミニアルバムからスタートした俺達ですが、

“無題”から始まったこのバンドの物語に、みんなにとって“バンド人生”とか、“青春”とか、タイトルをつけることができた。

“無題”だった日々に、ようやく名前をつけることができたなって、

去年再結成したときに思わせてもらいました。そんな思いを込めて作った曲です」

 

新曲「Never Divided Just Dive」は、DIVらしい骨太で、エモーショナルなバンドサウンドでありながらも、

柔らかで美麗なコーラスがもたらすまばゆいまでの光に満ち溢れていて、

これまで聴いたことのなかったDIVという印象も同時に受けるアップテンポナンバーだ。

また、歌詞の至るところに彼らが過去に開催した単独公演のタイトルや、これまで発表した楽曲やフレーズが引用されていて、

当時の光景が目まぐるしく移り変わって行くような感覚をおぼえながらも、最後の一節に、いまの心境がしっかりと綴られている。

「天才だと思った。僕らのすべてを歌ってくれた歌だと思った」と、satoshiがこの曲を聴いたときのことを明かしていたが、

間違いなく「Never Divided Just Dive」は、いまを生きる、2024年のDIVそのものといえる1曲だ。

続けて披露した「I swear」で、オーディエンスが灯した様々な色の光が輝く中、

〈これからは僕が君の心の暗闇を照らす光〉とメッセージを届けた後、CHISAが話す。

 

CHISA「誰かの生きる希望になりたいと、そう思って始めたバンドでしたが、気が付いたらみんなが俺達の生きる希望になっていました。

これからもそんな関係でいてください。歌う理由でいてください」

 

彼らがこの日のラストナンバーに選んだのは、「ANSWER」。

『無題のドキュメント』に収録されていて、彼らがDIVとして初めてに世に放った楽曲である。

オーディエンスも力強く拳を振り上げながら声を上げ、共に熱く駆け抜けて行くと、最後にCHISAが叫んだ。

 

CHISA「これがDIVだ! 分かったか!」

 

DIVとは何か。様々なドラマを乗り越えながら、その答えを見つけ出した4人は、ここからも続いていくまだ見ぬ無題の日々に、

きっとまた、新たな名前を付けながら進んでいくのだろう。

この日会場で発売されたCD「Never Divided Just Dive」も通販で購入可能。

MAVERICK STOREにて8月10日(土)から配送開始となり、本日から予約が開始している。

次回のライヴも現在計画中とのこと。その日を楽しみに待ちたい。

DIV ONEMAN LIVE 2024「ZERO ONE #2」

2024年7月19日(金)  Zepp Shinjuku
SET LIST
 
M-1 ゴールデンキネマ劇場
M-2 Chocolate Prayer
M-3 LOVE IS DEAD
M-4 夏の行方
M-5 捕食する夢に羊は踊らない
M-6 東京、熱帯夜につき
M-7 SEASONS
M-8 蛍火
M-9 漂流彼女
M-10 BUTTERFLY DREAMER
M-11 JUSTICE
M-12 イケナイKISS
M-13 SECRET NIGHT
M-14 東京ネクロポリス博物館
M-15 Point of view
M-16 ZERO ONE
 
EN-1 Never Divided Just Dive
EN-2 I swear
EN-3 ANSWER

リリース情報

■NEW SINGLE 『Never Divided Just Dive』
MAVERICK STOREにて独占販売、オーダー受付中。2024年8月10日(土)より発送開始
https://www.maverick-stores.com/div/ 
価格:2,000円(税別) 品番:DIVME-001
<CD収録曲> M1:Never Divided Just Dive / M2:ハラキリメロンソーダ
※CDに着せ替えジャケット封入(2枚1組/全3種)
※MAVERICK STORE購入特典「7月19日、Zepp Shinjukuでのライヴスチールを使用したしおりセット」

Official HP

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