今年6月、4年ぶりとなるフルアルバム『Free to Fly』をリリース。リリース後は最新アルバムを引っ提げ、全国5箇所を回る全国ツアー<AKi Tour 2024 『Free to Fly』>を開催したAKiが7月27日(土) 渋谷WWWにて、ツアーファイナルとなる東京公演を行った。
全国各地で熱く激しいライブを重ね、ピカピカに磨き上げたアルバム収録の新曲たちを中心としたセットリストで超満員の観客を沸かせ、最高温度36℃にも及ぶこの日の気温に負けない熱さでツアーを締めくくった。
 
フロアの照明が落ちてSEが鳴ると、仄暗いステージに一人現れたAKi(Vo&Ba)。
そのシルエットに黄色い声援が上がる中、SEに乗せて野太いベースサウンドを響かせ、音だけで自身の存在を証明。
続いてメンバーがステージに登場すると、両耳に手を当てて湧き上がる歓声を浴びるAKi。
高々とベースを掲げてイントロが流れ、始まったOPナンバーは最新アルバムの1曲目でもある「Devotion」。
AKiの憂いある歌声と、一音一音確認し合うように丁寧に力強く鳴らされるバンドサウンド。
“Devotion=深い愛”を意味するこの曲で、1曲目から観客を楽曲世界へとグッと引き込む。
 
「渋谷! 始めようか!!」とAKiが改めて宣言して始まった曲は「ODYSSEY」。
<どこまでも羽ばたけるさ>の歌詞に、会場中が高く手を上げてジャンプを合わせる。
その様子を眺めたAKiが、「渋谷! とことん楽しめるか? とことんやろうぜ」と嬉しそうな表情を浮かべると、ライブ定番曲「The Inside War」を投下。
パワフルなビートとコーラスにフロアから歌声と拳が上がり、序盤から会場の熱気がどんどん上昇していく。
 
「元気だった? 溶けてない? 暑くない?」と始まったMCでは、「覚悟してね、今日は外よりも熱くするから」といたずらな笑顔を見せ、「今日はなんのルールもいりません。心の底から楽しんで、騒いで、やっちゃってください!」とフロアを煽るAKi。
「どんどん自由に飛べるかい?」と始まった「Free to Fly」は最新アルバムタイトルでもあり、アルバムをひとつ象徴する曲。
ハードロックとデジタルサウンドをかけ合わせ、オリエンタルな雰囲気を匂わす楽曲はAKiの最新型。
多国籍感あるイントロと色気ある歌声が会場の雰囲気を一変するも、自然と体を揺らして手拍子を合わせる観客に違和感は一切ナシ。
間奏ではHIROTO(Gt/Alice Nine.)が、トリップ感あるギターソロで魅了。AKiの「飛べよ!」の煽りが「トベよ!」の意味にも聞こえる快感は、AKiライブの新感覚。
 
アルバム収録曲であり、ライブではお馴染みの「OVERRUN」で沸かすと「FAIRY DUST」へ。
AKiバンドのギタリストであり、AKiの25年来の親友である、たっぱこと加藤貴之(Gt)に加え、ギターにHIROTO、ドラムに影丸(Dr/-真天地開闢集団-ジグザグ)と新たなメンバーを迎えた今回。
アグレッシブなプレイとパフォーマンスで華を添えるHIROTO、正確かつテクニカルなビートと魅せるプレイで魅了する影丸が加わることで、単純にステージの見え方もいつもと違うが、ツアーを積み重ねて生まれた4人のグルーヴや、強烈な個性を放つ4人のせめぎ合いによって、既存曲の聴こえ方も全然変わってくるのが実に面白い。
 
「あっという間だなぁ、ツアー」とツアーの終わりを惜しみながら、「ツアーの中でどんどんアルバムが育って、数本のツアーだけどバケモノみたいにぶち上がってます」と充実ぶりを振り返ったAKi。
「共犯」に続く「Bluffing」では、真っ赤な照明に照らされて女性視点の歌詞を艶っぽく歌うAKiに体を預けるHIROTOを抱き寄せたり、影丸がアウトロで超絶ドラムソロを披露したりと、このメンバーならではのステージングが展開。
AKiの感傷的なハイトーンボイスが胸を締め付けた「SCREAM」では、加藤がアコギのメランコリックなギターソロで魅了し、眩い光に照らされるAKiが神々しく映ったバラードソング「FATE」では、HIROTOがたっぷり感情を込めたギターソロを披露。
1曲1曲から、ツアーの成果と充実ぶりがうかがえる。
 
本編最後のMCでは、「このツアー、奇跡みたいな瞬間がたくさんありました。1ヵ所1ヵ所、こんな違うもんかな?と思う素敵な旅になりました」と語ったAKi。
「最高の瞬間をどんどん上書きして、このツアーがマジでヤベェってこと、証明してくれますか!?」と、「libido」で始まった終盤戦は、AKiのベースがリードする攻めの演奏でブチアゲた「Silly」、息の合ったツインリードギターで魅せた「Brave New World」と続き、フロアの盛り上がりも最高潮。
 
アルバム収録の新曲ながら、タイトなビートと切れ味鋭い各パートのプレイでしっかり魅せ、強固なバンドアンサンブルを聴かせた「Salvation」がクライマックスを生むと、「このツアーを支えてくれたやつがもう一人いたな! コイツがいなければ、ツアーが始まらなかった!!」とAKiが叫び、YOUSAY(Gt)が登場。
ツアー初日に体調不良で参加出来なかったHIROTOに代わり、サポートを務めたYOUSAY。
本編ラストとなる「The Same Dream」をトリプルギターの5人編成による重厚なバンドサウンドと疾走感あるビートで駆け抜けると、
AKiが興奮気味に「騒げ!」と叫び、激しく賑やかに本編を締めた。
 
色鮮やかで愛に溢れたロックチューン「Colors」でピースフルに始まったアンコールは、AKiが一人ずつ紹介してサポートメンバーが挨拶すると、「次のライブが決定しました! 12月21日(土)、22日(日)2DAYSです。2日間とも全然違う曲やります!」と、毎年恒例のクリスマスライブの開催を発表。
「まだ約束出来ないけど、新曲作っちゃおうかな? アルバム作ったばっかだけど、新曲作りたい欲がすごいのよ」と期待を煽ると、フロアから大きな歓声が上がる。
続いて、「もうひと盛り上がりしようか?」と始まった「狂奏夏」で予告通り、フロアを外より熱くしてタオル回しで熱風を起こすと、「STORY」で会場内の最高気温を更新させる。
 
アンコールも残り2曲というところで披露したのは、最新アルバムラストに収録されたバラードソング「Only One」。
ミラーボールの光の下、たっぷり気持ちを込めた優しく温かい歌声で、観客一人ひとりに向けて愛や歓びや感謝の気持ちを届けたAKi。
熱いメッセージに感動する観客から歓喜の声が上がる中、「みんな、本当にどうもありがとう」と感謝の言葉を伝えたAKi。
 
さらに「みんなからもらったものを、これからも自分の音楽、そしてシドっていう俺のすべてに持って帰れるような気がします」と話し、「当たり前のことかも知れないけど、今日やったライブが俺って人間のすべてです。刻みつけてください、そしてこれからも一緒に歩いていきましょう」と真摯に語ると、「最後にこの4人、YOUSAY、スタッフ、そしてみんなに送ります!」と「Skyfall」を披露。
祈るような願うような歌声が会場を浄化する中、曲中には「このツアーで出会ったすべての拍手と声援に、心から感謝します。どうもありがとう!」と溢れる想いを叫んだAKi。
ラストは全員が歌声を合わせ、めいっぱいの多幸感が会場を包む中でライブをフィニッシュ。
終演後、「12月、また会おうね!」と、名残惜しそうに手を振り続けていたAKi。
今日の興奮と感動と温かい気持ちをしっかり心に刻んで、また会える日を楽しみにしたい。

ライター:フジジュン

photo by 上原 俊、hy

AKi Tour 2024 『Free to Fly』
2024年7月27日(土) 渋谷WWW
 
SET LIST
01. Devotion
02. ODYSSEY
03. The Inside War
04. Free to Fly
05. OVERRUN
06. FAIRY DUST
07. 共犯
08. Bluffing
09. SCREAM
10. FATE
11. libido
12. Silly
13. Brave New World
14. Salvation
15. The Same Dream
 
En01. Colors
En02. 狂奏夏
En03. STORY
En04. Only One
En05. Skyfall

≪ライブ情報≫
■タイトル未定
2024年12月21日(土) SHIBUYA STREAM HALL
 
■AKi FAN EVENT 2024 LIMITED SPACE #07 - X'mas Special -
2024年12月22日(日) SHIBUYA STREAM HALL
 
詳細は後日発表!

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